8月5日と6日に味の素スタジアムで開催されたももいろクローバーZのライブ「ももクロ夏のバカ騒ぎ2017 -FIVE THE COLOR Road to 2020- 味の素スタジアム大会」に2日とも参戦してきた。
今年の夏のライブは、過去3年間お祭りとの融合として行ってきた桃神祭をお休みして、スポーツとの融合をテーマとして行われることになっていて、いったいどんなものが見られるのか興味津々だった。
初日は昼過ぎに電車で会場入りして、場外に設けられたステージでの若手アイドルのパフォーマンスを見たり、飲食ブースのカレーライスで腹ごしらえしたりして過ごした。もう完全にライブというよりお祭りのノリである。
ちなみにこの日は、上はももクロ公式グッズの黒いTシャツで下は普通の半ズボン、頭は帽子無しで「笑顔で天下統一」と記されたやはり公式グッズの黒いハチマキを締める、という出で立ちでライブに臨んだ。
ももクロの大きなライブでは当日まで座席がどこになるかが分からないが、初日に引き当てたのは、アリーナの前から10%くらいの上手側という、かなりいい場所だった。2日目は知人のチケットの同行枠で、ステージからはかなり遠いスタンド席だったが、会場のほぼ全体が見渡せて、ペンライトの光の海を見るのも趣があった。席がどこだろうと楽しまなきゃ損!
オープニングの後ステージに登場したのは、総勢130数人からなる関東学院のマーチングバンドだった。吹奏楽でのファンファーレの演奏と、それに合わせて大きな旗を振り回すパフォーマンス、圧巻のひとことだった。もうひとつの驚きは、バンドのメンバー全員が、黒い上着と黒い長ズボン、てっぺんに房の付いた四角い帽子というフォーマルなユニフォームで決めていたこと。午後5時を過ぎて少し涼しくなったとはいえ、30℃前後の暑さなのにである。この日共演したアスリート達への最大級の敬意なんだろうと思え、その心意気がうれしかった。
初日の1曲目は、8月2日にCDが発売されたばかりの新曲「BLAST!」。この曲、ひとつ前のブログで書いたとおり、発表されてすぐに好きになったが、スタジアムで大音量で聴くとぜんぜん別物というくらいド迫力で、アドレナリン出まくりという感じだった。と同時に、吹奏楽用にアレンジしたらピタリとはまるんじゃないかという印象を持った。ももクロの曲と吹奏楽の組み合わせは、シエナ・ウィンド・オーケストラや湘南台高校が演奏するCDが既に発売されているが、それ以降にも合いそうな曲が多く出ているので、是非もう一度やってほしい。
「BLAST!」は自分との戦いに挑む人を励ます内容であるのに対して、カップリング曲である「境界のペンデュラム」は、それに挫折しそうな人や敗者となってしまった人へのメッセージになっている。この曲もたいへん気に入ったが、生歌で聴いた「報われる者は幸福な者さ 祝福を待ちきれず 闇に堕ちないで」という部分、自分の心の中を見抜かれたような気がして、言葉にならない思いで胸がいっぱいになってしまった。ももクロの楽曲には、言葉の力はすごいと思わせる歌詞がこの曲に限らずいくつもあって、これも魅力の大きな部分だと思う。
そういえば、初日の3曲目に歌った「上球物語 -Carpe diem」では、Carpe diem(カルペディエム、その日を摘め)、Memento mori(メメントモリ、死を記憶せよ)、Que sera sera(ケセラセラ、なるようになる)というフレーズが執拗に繰り返されている。私には、「過去や未来にとらわれず、仮に明日人生が終わったとしても悔いがないくらい、今日を精一杯生きて、そして楽しめ」というメッセージに受け取れ、それがももクロの大半の曲の歌詞に通底している気がしてならない。
とはいっても、夏のバカ騒ぎというだけあって、その上球物語を含めて、セットリストは最初から盛り上がる曲の連発だった。それらの曲でのコールアンドレスポンス、夏のライブの定番となっている「ココ☆ナツ」で放水を浴び、「ワニとシャンプー」で扇子を振り回し、「走れ!」の落ちサビから暗転してペンライトの光だけになったところから観客全員で歌うなど、これが無いと夏が来た気がしない。本当に、頭のネジを外してバカになって楽しめた。翌日からは仕事で今年最大の山場だったが、あれだけ楽しい思いをしたのだからと気合いを入れて連日遅くまで頑張り、何とか金曜日の夜中までに終わらせることが出来た。
幕間では、陸上競技、スポーツクライミング、空手の演武などが披露されたが、パラリンピック男子走り高跳びの鈴木徹選手が特に印象に残った。この方は片足が義足で、5万人近い観客が見守る中、1回目の試技で1m75を綺麗にクリアした。本当に素晴らしいフォームだし、大観衆の注目をプレッシャーでなくてエネルギーに変えてしまう力を持っているんだろう。パラスポーツ自体を生で見るのが初めてで、貴重な経験になった。
また、男子空手の三人による演武も凄かった。突きは目にも止まらぬ速さだし、組手では寸止めだから突いてはいないのに、拳と相手の体との距離がゼロに見えるしで、その迫力に圧倒された。
このライブでももクロが歌ったのはアンコールを入れて初日が26曲、2日目が28曲で、しかも私にとって期待外れは1曲もなく、さらに、第一線で活躍するアスリートの競技にも触れることが出来て、本当にお腹いっぱいという感じになった。そうした中、2日目最後のMCで、黄色担当の玉井さんが「笑顔が連鎖するのと同じように、頑張る姿も連鎖するんだなと思いました」という趣旨のことを語っていて、それそれ!と思った。ももクロの歌には頑張る人の力を呼び起こす力が間違いなくあると思うし、野球の田中将大投手や柳田悠岐選手がももクロの歌う登場曲を作ってもらっているのも、そのためだろう。かくなる上は、2020年の東京オリンピックの開会式では、是非ももクロに何か歌ってほしい。実際、ももクロが桃神祭でやっている内容は、古典からポップカルチャーまで、昔と今、伝統と革新といったものを全部突っ込んだものになっていて、海外に向けてこれが日本だと発信するに相応しいと思う。(他にも素晴らしいアーティストはたくさんいるが、表現できる内容の幅の広さではももクロが随一だろう。)それは別としても、誰もが無理と思っていた紅白出場や国立競技場でのライブを実現させた彼女たちなら、東京オリンピックへの参加、きっとやってくれるだろうと、かなり本気で信じている。
参考情報: ナタリーによるライブの記事
http://natalie.mu/music/news/243758
Posted at 2017/08/13 10:58:54 | |
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