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2007年02月16日
[漫画]漫画を思う。
例のAさんから拝借している、山田玲司氏の『絶望に効く薬(9)』と『水の鳥』を読み返してみる。
この人の作品のストーリーは好きだが、その絵に違和感を持っていて毎回なんともやるせない気持ちになって読んでいた。

その理由は、随分前の話になるが2000年5月1日発行の季刊コミッカーズ春号内にあった、氏の6年にも渡る連載“人生裏口入学”の最終回にあった。

プロの漫画家やイラストレーターのテクニックや画材を紹介する雑誌で、そのコーナーには“絵が下手ではダメなの!?”と言った相談が寄せられていた。
同氏の長い回答を読んだ当時、要するに“漫画は絵の技術力が基礎だとか、ストーリーの勉強が常識なのではなく、読者をもてなすエンターテイメント性こそが、漫画本来の使命だ”と言っているのだと読解した。
文中、確かにイイ事を言っているなと頷ける所や納得・共感を持てる部分も多々あったのだが、どうにも暗に“下手でもOK”と技術力のなさを肯定している様に当時は思えてならなかった。

確かに、漫画は自由だ。
表現の方法は漫画を描く人間の数だけあると言って過言ではないだろう。
無論、技術力がなくても個性的な表現方法を用いてヘタ上手と言われヒットしている作品も数多存在している。
物語が技術力不足をカバーしていると思われる事もある。
昨今の、綺麗で読み易いが“コレ誰の絵?”と言った画一化された作風には首を傾げる度に、山田氏の言っていた事を思い返して納得もする。

だからと言って、画力を棚に上げるのはどうなのだろうか…と。
(連載中に、画力を棚に上げた記述はないが、そう受け取ってしまったとの意)

読者としては、漫画家には画力の向上を期待してしまう部分もある。
実際、数多くの作品で年月を重ねるごとに絵が目に見えて上達している作家さんも多い。

画力の向上について触れられなかった点が、私は不満だった。
氏の作品を読むと、どうにも開き直っている様に感じられてしまい、読者としてはその開き直りは“今後の氏の新しい絵を見られないのでは?”とガッカリした気持ちにさせられてしまうのだ。
一時期は、表現力の不足がコンプレックスとなって言葉で現れているのでは?と思い、読むのが辛かった。(それでも漫画は読むのだが)

あれから7年。
こちらもちょっと見方が変わって、なんだかんだと言いつつ(拝借してだが)継続して読んでいる。
最近の絶薬を読んで“表現がちょっと自然になったのか??以前より読み易くなった”と思ったりして、以前感じていた違和感は軽減されていた。

後書きやかつての連載を読み返して、氏の漫画への情熱を知るに至り脱帽。
“絶望に効く薬”なんてタイトルを付けたからには、今後も長く続けて欲しいと無責任に思ったりする今日この頃。
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