気が付けば11月も半ば。すっかり冷え込んで参りました。
昨日は久しぶりのお客さんが我社をご訪問。もこもこの毛皮を着ていても、やはり寒いに変わりはないご様子。
しかし、11/6にはまだ南伊豆で潜れたんですけどねー。異常気象でもやはり季節は巡るものです。
と言うことで、最近読んだものの備忘録。
例の青空文庫(無料名作)あいうえお順イッキ読みは、太宰治マンスリーに絶賛突入中です。
太宰はやはり面白い!その一言につきます。芥川先生の方が、文学的に一段上にあるような気もするのですが、こと読者への訴求力、アミューズメント性では、これほど楽しませる作家もいないでしょう。走り書き的な極短編以外はどれも面白い。
「道化の華(心中未遂事件の説き明かし的作品)」のような、私小説的な作品は、若干、作者の衒いというか、偽悪的な露悪趣味が鼻につく場合があったりもしますが。だがそれがイイ。
その点、「走れメロス」「駈込み訴え」のように、あくまでフィクションとして割り切ったものは、その文章の切れ味、冴えにうならされます。畳みかけるような筆致は疾走感抜群。
特に「駈込み訴え」はやはり変わらず個人的ベストです。こういう、独白メインの狂騒的躁的なまでに暴走するドライブ感は大好物です。「インスマウス」しかり「孤島の鬼」しかり。芸術は狂ってナンボのものでありましょう。
さらに、今回の再読での発見は、女性心理の描写の巧みさ。作品では、「皮膚と心」「女類」「純真」「貨幣」「女生徒」。
「女生徒」の大人になりかけた少女の内面を、偏執的になぞった文章は、当惑するくらい真に迫ったものでした。時に美しく、時に可愛らしいんですけど、なんだかちょっとゾッとしたり(笑。この作品も、独白調の暴走系でもあります。
もちろん、女性ならぬ男性であるところの私が思う「女性心理」なわけでして。実際のところはどんなものなのか、逆に女性の読感を知りたいところでもあります。
独特の無頼&デカダンな雰囲気に始まり、秀逸かつちょっと悲しいオチでほろりとさせる作品も、また好物。「眉山」「畜犬談」「女類」「貨幣」は良かったなぁ。
結局、太宰は面白い!という結論に戻るのでした。改めて、凄い作家です。
その他では、ミルトンの「失楽園」の再読も始めました。最近電車に乗ることが久しぶりに増えてきたので、カバンに忍ばせて暇つぶしにしています。
これはもう、完全に「セイトゥンさんスゲぇっす!明けの明星ハンパねー!」て内容なんですよね。もちろん、当時の状況から、おおっぴらに堕天使をよいしょするわけにも行かないんですけど、その辺の作者の葛藤と、表現法がこれがまた面白いという。
これ終ったらギョエテの「ファウスト」かヘンリク・シェンキェヴィチの「クオ・ヴァディス」を再読する予定です。
携帯電話用データ(パピレス無料名作≒青空文庫)
・太宰治「二十世紀旗手」
・太宰治「八十八夜」
・太宰治「ア、秋」
・太宰治「愛と美について」
・太宰治「小さいアルバム」
・太宰治「老ハイデルベルヒ」
・太宰治「兄たち」
・太宰治「青森」
・太宰治「あさましきもの」
・太宰治「美男子と煙草」
・太宰治「美少女」
・太宰治「眉山」 ☆☆
・太宰治「畜犬談」 ☆☆
・太宰治「地球図」
・太宰治「千代女」
・太宰治「断崖の錯覚」
・太宰治「男女同権」 ☆
・太宰治「誰」
・太宰治「誰も知らぬ」
・太宰治「十二月八日」
・太宰治「デカダン抗議」
・太宰治「道化の華」 ☆
・太宰治「服装に就いて」
・太宰治「不審庵」
・太宰治「玩具」
・太宰治「グッド・バイ」
・太宰治「五所川原」
・太宰治「逆行」
・太宰治「恥」 ☆
・太宰治「薄明」
・太宰治「花火」
・太宰治「花吹雪」
・太宰治「犯人」
・太宰治「春の盗賊」
・太宰治「走ラヌ名馬」
・太宰治「走れメロス」 ☆
・太宰治「皮膚と心」 ☆
・太宰治「火の鳥」
・太宰治「富嶽百景」 ☆
・太宰治「HUMAN LOST」 ☆
・太宰治「陰火」 ☆
・太宰治「一燈」
・太宰治「女類」 ☆☆
・太宰治「女生徒」 ☆☆☆
・太宰治「純真」 ☆☆
・太宰治「貨幣」 ☆☆
・太宰治「駈込み訴え」 ☆☆☆☆
書籍
・H・P・ラヴクラフト 作(大西尹明/訳)「ラヴクラフト全集2」創元推理文庫(100回目位の再読)
・ミルトン 作(平井雅穂 訳)「失楽園(上)」岩波文庫
漫画
なし
雑誌
・スピリッツ、イブニング、モーニング、ヤングジャンプ、ヤングマガジン 他
・Number、CG WORLD
・ベストカー、ENGINE、CAR MAGAZINE
・ファモーソ
ぬこ先生は、結局MAC部屋まで上がられ、数時間仮眠を取ってから帰ってゆかれました。
お休みですなーと、無視して仕事をしていると、ナーナーと人を呼んだり。さらに無視していると、足元をぐるぐるマークしてきたり。
気になって正直仕事になりません。
でも是非また来社していただきたい(笑
さて、それはそれとして、結局昨晩はピエール・ボネルを空けてしまいました。今宵はもう一本行ってみようかと。
今朝の新聞によると、ドン・キホーテのペットボトル・ボジョレーが、去年からさらに値を下げて、750mlで578円!だとか。
いくら何でも安すぎでしょ!御仏の御百姓さん泣いてるよ!と思わなくもないのですが。
でもちょっと試してみます。
流通ニュース:ドン・キホーテ/ボジョレー・ヌーヴォー、578円
D
Posted at 2010/11/19 13:51:47 | |
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