車・自動車SNSみんカラ

  • 車種別
  • パーツ
  • 整備手帳
  • ブログ
  • みんカラ+
2017年01月17日 イイね!
久方ぶりのショールーム巡りをしましたので、前後編のブログとします。

前編はメルセデスコネクションです。
きっかけは、メルセデス.コネクテッドカードの会員サービスの終了(詳細はこちら)に伴うポイント交換期限が近付いたためでありまして、思い返すと2年ぶりの訪問となります。

ここに来た以上は、「TRIAL CRUISE」に参加したくなるのが自然でありまして(?)、多くのきら星達(縁遠いともいう・笑)の中から選んだのは、E220d AVANTGARDE。売り手的にはSports推しのようですから、非Sportsというのは希少かもしれません。



試乗車の撮影を失念したため、メーカーサイトより引用

現行Cクラスは代車等含めて複数台乗りましたが、Eクラスはこれが初体験であること、同じくこれまで乗ったことがない最新ディーゼルを体験したくなったというのが選抜理由。


運転席に座っての第一印象は、やはり大きいというもの。自車と比べると、縦方向はもちろん、横方向も一回り余裕があります。
ボディサイズとしては、長さと幅がちょうどアルファード/ヴェルファイアと同等というところとなりまして、このサイズともなりますと、さすがに狭いところでは持て余す感があります。
標準で備わる360°カメラやパーキングパイロットはその一助となりますが、(試乗後のオプションとして、パーキングパイロットを体験しましたが、駐車スペース検知はもちろん、切り返しまでやってのけるその機能に驚かされた次第)物理的な限界は確実に存在しますからね。

シートやミラーの調整が一段落すると、目の前には12.3インチのワイドディスプレイが2枚。
メーターは右側のモニターに表示される形でありまして、一番馴染みのあるアナログ表示も可能ですが、それでも立体感のない表示は、箱絵を見ているようで何とも違和感が拭えません。何せ、長い間、遠視点が正と提示されてきたのに、それとは正反対なのです。
試乗車は、左側にナビゲーションが表示されていましたが、サイズを利した大きい表示でありまして、こちらは地図帳を広げて置いたことを想像させます。最新技術も、オールドタイプに例えさせると、こんな表現となるのです(笑)。

この両画面は、ステアリングスポークの両側に配置されたスイッチで操作となるのですが、機能が増えた反面、難解さも増えた気もします。この域になるとマニュアルによる事前学習が必須であって、それを省くと全機能は使いこなせないでしょうね。

レザーパッケージが追加された内装の質感は、お値段を反映した高級感溢れるものですが、一点AVANTGARDEのブライトアルミニウムのインテリアパネルだけは黒の周辺パネルからは浮いて見えて、個人的好みから外れます。この部分は後で確認できたSportsのブラックアッシュウッドの方が好みです。
多くの国ではこの部位の選択ができるわけで、高級車である以上、内装色含めて選択肢が絞られるのは残念であります。


期待の最新ディーゼルは、カロカロというディーゼル音が意外と残っているなというのが第一印象。それも都内では、周囲の音で消されてしまうレベルではありますが。
車重1,800kgという重量級にも関わらず、1,600~2,800rpmという広い範囲で発揮される400N・mという図太いトルクはさすがでありまして、然したるターボラグを感じることもないまま、右足の力をさほどこめる必要もなく、流れに乗っていけます。このパワーユニットに組み合わされるATは9速で、この段数ともなりますと、〇速で引っ張るというより、〇速をエンジン回転に充てにいくという表現を使いたくなります。
ダウンサイジングターボでは気になるエンジンブレーキもディーゼルらしく強力で、早めのダウンシフトと相まって、街中ではアクセルペダルでの速度調整が容易に可能です。
お聞きした燃費数値も、街中でも10km/L前後、高速では20km/Lに届くそうで、燃料代の安さも加味すれば、ランニングコストはかなり低く抑えることができそうです。


乗り味の方は、17インチ&非ランフラットの組み合わせがもたらす、ゆったりとした感覚に魅力を感じました。Sportsは未経験のため断言は避けますが、おそらく19インチ&ランフラットではこの乗り味とは異なるであろうことが想像できまして、これだけでも、こちらに一票を投じたくなります。
興味深かったのは、ディーゼルはエンジンが重いということで、4気筒ながらも、どことなく6気筒搭載車っぽいノーズヘビーを彷彿させることでした。Cクラスの印象を横引きすれば、ガソリンの方は4気筒らしいフロントの軽さがあるはずなので、この辺りは音と合わせてガソリンとディーゼルの選択の分かれ目となる気がします。共に一長一短があって難しいところではありますが、自分的には俯瞰視点で考えるとディーゼルに一票でしょうか。


全体的にはCクラスに一回り余裕を持たせたクルマでありまして、自分の好みともマッチするいいクルマであることは疑いようもありません。
軽く乗って感じる基本性能だけでも十二分以上なのに、それに加えて、最新の安全性能や付加価値含めた新機能も備わっているのですから、どうにも厳しい評価のしにくいクルマではあります。

さすがにそのサイズやお値段は、自分にとって不相応であり、縁が全くないのも間違いないとやや寂しくもなるのですけれども。それでも、こういうクルマがあるとまだまだ夢を見られそうな気がするのも事実なのです。


最後に夢の前提で、些細な(?)注文を一つ。
この最新型ディーゼルを搭載したE220d、クルマとしては大変高く評価するのですが、その一方で自分的理想形はこちらかなと。



画像は南アフリカのメーカーサイトで見つけた、Eクラスのベーシック仕様。
Cクラスのベーシック仕様はそれまでのフードスターに変えて現行よりグリルスターに変更されましたが、Eクラスはフードスターのままとされているようです。
上級グレードと比べると装飾の少ない内外装の仕立ては、まだミディアムクラスと呼ばれていた往年の姿を連想させて、心惹かれるものがあります。

今日日、さすがに205/65R16というタイヤサイズとハロゲンライトは自分で選択するのでも逡巡するものがあったりしますが、二段目左の17インチアルミとライト類のLED化だけ選択させてもらえれば、これでよろしいのではないかと。
こうしたベーシック仕様は、今の主要ユーザー層視点だと、簡素とか高級感に欠けるという評価となるからこそ、AVANTGARDE以上が導入されているということなのでしょうけれどね。
Posted at 2017/01/17 21:57:14 | コメント(3) | トラックバック(0) | 試乗記 | クルマ
2017年01月15日 イイね!
古の設計者の想い、初代アルシオーネの後編となります。
前編は、コンセプトやスタイリングの話が主となり、最後に「日常使うクルマとしてどこまで完成度を高められるかがテーマ」だったことが語られていました。

