先日、メルコネに行ったときに試乗したけど、まだ記事にしてなかった(?)W176について。
実車の印象は・・・
画像で見るより「押し出し感が強い」というのが第一印象です。
従前のシティコミューター的なプロポーションは低くワイドな印象に大変身し、立派なCセグメント車へと進化しています。
MBスタッフ曰く「ライバルはゴルフではなく、A3」というだけあって、プレミアムHBとして売り出そうという目論見のようです。
一方、インパネも大変化。
あるべきものがあるべき場所に無い・・・
そう、デュアルクラッチトランスミッション「7G-DCT」はステアリング脇で操作するので、フロアにセレクターが設置されず、そこには小物入れが備わっているわけです。
さて、早速乗り出してみます。
試乗したのはボトムの「A180ブルーエフィシェンシー」で色は有料色「サウスシーブルー」。
なかなかマッチしていると思いませんか?
エンジンは「キーレスゴー」と呼ばれるプッシュスタートシステムを採用。
なんで、ボタンを押してスタートさせます。
パーキングブレーキは従前のハンド式からメルセデス流儀のインパネ奥に変わっていますが、電子式となっています。
ステアポスト右脇にあるセレクターの操作方法はプリウスのコラム版といった趣で、一旦Dレンジに入れると、あとは勝手に・・・という感じです。
もちろん、パドルシフトでアップダウンも可能で、”なんちゃってF1”感覚も楽しめます。
エンジンが1.6Lのターボのくせして120PSそこそこしかないので、刺激的というには程遠いのですが、市街地で乗りこなすには充分すぎるスペックです。
スペックは突飛でないものの、アクセルレスポンスは非常に軽やかで、かつ無理くり踏み込む必要もないセッティングとなっているあたりが好印象です。
トルクは少々稀薄のようにも思えましたが、これはA250シュポルトとのキャラを明確化させるため、意図的にいじっているのかもしれません。
足回りについてはメルセデス特有の「硬いけど、快適」というコンセプトを明確に受け継いでいることを実感できました。
加えて、W176ではちょっとした段差もFF特有のギクシャク感を殆ど感じさせないセッティングとなっており、金がかかっているなぁ・・・とシミジミ(笑
なんか、ほぼ「褒め殺し」に近くなりましたが、当然、疑問に思った部分もあります。
・「7G-DCT」の節度感がやや緩慢であること
と、いうのも、各レンジに「カチカチッ」と決まるわけではなく、どちらかというと「グニャッ」と入るような印象なので、例えばアイドリングストップ時に再スタートするときは慣れないと「R」に入ってしまって慌てふためきそうになる・・ということもあるわけです(自分も犯しそうになりました)。
・ワイパー、ライト、ターンシグナル、シフトの操作位置がバラバラでわかりにくい
コラム左にターンシグナルとライト、コラム右にワイパー、そしてコンソール中央にシフト・・・というのがインポートカーの基本スタイルなんですけど、スペース効率や革新性を重視した結果とはいえ、お年を召した方にはちょっとわかりづらいかも・・・と思いました。
・後席の居住性が今一歩
これはキャラを考えると致し方がない部分でしょうか。
「広さも欲しいならW246(Bクラス)買え」と遠まわしに言われているようで微妙です・・・(笑
しかも、シートはコストとの兼ね合いなのか、前も後もシート一体式のヘッドレスト・・と、安全性にこだわるメルセデスにしては”らしくない”チョイスをしています。
・価格はもうちょっと頑張れなかったのかなぁ・・・
284万円~が日本での販売価格ですが、一段上のW246とのヒエラルキーを考慮すればせめて20万円安の279万円~からにすべきだったんじゃないかと。
あるいは、本気でこのセグメントへの侵略を考えるのなら275万円~も可能だったんじゃ・・・と勘繰ってしまいます。
まぁ、なんだかんだ言っても、このクラスの台風の目になる要素が満載。
日本でも結構売れるんじゃないでしょうか。
トラブルさえなければ・・・(笑
Posted at 2013/01/30 23:09:48 | |
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