車・自動車SNSみんカラ

2012年02月05日
昨年10月14日の23時、ミュンヘンのBMW本社で、F30 新型3シリーズが遂にその厚い擬装を解かれ、華やかなワールドプレミアがおこなわれた。その時私は、間近に実車を見ることができないもどかしさに、一人暗い自室にこもって、PC画面のストリーム映像の中のF30を、デジタル一眼レフカメラで必死に連写したものだった。そしてついに今日、待ちに待ったワールド・デビューより一週間早く、F30の実車をこの目で見、触れ、エンジンをかけ、本当に走り回ってくることができた。

「328i」は、その名に違わず強力なパワーを持った、ひらひらと軽い身ごなしの、上質な高級車だった。車内に静かに低く響くエンジンの音は、ペダルを踏み込むにしたがって心地よく乾いて高鳴り、隣の車線の車を次々と追い越してゆく。シートに預けた身体には、大げさな加速の圧力をあまり感じないのに、はっと気付いてスピード・メーターを見ると、とうに制限速度を超えてしまっていて、慌ててペダルを緩める。それはまるで、停車中の車の間を縫って走っていたようなもので、異なる時間の流れに滑り込む魔法だった。

それは「走る」と言うよりも、「流れている」と言う方がふさわしい優雅な感覚だ。小さな段差を軽く超えたと感じた時、この車が18インチのランフラット・タイヤを履いて、荒い舗装路の上を走っていたはずだ、と思い出した。それは後から頭で考えたことだ。

225/45R18という、デザイン・ライン選択時の標準タイヤは、しかし、この328iという車の245psというパワーをやや持て余す。減速して入ったコーナーを終え、ペダルを少し深く踏み込んで立ち上がった時の「キュキュッ!」という小さなスキール音と、FRらしいリヤのわずかな滑りは、156psの愛車120iカブリオレでは中々味わえない面白さだ。強力ではあっても、強大あるいは凶暴なパワーではない。だからそのような場面も面白いと感じられたのだろう。そう言えば、「330i」に試乗した時も同じように思ったものだった。

愛車と328iとが、運良く並んで停められた。そして「120i」と「328i」という名前ほどには、この二台の大きさの差が、あまり感じられないことに驚いた。しかし写真に撮ってよく見てみると、くさびの先端のように低く沈み込んだ328iの幅広なフロント・フェイスや、ボンネットやボディに複雑な曲線を描きながらリアに絞り込まれていくシルエットが、この車を精悍に引き締めて見せていることに気付いた。それは「スポーツ・カー」に見まがう、「スポーティ・セダン」と名乗るにふさわしいスタイルだ。

試乗車は「インペリアル・ブルー・ブリリアント・エフェクト」という長い名前の、深みある紺のボディ・カラーを持ったLuxuryラインの車だった。車両本体570万円に、デザイン・ラインの16万円を加えただけでも、計586万円もの価格となる。5シリーズのベース・モデル「523i」(610万円、実は520i)に近い価格だ。けれども「328i」の名前は伊達ではない。BMWに少なくない代金を支払って、親しみやすくて強力で上質な車の「動き」を買うのだとしたら、328iは大きな候補の一つとなるだろう。

Posted at 2012/02/05 18:28:53 | コメント(24) | トラックバック(0) | F30 3シリーズ
2012年01月25日
F30 新型3シリーズ、328i(8速AT)のドイツ本国価格は、税込で39,660ユーロだ。仮にこれを、最近の100円/1ユーロで換算すれば、約397万円ほどとなる。車一台の値段としては決して安くはないが、日本の税込価格、570万円に比べれば173万円も低くなる。

けれども、この日本価格には国外からの輸送コストや、新車整備センターに関わる費用、その他さまざまな諸経費が含まれる。

さらに、328iの日本仕様車には、総額およそ9,670ユーロほどにもなる様々なオプションが標準装備となっている。仮にこれも100円で換算すれば、ドイツ本国との差額は約76万円まで縮む。しかし、数年前には170円/1ユーロという時もあったのだ。そんなことを頭に入れて、以下の表をご覧いただきたい。

