中国の製造業が日本製品を超える高い品質の製品を作り出すためには何が必要だろうか。中国メディアの機経網はこのほど、同問題を提起し、中国企業にまず必要なのは日本の企業理念に学ぶことだと論じている。
中国製品の品質向上に向け、記事は技術力そのものではなく、技術力の源泉である企業理念に重点を置くべきだと主張。肥沃な土壌が美味しい野菜を豊かに産出するように、高品質の製品を作り出す日本の企業理念を身に着ければ、中国企業も自ずと高品質の製品を作り出せるようになる。まず土を整えようというのが記事の主眼だ。
日本の企業理念として記事はまず匠の精神に言及。品質を一途に追求する精神が日本の長寿企業の生命力になっている一方、多くの中国企業はこの精神をほったらかしにしていると記事は指摘している。さらに、ご飯を美味しく炊き上げる内釜の開発に惜しみなく精力を注ぎ込んだ日本の電気炊飯器メーカーの事例を紹介、こうした実例は中国企業が匠の精神の「イメージをつかむ」点でとても有用だといえる。
記事はさらに中小規模で企業運営することを武器にする日本の企業理念を紹介。中国では企業規模の拡大こそが生存の「絶対条件」だと認識されているが、実際は中小規模で企業を運営するほうがより有利に、より長く競争を戦えると記事は強調。さらに中国企業のために実例を紹介、日本のある精密部品メーカーは中小企業でありながらも極小歯車の世界市場で70%ものシェアを握っていることを紹介している。中小企業は技術と品質があれば、大企業とも競争できることを示す実にわかりやすい事例だ。
また記事は「先義後利」の企業理念を日本から学ぶべきだと説明。企業の利益よりも社会貢献や消費者のメリットという義を優先すべきという考え方だが、現代の中国企業は利を追求するあまりこの「宝のように大切な理念」をなくしつつあると指摘。日本のある醤油メーカーは世界シェア50%を握る大企業だが、自然環境の保護に積極的に取り組んでいると伝え、こうした企業理念が優秀な人材を引き寄せるための魅力になっていると説明している。
中国企業が日本の企業理念から学び、変化するのは簡単ではないことを記事は認めているが、数々の実例を紹介したうえで、「日本の企業理念は理想論ではなく、品質の高い製品を生み出すための生きた力である」と強調し、中国企業が積極的にこうした理念を身に着けるよう力をこめて訴えた。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF) :サーチナ 2016-03-18 11:20
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2017/02/15 15:01:26