インタビューはその続きとしてエンジンの話に入っていきます。(元は一本ものですので、これまた区切りが悪いのはご容赦くださいませ)

引用ここから----------------------------------------------------------

馬場 その意味ではエンジンの特性も、若年層から熟年層まで乗りこなせる、高速走行にも興味のある方にも満足感を与えながら低速も味わえる、という非常にワイドなセッティングになっています。

高原 水平対向4気筒も1.8Lで限界に近づいて、6気筒もそろそろ登場するというウワサもありますが・・・。

馬場 今の時点で考える限り、ほぼ狙い通りの特性に仕上げることができた、アルシオーネのボディに載せたパワープラントで十分であると確信を持っています。

高原 十分であると言われると、何も申し上げることはなくなるんですが(笑)、技術的な問題としてアルシオーネに果たして水平対向6気筒は搭載可能だろうか。ファンとしては興味深いところです。

馬場 これからそういう要望が非常に強ければ商品計画の時点で考える対象になってくるだろうと思います。少なくても今はアルシオーネの総合的な性能、振動、騒音、走りから言って、その必要性はないだろうと判断しています。

----------------------------------------------------------引用ここまで

アルシオーネに搭載された水平対向4気筒は、2代目レオーネで初登場したエンジンにターボの追加等の改良を加えたものとなります。登場時点で、ボアアップが限界に達したことでストロークを伸ばした水平対向4気筒(ボア×ストローク:92mm×67mm)は、これ以上の排気量アップは無理と見られていて、当時のパワーウォーズに対応するためにも、次なる展開は水平対向6気筒だろうと噂されていました。当然アルシオーネが搭載の第一候補に目されるわけで、そんな背景もあっての質問となっています。

そんな水平対向6気筒は、同年秋に開催された東京モーターショーに、アルシオーネをベースとしたコンセプトカーACX-IIとして、お披露目されることとなります。



コンセプトカーACX-II(同車に関する詳細はこちらにあります)


ACX-IIに搭載されて発表された後、1987年にはアルシオーネにも追加されることとなる水平対向6気筒は、4気筒1.8Lとボア×ストロークを変えず、そのまま2気筒を追加した形となっていました。だとしても、インタビューの時には裏で開発が進んでいたのは間違いなく、大人の事情がこういう答えとなったというところなのでしょう。好意的に見ると、搭載時期未定のままで、まだ整理できていなかったでしょうから、話をしようもなかったのかもしれません。



先にデビューしたレオーネとコンポーネンツは同じものと言うことで、エンジンの話はこれぐらいですし、走りの方も次のように軽い記載となっています。

引用ここから----------------------------------------------------------

高原 走りでは、乗り心地や静かさも含めてレオーネに似た味を多く持っているんですが・・・。

高橋 同じ部門でつくって、乗り心地や操縦性の設定も同じメンバー、基本システムもフロントストラット、リヤがセミトレですから、持ち味は似ているかもしれない。しかし味付けの面ではかなり変えたつもりではあります。例えばレオーネのキャスターは2度半ですが4度のキャスターをつけている。ステアリングのギヤ比の設定をやり直して17対1というあのクルマの専用ギヤ比になっている。EP-Sのユニットは一見同じでも特性が全く変えてある。音もセダン・レオーネよりよくなっている。乗り心地はやや固めの設定ですが、悪くはなっていない。操縦性の限界性能もかなり上げている。


----------------------------------------------------------引用ここまで

基本は同じ前提で、どう変えたかという話が主眼となります。
キャスター角を強めたのは、直進性の向上が主眼であり、当時の日本車の多くもこの方向性にありました。先に書かれている、アルシオーネのコンセプトからしても正しい選択だったと言えそうです。

もう少し俯瞰的に見ると、ボディ剛性や足回りのアライメントに着目され始めたのが、この時期という印象もあります。技術や開発の面ではもっと前から入り込んでいたのでしょうが、自動車雑誌の記載として表に出始めたのは、この辺りではないでしょうか。この時期の自動車雑誌は、こういった技術を解説する参考書的存在でもありました。



ここからは使い勝手の部分に入っていきます。個人的な心象ですが、高原氏の真骨頂はこの辺りにあって、日常使う上での気になる点を指摘し、そこから発展的な回答を得たりとか面白い話を引き出すというのは、他の回でも多く読むことができます。

アルシオーネは、レオーネまでの積み重ねから離れたチャレンジをしている部分がありますから、なかなか面白い話となっていきます。

引用ここから----------------------------------------------------------

高原 スペアタイヤがついに後ろにいきましたね(笑)。どう見ても余り実用的な格納方法じゃなかった。

高橋 最近、タイヤの交換なんてあるんですか?


 運の悪い人でしょう(笑)

高原 パンクしないですからね。

馬場 状況が変わっていますから、それなりの時代に即応した艤装は当然考えなきゃいけないでしょう。

高橋 車両として積載能力が高いので、これだけ積めるスペースがあればいいだろうと割り切りました。いろいろトライした結果、スペアタイヤが1個そこに入ることでトランク室のボリュームを減らしてしまう犠牲はどうしても避けられない、それなら一般の荷物を出し入れしやすいように、ということで決めた位置です。例えばサブトランクへ落とし込めば、少し出っ張るだけでトランクの床面はフリーに使える。トランク室の犠牲になっている部分はトランクスルーで十分に補える。手荷物は後席にかなり収容できる。あれが2勝1敗になっていないんだね(笑)。要改良項目です。

----------------------------------------------------------引用ここまで

文面だけだと何が何やらだと思いますので、先ずはアルシオーネのスペアタイヤの収納方法を車種別総合研究の画像から引用します。



レオーネまでは、背の低い水平対向エンジンのメリットを生かして、スペアタイヤをエンジンルームに積んでいて、そのメリットをアピールしていたのですが、アルシオーネではボンネットを低くしたため、他車同様にトランクルームに移設しています。ただ、その積載方法は、床置きではなく、リヤボードから吊り下げる方法だったことから、議論となりました。

応急用タイヤが使えるようになってコンパクトになったとはいえ、スペアタイヤの収納方法というのはまだまだ悩ましい点だったのでしょうね。



引用ここから----------------------------------------------------------

高原 もう一つ気になったのはドアハンドルです。開けるたびに指を突っ込んで塗装部分に爪を引っかける形になる。長い間には傷がつくんじゃないか。ユーザー側にしてみれば気になるところです。


高橋 私どもでも爪の硬さと塗膜の強さをよく調べて、一応のバランスをとった処理にはしてあります。


----------------------------------------------------------引用ここまで

続いての指摘はドアハンドルです。



フラッシュサーフェスを求めたことで、通常は窪みとなっている、ドアハンドルの下側にフラップが設けられています。確か、使用時には下側のフラップを押し込んだうえで上側のドアハンドルを持ち上げる形だったと記憶しています。