本国仕様車両税込本国価格
328i(8速AT車)39,660 €
日本仕様車両の標準装備税込本国価格
ドライビング・コンフォート・パッケージ600 €
ワイヤレス接続用のUSBポート付きスピーカー・フォン、クルーズ・コントロール(ブレーキ機能付)、フロント・センター・アームレスト(スライド機能付)、ストレージ・ボックス(フロント・センター・コンソール)、サーボトロニック
コンフォート・パッケージ(日本仕様)1,030 €
ストレージ・パッケージ、オートマチック・エア・コンディショナー(AUC〔オートマチック・リサーキュレーティング・エア・コントロール〕、マイクロ・フィルター〔花粉除去機能付〕、左右独立温度調節機能付)、ライトパッケージ
パーキング・サポート・パッケージ(日本仕様)1,190 €
リヤ・ビュー・カメラ(予想進路表示機能付)、PDC/パーク・ディスタンス・コントロール(リヤ)
ビュー・パッケージ1,790 €
アダプティブ・ヘッドライト、ハイビーム・アシスタンス、自動防眩ルーム・ミラー、レイン・センサーとオートライト・システム、キセノン・ヘッドライトとヘッドライト・ウォッシャー
電動フロント・シート(メモリー機能付)1,290 €
可倒式リヤ・シートとスルー・ローディング・システム400 €
電動調節式&電動可倒式自動防眩ドア・ミラー410 €
コンフォート・アクセス(トランク・スマート・オープナー機能付)570 €
iDriveパッケージ(日本仕様)2,390 €
8.8インチ・ワイド・コントロール・ディスプレイ、HDDナビゲーション・システム、TVチューナー、オーディオ・ビジュアル・システム、iDriveコントローラ、プログラマブル・ボタン、スピーチ・コントロール(音声入力システム)、USBオーディオ・インターフェイス、ハンズフリー・テレフォン・システム(Bluetooth)、マルチファンクション・レザー・ステアリング・ホイール
日本仕様車両税込本国価格
328i(8速AT車)49,330 €


では、この税込本国価格「49,330 €」に対する税込日本価格「5,700,000円」が、高いのか安いのか。昨今の1ユーロ約100円という相場から考えるとどうなのか。また、競合他社の車種と比較して割高なのか、割安なのか。私には到底判断がつかない。けれども、この本国価格と日本価格の関係を計る、ひとつの目安として、「円(¥)/ユーロ(€)換算」という値を逆算してみた。


日本仕様車両税込本国価格税込日本価格円(¥)/ユーロ(€)換算
328i(8速AT車)49,330 €5,700,000円130.95円


ドイツでは、車両本体に19%もの税金がかけられる。日本では今のところ5%の消費税がかけられる。そこで、両国の販売価格から税額分を差し引いた上で、日本価格を本国価格で割って出したのが、この「円(¥)/ユーロ(€)換算」である。つまり上の表によれば、日本仕様車両に関しては、1ユーロあたり「130.95円」、つまり約131円の買物となるわけだ。


そこで、日本の328iに用意されたオプションのすべてについて、税込の「本国価格」と「日本価格」、そして税抜き後の「円(¥)/ユーロ(€)換算」を計算して並べたものが次の表である。


オプション装備本国価格日本価格¥/€換算
Sport、Modern、Luxury各ライン1,900 €160,000円95.44円
ステアリング・ホイール・ヒーティング190 €27,000円161.05円
スポーツ・レザー・ステアリング・ホイール110 €18,000円185.45円
19インチ、401ホイール(非ラインの場合)1,550 €220,000円160.86円
同(各ラインの場合)900 €128,000円161.19円
17インチ393ホイール(非ラインの場合)150 €22,000円166.22円
18インチ396ホイール(非ラインの場合)650 €92,000円160.41円
17インチ395ホイール(非ラインの場合)350 €50,000円161.90円
18インチ398ホイール(非ラインの場合)1,000 €142,000円160.93円
同(各ラインの場合)350 €50,000円161.90円
8速スポーツAT(パドル付)170 €22,000円146.67円
バリアブル・スポーツ・ステアリング200 €29,000円164.33円
アラーム・システム480 €65,000円153.47円
電動ガラス・サンルーフ1,100 €170,000円175.15円
リヤ・ブラインド(電動)340 €48,000円160.00円
リヤ・サイド・ブラインド(手動)250 €36,000円163.20円
サン・プロテクション・ガラス(リヤ・ドア&リヤ・ウィンドー)350 €50,000円161.90円
スポーツ・シート(運転席& 助手席、Sportラインは標準)630 €89,000円160.11円
ランバー・サポート(運転席& 助手席、電動調節式)310 €45,000円164.52円
フロント・シート・ヒーティング(運転席& 助手席)370 €53,000円162.34円
リヤ・シート・ヒーティング370 €53,000円162.34円
アルミ・トリム/ブラックor赤(Sportラインのみ)190 €27,000円161.05円
アルミ・トリム/クロム(Modernラインのみ)190 €27,000円161.05円
ウォールナット・トリム/クロム(Luxuryラインのみ)200 €29,000円164.33円
ウッド・トリム/クロム(Modernラインのみ)310 €44,000円160.86円
PDC/パーク・ディスタンス・コントロール(フロント)300 €43,000円162.44円
レーン・ディパーチャ・ウォーニング520 €75,000円163.46円
トップ・ビュー+サイド・ビュー・カメラ700 €100,000円161.90円
BMWヘッドアップ・ディスプレイ980 €140,000円161.90円
HiFiスピーカー・システム590 €84,000円161.36円
harman/cardonサラウンド・サウンド・システム1,200 €170,000円160.56円
DVDオート・チェンジャー500 €71,000円160.93円
ダコタ・レザー・シート(フロント・シート・ヒーター付)2,190 €284,000円146.97円
同(Modernラインの場合)1,580 €199,000円142.74円
メタリック・ペイント840 €80,000円107.94円


