1つの学問には往々にして、様々な学説が存在する。それぞれの学説は時として、互いに衝突や激しい議論を繰り広げる。また、衝突や議論の中から、新たな学説が生まれてくる。こうして学問はより深く掘り下げられ、発展していくのだ。中国メディア・今日頭条は10日、中国を起源とする漢字を巡って3人の日本人研究者が、一歩間違えれば乱闘が起こりそうなほどの大ゲンカを繰り広げたとする記事を掲載した。
記事が紹介したのは、「白川静」、「加藤常賢」、「藤堂明保」という日本を代表する漢字、古代中国研究の専門家3人。白川氏は京都大学で博士号を取得、宗教や巫術の角度から漢字を研究し「それぞれの漢字にはシャーマニズムの背景がある」との学説を打ち出したと紹介した。加藤氏については「説文解字」に忠実に基づく手法で漢字研究を行い、「漢字学者というよりも、『説文』学者と称されていた」と説明した。そして藤堂氏については白川氏と同じ年に東京大学で博士号を取得しており、音韻学のアプローチから漢字研究を進めてきたとしている。
そのうえで、1970年に白川氏が新たに研究所を出版したことが、3人のバトルの引き金になったと紹介。出版社の編集者が藤堂氏に書評を以来したところ、藤堂氏は白川氏の学説を全否定するとともに編集者までも批判を加えたとした。藤堂氏の罵倒に対して白川氏も怯むことなく反論、編集者を貶めたことへ怒りを示すとともに、藤堂氏が主張する音韻学的アプローチの姿勢を逆批判したと伝えた。
また、加藤氏も白川氏の書籍に対して、批判的な態度を見せていたとし、藤堂氏のように激しい論調ではなく、講義のなかで批判を繰り返していたと説明。噂はやがて白川氏の耳にも届き、白川氏は加藤氏に対しても「反撃」を行ったとしている。記事は「3人の学説にはそれぞれ、優れた点と至らぬ点があった。しかし、市場のニーズという点では、世の中には白川氏が書籍中で示した観点を支持する傾向があった」と紹介した。
漢字を巡る日本の著名学者3人による激しい「衝突」について、中国のネットユーザーは「中国の学問について国外の専門家がこれほど研究していることについて、国内の偉大な専門家先生たちはどう思っているのだろうか」、「この3人の大先生に感謝したい」、「われわれ中国人が自ら研究した、文字に関する書籍はどうなんだろうか」、「日本人学者の研究は素晴らしい」といった感想を残している。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF) サーチナ 2017-12-14 07:12
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2017/12/15 10:15:22