日常の使い勝手的には難となる形状ですが、これも一つの主張ではあります。今ならまた別の構造とするのでしょうけれども。



引用ここから----------------------------------------------------------

高原 室内環境は、マルチアジャストステアリングのテレスコピック機構&メーターパネル一体可動チルト機構になって、シートもレオーネとは明らかに座り心地が違う。リヤシートは”おまけですね”という感じですが・・・。

 もともと2プラス2で、前の2に相当重きがある、後ろはプラス・アルファーの2だから、短時間乗れればいい、前席優先をクルマの中に表現しようと。それから、大きな部屋の中に前席がポコッとあると考えて、インパネからドアの内張り、後席のバッククロス、みんな同じビニールレザーで包んだ。その中に前席優先の考えを入れ込んだわけです。

高原
 プラス2なら、普通はスーツケースか手回りの品の置き場だ、荷物を置くときに抵抗がないと考えて、あえてビニールレザーに?


高橋 基本的にはそういう考えです。初期のアイデアでは、荷物を置いて下さい、ただし、人も座れます、という非常に明快なコンセプトだったんです。それにしては狭すぎる、足がくたびれちゃって、ほんの短時間しか乗れない。リヤシートは、シートとしてつくってありません、というのを明確に出しておこうと。

----------------------------------------------------------引用ここまで

ここからは内装の話となりますので、先に画像を掲載。





インパネ・ステアリングをはじめとする各所には、明らかに当時の主流から離れた未来志向のデザインがされていました。「まるでコンセプトカーのような」という形容詞でも可だと思います。



フロントシートのクロスデザインも特徴的ですが、その一方で(画像ではやや判りにくいですが)リヤシートをビニールレザーにするというのが一つの主張でした。

自動車雑誌の評価では、その主張を含めて好意的に書かれていましたが、市場の声は別の所にあったようで、あまり時間を置かずでクロス張りに変更されたようです。



引用ここから----------------------------------------------------------

高原 パワーウィンドウのスイッチパネルがアーム横に付いているので操作しにくい、エアコンやりサーキュレーターのスイッチが手元の後ろにあるので操作しづらい。

高橋 パワーウィンドウのスイッチはアームレスト上面に置くのが一番使いやすいんですが、小さい子供さんが中で遊んでいて踏んずけて首や手をはさんだという騒ぎが新聞にだいぶ出まして、サイドにしたんです。それにしてはいささか使いにくいという問題が残り、率直に言ってあれは反省点です。

 チルトは、いろんなチルトステアリングを調べてみましたら、意外にストロークがない。25ミリかせいぜい30ミリぐらいしか動かない。それ以上動かすと、上げた時はメーターにつっかえる、下げた時にメーターが見えなくなる。なるほど、それでこれぐらいの領域しか動かさないんだなと。デザイナーのほうが、なら一緒に動かしてよ、と(笑)


高原 随分簡単に決まった。


高橋 それであれは舞台装置みたいに動く。チルト量が50ミリとってあり、出入りのときに中立位置から65ミリはね上がる。はね上がりまで入れると85ミリ動く。そんなに動くチルトはないと思う。


 高橋のほうが1勝2敗の哲学でずっときていたでしょう。デザインのほうは、これは2勝のほうだ、やろう!と主張してね(笑)

高橋 メーターに対してバイザーの一部から屋根がついていますね。メーターと屋根の間が屈折するようになって、上げても下げてもバイザーに屋根裏がくっついてくる。これはいいアイデアが出ました。

----------------------------------------------------------引用ここまで



先に、高原氏の指摘となっている、アームレスト部分と空調レバーを画像で掲載します。

パワーウィンドウに関しては、インタビュー中にあるとおり、誤操作による挟み込みが問題となっていました。アームレストの形状からしても、当初はドアハンドルと同じ面に置いていたものを急遽、サイドに移したことを想像させます。この配置、誤操作の防止とはなりますが、さすがに使い勝手の面では難がありますね。

各社様々な方法でその対策を検討中でしたが、やがてはマツダが最初に取り入れたプッシュプルスイッチに収束することとなり、さらに根源的な対策として挟み込み防止機能も開発されることとなります。



アルシオーネの目玉装備の一つに、チルトステアリングがありました。



チルトステアリング自体は、既に日本車で広く普及していましたが、左画像のように、左右のウィングスイッチも一体であり、さらにメーターパネルも動かすという大胆な発想が製品化に至っています。発想が飛行機屋さんらしいというだけでなく、困難を超えてそれを実現してしまったというのがポイントですね。これは2勝という、開発者の自信も納得できるところです。



最後は、パートタイム4WDということで、そのスイッチをどうするのかという話をして、設計陣の最後のアピールとなっています。

引用ここから----------------------------------------------------------

高原 トランスファーのレバーが、レオーネの1800及びターボはロー付きのレバー式、アルシオーネはレオーネの1600と同じようにノブにスイッチ。たしかレオーネの時はレバー式のロー付きが機能としてはいいんだという説明を受けたと思うんですが・・・。

馬場 クルマによって使い方の思想をはっきり分けたわけです。

高原 逆にいえば、アルシオーネのやり方は、うん、これでいいだろう、と僕は思っているんです。

馬場 レオーネのデュアルレンジにローを付けたのは、どちらかというとダートを意識した発想です。アルシオーネはダート対象外でむしろオン・ロードに徹している。自宅から公道へ雪の上を出るぐらいがせいぜいという考えですから、デュアルレンジを排除して、ボタンにしているわけです。

高原
 最後に設計者の方々から、ユーザーに特にアピールしたいことを一言・・・。


高橋 2勝1敗だとかいろいろカッコいいことを言ったんですが、ボギーの点もいくつか指摘されました。細かい改良はこれからもいたしますが、今の状態で我々としては自信作と思っていますので、スバルもここまでやるようになったかとご了解いただきたい。


----------------------------------------------------------引用ここまで

4駆のデュアルレンジというのは、元々クロカン由来ですから、機能としては重宝することもありそうですが、アルシオーネの狙いからして、それを外したというのは正しい選択だったと私も思います。本来はフルタイム4WD想定だったのでは、とも思いますが、きっとタイミングが関係して、パートタイムの選択となったのでしょうね。



といったところで、いかがだったでしょうか。
アルシオーネは、このインタビューの最初と最後の言葉が何よりの総括となるのだと思います。ずっとやりたかったことを、ようやくここまでやれたということですね。

