敏感肌のスキンケア①

このX300ソブリンを手に入れて以来、外装パーツや足回りをいくらリフレッシュしても、劣化したボデー塗装を見る度に心が痛んでいた。見ようとしなくてもクルマに乗り込むたびに目に入るのだから、精神衛生上よろしくない。
天井、トランクを中心に発生しているボデー表面の無数のクラックは、干からびた地層を覆う地割れ現象にも見え、明らかに経年によるもの。洗車キズでは無い。２０年もの間、外気に晒されていたことを思えば致し方ないか。

ボデーも長年お疲れさま、ということである。目ぼしいと思われた塗装業者さん５軒に実車を持ち込み、見積もりを依頼。
丁寧な説明と社長さんの誠実なお人柄もあり、神奈川県川崎市の村松鈑金塗装さん（http://www.muramatsu-bp.jp/）で施工していただくことに決定。下地処理から始めるスキンケア・プロジェクトがスタート。

プロによる診断の結果は極めて厳しいもの。特に上向きパネルは、表面のクリヤに加え、塗装の下地にまで痛みが浸透しているよう。特に劣化が激しいパネルは下地まで剥ぐことに。まず、ダメージが際立つ箇所をチョークペンでマーキング。

養生ガムテープ。この後、劣化が酷い箇所をダブルアクションサンダーで機械研ぎ。２４０番で削るという。下地が出るまで塗料を全て削り落とす。
会長自らも丹念にマスキング作業されていて、胸熱。

グレーの下地が全て現れる前の段階の天井。クリア層、サファイアブルー（塗料）層、下地のグレー層にまで到達するまで、ひたすら削る。
「塗装はどこまでやるか次第」とよく言われるが、まさにこの工程でどこまでこだわる（徹底する）か。ここに仕上がりの差が宿る気がする。

下地を削った結果、天井の下色がむき出しに。

サフェーサーを塗装。痩せないようにと、サフェーサーを３度以上塗り重ねた状態。
この工程を軽く済ませると、後で塗装痩せが起こる。痩せてしまうとさらに時間が経ってから、ペーパー目や凸凹が発生するらしい。

ふと右前バンパー下の擦り傷のことを思い出す。永遠に見て見ぬふりをする選択肢もあったが、ついでに補修することに。車止めにでも擦ったのだろうか。（つづく）