もう随分前の話ですが、栃木県宇都宮市の株式会社ネイチャーさん(webページは
こちら)を訪問しました。
先ず申し上げておきますが、あくまで私個人の趣味や興味でネイチャーさんを訪問し、個人的な感想をこのブログに掲載していることをご承知おきください。
この会社は主に消防車の架装をするメーカーさんですが、注目の製品は何と言っても日本初!! 軽トラベースの消防ポンプ自動車です。(メーカーさんの紹介ページは
こちら カタログのPDFです)
今日はこの軽消防ポンプ自動車を紹介したいと思います。
さてさて、「軽トラの消防車なら今までもあるじゃん」と思う方もいらっしゃると思いますが、それはポンプ車ではなく、エンジン付の小型動力ポンプを荷台に積載しているだけで、車輌そのものにはポンプ機能はありません。
ベース車輌は三菱U62T型のミニキャブトラック4WDです。(現在は生産終了しています)
この佇まい、CD-Ⅰ型 (2トン、3トン車クラスの一般的なポンプ車)をそのままギュッと縮小したみたいでしょ?
後ろには座席が装備されており、乗車定員は4名です。
またテールランプはミニキャブのものではなく、別車種のものが流用されています。
車内は普通のミニキャブと変わりありませんが、水温計、油温計などの追加メーターが装備されています。過酷な使用状況に耐えるためにも、こういう装備も必要なんですね。
メーターだけ見るとなんかスポーツカーっぽいですけどね😁
操作盤や吸管周り。ここだけ見ればCD-Ⅰ型クラスと見た目は何ら変わりありません。
財団法人日本消防ポンプ協会の認定プレート
これがれっきとしたポンプ車の証です。
ポンプ能力はB-2級 毎分900リッターで、こんな小さな車輌ながらCD-Ⅰ型A-2級ポンプの約半分の能力を持ち合わせています。
ポンプはPTO駆動(パワーテイクオフ:動力取出し装置)で、トランスミッションから取出す文字通りトランスミッションPTOを採用しています。
このトランスミッションPTOは、主にダンプ、クレーン、塵芥車など、停車中に作業する特装車に使われています。
何を隠そうこのU62T型のミニキャブには、元々PTO駆動のダンプの設定があり、そのダンプ用のPTOをポンプ駆動に流用しています。
価格は仕様、装備によって変わってきますが、CD-Ⅰ型クラスのおよそ3分の1だそうです。
価格は3分の1でも約半分の能力を備えているので、出動頻度の少ない田舎の消防団などでは充分対応できると思いますし、狭隘な温泉街や都市部の住宅密集地などでは逆にこういう車輌の方が威力を発揮するのではないかと思います。
また導入費用も抑えることができ、節税にもなります。
我が地元群馬県内では、渋川市の伊香保温泉の消防団に配備されていますが、全国的にはまだ少ないようです。
今までありそうでなかった軽消防ポンプ自動車、軽の枠に縛られながらの開発は並大抵なことではなかったと思います。
一商用車ファンとして、今後普及していくことを願い、個人的に応援(と言ってもブログで紹介することくらいしかできませんが)していきたいと思っています。
そしてもう一つ、実はこのミニキャブトラック、三菱自動車では既に自社生産を終了し、スズキからキャリイのOEM供給(簡単に言うとよそのメーカーの製品を自社ブランドとして販売する、この場合はスズキのキャリイを三菱でミニキャブとして販売すること)を受けており、キャリイにはPTO機構の設定がありません。
現在PTOの設定がある軽トラックは唯一ダイハツのハイゼットトラックで、今度はハイゼットトラックベースでポンプ車開発を進めているそうです。
こちらも個人的にかなり期待しております。
さて最後になりましたが、当日お忙しい中、快く対応して頂きました営業課長様をはじめ従業員の皆様にこの場をお借りいたしまして厚く御礼申し上げます。
Posted at 2015/08/06 18:28:52 | |
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