ただ、その志がきちんと評価され、販売台数に反映したかとなると、否という結論となってしまいます。


こと国内では、前編で書いた販売台数の制約からくる仕様の少なさが、どうしても敷居を上げてしまった印象が否めません。台数が伸びないので、仕様が増やせないという循環に、このアルシオーネも該当していました。

当時のこのクラスのクーペは、ちょうど今のコンパクトSUVと同じように注目を集めていた市場で、決して多くはないパイを狙って多くのメーカーが力作を投入する激戦区にありましたから、その中でライバルをなぎ倒していくというのは難しかったとも言えます。結局、国内ではプレリュード → シルビアという形で一車種に集中する結果となっていきます。


その点、多くの台数を売る予定だった北米輸出は、ターボだけでなくノンターボに廉価仕様も加えた形で、特に初期は比較的好調だったようですが、こちらも想定外の波が襲うこととなります。プラザ合意に基づく円高のため、相次ぐ値上げを余儀なくされることとなるのです。軽く調べたところでは、当初1万ドル弱だった中間グレードは、毎年1千ドル程度値上げされて、末期には約1万3千ドルという価格となっていました。こうなると、価格競争力としては厳しくなってきてしまいます。1987年に水平対向6気筒を追加して、軌道修正を図ったとされていますが、こちらは約1万8千ドルという価格に至っていました。

こうした内外の状況により、改良は進んだものの、大きな手入れと言えるのは、水平対向6気筒を搭載した2.7VXの追加(VXの詳細はこちらにあります)ぐらいで、次作となるSVXの登場を待つこととなります。


この種の最初の作であることから、手慣れていない部分というのが多少なりともあり、登場後は内外の状況に翻弄されたクルマということから、同時代のクルマ達の中では評価として高いものがあるとは言えません。それでも、各所に見られる意欲的な取り組みであるとか、何より志の部分は決して色褪せるものではないとも言えます。スバルのクーペとしては次のSVXに続いたものの、以降は途切れているという事実もあります。

実はメーカー関係の方が乗られていると思われる複数の個体を、今でも時折見受けていまして、同じように貴重な価値を感じている方がいるのだなと思う次第なのです。



(参考文献)
・月刊自家用車誌 車種別総合研究

(カラー画像の引用元)
FavCars.com
2017年01月09日 イイね!
古の設計者の想い、第8回です。

新年第一回目となる今回は、1985年(昭和60年)6月に登場したスバル・アルシオーネを取り上げることにします。

このクルマ、同年1月には北米のデトロイトショーにて先行発表されていまして、その時点で既に自動車雑誌をにぎわす存在ではありました。
それまでのスバルのイメージを覆す流麗なスポーティクーペというのは、クルマ好きの間でも一目置かれるものがあったわけです。もちろん、日本での発売が期待されてもいました。

この北米で先行発表されるというのは、その後、レクサスやインフィニティの発足時でも行われることとなりますが、当時はまだ珍しい発表の仕方だなと思ったことを記憶しています。
この発表、現地のディーラーへの配慮であったことは、この後取り上げるインタビュー記事からも推測することが可能です。

・・・などと、先に話へ移る前に、モデル概要を掲載しておくことにします。


アルシオーネ VRターボ(1985)

全長:4,450mm
全幅:1,690mm
全高:1,335mm
ホイールベース:2,465mm
車両重量:1,120kg
最高出力:135PS/5,600rpm
最大トルク:20.0kg・m/2,800rpm
東京地区標準価格:2,250,000円




スペックのとおり、1.8ターボを搭載するクーペということで、他社だとトヨタ・セリカ、日産・シルビア、ホンダ・プレリュードetcに相当するクラスとなります。


さて、月刊自家用車誌で連載されていた車種別総合研究内のインタビュー記事ですが、インタビューするのは、いつものとおり高原 誠氏(川島 茂夫氏)、インタビューを受ける側は、当時、富士重工業(株)で次の職にあったお三方となります。
 ・スバル技術本部 担当部長  高橋 三雄 氏
 ・デザイン室 室長  林 哲也 氏
 ・発動機技術第二部 部長技術士  馬場 泰一 氏

TV番組の新車情報と同様に、この記事でも受ける側は複数で対応という回も多かったのです。


それでは、以下紹介していきます。


引用ここから----------------------------------------------------------


高原 これが初めてのスペシャルティ・カーになりますね。

高橋 私どもは初めてです。性格の変わったものとして、スバル1000のスポーツセダンを国産初のラジアルタイヤでライン装着をやり、次のレオーネではクーペからスタートしてハードトップを後で追加し、先代レオーネは最初からハードトップ、味付けを途中で変えてハードトップのRXと、企画としては持っているんですが、4ドア・セダンからの派生車ですから、もう一つ目立たない。社内的に何とかしなければ、というのと、多様化・個性化の時流とタイミングが合っておりました。

高原 この車種のニーズが非常に高い北米をターゲットに開発され、国内に転化したと聞いていますが。

高橋 6割方真実でございます(笑)。一本立ちで1車種持ちますと、投資も開発コストも別にかかります。一本立ちの数を3,000台としたわけです。私どもとしては異例に早い時期からアメリカの業者に見せて、3年計画でディーラーの整備をし、要望も聞きましたので、アメリカの業者も非常に気をよくしている状況です。

高原 片や受け皿の小さい市場、片や要望の多い市場、両方に対応するご苦労があったと思うんです。

高橋 セダンのしがらみを捨てて別車種を持とうと考えたんです。とにかくスタリング的に目立つクルマにしようという意識は相当ありました。このクルマを通してスバル全体の追求をするという意図もあって、六連星の一番光っている星、アルシオーネ、と名づけたわけです。文字通り6つの星がこれで全部そろった。今まで、地味だ、ダサイと、もう嫌というほど我々の耳にも入っています(笑)。デザインもエンジンも車体も思い切ったことをやり、スバルだってこれぐらいのものはできる、というのを見てもらおうという気持ちはありました。

----------------------------------------------------------引用ここまで


高橋氏の語られている、アルシオーネの前史にあたるクルマ達をいくつか、掲載してみます。


レオーネ クーペ 1400 GSR(1971)

全長:3,995mm
全幅:1,500mm
全高:1,340mm
ホイールベース:2,455mm
車両重量:775kg
最高出力:93PS/6,800rpm
最大トルク:11.0kg・m/4,800rpm
東京地区標準価格:719,000円







レオーネ ハードトップ 1.8 GTS (1979)

全長:4,270mm
全幅:1,615mm
全高:1,355mm
ホイールベース:2,460mm
車両重量:925kg
最高出力:100PS/5,600rpm
最大トルク:15.0kg・m/3,600rpm
東京地区標準価格:1,380,000円







レオーネ 4WD 1.8 RX Hardtop(1982)

