パジェロミニのオープンデフのベアリング交換について記載します。
表記の方法は可能な限り整備書等を参考にしていますが情報が少なく
構造上の仕組み解釈は個人的な主観が入ります。
必ず正しいとは限りません。
今回はサイドベアリング2個、ドライブピニオンベアリング2個交換します。
※ディファレンシャルギアの分解は無し
デフとして完成させるには以下の基準を満たす必要がある。
①歯当たり
→ 真ん中に当たるように調整
②バックラッシュ(歯の隙間のこと)
→ 0.10mm~0.15mm範囲に入る事
③ドライブピニオンの回転トルク
→ ガタが無いこと
回転トルクが規定以内であること。水道の蛇口を捻るより軽いこと。
(新品:0.98~1.28Nm)
(ギヤオイル添付:0.49~0.64Nm)
工業製品として長持ちさせるには隙間と当たり面が重要になってくる
これができないと遅かれ早かれ壊れます。
リアデフで要求させる精度は0.0X単位です。
プロがやっても5回ぐらい組みなおすそうなので
素人がやるなら10倍の時間がかかる覚悟は必要なので
諦めず基準に満たすまで最後まで続ける覚悟が一番重要になります。
※当方でやったところ1週間と30回の分解、組立が必要でした。
分解、組立手順を書くつもりはないので重要なポイントのみを
後見の為、記載します。
ベアリング交換後のシム調整箇所
Aシム = ドライブピニオンフロントシム(ドライブピニオンハイト調整用)
Bシム = ドライブピニオンフロントシム(ドライブピニオン回転トルク調整用)
Cシム = サイドベアリングスペーサー(ドライブギア側)
Dシム = サイドベアリングスペーサー
・Aシムはファイナルギアとのバッククラッシュ値を参考に決定する必要がある。
隙間が大きいのであればAシムの厚さを増やしドライブピニオンを手前に持ってくるようにする。
・Bシムはベアリングの隙間に関わるので基本、コンパニオンフランジを締め付けて必要な厚さを決定する必要がある。今回の場合はAシムとBシム合わせて3.74mmになるように調整した。※取付の度にスペンサーが縮むのでBシムを増やさなければならないことに注意。
Aシム(1.37)+Bシム(2.37)=3.74
Aシム(1.41)+Bシム(2.33)=3.74 ※決定値
・CシムとDシムの合計値はデフ本体のサイズとケースの幅を考慮して算出する必要がある。今回の場合CシムとDシム合わせて1.04mm付近になることが分かった
歯当たり次第なところであるがバッククラッシュの幅が大きい場合はCシムを増やし残りをDシムに組み込んだ。
ここでバックラッシュ値、歯当たりがうまくいかない場合はAシムの厚さを調整する必要がある。
Cシム(0.40)+Dシム(0.64)=1.04
Cシム(0.42)+Dシム(0.62)=1.04 ※決定値
※シムの調整によって幅が若干大きくなる分は大丈夫みたいです。
脱着、組立、調整すること30回
Aシム(1.41)
Bシム(2.33)
Cシム(0.42)
Dシム(0.62)
バックラッシュ 0.10-0.12mmに収まり歯当たりは写真の通り
作業風景はなたここさんに任せることする!!
後、どうやって測定するの辺りの情報は以下に適当に書いておく
①歯当たり
→ 真ん中に当たるように調整
※写真の歯当たりはNGのやつ
②バックラッシュ(歯の隙間のこと)
→ 0.10mm~0.15mm範囲に入る事
③ドライブピニオンの回転トルク
→ ガタが無いこと
回転トルクが規定以内であること。水道の蛇口を捻るより軽い
(新品:0.98~1.28Nm)
(ギヤオイル添付:0.49~0.64Nm)
プロペラシャフトにつながっている↑のやつの事。
ちなみにベアリングを外すには僅かな隙間に入るプーラーの爪を作る必要がある
大量のD,Cシム達、ここに写っていないA,Bシムもあるよ
どこかで安く売ってる油圧プレスを改造したもの
延長して、使い物にならないジャッキは別の物に交換
普通のウエスも使うけれど0.0xmmだとウエスの繊維が邪魔するので
残繊維が少ないと話題のキムワイプ先生を使用
Posted at 2019/08/20 00:41:03 | |
リアデフ | クルマ