ひとくちにオプションと言っても、その価格の付け方が色々と異なっているのがわかる。そして、それぞれのオプションの「円(¥)/ユーロ(€)換算」が、「日本仕様車両」価格から割り出された「131円」を基準とすれば、その割安感、割高感がわかると思う。

残念なことに、私は最も割高な「電動ガラス・サンルーフ」に惹かれるのだ。17万円はF10の5シリーズと同価格で、確かE90の3シリーズではもっと安かったのではないかと思う。F20の1シリーズでも14万円だが、日本での故障率が高くて、売価に跳ね返ったのだろうか…などと考えたりしている。


※1/30追記 … BMW Japanのサイトに、ようやく新型3シリーズの詳細が掲載された。その内容に従って、価格や換算値を若干修正した。
Posted at 2012/01/25 01:53:17 | コメント(14) | トラックバック(0) | F30 3シリーズ
2012年01月22日
来月11日に世界同時発売となる、F30 新型3シリーズの日本価格と標準装備、そしてオプションとその価格がほぼ明らかになった。

日本で発売されるグレードは、最初は328iのみで、 約565 570万円(消費税込)となる。また、Sport、Modern、Luxuryの各ラインはすべて同価で、プラス 20 16万円となる。

565 570万円」という価格は、現行のE90型「325i」の「547万円」と比べて 20万円弱 23万円のアップとなるが、出力で20kW(27ps)の向上に加え、新設計のボディや、リヤ・ビュー・カメラなどをはじめとする、次に挙げるような標準装備が、現行の「325i」に追加される。

8速オートマチック・トランスミッション
サーボトロニック
17インチ アロイ・ホイール
ドライビング・パフォーマンス・コントロール(ECO PROモード付)
スピーチ・コントロール
USBオーディオ・インターフェース
ハンズフリー・テレフォン・システム(BlueTooth)
クルーズ・コントロール(ブレーキ機能付)
自動防眩ドア・ミラー
LEDスモールライト・リング
リヤ・ビュー・カメラ
PDC(リヤ)
インテグレイテッド・オーナーズ・ハンドブック
トランクのスマート・オープナー機能
(iDriveとナビゲーション、アダプティブ・ヘッドライト等は従来通り標準装備)

また、オプションとしては、次に挙げるような装備が用意される(主要なもののみ、また価格は税込)。

バリアブル・スポーツ・ステアリング \29,000
レーン・ディパーチャ・ウォーニング(車線逸脱警告システム・前車接近警告機能付) \75,000
トップ・ビュー+サイド・ビュー・カメラ \100,000
BMWヘッドアップ・ディスプレイ \140,000
harman/kardonサラウンド・サウンド・システム(600W、16スピーカー、9チャンネル・サラウンド) \170,000
ダコタ・レザー・シート(フロント・シート・ヒーター付) \284,000(Modernラインのみ\199,000)
電動ガラス・サンルーフ(チルト&スライド) \170,000
サン・プロテクション・ガラス(リヤ・ドア・ウィンドー、リヤ・ウィンドー) \50,000
リヤ・シート・ヒーティング \53,000

