2011年03月30日
ガソリンのパニック買い防止策を考えてみた
『買いだめは止めましょう』のCMを繰り返し放送して、効果があるだろうか?
答えは否である。
最近の公共広告機構のCMに限らず、
『~は止めましょう』のスローガンを目にすることは多い。
しかし、効果が少ないとか、速効性が無いことは公知である。
あれはスローガンを流すことで、
活動していますとか、啓発していますとか
対外的なパフォーマンスの意味合いが大きい。
勤務先であった事例だが
『そのコピー必要ですか?』とコピー機に貼ってあった。
効果の無い貼り物と同じように見えてしまったぞ。
そんなので効果が出るなら、環境改善は簡単にできるわい。バカたれ。
貼り物で燃費が改善できるなら、車メーカーは苦労せんわい。バカたれ。
おっと、脱線してしまった。
スローガンとか標語を作って宣伝するのは多くが団体だ。
しかも、天下り先とか再就職先になっていることも多い。
さらに、これらの団体は赤字にならないカラクリの基にあるので
効果を出さねばならないという切迫感が無い。
なので、団体自身もパフォーマンスと知りながら
スローガンをやっていたりする。
多くは年間スケジュールが決まっていて、ノルマの如くスローガンを募集したりする。
ここで一句
聞き飽きた~ スローガンなら~ 効果無し~
それにだ。
パニック買いが一度起きてしまえば
スローガンなんぞ機能しないことは誰でも分かる。
買いだめに走らなかった人はというと、
物質的・精神的に余裕が有ったいうのが真相だろう。
少しは高潔な人が我慢したかもしれない。
しかし、家庭内に備蓄が無いのに買いに走らなかったとしたら
しかも、最悪の事態になったとしたら、
その高潔な人は判断を誤ったことになる。
なので、悪い条件さえ揃えば
買いだめに走る方が本能として正しいのだ。
でも勘違いしてはいけません。
普段から準備している人の方が
賢明な消費者であることは間違いないのだ。
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【閑話休題】
昔々ある講習会で判断力の正しさを調べる設問がありました。
設問:大勢の人がいる施設で火災が起きました。あなたならどうしますか?
選択肢1: すぐに逃げる
選択肢2: 周りの様子を暫く見てから逃げる
選択肢3: その場を動かない
こんな問題だったかな?
正解は、すぐに逃げるのが正しい、だったのだ。
つまり、こういうことらしい。
いざというときは直ぐに行動を起こすのが正しい。
だから、パニック買いや、避難の車列が発生する方が当然。
なので、パニック買いが起きることを想定した
仕組みが無いことが問題なのだ。
それにだ。
次はもう、想定外でした、
なんて言い訳は通用しないんだよ。
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埼玉県南西部に住む私の感覚として、
東北関東大地震によるガソリン買いのパニックについて
被災地を除けば
ガソリンの入手性は①、②、③の傾向があったと思う。
①製油所や貯槽所から遠い内陸ほど入手性が悪い。
②福島原発から遠くなるほど入手性は悪くない。
③都市部や住宅密集部ほど入手性は悪く、郡部(田舎)ではパニック買いが少ない。
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対策を検討するとき考慮すべきは
トラブルが起きた場合、単独の原因ということは基本的に存在しない
ということである。
例えば、交差点における車の出会いがしらの衝突なら
・停電で信号機の赤や黄が点灯していないため、減速必要の条件反射が働かなかった。
・停電なのに、警察官の誘導が無かった。
・運悪く同時に交差点を通過する車が存在した。
・2台の両方、または片方が減速しなかった。
・2台の両方、または片方の速度が異常に高く、気が付いても回避できなかった。
・薄暮時なのにヘッドライトを点灯していなかった。
・見通しの悪い交差点だった。
・歩行者の存在に気を取られ、他の車への注意力が落ちてしまった。
などの複数の原因が重複したとき問題が起きる。
それでは、ガソリンのパニック買いが起きた原因を考えてみよう。
原因a.全車両を平均すると燃料計の半分より少ない残量だった。
原因b.車で逃げられるよう準備しておこうという、車乗りなら当然の意識が働いた。
原因c.パニックを起こした人が存在した。
原因d.パニック買い初期において、連鎖を抑制する仕組みや活動が無かった。
原因e.パニック買いを沈静化できるガソリン供給能力や迅速さが無かった。
これらの原因が重複していたことは間違いない。
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次に、上記の原因a、b、c、d、eに対し
ガソリンを供給する側と、購入する側に分けて対策を考えてみる。
【ガソリンを供給する側の対策】
対策イ.(dの対策として)
・ルール(下記の対策ロ)を作り、国民に周知しておく。
・ルールは単純なものにする。
対策ロ.(c、d、eの対策として)
・大災害が起きたら、政府がルールの発動を宣言し、多くの手段で伝達する。
・ガソリンスタンドで厳格に給油制限するため、警察官または自衛隊員を配置する。
・物流やライフラインの車を優先的に給油する。
・ガソリン残量警告灯が点灯した車を優先的に給油する。
・ガソリン残量が半分を超える車は給油不可とする。
【ガソリン購入側の対策】
対策ハ.(aの対策として)
ガソリン残量がスッカラカンになってから給油するドライバーを減らすため
燃料計半分を割り込んだら給油することを習慣づける。
公共広告や自動車教習所で教え、
習慣化出来ない人は車乗りとして半人前ということにする。
ただ、下記の対策ニ と組み合わせないと習慣化は困難だろう。
対策ニ.(aの対策として)
ガソリン車なら一度の給油量が30リットル(要検討)を超える場合、
平常時でも割高になるルールとする。
これなら、こまめに給油するだろう。
この対策は購入側に対して、最も効果がある筈だ。
尚、割高に徴収した金額は、災害復興費として積み立てれば良い。
対策ホ.(bの対策として)
政府は正確な情報を提供する。というのは理想である。
しかし、大規模なパニック防止のため、為政者側は確信犯的に情報操作をする可能性が高く、
実際には期待できない。
次の国政選挙のマニフェストになるかもしれない。
さあ、政府や役人が、どんな対策を立てるのかを観察しよう。
まさかとは思うが、今後も
『買いだめは止めましょう』的な対策しか用意しないなら
日本の防災対策の未来は暗い。
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徒然なるヒマ話 | 日記
Posted at
2011/03/30 18:39:12
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