トンネルを抜けると穏やかな入り江が見えてくる…
深い碧色…
漁船のエンジン音…
そして尖り屋根の小さな教会…
今回の目的地である天草崎津教会、漁港に佇む海の天主堂だ…
今後、崎津集落として世界遺産登録を目指すということを知り、その美しい漁村景観を再確認するという意味でここを訪れることにした…
名物の杉ようかんをパクつきながら歩く…
三脚にカメラ…目立つ格好なのだろう…(笑)
「おはよう。いい天気だね。どちらから来たの?」
すれ違う人達は、皆人懐こく気軽に声をかけてくれる…
たったそれだけのことが異邦人の私にはとても嬉しい…(笑)
もともと天草では、この地を中心にキリスト教が栄えたのだが…
徳川幕府による禁教令、そして天草島原の乱での天草四郎亡き後、さらに激しいキリシタン迫害の嵐が吹き荒れることになる…
特徴的な尖塔の上に十字架を掲げたゴシック風建築
虚飾は最小限で質素
あくまでも祈りの場としての実用美を感じさせる…
教会の中に入ると、質素な外装とはうって変わって、決して華美ではないが清楚で荘厳な雰囲気に包まれる
ステンドグラス越に差し込む光が柔らかい…
私は、キリスト教の信者ではないが、自然に祭壇に向かって頭を垂れる
ん?
祭壇の片隅に座り込んでいる一人の老婆が、一心に祈りを捧げている
その時初めてここが畳敷きということに気付く…(笑)
ちなみにこの教会の祭壇のある場所で迫害時代に厳しい踏絵が行われていたという…
庭先にはマリア像がある…
優しい表情と柔らかな雰囲気が印象的でしばらく見入ってしまった…
隠れキリシタン達は、明治5年(1872年)にキリシタン禁制が廃止されるまでの約260年もの長い間、生命や財産の危険をもかえりみず、ただひたすら隠れ、ただひたすら忍んできた…
「天草崩れ」…
天草四郎亡き後、約160年もの間、命を懸けて隠しとおしてきた秘密…
ここ崎津、大江を含む天草西海岸で5千余人もの隠れキリシタンの存在が発覚してしまうことになる…
教会の裏山の登り口にある崎津諏訪神社…
教会と神社の位置関係に妙な違和感を感じていたが、実はこの神社がその取り調べの舞台となったという話を聞いて納得する
キリシタン達は、自らの信仰を守るため、その隠れ蓑としてこの神社の氏子となったという…
そして、隠れキリシタン達は、全員極刑…
ということにはならず、これも時代の流れなのか改宗を条件に赦免となる…
波の状態もあるが、長秒露光は船が揺れてちょっと厳しい…(笑)
崎津教会の朝景…
運が良ければ「朝霧」に出会えるが、この日は風があり残念な結果に…
夜明けのチャペル…
こちらは、崎津から車で10分程度の距離にある大江教会…
美しい白亜の天主堂…
崎津教会より少しだけ大きいロマネスク建築…
崎津教会に比べこちらのライトアップは、なかなか賑やかな印象…
祈りを捧げる少女ベルナデッタの像
大江教会のマリア像は、美しすぎて正直近寄り難い…(笑)
「ルルド」の聖母マリアと祈りをささげる少女ベルナデッタの像
二人の位置関係はこうなっている…(笑)
ルルドとは南フランスにある町の名前で、聖母マリアが出現したといわれている洞窟、聖なる泉がある場所
実は、崎津教会のそれにも同じものがあるのだが…どちらのマリア像にもそれぞれの良さがある…(笑)
沖合遙かに貨物船が見える…
なぜ隠れキリシタン達は自らの危険も顧みず、愛する家族の危険も顧みずそうまでして信仰を貫いたのか…
毎日のほほんと生きている私にとってはその本当の心に触れることはできないのかもしれない…
でも、今はただ…マリアの祈りとともにキリシタン達もまた代々その目に映してきたであろうずっと変わらないこの風景を、その記憶を、心に刻みたいと心からそう思った…
あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。
今回は、長くなりました~、しかも焦点ボケてます(笑)
最初は、重い話すべてを盛り込んだ2話構成にしようと思いましたが、教会の内装や、踏絵、マリア観音等資料のすべてが、撮影不可でしたので、紀行記的なものにしました。さらに潜伏キリシタンと隠れキリシタンを隠れ~に統一しておりますほか、いろいろ割愛いたしました…(笑)
乱筆乱文本当にお許しください…
そして、今回の舞台となった隠れの里…崎津、大江…
熊本市内から車で3時間かかってしまいますが、何処で夕日を迎えようか真剣に悩むくらいとても素敵な場所ですよ!
是非、皆さんにも見ていただきたいなあと思います。(崎津の朝霧を誰か見せてほしいです)
その時…その場所で…
さあ 明日は何に出会えるのかな…(笑)
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