全長:4,185mm
全幅:1,620mm
全高:1,385mm
ホイールベース:2,450mm
車両重量:980kg
最高出力:110PS/6,000rpm
最大トルク:15.0kg・m/4,000rpm
東京地区標準価格:1,496,000円





かなり前の段階から、セダンとはやや異なる性格の車を企画してきたことが、語られています。クルマ作りの上で、量産車とは別に特別なクルマを作りたいのは自然なことなのでしょう。
ただ、アルシオーネ登場以前のクルマ達は、いずれもウエストラインから下はセダンとの共用で成立していることから、他社のスペシャルティ・カーと比較すると、どうしても地味な印象は拭えないものがありました。


そんな歴史の積み重ねから脱する機会が、やがて訪れることとなります。
北米で小型クーペのニーズが高まったのです。この種のクーペは、国内だけではなかなか企画が成立するだけの台数とはなりませんが、輸出で多くの台数を確保できれば、企画が成り立つこととなります。もちろん、富士重工がこの機会を逃すはずはなかったのです。


語られている時期を逆算していくと、レオーネのモデルチェンジに合わせてだったのでしょうね。

北米が先だったとは書きましたので、そんな輸出仕様の画像も掲載してみます。



先ずは北米仕様。スバルXTクーペとして発売されています。





続いては、イギリス仕様とされている画像。右ハンドルながら、北米と同じXTのサイドステッカーが装着されています。


そんなこんなで、このアルシオーネ、ようやくスバルに五つ星が揃った頂点に輝くという意味合いも含めて、ようやく念願かなった企画ということがご理解いただけるかと思います。意の部分は、相当に強いものがあったのです。


インタビューは、何とか商品として成立する見込みが立ったということで、どう展開していくのかという話に移っていきます。


引用ここから----------------------------------------------------------

高原 この手のクルマは都市部での需要が見込まれる。富士重工さんが今まで強かった4輪駆動の必要性のやや少ないところで売らなければならないという矛盾があったんじゃないかと・・・。

高橋 スタイリングから全く新しいクルマという商品力で、4駆がなくても十分戦えるものにしたい。これがまず第一です。とは言え、余り大きくない市場へ新参で入っていくには武器が必要です。4駆を前面に押し出すというよりも、4駆を引っさげて参入するという気持ちでしょうか。

高原 構成上ターボだけで組んで、しかも4輪駆動が2車種、FFが1車種、FFにはオートマチックがない、というのは選びづらいし、オートマチックを選ぶとターボも付けば4輪駆動にもなり、その分、割高の印象も受ける。

高橋 まず市場導入当初はうんと絞って、大いに目立つ組み合わせだけにして、お客さんのご要望やらをお伺いし、売れ行きを見ながら次第に展開を考えていきたい。最初は500台という非常に内輪な計画です。幸い評判がいいので、レオーネも含めた総量を伸ばす生産体制の整備と併せて徐々に増やしていくつもりです。

高原 スペシャルティ・カーは主観の部分があって嗜好品という見方をされる。少数精鋭のグレード構成ですと非常につらいんじゃないかと・・・。

高橋 まさしくそのへんもスタイリングをまるっきり新しい目立つものにしようという計画ができた時に、客観的にこれが我々の選んだ一番いい答えだ、物の考え方に裏づけがある、というものをしっかりつくろうじゃないかと。それが空力ですね。デザインと空力という力学的なものを突き詰めて、それをテーマにデザイナーが処理をすれば、機能美として美しいものが必ずできるはずだと。

高原 客観性いうことですね。


----------------------------------------------------------引用ここまで

このアルシオーネ、国内では500台目標ということから、ライバル車のようにグレードを多く揃えて間口を広くという戦略ではなく、少数精鋭のグレード構成となっていました。

発売時点のグレード構成は次のとおりです。
 〇FF VSターボ(5F):1,890,000円
 〇4WD VRターボ(5F):2,250,000円
 〇4WD VRターボ(3AT):2,315,000円

当時のスペシャルティカーの売れ筋は、170万円台と200万円台にありました。
プレリュードだと1800XXが前者、2000Siが後者となります。同じくFFセリカだと1600GTと2000GT-Rがそれぞれ嵌ります。これらと比べると、装備差はもちろんあるものの、アルシオーネはやや高価だったと言えます。

スバルのフラグシップスペシャルティカーという思いが、こういったせってに反映されたのだと思いますが、装備を多少落とすとか、ノンターボ仕様を設定するといった形のほうが台数は望めたような気がします。

また、既に何回も書いていますが、この年がATの販売比率が50%を超えてMTと逆転した年。FFはATを持たず、4WDも既に商品力を失いつつあった3速ATでは厳しかったというのも、もう一つの側面でした。1986年3月にはVSにも3速ATを追加し、さらに1987年7月にはATが4速となりますが、やや遅きに逸した感は否めません。


インタビューの方は、話しの切れ目が難しく、最後に一部出てしまっているスタイリングの話が、展開されて行きます。

引用ここから----------------------------------------------------------

高橋 目立つスタイリングということでは、まずオリジナリティが絶対あること、金地の中に富士重工の技術の特性を生かし切る、表す、というコンセプトが一番最初にあったわけです。2プラス2も、単なるファッションでなく、デザイナーが空力に対して一つのフォルムを作ってみようじゃないかと。そうしたら、我々が作った一つのフォルムと、空力部隊が実験に実験を重ねながら作ったある種のフォルムとが比較的近い形になった。

高原 空力とデザインが融合した形になった。

高橋 そうです。ただ、やっていく過程で、こちらを立てればあちらが立たずという問題がいっぱい出てくる。そこで、一勝一敗じゃ勝負にならない、”二勝一敗の思想でいこう”という詰め方をしていったわけです。つまり、何か新しいことをやって、ほかに我慢しなきゃいかんことがあったとしたら、その結果によって、もう一つのメリットを出す、二つメリットがあれば一つは我慢してもいいだろう。これの制約は、4人乗り5人乗りの居住性までは要らない、2プラス2に徹する、生産ラインを共用していく、それだけでした。あとは胸がすっきりするまでやろう、関係者全部が納得する答えを出そうと。それが割合にできたんです。

高原 富士重工さんは飛行機畑、空力では多分、最先端にある。航空機で得たノウハウを蓄積しているメーカーがやっとそれを出してきた。逆にいえば、遅いんじゃないか、という気もする(笑)

高橋 富士重工の力で、いきなりあれを3年4年前に出しても何考えてんの?という話のほうが先行すると思うんです。やはりレックスから始まってジャスティ、ドミンゴ、レオーネのフルモデルチェンジがあってアルシオーネができた。発想はあっても全体の技術力が上がらないと完成度の高い車はできにくい。

