i-DMについて書くのは久しぶり。
以前投稿した記事で端的にその本質に触れました。
今回はi-DMにありがちな勘違いを書いておきます。
同じような勘違いに陥る人の参考になれば幸いです。
BMアクセラ以降、マツダコネクトのアプリとなり、表示の仕方は詳しくなりましたが、その判定(smart:青 / mild:緑 / rough:白)原理はいまだに
マツダ技報と同じでしょう。(まだ変わってないよね?)それを前提に。
BMアクセラ以降のi-DMアプリ
この記事で関心があるのは判定(smart:青 / mild:緑 / rough:白)だけで、スコア計算の仕組みは関心の外です。(加点/減点の仕組み、ペナルティなど)
╳ i-DMランプはリアルタイム表示。
運転操作の判定(smart:青 / mild:緑 / rough:白)をリアルタイムにランプ表示する、というのはありがちな勘違いです。判定対象の操作が完了した時点で判定されランプが点灯する。なので、直前に終えた運転操作に対する判定を表してます。
技報の判定タイミングを示すグラフ(Fig.7)で明らか。判定するタイミングは
二つの曲線の交点ですが、その判定対象となるのは交点までの動きです。
G-Bowlアプリと比較して例えると分かりやすい。加速度(G)の音階発音はリアルタイムですが、コーナリング終了時のスコア読み上げは操作完了後なのでディレイがある。例えれば、i-DM判定(ランプ点灯)はG-Bowlのスコア読み上げに似てる。判定対象の運転操作から1テンポ遅れて
リアルタイムじゃない、ディレイタイムがあります。
╳ i-DMはクルマの荷重移動の適否を示す。
i-DMは車速(車軸の回転数)と舵角を検出して加速度を計算します。加速度変化が荷重移動を引き起こすので、加速度を算出して荷重移動の適否を判断しそうに思いがち。でも、i-DMはその判定原理からして、
バネマスモデルを想定して、マスの移動量を元に判定してます。言い換えると、クルマの挙動(荷重移動)ではなく、乗員(マス)の揺れで判定します。クルマの加速度変化から乗員の揺れを計算して、動きの質を判定するという回りくどいことをして、
乗り心地の観点から運転操作の適否を評価します。
╳ i-DMが運転を上手にする。(◯ 優しく丁寧にする。)
マツダもそう考えていないようですね。優しい運転・無駄のない運転へ導くことが狙いらしい。安全運転やエコの観点から良いことでしょう。マツダの
運転技術講習会でもi-DMを活用してない、
i-DMのプロモーションは子どもが車酔いしない優しい運転とアピールしてます。私がi-DM活用で実感したのと合致します。運転上手な人が優しい運転すれば青点灯する。でも、
青点灯すれば運転上手とは言い切れない、ということです。→「
i-DM青点灯を検証」
╳ i-DM青点灯は走行タイプ1(躍度発生)が肝。走行タイプ2(加速度一定)より重要。
これはひどい誤解だと思います。G-BowlでGコントロールが基本だと知ってはっきりしました。マツダ資料(取説、技法、Webなど)にタイプ1が肝とは書いてない。優劣は無意味だと思いますが、どちらかと言えばタイプ2(加速度一定)が基本でしょう。一定加速度に至るまでの加速度変化も滑らかに、それがタイプ1の判定マップ(
技報Fig,8)でしょう。
タイプ1(躍度発生)偏重の弊害として、たとえばブレーキでは、滑らかなG変化(躍度発生)を追求するあまり、踏み始めから最後まで緩やかにG変化させて、
制動距離を予測しにくいその場合わせのブレーキが癖になります。私がそうなったように。
タイプ1(躍度発生)青点灯を意識してどこまでも滑らかな加速度変化(赤破線)
不意の黄/赤信号に対して、限られた制動距離で、白点灯させないようそっと踏み始め、緩やかにしかし大きな減速G(0.3Gも超えるような)で、停止前はふわりと抜く、とかやりませんでした? こんなことしないで、サッと減速Gを立ち上げ、一定減速Gで停止する台形パターンの方がずっと安全で確実です。乗員(マス)はそれなりに減速Gの継続を感じますが、減速Gの最大値はより小さく収まります。
△ i-DM青点灯は早く点くほど良い運転。
これもありがちな勘違い。例えば発進加速で早く青点灯するとは、判定タイミング(バネマスモデルの二つの曲線の交点)が早期に出現ということ。グラフが小さくうねる方が早く判定されます。滑らかに一定躍度(加速度が一様増加)の方が青点灯タイミングは遅くなります。より低速での青点灯は、
低い速度域でも滑らかな加速度変化に努めているということですね。例えば停止から時速60キロまで加速する場合、20〜30キロまで加速度が一定増加(タイプ1躍度発生)、その後は一定加速度(タイプ2)で、ここで青点灯は標準的だと思います。
ブログ一覧 |
i-DM | クルマ
Posted at
2015/03/07 12:41:19