小学生の頃は医者になりたい、と思ってました。体が弱く入退院をくりかえしてたために幼稚園は1/3位しか登園できず、小学校も低学年の頃はかなり休みがちだった自分は、お医者さんになって難病を治してやるんだ!などと高邁なことを考えていたのです。
成長にともなって体も丈夫になり、高校~大学進学の頃には、ガッコの先生になろうという気持ちに傾いていました。
その後、バイクだ車だと動き物に興味が移り、自動車メーカーで働きたいという気持ちが芽生え、そのままの勢いで自動車メーカーに就職してしまいました。
かなり単純なヤツだと思います。
車好きが自動車メーカーで働くってのは、意外と思うかもしれませんが、ちょっと辛いこともあります。 それは、必ずしも自分の理想どおりの車を作れるとは限らないし、ちょっといいなと思う車が登場しても他社車だとなかなか手が出せない、などの理由があるからです。
だから、本当に車が好きだったら車メーカーになんか入らないほうがいい、というのもひとつの考え方です。自分も、正直そう思ったこともあります。バイクが好きなので、バイクは趣味にとっておき、車メーカーに入った、という友人もいました。
でも、景気が悪くなったり、仕事が辛くなったり、自分のポジションが変わっていく中で、結局自分にはクルマ屋が向いてんだな、とつくづく思うようになりました。
仕事は、好きなだけで選ぶと辛くなる。
でも本当に辛いとき、好きじゃないと我慢できない(爆)。
バイクは趣味に・・・といっていた友達が、結局バイクメーカーに転職してたりするしね。
でね、仕事を続けているうちに(社会も変わるし、自分のポジションも変わるし・・・)、その好きという感覚も変わって、かならずしも直接的に車に携われることではないシーンで、ああ~この仕事しててよかったな、と感じる場面に出会ったりもするのです。
最近 ああ~クルマの仕事をしててよかった と思ったこと。
月刊自家用車さんが運営しているサイト『もっと!そーだったのか!福祉キャブ web ver.』に、えらくイイ話が載っています。
川崎市麻生区にある特養老人ホーム「潮見台みどりの丘」の統括主任生活相談員・大塚さんへのインタビュー記事。
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クルマの運転手さんや、よく運転される方に、研修などでお伝えするんですけども、ドライバーさんは、その人を外に連れて行ってくれる人なんです。だから、(入居者の方が)私たちには話さないような内容をクルマのなかで、ポロっと話したりされるんですよ。
それはもしかしたら、ドライバーさんであるか、クルマであるかわからないけど、入居者にとってはとてもいい空間なんですね。クルマであれば、車いすのまま移動出来るので、電車やバスのような不安もない。そんななかで普段言わなかったことを、ふっと。
そういえば、この間、とても認知症が進んでいて、普段はあまり、よくわからないことをお話しする方を、多摩(東京都)の病院のほうへお連れする機会があったんですね。
その方、以前、若い頃に登戸(多摩区にある地名)でお仕事をされていたそうなんですけど、私はそんなことを全然知らないで、ただ風景を見て、"ここは登戸ですよ"って何気なく説明したんですね。そうしたら、その方、その若い時に戻って、実はここはこうで...っていう話をたくさんされたんです。これって、施設のなかにいたら、絶対になかったお話なんですよね。そういう意味でも、クルマって、とても大切なんです。
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全文は、下記のリンクからじっくりご覧ください。
http://www.naigai-p.co.jp/jikayosha/welcab/0010.php
クルマ(特に福祉車両)があれば外に出られる、これによってリハビリが進んだ・・・って話はいままでも聞いたことがありますが、ホント嬉しい話だと思いました。たぶん、この施設利用者の方の頭の中で、いろんなものがマッハでつながって、いろんなものが思い起こされて、口をついたんですよね。
この話を読んで、うちの親を車に乗せて、本人たちが行った新婚旅行先にでも連れて行ってやろう!、などとガラにもないことを思った私です。
新婚旅行先・・・ たしか、熱海だったよな。
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ライフケアビークル | クルマ
Posted at
2011/03/24 17:32:39