ロンドンタクシー、だだ今充電完了

職場のある銀座の街をランチタイムに歩いていたら、ふと見慣れぬ黒い車が。
あ、ロンドンタクシーだ。
フツーのクルマより一回り大きな車体は一目でわかる存在感。
しかもこのタクシー、後席にお客さん乗せて、ホントに営業してるじゃん。
屋根にはタクシー会社の行燈を付け、ボディには小さく会社名など所属が書かれている、正真正銘のタクシーだ。
極稀に英国車専門店の店先で、古いオースチンのブラックキャブを見かけたりすることはあるけど、まさかここ日本において現役でフツーのタクシーとしての営業車があったなんて、知らなかった。
銀座で見かけたモデルは、現在の英国で最もポピュラーなタクシー専用車種、TX4。

クラシックな雰囲気は持たせつつも機関や装備は最新のディーゼルモデルです。(どうやら、日本に輸入されているのは排ガス規制の関係上ガソリン車のようです)

そういえば、ロンドンの次世代タクシープロジェクトに日産のe-NV200が選ばれた、なんてニュースが何年か前に話題になりましたよね。
(過去のブログ”実はLCVが好き 日産NV200タクシー編”を読んでね)

わんどらは過去ロンドンで数ヶ月暮らしたこともあり、あの黒いタクシーには親近感があります。
しかし、日産の次世代タクシーのニュースなどを見ると、今、ロンドンタクシーは変化を遂げようとしているのが伺えます。
そんな事から、今どきの英国のタクシー事情って一体どうなってるんだろ？という興味を持って、少し調べてみました。

まずはメジャーブランド、LTI社(社名もそのままロンドンタクシーインターナショナル)から。
ザ・ロンドンタクシーとも言えるTX4が相変わらずの定番ではあるのですが、実は昨年秋にその後継モデル、新型TX5を発表したんです。

オースチン譲りの古き良きイメージは残しつつも、キャビンの居住性を高めた(と同時にスタイリングはフツーのトールワゴンに？)モデルチェンジですが、こちら何と、電気自動車になったということなんです。

対して、ロンドンのタクシー業界を二分するメーカーであるメトロキャブ社からも新型がデビューです。
こちらのメーカーは、オースチンのエッセンスを受け継ぐLTI社のモデルとは異なり、四角いデザインが特徴的なブラックキャブをリリースしてきましたが、今回の新型は、少しばかりクラシックに振った出で立ちが伺えます。

そしてこのメトロキャブの新型も、電気自動車なんです。

先に発表された前述の日産e-NV200も電気自動車ということを考えると、ロンドンタクシーはいよいよ電気自動車一色のラインナップになります。
かつての産業革命にて自動車という文化を生み出し、”霧のロンドン”なんて言われていた世界有数の都市ですが、時代が変わりこれまで以上の青空が広がることになるんですね。
(かのアジア大陸の巨大都市にも見習って欲しいかも！？)

次々とリリースされた電気自動車版ロンドンタクシーのモデルたち。

ロンドンの街を走るタクシーの数は莫大なだけに、これらが一気に電気自動車に変わったら充電スタンドとか大丈夫なの？なんてインフラの普及も課題になりそうですが、日産リーフやヴォクスホール(オペル)アンペラなどの電気自動車の普及も比較的早い英国ですから、多分心配は無用なんでしょうね。

そんな電気自動車タクシーへのスイッチ。
既存車種からの入れ替えにはまだしばらく時間がかかるのかと思いますが、いつか再びロンドンを訪れる時には、これまでのディーゼルのガラガラ音の響きとは違う、スマートな送迎を受けるのかもしれません。