う越貞

『う越貞』には約15年前から行く様になりました。
それより更に数年前、当時はまだ阪神電車が福島界隈では地上を走っておりました頃で、悪名高い開かずの踏み切りのあみだ筋の線路直ぐ南側に店がありました。
何年間も梅田の往き帰りでこの踏み切り前を阪神電車で通る際、この店の提灯が目に付き、気になってきました。
あるとき、堪らなくなり、わざわざ用事も無いのに福島で下り、この店に向かいました。
その当初は小さい店で、カウンターしかありませんで、アジの造りや目板がれいの骨せんべいなどを食べ、ビールも2本ほど呑みましたが、二人で3000円もしませんでした。
瀬戸内の美味しい魚をそこそこの値段で提供してくれていたお店だったんです。
その後暫くして、隣の豚カツ屋が潰れて、隣の店舗分が広くなり、掘りごたつ式のボックス席も出来ました。
店構えも単なる居酒屋風情からお洒落なお店に変身して、当初は瀬戸内の地の魚が主流でしたが、店主のご実家が直ぐそばの大阪市場で魚屋をしていることもあり、徐々に高級魚を扱う様になってきました。
今では市場で最も上物の魚を競り落としたものが店に並びます。
築地でも中々手に入らない大間の鮪はほぼ毎日の様にこの店では食べることが出来ます。
普通では見ることの出来ないな巨大なサイズの白甘ダイもかなりの確率でみかけます。
客層も私のような貧乏学生が主だったのが、15年前でもごつい無線電話を持ち込むおっさん達に代わっていきました。
その頃、確か独身の貞店主を慕って女性の常連客が何人か出来ましたが、その内で確か刺繍(デザイナー?)を行っていた女性が、今の女将です。
女将の前職の才能を活かし、更にお皿などの小物にも徹する様になり、その頃から手間がかかる安いこの店オリジナルの伝統!?料理は姿を消し、高級魚の直球勝負!?の店に変貌致しました。
お皿が高級になった分、見栄えよくするためか、盛り付けが更に少なくなり、それにも増して値段は上がり続けましたが、客層がUPして、店の繁盛振りは衰え知らずです。
数年前には毎日放送とタイアップして、春の選抜の頃、タヒチツアーに店主が同行し、タヒチの美しい海で採れた魚を貞氏が調理するという、企画をやってました。
私のお客の90歳にもなるお方がラジオでそのことを聞きつけて、その歳になってタヒチに行きたいと言い出したり、私の上司の娘さんが偶然、そのお店を訪ねるなど、(お二人共店から離れた明石に住んでおりましたので、後からそのことを知ってとても不思議に思いました。)何とも云えない関わりがあるお店なんです(^^;。
う越貞の天クエ料理
数年前から天クエを扱ってから、河豚は置いてませんと豪語する店主。
それだけ、他の魚の追随を許さない魚だとのこと。
鍋用に寝かせたものをレタスと一緒に頂くか、仕入れ当日に造りとして頂くか、その日の仕入れ具合で変わります。
鍋は翌日以降でないと美味しくなく、究極の選択かもしれないとのこと。
大ぶりのクエなので、どちもという訳には行かないようです。
閃いた料理。
最近は安価で手間もかかり、他の魚の繊細な味を駄目にしてしまうだろうからか、置かなくなりましたが、
厚揚げチーズキムチのせ焼き
は絶妙な味わいでした。
夢に出て来て完成した料理とのことです。
今は夢-幻のメニューとなってしまいました。
イチゴ丼
これを現在の名物メニューにしているそうです。
気になる方は是非、ご自分で足を運んで確かめて下さい。
知る人は新幹線でも通うぐらい価値あるお店です。
電話 : 06-6458-1153
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