”駆けぬけるおっさん”が 旬な試乗記をお届けする Fisher's Blog
今日の試乗記は マツダ渾身の新型ロードスター”ND”から派生した
日本で生産されるイタリア車”ABARTH 124 spider”です。
***まず最初にお断り***
124spiderオーナー及び 納車待ちの方はこれから先は絶対に読まないでください。
検討中の方は一読いただいてご自分で試乗されることをお勧めします。
今回の試乗記は 珠玉のストレート6であるS54エンジンと超軽量級で日本車では絶対ありえないピーキー「なエンジン特性を持つスマローに乗っているある意味基準がずれてるおっさんが好き勝手書きなぐってるだけですので、一般の方とは感じ方がかなり違うことを前提でお読みください。
大きさがうちのBRABUS君と似ているので少しスペック比較を・・・・
・・・と書きながら Z4Mのサイズに近いのが判ったけどめんどくさいのでこのままいきます。
ABARTH 124 spider(6MT) スマローBRABUS
サイズ 4060×1740×1240mm 3440×1615×1185mm
重量 1130Kg 850kg
ホイールベース 2310mm 2360mm
パワー 170PS 101PS(チューンで実力120ps程度)
排気量 1368cc(4気筒ターボ) 698cc(3気筒ターボ)
重量はZ4MとBRABUS君の中間
サイズはZ4Mにかなり近いけど、パワーはBRABUS君に近い。
このことから ある程度キャラは見えてくる・・・・・・
エクステリア
試乗車はROSSO COSTA BRAVA 1972 レッドにオプションのABARTH 124 spider ヘリテージルックをラッピングで施したもの(Dラマンが塗装バージョンって言ってたけど塗装であんな段差を付ける理由無いのでラッピングと思います。)
赤いボディーカラーに黒いスポークホイールってウチのZ4Mと同じ組み合わせ
親ばか承知で言わせてもらうと・・・・・
”Z4M カッケー!” ”124 spiderって なんか普通っぽくない??”って感じです。
NDロードスターが徹底的にこだわった前後のオーバーハングの短さ。
このオーバーハングが短いコンセプトってZ4Mもスマローも全く共通です。
せっかくNDロードスターで達成していたバランスが良く一体感のあるプロポーションがぶち壊し。特に前のライトがでかくて無駄にオーバーハングが長い感じが出ていることがスポーティー感が無いんだよな~。
ウエッジシェイプにしてその結果オーバーハングが長くなってしまったというスーパーカーにありがちなスタイルならまだしも、厚みのあるまんまオーバーハングが長くなるとなんかまとまりが無いです。
それと 日本で生産する宿命か? タイヤとフェンダーの間が大きすぎるのが雰囲気ぶち壊しになってます。
ヘリテージルックのOP価格は塗装で38万円、ラッピングで23万ですが、その価値は感じられない。そのお金をいずれアフターで出るであろうカーボンボンネットに回したほうがマシだと思います。
まあ エクステリアに興味があったわけでもないですが・・・・
も少し イタリア~ンなスポーツカーらしい雰囲気が欲しいと思いました。
インテリア
試乗車はOPのレザーシート/ナビゲーションパッケージ:216,000円が装着されていた。ノーマルでも 座面と背面がアルカンタラということなのでひょっとしたらノーマルのほうがその他のOPのアルカンタラ内装とマッチングがよいのかもしれない。
ともあれ NDロードスターと比較するとかなり高級感があり好印象。
シートの座り心地もまあまあ良い感じだけど ホールド感はイマイチ
ホールド感は順番で言うとZ4M→スマロー→124 spider
ハンドルは握りが細めで径が意外に大きいと感じた。
全体的には価格なりの仕上がりと感じました。
走行インプレ(短めだけどそこそこ回せて そこそこコーナリング確認できるコース)
エンジン&ミッション
最初スタートしようとすると・・・
やっぱ極低回転のトルクが細い
NDロードスターよりもマシだけど、3000rpm以下だとターボラグもすごくて使い物にならない。かといって回してみてもターボラグはあんまり改善しない。
スポーツモードにすると多少マシだけどレスポンスが悪すぎて・・・
「これじゃ峠走ってもつまらないなあ」という感じです。
Dらマンは「でかいタービン装着してるのでラグはどうしても大きい」と弁解してたけど・・・・
BRABUS君でドッカンターボ&BIGタービンのターボラグに慣れてる僕でさえ
「これは あかんな・・・・」と思うくらい。
端的に言えば”きびきび走らせるのは非常に難しい”ユニットです。
FRの醍醐味って”後輪で姿勢を変えられる”ってことで、それに重要なのはレスポンスだと思います。
パワー無いけどNDロードスターの1.5Lユニットのほうが楽しめそうです。
ちなみに加速感はBRABUS君の方が上だしゾーンに入った領域でのレスポンスも完全にBRABUS君の勝ち
実際の速さは124 spiderのほうが速いんでしょうけど、感覚がもっさりしてるんだよなあ。ROMセッティングで改善できる可能性は高いので買われた方はROMチューン必須でしょう(^^;;;
クラッチとかシフトフィールとかは 非常に馴染みやすく、NCロードスターのミッションを採用したらしいので納得です。
ブレーキ
ブレンボ製を装着しているのですが、特にその恩恵を感じることも無く、コントロール性も「まあ普通かな?」といった感じです。
なにしろNDロードスターとハブを共有しているのか?ブレンボにもかかわらずホイール4穴です。
サスペンション
NDロードスターよりも明確に硬いです。雰囲気的にはZ4Mと似たような感じ。
初期入力に対して固く感じるけど、コーナーで荷重かけると大きくロールしていく。 個人的にはまあ好きなセッティングなので、はじめた乗った車にもかかわらずそこそこエイっと行けました。
このセッティングってコーナリング途中にアクセル踏むとリヤに荷重がかかっていく感じがわかりやすいと思うのですが・・・・・なんせEGレスポンスが悪いので思うように姿勢が作れず気持ち良くない残念な感じです。
総合インプレ
メディアの試乗記事が好評だったので 期待して乗ったのですが・・・・
僕の評価では そのまま乗るには"残念で不当に高価な車”となります。
乗り出し500万は高すぎる。
未だ試乗してませんが ND-RFロードスターのほうがかなり期待できると思います。