日本のメーカーであるタカタのエアバッグ問題は、日本国内のみならず世界の自動車業界を揺るがす大きな事件に発展。中国でもリコールが相次ぎ、社会問題の1つとして注目されてきた。中国メディア・捜狐は21日、「タカタ問題」の影響力から日本の自動車産業の「凄まじさ」を再認識させる記事を掲載した。
記事は、同社のエアバッグの欠陥が世界の多くの自動車メーカーによる大規模なリコールを生んだことについて「どうしてこんな小さなエアバッグによって、これほど多くのメーカーが犠牲になったのか、と問いかけてしまう」としたうえで、「実は原因はすごくシンプル。タカタが世界のサプライチェーンにおいて巨大なシェアを持っているからなのだ」と論じた。そして、同社のエアバッグをはじめとして、自動車本体をはじめとするさまざまな自動車関連分野において日本メーカーが市場を牛耳っている状況を紹介した。
まず、自動車本体では「日本はトヨタ、ホンダ、日産など世界的な自動車企業を8社も生んだ」と説明。ドイツでもフォルクスワーゲン、BMW、メルセデス・ベンツくらいで、米国も世界レベルのメーカーは少なく、中国は皆無であるとして、その「凄まじさ」を伝えている。
次に、自動車部品産業が非常に充実しており、日本メーカーの「自給自足」を実現するのみならず、世界の自動車産業に貢献していることを挙げた。さらに、自動車部品の枠を超えて、素材をはじめとする各種工業分野においても高い技術を持った日本メーカーが顔を揃えている点も併せて示した。
そのうえで、日本の自動車工業の「凄まじさ」は、同時に「強いことで生まれる独占の怖さ」も持っていると解説している。一方、中国の自動車工業は「成熟した本土メーカー車のほとんどは国外の部品の組み合わせである」と指摘。エコカーを主力とする未来の自動車産業で存在感を示すには、「強い自動車本体メーカーを作るのと同時に、世界先進レベルの部品企業も作らなければならないのだ」と論じた。
トラブルの発生により、日本の自動車産業の強さを再認識するというのはやや残念な話である。ただ、シェアの大きさは問題発生時に負う責任の大きさでもある、という点は間違いない。日本のメーカーは、シェアを奪いにかかって来る各国企業の挑戦を受けつつ、「世界中のドライバーの安全を担っている」という使命感と責任感を持ち続けなければならないのだ。「凄まじさ」の再認識は、その警鐘と言えるかもしれない。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)
:サーチナ 2016-03-22 20:18
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2017/04/02 16:09:22