高原 デザインに関しては、民族的な完成度の違いでの難しさが多分にあると思うんです。

高橋 一番難しい問題です。色の嗜好性を見ると、日本では白やシルバーの台数が圧倒的に多い、アメリカの場合には大体どの色も万遍なく売れている、ヨーロッパは赤、黄、緑のシグナルカラーが売れている、という民族的な違いはあるようですが、最近はどうもシンプルで明快なものがインターナショナルな一つの本質となってきている感じがするわけです。アルシオーネは無駄なところをそいだ感じで、かなり明快です。アメリカでモデルを見せた時に、ある種の共感を得たのは、それも要因の一つにあると思うんです。

 我々としてもアメリカに迎合して作るつもりは全然なかった。ただ、日本のクルマがアメリカへ行けば輸入車ですから、輸入車としての味がないといけない。非常に早くからアメリカ人に見せて、この方向で間違いない、という検証はしましたが、やはり日本人が日本でデザインして、かっこいいというものをやってみた。我々のオリジナルです。

高原 あのスタイリングは、富士重工だからできた、水平対向4気筒があったから完結した、ということを強く出している感じで、デザイナーとエンジン設計部門の交流がなければできなかったと思うんです。

馬場 その通りです。アルシオーネについては、水平対向のパワープラントがあったからこそフロントノーズのあの造型も可能になったし、全体の躍動感も出たと思います。特徴を出すという意味では、水平対向エンジンのパワープラントが役立っています。例えばオルタネーターや充電器の類に小型のものを使って、いかに効率的に駆動するか、機能的な面での追求をしました。そういう意味では全くの新しい発想に基づいたエンジン艤装です。

高橋 面白い話があるんです。5分の1モデルから1分の1モデルすなわち現在の生産モデルまでほとんど変わっていないんですが、5分の1モデルの時はフードの真中にポカッと出っ張りがあった。5分の1モデルをデンと出して、エンジンとデザインが打ち合わせをした時に、この出っ張りをスパッと切ったらどうなるかということがもう皆さん見えまして、エンジン屋さんに”この出っ張りは取りたいね”1週間で”削っていいよ”とサッと・・・。あの5分の1モデルは記念になるから、いまだにとってあるんです(笑)


----------------------------------------------------------引用ここまで

スペシャルティカーを作る場合、強力なリーダーが内なる構想を実現するためにリードしていくというやり方もありますが、アルシオーネの場合は、合議制で進んだことを伺わせる内容です。その前提で、二勝一敗の思想で進めるというのは興味深いところですね。

空力に力を注いだという言葉のとおり、車高の低いVSでは空気抵抗係数0.29という、当時としては素晴らしい値となりました。数値だけでなく、ドアミラーをボディからフローティングさせる等、後年に繋がった技術も採用されています。
当時は、様々な理由からボンネット中央にパワーバルジを設けるクルマも多かったのですが、アルシオーネでは逆に最初はあったバルジを外したようです。空力の点はもちろん、デザインの点でも正しい判断だったと思います。それを1週間で実現したというのが、このクルマに対する熱意の表れということなのでしょう。

熱意といえば、デザインはこの種に多い外注ではなくオリジナルであるとされています。作りたくて仕方なかったクルマだとすれば、デザインを外注するという選択肢はあり得なかったのでしょうね。


インタビューは、デザインから地上高の話となります。

引用ここから----------------------------------------------------------

高原 一つ、勿体ないと思うのは、ボディの部分は薄くできているけれども、地上から見るとあんまり低くなっていないという・・・。

馬場 それは4WDのほうですね。FFは十分に下がったデザインになっていると思います。4WDは機構的な要素があってロードクリアランスもFFより若干高くとってある。私たち自身もFFまで下げる改良をやらなくちゃいかんとは思っています。

高原 EP-Sの車高調整ができる利点を使って、落とした使い方もできます、という形で実現するわけにはいかなかったんですか。

馬場 それはこれからの研究課題で、EP-Sのサスペンション・ユニットをもっと大ストロークに改良しないと、今の時期ではまだ下がらない。いずれ下げますよ(笑)

高原 4輪駆動のハイは200ミリを超える。こういうクルマをラフロードへ持ち込んでドタドタ走る人がいるのかな・・・。

高橋 ラフロードじゃなくて、私どもの4輪駆動のハイの狙いは、例えば積雪地の市道を含めた公道は除雪してもらえますから、私道や路地、家から公道へ出るまでの間です。ですから、ハイ、ローの関係もロードクリアランスの評価実績を見ながら決めています。

 4輪駆動のローは少し高めにしておかないと問題があるんです。機構的にまだ開発され尽くしていないのと、もう一つは乗り心地が悪くなる。ローで走ると凹凸を乗り越える時にガツンと底突き感が出ますから、ストロークを大きくとっておきたい。


高原 ガツンと打てば、壊れないにしても気分のいいものではない。200ミリを超えるとはいえ、ハイにしておけば安心していられる。

高橋 あのクルマは、悪路は従に考えて、ハイウェイを高速で走る乗り心地や操縦性が狙いです。

高原 ああいうクルマにしては日常的な乗り味が大切な味つけになっている。走りだけで評価する車種設定にしていないところが面白いと思いました。


馬場 おっしゃる通り、居住性、扱いやすさ、経済性をベースに置いています。

高橋 現在の仕様は、日常使うクルマとしてどこまで完成度を高められるかがテーマです。手に汗を握ってワインディングロードを攻めるクルマではない(笑)。快適な高速巡航性、例えば土曜日に大阪の恋人のもとへ東名で駆けつけるという感じで中年がつくった(笑)

----------------------------------------------------------引用ここまで

アルシオーネは、FFの方が4WDよりも40mm低い設定となっていました。
最低地上高は、FFの155mmに対して、4WDは165mmと10mmのプラス。さらに4WDは、エアスプリングを用いることでさらに30mm車高を上げることも可能でした。

全高1,300mm前後のクルマで40mmの違いというのは、結構見た目に利いてきます。引用元の車種別総合研究では、4WDとFFの両方がテストに用いられていましたので、画像も引用してみます。



今目線だと、当時のクルマは全体的に床が高い感はあるのですが、ここではその話は抜きとします。一先ず両者を比べてみると、やはり4WDの腰高感は強くなるのはお解りいただけますよね?、ということで。

4WDに関しては、この画像より上に引用した輸出仕様の画像の方がさらに車高が高い気もするのですけれどね。個人的に勿体ないと思うのは、フロントのタイヤアーチの形状です。真円を描いていないため、さらにタイヤとアーチの隙間が広がって映るのですが。

