注:このブログは創作です。内容は全てフィクションであります。
タイトルは思いつきであり、画像は全てイメージで本文とは無関係です。
では、どうぞ。(^^ゞ
創作ブログ・大地の誘惑。(前篇)
足軽バイパスを1台の赤い車が走っていた。
市街地の混雑を避ける為、足軽山の中腹を走るワインディングロードは、法定速度を80km/hに制限される。男はその赤い車を忠実に法定速度で走らせていた。
男の名前は小田原丈、フリーのジャーナリストを名乗ってはいるが、実は無職だ。
だが、それを悟られぬよう、取材道具と称して、いつもカメラバッグを車内に放り込んである。
勿論、中身はカラだ。
やがて小田原の車は板橋JCTから、代官高速に入った。100km/hの制限速度を忠実に守る。
10分後、頂上のパーキングエリアに到着すると、見慣れない車が止まっている。
(画像はイメージです)
これはスクープかもしれない!これを雑誌社に売り込めば仕事にありつける!?
咄嗟にカメラバッグに手を伸ばしたものの、そのバッグがカラであることに気付くまで、しばらく時間を要した。「わしも歳をとったもんだ。」小田原はひとりごちた。
パーキングからゆっくりと車を出し、十穀峠に向かう。
新緑の季節を迎えようとしている十穀峠は、しかし、どんよりと曇っていた。
峠を越えて、熱燗街道へ。
(画像はイメージです)
そろそろ昼飯の時間だ。
燗南山の中腹にあるカフェに小田原は入った。
「ご注文は?」ウエイトレスに促され、小田原は「大地の誘惑カレー」と答える。
『でも、ホントは君に誘惑されてしまったんだ!』と、心の中で呟くが、勿論、口には出さない。
小田原にとって、やや辛口のカレーをほろ苦い気持ちで胃に収める。
(画像はイメージです)
カフェを後にし、燗南の市街地を抜けて駿豆中央道へ。
長丘ICで降りて海岸線の駿河西浦シーサイドラインを走る。
ふと、ルームミラーを見ると、1台の軽自動車が猛然と迫ってくる!
小田原は道を譲り、すぐさま、その軽自動車の後を追う!
(画像はイメージです)
☆後編へ続く☆
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Posted at 2013/04/17 21:34:08 | |
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