プロバンス鉄道の旅は最低でも1日がかりである。
ちょっと立ち寄った私たちには、旅程が不足する。
フレンチアルプスの末端を旅するには最適らしいのだが。
さて、プロバンス鉄道の線路を追っかけて行くがすぐに線路沿いの道はなくなる。この先トンネルのようで
時間もないので、表通りから裏通りと進んでいく。
左側、西側に高い崖が見える。あの中腹に2つ目の駅があるのだろう。
そう思いながら先に進むとロシア教会の独特の屋根が見えてくる。
いかにもロシア風である。
19世紀に建てられた建築物は、ニースの歴史を語る。
自分の土産として買ったニースのガイドブックにも、この教会の話が載っている。
ロマノフ王朝末期のアレクサンドル1世やらニコライ1世やらが登場する話である。
教会内に「日本語でガイドできます」と掲示されてあったでお願いした。
30分ほどすると一人の中年女性がやってきた。
ウクライナ出身、日本在住歴15年という方である。
彼女によると、19世紀ニースの人口の半分はロシア人だったという。
(にわかには信じ難いが、ニースにおける外国人人口の半分の間違いではないのかと考えている)
そのためにロシア人は多くニースのためにお金を叩いたようだ。
宗教施設も必要となった。アレクサンドル1世やニコライ1世がニースに来るということになった。
そのために教会が立てられたのだという。
結局、ロシア皇帝は誰一人として訪れず、皇帝専用の開かずの扉が残っているだけだ。
教会内には、たくさんのイコンがある。
ロシア革命で宗教が否定されたので、イコンの作成は20世紀初頭で終わり。破壊された物も多数あるという。
細菌発見されたイコンが飾ってあり、年代不明だが、ドイツで見つかったという。
おそらく二つの大戦のいずれかでドイツ兵が持ち去って保管してあったものだろうとは、
婦人と私の意見の一致するところである。
このイコンには奇跡があって、祈ると癌が治るという。お礼の貴金属が供えてあった。
ニースのロシア。
意外と有名な話らしいが、全く知らなかった。
これがこの旅の最後の勉強となるはずであったのだが・・。
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republique francaise | 日記
Posted at
2017/09/21 18:32:36