優れた技術とそうでない技術

(架空の話であり、実在する話ではありません)

とある自動車メーカーA社と別の自動車メーカーB社の業務提携が決まりました。

協業の内容は、B社製のコンパクトカー（とてもよくできた商品で、お客様の評価もよく、たくさん売れている車です）をベースに、A社デザインの外観とエンブレムをつけて、なおかつA社の工場で生産するってことです。

基本となるパーツは、B社の生産ラインに搬入されるものと同じものが使われます。

いざやり始めてみたら、A社内では多くの壁にぶち当たることになりました。

B社のそのコンパクトカーは、A社の設計部門や生産部門あるいは品質管理部門の常識ではありえないほど精度の低いパーツが搬入され、組み上げてみたら左右のホイールベースが違うなど、びっくりするほどの出来です。　

試にA社で生産されている量産品を数台調べてみたところ、同じようにばらつきがありました。　この精度にOKを出しているのはB社の品質管理部門です。当然、設計部門もその管理基準にOKを出しているということです。

さて、A社とB社、優れた製品を作っているのはどちらの会社でしょう？

な～んて聞かれたら、そりゃあA社でしょう！っておもいますよね。

でも、見方を変えると、そんなふうに精度の低い部品やいい加減な作られ方をしても、ちゃんと車として機能するものを作れるB社の技術もすごい、といういい方もできますね。

実に面白い。