なお、今のところ328iには、上記3ラインの他には、オプション・パッケージは用意されていない。

※その他詳細や感想などは、次の記事に書きます。

※1/30追記 … BMW Japanのサイトに、ようやく新型3シリーズの詳細が掲載された。その内容に従って価格を修正した。
Posted at 2012/01/22 16:43:20 | コメント(16) | トラックバック(0) | F30 3シリーズ
2012年01月18日
BMWのドイツ本国サイトに、F30 新型3シリーズの価格表があった。車両本体価格の他にも、モダン、スポーツ、ラグジュアリー各ラインの装備や価格、また様々なオプション価格が表記されていて面白い。日本ではいくらになるのかと思って、もう日本での価格がわかっている1シリーズの価格表も眺めているうちに、「125i」や「125d」、さらにM-Sportパッケージの価格が公表されていたこと、そして「Energieeffizienzklasse」(エネルギー効率評価)というものがあることに気付いた。

調べてみると、これは昨年末に改訂された、EUの家電製品や自動車に対する効率表示の義務に基づくものらしく、自動車については重量とCO2排出量によって計られるという(詳細はこちら)。そこで以下に、F30とF20の8速AT車のいくつかから、主なデータを表に整理した。続けてその下に、車両重量ごとのCO2排出量による評価区分グラフを載せた。

車  名出  力燃  費CO2排出量重 量エネルギー効率本国税抜価格134円換算+税
F30 3シリーズ ガソリン・モデル
320i135kW(184ps)16.8km/l139.5g/km1,500kg C/B29,714.29 €418万円
328i180kW(245ps)15.9km/l147g/km1,530kgC33,327.73 €469万円
335i225kW(306ps)13.9km/l169g/km1,595kgD38,537.82 €542万円
F30 3シリーズ ディーゼル・モデル
320d135kW(184ps)22.5km/l117.5g/km1,505kgA31,605.04 €445万円
F20 1シリーズ ガソリン・モデル
116i100kW(136ps)17.5km/l132.5g/km1,385kg C21,848.74 €307万円
118i125kW(170ps)17.5km/l132.5g/km1,390kgC24,285.71 €342万円
125i160kW(218ps)15.6km/l149g/kmN/AC27,857.14 €392万円
F20 1シリーズ ディーゼル・モデル
120d135kW(184ps)22.5km/l117.5g/km1,440kgA26,386.55 €371万円
125d160kW(218ps)20.8km/l126g/kmN/AB29,957.98 €422万円

1シリーズや3シリーズの場合、重量はおおむね1,400kgから1,600kgの間となるので、左のグラフの中ほどに当たる。CO2排出量が200g/kmだと真っ赤な「G」評価、150g/kmからようやく緑の「C」評価となり、100g/kmに近づくほど評価が高くなって、100g/km前後から「A+」の最高ランクとなる。BMWの場合、上の表には載せなかったが、120dや125dとは異なる1.6L直4ディーゼル・ターボエンジンを積んだ「116d Efficient Dynamics Edition」のみが「A+」を獲得している(本国サイトF20-1シリーズの価格表を参照)。

さて、改めてF30型3シリーズやF20型1シリーズの評価を見ると、ガソリン・モデルでは、最新の4気筒ターボといえども「C」評価止まりで、6気筒ターボの「335i」に至っては「D」となる(さらに6MTだと「E」に落ちる)。日本では、それに代って「Active Hybrid 3」の導入が噂されているが、それも頷けるような結果だ。「320i」のみ、一部「B」評価となっているが、それは標準の205/60R16タイヤ装着車を指している。F30型のタイヤは概して扁平率が上げられているが、その理由はこんなところにあるのかもしれない。

それに対して、ディーゼル・モデルでは、「120d」と「320d」が「A」、「125d」は「B」評価である。この「125d」のCO2排出量は他と比べて8.5g/kmほど多いが、これは表をよく見ればわずかとも言えない差で、高性能化の代償は少なくない。

誰だって、自信を持って売り出した新型車のカタログの中に、「C」や「D」などという文字を刻印するのは嫌に決まっている。だからこそ、BMWの新型車のラインナップから、伝統の美しい直6NAが消えてしまった理由や、それをBMW首脳陣が決断せざるを得なかった事情が、この嵐のような環境悪化規制によるものであることは想像が付く。しかし、それでもまだ足りないのだ。

おそらく時代の変化は私たちの想像以上の速さで進んでいる。そんな苦衷を抱え込みながらも、私たちに「駆け抜ける歓び」の夢を与え続けようとしている、BMWのエンジニアたちに期待をかけていきたいと思う。
Posted at 2012/01/18 00:58:00 | コメント(15) | トラックバック(0) | F30 3シリーズ
2012年01月04日
前回の記事で新型F30系3シリーズのエンジンdyno(出力特性)グラフを描いている間に、現行E90系3シリーズのグラフと比較したくなった。それで今回は、F30-328i、320i、320dの他に、E90-330i、325i、320i、さらに先日デビューした新型F20系1シリーズの120i(本国では118i)のグラフも加え、計7種類のエンジンを一つのグラフにまとめてみた。

