我が家には妹にやれるような車がないため、新規に妹専用車が必要になりました。
妹の使途や生活環境を考えれば立体駐車場に入庫可能でコンパクトな車が望ましいところですが、
東京のはずれから埼玉の実家まで高速を使って帰省したいという本人の希望から軽は除外。
いくら最近の軽は性能がいいといっても絶対的にはパワー不足ですし、高速安定性にも一抹の不安が。
個人的な見解ですが、初心者は性能的にドライバーの不慣れさを
ある程度フォローできるだけの余裕がある車を選ぶのがいいと考えます。
高速の合流などで加速に要する時間は短い方がいいですし、
安定性が高ければドライバーの負担も低減します。
そういう意味では軽はある程度運転に慣れた人向けだと私は思っています。
かといって私のような場合はむしろ余裕ありすぎでこれもどうかと思いますが(笑)
そんなわけで、ほぼ5ナンバーのコンパクトカーから選ぶことになったわけですが、
ここで私と父が設定した条件としては「横滑り防止装置(以下ESC)」が付けられるというものでした。
ESP、DSC、VSC、VDC、VSA…メーカーごとに呼び方は様々ですが、
要するにスピン防止機構です。
スポーツドライビングには邪魔とされるこの手の装置ですが、
車が急にスライドした時に適切に対処できる人は
プロのレーサーでもない限りそうそういないのではないでしょうか。
妹が帰省時に通るルートには首都高速も含まれていますが、
雨の日の首都高速の継ぎ目はとても危険なことが知られています。
見通しの悪いコーナーの先に障害物があって緊急回避が必要になるかもしれません。
ESCさえあれば絶対安全、というわけではもちろんありませんが、
それでも様々なシチュエーションを想定するとやはり
ESCの類はあるに越したことはないと思うのです。
(軽自動車を除外した理由の一つでもあります)
そこで国内外問わず様々なコンパクトカーを調べてみたのですが、
国産コンパクトカーでESCが装着できる車となると
非常に限られてくることが分かりました。
妹が「国産の中ではこれがいい(見た目的な意味で)」と言った
キューブを擁する日産車は全滅、マツダもデミオには設定なし。
ヴィッツ、フィット、スイフト、コルト等には一応設定があるものの、
いずれもRSやスポーツ、バージョンRといったスポーツグレードでしか選択できません。
スポーツグレードに乗る人は飛ばすという想定に基づいた設定なのかも。
一方、輸入車ではVWポロ、ニューミニ、プジョー207、新型フィアット500など
目ぼしい車には全グレードにESCが標準装備されています。
販売価格が国産車とは全然違いますから多少アンフェアな比較ではありますが、
それでもオプション設定すらないのは疑問です。
シャシーの設計の悪さを電子制御で誤魔化すようなマネは良くありませんが、
設計のいいシャシーに最後の切り札としてのESCはあることが望ましいと思います。
衝撃吸収ボディやエアバッグ等のパッシブセーフティ=「ぶつかった後」
の安全性に関しては日本車も非常に高いレベルにあると思いますが、
その前に大切なのはアクティブセーフティ=「ぶつからないこと」ではないでしょうか。
「アクティブ」が物足りなく感じられるのはある意味日本らしいかも(笑)
販売価格等の折り合いで難しいことかもしれませんが、
ESCがなるべく多くの車に標準装着されるようになって欲しいと思います。
そんなこんなで第一候補はフィットRSのCVT車でした。
が、妹の好みその他諸々の事情によって別の車に、というわけで写真の車です。
在庫車で値引きがあったとはいえそれなりの車なので大切に乗ってもらいたいものです(笑)