中国人の高齢者は友人を食事に招待するとき、その友人への愛情表現として「お腹いっぱいになるまで食べてください」という言葉を口にする。これは食べ物に事欠いていた以前の中国がいかに貧しかったかを示す言葉だと言えよう。
中国は急激な経済成長を遂げたが、依然として発展途上国に分類されている。また技能実習制度を利用して日本で働く中国人の存在も、中国はまだ決して経済的に豊かな国ではないという印象を抱かせる要因となり得るが、中国メディアの金投網は17日、「一部の中国人はお金持ちすぎる」と論じる記事を掲載した。
記事は国連世界観光機関(UNWTO)の報告として、2016年の中国人旅行客の国外における消費総額が2610億ドル(約28兆3449億円)に達し、前年より110億ドル(約1兆1946億円)も増加したことを紹介。これは米国人の国外における消費総額をはるかに超えると指摘し、米国人はみな「中国人はお金持ちすぎる」と驚いていると説明した。
また爆買いで有名になった中国人の消費は日本の国内総生産(GDP)に多大な貢献をしているとし、日本のみならず、世界中の国が中国人旅行客を大歓迎しているとしたが、高高度ミサイル防衛システム「THAAD(サード)」の配備をめぐって中国人旅行客を失った韓国は「ひどく惨めな状況に陥っている」と指摘した。
一方で記事は、実際はすべての中国人が「お金持ちすぎる」わけではなく、年収が7000ドル(約76万円)以下の中国人は労働人口の約8割を占めていることを指摘。中国には「富んでいる人も一部で存在するが、貧しい人はさらに多い」として、海外における爆買いが中国の本当の姿を映し出しているわけではないと論じた。
記事は中国人の国外消費総額が米国人をはるかに超えると指摘しているが、UNWTOによれば16年の米国人旅行客の国外消費総額は1220億ドル(約13兆2493億円)であり、中国人旅行客たちは全体で米国人の2倍以上の金額を国外で消費したという計算になる。だが、海外における爆買いが中国の本当の姿を映し出しているわけではないという指摘のとおり、貧富の格差が極めて大きい中国ではその日暮らしの生活を強いられている人も数多く存在する。所得格差の程度を示す指標として「ジニ係数」があるが、中国のジニ係数は暴動が起きてもおかしくない水準にあるとの分析もあり、「お金持ちすぎる中国人」は全体のごく一部であることは間違いない。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF) :サーチナ 2017-04-20 09:12
Posted at 2017/04/22 16:41:56 | |
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