本題に入る前に少し補足説明をしておくと、E90-330iのN52B30Aエンジンは、E87-130iやF10-528iなどの6気筒版の数値を使った。また、E90-325iや320iについても、N53B30AやN43B20Aなど、新しい直噴版の数値を使った。それから、これらE90系エンジンのdynoグラフは、カタログ記載の数値に基づいているが、不足部分は私の推測によっている。



1) 高い方から見ると、茶点線のE90-330iの258psが最高だが、黒点線のF30-328iとの差はそう大きくはない。むしろ、低回転域から最大馬力までのパワーの出方(つまり加速)や、それぞれの実線のトルク・カーブを見ると、F30-328iが圧倒的だ。

2) 緑点線のE90-325iは、約5,000回転までは青点線のF30-320iと同じラインを描いている。つまり、そこまでの間ならば、新しい320iは以前の325iと同等の加速性能を持っている、ということになる。しかし緑点線、E90-325iの高回転域のカーブはとても理想的で、この部分こそ6気筒自然吸気エンジンのもたらす官能が集中している、一番おいしい所なのだ。

3) 紫点線のF20-120iの最大馬力は、黄点線のE90-320iと同じ170psだが、そこに達する回転数も早く、したがって低回転域からの加速も上だ。これも、それぞれの実線のトルク・カーブを見れば、明らかに紫実線のF20-120iが黄実線のE90-320iを上回っていることがわかる。なるほどBMW Japanがこの車を「120i」と呼びたがるのも頷ける(が、本国では118i)。しかも、言うまでもなくこのエンジンは1.6リッターなのだ。

4) 赤点線のF30-320dは最大で184ps、しかも4,000回転でリミットを迎えてしまうが、赤実線のトルク・カーブを見れば一目でわかるように、これら7種類のエンジンのすべてを上回る、大きなトルクを持っている。その結果、常用回転域のほぼすべてにわたって、やはり他のエンジンを圧倒する加速力を持っている。

さて、当分日本には導入されないという「F30-335i」を除いて、新型F30系3シリーズのエンジンと、現行E90系3シリーズのエンジンの最も大きな違いは、新型F30では、6気筒エンジンがなくなったことと、ターボ・チャージャーが搭載されたことだ。

特にBMWの「シルキー・シックス」(絹のように滑らかな6気筒エンジン)が失われたことは、何としても残念と言うほかない。また、ターボ(過給)による燃焼は、自然吸気の燃焼のような高回転と滑らかさが失われやすい。トルク・レスポンスの悪さも指摘されている。惜しむべき「変化」だが、これらのネガティブな要素は、このグラフには表されてはいない。

もちろん、新型F30系3シリーズのエンジンの燃費と環境性能の向上も、このグラフには表されていないが、たとえばE90-330iとほぼ同等以上の性能を持つF30-328iの燃費が、その約1.5倍も良いことを考えれば、そこからは「進化」という、また別の意義が見えてくる。

             *       *       *       *       *

最後に、一般道でアクセルを少し踏み込んだ時の回転数、2,000回転時と3,000回転時の、各エンジンの馬力(点線)上位から並べる。

順位車名2,000rpm3,000rpm
(1)F30-320d108ps159ps
(2)F30-328i100ps150ps
(3)E90-330i83ps132ps
(4)F30-320i77ps115ps
(5)E90-325i75ps115ps
(6)F20-120i71ps107ps
(7)E90-320i56ps88ps

ちなみに、E90-335iではそれぞれ114ps、171psとなる(グラフはこちらを参照)。

車がいくら高い馬力を持っていても、それを使う時が少なければ、宝の持ち腐れというものだ。アウトバーンのない日本では、高出力のエンジンの使いでは、ひとえに常用回転域での加速にあると思う。その意味では、やはり320dの実用性はとても高い。
Posted at 2012/01/04 22:55:12 | コメント(16) | トラックバック(0) | F30 3シリーズ
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「F30 新型3シリーズの試乗インプレッション http://cvw.jp/cuonb
何シテル?   02/05 18:28
BMW120iカブリオレに乗っています。 ハンドルネームの「スパグラ」は、前車の色の名前を引き続き使っています。 まだ2台目ですが、BMW車のあまりに素晴ら...
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