インタビューの文中にあるとおり、この点は改善点という認識があったようですが、結局モデルライフを通して車高の変更はありませんでした。


またインタビューの中で興味深かったのが、日常的な乗り味を大切にしているという点です。まだまだゼロヨンや筑波のラップタイムが自動車雑誌の誌面を飾っていた時代にも関わらず、もう少し大人の領域を目指していたのでしょうね。


ちなみに、同誌のテストでは、0→400mは17.4秒、0→100km/hは10.84秒(共にVS)とされています。VRの方も2駆と4駆の別で計測されていますが、若干速い4駆の方でも、100kg近い重量差の影響かVSに遅れるタイムで掲載されています。



といったところで、長くなりましたので前編はここまでとします。
後編では、走る・曲がるの話に加えて小物関係の話が主となります。

個人的主観の総括も次回送りということにて、しばしのお時間をくださいませ。



(参考文献)
・月刊自家用車誌 車種別総合研究
・自動車ガイドブック

(画像の引用元)
FavCars.com
2017年01月05日 イイね!
1992年のカローラセレス/FXのオプションカタログさて、このお正月、2日に奥様のお供で初売りに繰り出したところ、ものの見事に風邪を貰い受けてしまいました。さらに悪いことに、偏頭痛も併発。

この影響で、2日夕方から3日までは、すっかり寝正月。昨日開始の初仕事には何とか間に合いましたが、この惨状、なんともはやとしか言いようもなく。

本来は他のネタを考えていたのですが、時間をかけて大物に手を付けるという状態でもないため、軽いネタで間をつなぐことに。そんな訳で、急遽浮上したのが、このオプションカタログ。振り返って見ると、ほぼ半年ぶりのオプションカタログネタとなるようです。


今回は100系カローラのモデルチェンジから1年後に追加となったカローラセレス/FXとなります。カローラのオプションカタログは、以前に100系後期のセダンとワゴンを掲載していますので、対比してみるのも一興かと思われます。

それでは、以下紹介していきます。




最初はエクステリアです。
左頁では主にキャリア類、右頁ではその他外観の小物類が掲載されています。

サッシュレスドア&ウィンドーモールが小さめということで、キャリア類の設定は難しかっただろうと推測するのですが、何とか成立。さらにサイドバイザーとの両立すらも可能としています。この辺りは純正用品ならでは、と言えそうです。経年でウェザーが劣化した時でも大丈夫だったのかは若干気になる点ではありますが。

もう一つ特記すべきは、シャイニングエンブレム。上級車種では設定の多かった用品ですが、このセレスでも選択可能だったようです。もっとも画像で見る限り、やや出っ張った形での装着となるようで、後付け感は明確。当時も見かけた記憶はなくて、残っていればかなりの希少品とは言えそうです。





続いてはインテリアです。

ステアリングとMTのシフトレバーノブはMOMO製が選択可能でした。FXではメーカーOPも選択可能だったようですが、別に用品設定もあったことが判ります。エアバッグが選択可能な時代に入りつつありましたが、用品の方はまだエアバッグレスですね。

シートカバーは最高級が一種類で、その下に高級が複数並ぶ体系。セレスとFXで設定が違っていたりするあたりが、微妙でもあります。





続いてはアメニティに属するとされている用品です。

空気清浄器もリヤパッケージトレイを備えるセレスにはビルトインタイプのエアピュリファイヤー、頭上空間に余裕のあるFXには吊り下げタイプのクリーンエースと設定が分けられています。

トレイ付きのカップホルダーもセレスのみの設定。ドライバー寄りにラウンドしたインパネ形状に対応させるため、斜めにスライドする形状となっていたようです。カップホルダーの設置場所がなくて用品設定で対応したという見方も出来そうです。

右頁の用品群は、他車で紹介済ですので、ここでは省略してしまいます。





続いては、左頁にセーフティ&イージードライブに属される用品群、右はそれに被せる形でFXのみに設定されていた用品が紹介されています。

左頁でやや意外なのは、電動リモコン式のフェンダーランプがFXには設定がないこと。形状の近いセダン&ワゴンには設定がありましたので、独自形状のバンパーが支障となったかなというのは推測。

右頁での意外はゴールドエンブレム。セレスにも設定があってよさそうなものですが、メーカーエンブレムはシャイニングエンブレムの設定があったこと、車名エンブレムは独立タイプだったことから設定が見送られたのでしょうね。





上の頁を開くと、この頁が表れます。

左頁はセーフティ&イージードライブの続き、右はクリアランスと名付けられています。整理の意味合いなのでしょうね。

ここも、他車で紹介済の用品が多い気が・・・。インパネトレイが助手席エアバッグが普及する前ならでは、というくらいでしょうか。このトレイ、フタが取り外し可能で手鏡になるというのはアイデアものですね。





用品の最後には、オーディオが掲載されていました。

この両車、若者向けを狙っていたこともあって、メーカーOPで選択可能だったスーパーライブサウンドシステムはかなり凝ったものが装着可能でした。それだけにあえてこちらを選択するケースというのは、少なかっただろと想像するところです。標準在庫車に、高級オーディオをお得に装着みたいなケースもあっただろうとは思いますが。

DSPを活用して専用音場設計というあたり、結構凝っていたりします。もちろんお値段は相応。





最終ページは汎用品設定のため、省略。


といったところで、軽く流してみました。
これだけだと、軽すぎる感があるため(?)、以下私解釈。


ニューモデル速報誌によると、カローラ/スプリンター系にハードトップを追加する構想は、先代の登場直後であったことが語られています。想定ユーザーとしては、レビン/トレノがFF化により女性ユーザーを多く取り込んで広がったことから、その卒業生であるとも。レビン/トレノを卒業したユーザーが、いきなりセダンに移行するかというと、そうじゃないだろうという思いがあったようです。

今ではなかなか理解が難しい領域の話かもしれませんが、当時のモデルレンジの中にあっては、レビン/トレノにリヤドアを付けたようなスペシャルティ4ドアハードトップというのは、確かにそんな予測を成立させるに足り得る存在ではありました。

この4ドアハードトップシリーズというのは、クラウンから始まって、マークII/チェイサー、カリーナ/コロナと順を追うように展開が下りてきて、ついにカローラ/スプリンター系にも追加された形となります。そこには、ビジネス用途での使用も考慮するセダンとオーナー層向けのハードトップという切り分けを行っていくという思惑もあったように思います。

ところが、当初こそ売れたものの、やがてユーザーはメーカーとの思惑とは別の動きをするようになっていきます。想定ユーザーとするレビン/トレノの卒業生たちは、セレス/マリノではなく、ツーリングワゴンやカリブへと移っていくこととなるのです。

