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ゼロの領域という言葉がありますね。

知覚の限界領域の先。

スポーツではゾーンと呼ばれるような…


そんな、一見一般人には関係の無さそうな話ですが。


体験したことがあります。




一番認識した時は、少し前のWEC日本グランプリ。
私は富士のチェッカードポディウム、俗に言う18番ポストにいました。

もちろんお客やメディアではなく、中の人として。


スタートはローリングですが、トップのトヨタとアウディは、ローリングラップと言えど、F1も真っ青な速さでスタートしていきます。


続けて各クラスがスタートしていきますが、スタートポディウム以降でなければ追い越しできません。



それぞれのクラスが順番通りにスタートしていきます。ロングディスタンス故に、ガチでやり合うトヨタとアウディ以外は、大抵無理はしません。


とはいえ、自分の真下を優に300オーバーで全開で通過していきます。

最後にGTクラスがダンゴできましたが…


私は自分が感じるより速く、フライングをタワーに報告していました。



その後、カメラ判定でさえ、スーパーコマ送りにしなければならないレベルで、フライングが確定。

その時、超高速のマシン達が、もの凄くゆっくりに見えたのです。


ちなみに、その時のレースは、トップクラスのトヨタとアウディが全てを投げ出して闘い、とてもクリーンでまるで漫画かアニメのような、あまりに素晴らしいレースと、見に行った方は今でも語り草であります。ワークスチームの誇りと、お互いを良く知る仲のエースドライバーによる、まさに六時間が一瞬だった素晴らしいレースでした。自分で言うのもナンですが、素晴らしい映画を体感したような感覚でしたね。レースで痺れる。長く中の人をやると、数年に一度あるか無いかのレースでした。