フルラインセダンに続いて、フルラインハードトップが完成となった時期と前後して、同時にトランク付きのセダンが衰退する傾向が始まっていくこととなります。そこには、フルラインで揃ったセダン系の序列に飽き足らないばかりでなく、同時にセダン・ハードトップというボディ形態への限界すら感じて見切ってしまった(飽きてしまった)層が確実に存在していたのではないでしょうか。

以降、セダンへのユーザー回帰が何度か試されますが、ユーザーが以前のように回帰することは決してなく、現在までその状況は続いていますね。



セレスと同時に追加されたFXは、この世代に至って、3ドアのスポーティモデルのみに集約される結果となりました。

思えばこのFX、登場当初から3ドアのスポーティモデルが想定以上に売れたクルマでありましたから、この選択はある種自然の流れだったのかもしれません。その裏には5ドアが傍流であったことや同系列の直ぐ下位モデルとしてカローラIIが存在していたことが関係していたこともあります。

シビックを代表とする他社の同級ハッチバックモデルも同様の傾向を強めていただけに、その選択も理解はできるのですが、ことこのシリーズに関してはよりスポーティなモデルとしてレビンの存在があっただけに、スポーティグレードだけに絞った選択が正しかったのかは些か疑問が残るところです。もちろんメーカー自身は、それを承知していましたから、目標台数1,000台というライバル車以下となる絞り込みを行っていますが。

異論覚悟で書くと、この時期には、カローラIIも3ドアのみとなっていましたから、もしかすると5ドアでの設定の方が展開が開けていたのかもしれません。この後のRVブームや2世代後のランクス/アレックスがそう思わせるのです。


この2台、確実に言えそうなのは、セダン・ワゴン・クーペといった当時の売れ筋の隙間を埋めるクルマということでマーケティング主導で作られたのだろうということと、実際のマーケットは当時という激変する時代の中では導き出された答えとは違う動きをしたということ。

私にはマーケティングでクルマをつくる怖さを表している気がしてなりません。


・・・などと、やや厳しい書き方をしてみるものの、主観的な見方に立てば、バブル景気を反映した凝った作り込みがされていますし、この後には続かなかったボディ形状たちということでメモリアル的価値を感じていたりするのも事実。

あまり顧みられることはありませんが、今実車を見ると、ちょっと見入ってしまいそうな気がしています。

これまた、現在では再現されることはなさそうなクルマ達なのです。
2017年01月01日 イイね!
明けましておめでとうございます。

昨年は何かとお世話になり、ありがとうございました。
本年も変わらぬお付き合いのほど、よろしくお願いいたします。


今年の干支は「丁酉(ひのととり)」。「ひのと」は「火の弟」とも書くそうで。

となると、最初に掲げるのは、やはりこれでしょうね(これは、ネタが重なりそう・・・)





あまり詳しくありませんので、軽く調べてみると、

〇1型(1973 Pontiac Firebird Trans Am SD-455)




〇2型(1976 Pontiac Firebird Trans Am L75 455)




〇3型(1978 Pontiac Firebird Trans Am T/A 6.6 W72 Black Special Edition)




〇4型(1979 Pontiac Firebird Trans Am T/A 6.6 L78)


といった変遷となるようです。
この中での個人的な好みは3型ですが、意見が分かれてもよさそうな部分ではあります。
このクルマも、大きく変わる時代の中、変遷を重ねつつ12年続いていますので「変わるもの」「変わらぬもの」を具現化している一台と言えましょう。



自分的には、このクルマだとこの組み合わせの印象が強くなるんですけれどね。






正しくは、酉(とり)は鶏につながるようですが、birdつながりということで、もう一つ。

今は使われなくなった名前ですが、日産の「青い鳥」

今年はこちらが50周年となりますし




こちらの世代も30周年を迎えます。


自分的には、510の50年より、U12の30年経過の方が、そんなに経つのかの感が強いです。時間の経過が実感とリンクしないのは相変わらず。





メモリアル関係では、ちょうど35年前の1月に、マイナーチェンジと合わせる形でこれが追加されています。ベストセラーを継続するため、そして何よりモデルチェンジが噂されていたコロナへ対抗するための回答の一つですが、モデルライフ途中での追加は予想外でした。

このクラスに4ドアハードトップを持ち込んだことで、独自の人気を形成。その人気は、カリーナEDが生まれるきっかけにもなります。ミドルセダンの歴史に1ページを加えたと言える1台です。


名前の由来となったのは、幸福の象徴である「青い鳥」。
皆さま、それぞれに「青い鳥」がみつかりますよう祈念して、初日の挨拶に代えさせて頂きます。

                                平成29年 元旦
-------------------------------------------------------------------

(画像の引用元)
FavCars.com
Posted at 2017/01/01 06:41:19 | コメント(13) | トラックバック(0) | 徒然私的話 | クルマ
プロフィール
「W213を運転してみた話 http://cvw.jp/b/1984303/39191947/
何シテル?   01/17 21:57
3台計で20年以上の長きに渡って乗り続けたX80系からW204への代替がみんカラを始める動機となりました。 最初はW204関連を主とするはずだったのですが...
みんカラ新規会員登録
ユーザー内検索
<< 2017/1 >>
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031    
お友達
ブログや愛車紹介等から、興味を持った方、似たものを感じた方は、お誘いくださいませ。ただし、承諾したお友達の削除は極力避けたいため、良識に欠ける、数を増やす目的、独善的志向の方からのお誘いはご辞退申し上げます。
なお、コメント等をやり取りさせていただいたりしますと、逆にお誘いするかもしれません。
53 人のお友達がいます
∠(^-^)隊長∠(^-^)隊長 * katsuode domingo藍澤勝男katsuode domingo藍澤勝男 *
tteettee * f31rogerf31roger *
ブルマウブルマウ * 紺ウサギ紺ウサギ *
ファン
210 人のファンがいます
愛車一覧
メルセデス・ベンツ Cクラス セダン メルセデス・ベンツ Cクラス セダン
2013年9月14日納車 アドバンストライトパッケージ ボディカラー:988 ダイヤモン ...
トヨタ マークII トヨタ マークII
1995年12月登録(同型最終年月) 2001年6月購入 2013年9月譲渡 ボディカ ...
トヨタ マークII トヨタ マークII
1992年6月購入 2009年3月一時抹消 2009年6月永久抹消 ボディカラー:18 ...
トヨタ クレスタ トヨタ クレスタ
1991年7月登録 2000年11月購入 2001年6月譲渡 ボディカラー:27N パ ...
過去のブログ
QRコード
QRコード
このブログを携帯でご覧になれます
ヘルプ利用規約サイトマップ
©2017 Carview Corporation All Rights Reserved.