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2014年07月09日 イイね!

523iのオーナーズレビュー

523iのオーナーズレビュー[オーナーズレビュー・評価]
BMW / 523i M-Sport(2010(平成22)年7月発売)、2012(平成24)年2月納車、2014(平成26)年6月売却
[評価]
◆エクステリア 10ポイント
◆インテリア 10ポイント
◆装備 9ポイント
◆走行性能 9ポイント
◆おすすめ度 10ポイント

◆満足な点
[機能性]
直列6気筒エンジンの素晴らしいフィーリング。低回転からの意外に大きなトルク感、高回転域のパワーの滑らかな伸び方には、運転するたびに感動する。そのエンジン音の上澄みだけを上品に車内に響かせる演出も素晴らしい。細かにスムーズに変速する8速ATの出来も出色だ。また、荒れ気味の一般道にも真新しい高速道にも感じられる、洗練されたダイレクト感を備えた優雅な乗り心地も忘れられない。アクティブ・ステアリング(4WS)による小回りのしやすさ、電子式パーキング・ブレーキの便利さも素晴らしい。

[エクステリア]
BMWセダン史上最高と感じられる美しいスタイル。M Performanceのリップを装着して、ますます異様な迫力を備えた。その威圧感のある大柄なフェイスとボディは、自分が日頃秘めているような願望を完璧に満足させる。

[インテリア]
車外の騒音が遮断された、車内前方・上方・側方の広い空間に包み込まれる安心感。車高の高さまでもが長所に感じられる。

[価格]
絶対額は安くはないが、コスト・パフォーマンスは高い。車の要素のすべての点で、価格以上の価値を確実に感じられる。

◆不満な点
[機能性]
エンジンをよく回して乗る限り、204psのパワーに不足はないが、もう一回り大きいトルクとパワーが欲しくなることが時々あった。

大きさと重さによるおおらかな動きはこの車の長所だが、ことワインディングを走る時には、それがアダとなって走る楽しみが感じられにくい。いたずらな緊張感を強いないハンドリングのわずかな緩さも、同じ理由で不満となってしまう。

出来の良い8速ATではあるが、攻め込んでいく時には、さすがにトルコンATの欠点が感じられてしまう。

ブレーキの効きがいくらか甘い。特に中高速からの急制動が苦手だと感じられた。日本では本国仕様よりもワンランク小さなブレーキが装備されているらしい。

排気音が抹殺されている。この車を選ぶ多くの人には長所だと思うが、私には不満だった。
これらのため、走行性能は9ポイント。

[インテリア]
Eセグメントに分類される5シリーズほどの車であるにもかかわらず、電動シートが標準装備ではない点。このため、装備は9ポイント。

◆総評
満足な点と不満な点はそれぞれ対応して、表裏の関係となる。特に上記の大きさ、重さ、ハンドリングなどがそれに当たる。けれども、表に満足し切れば裏は見えなくなるし、裏からばかり見ていれば、どんな車にも満足はない。だから、自分が車に求めているものによって、これらの評価は当然変わるものだ。

私の場合は、それまでこの車一台しかなかったところへ、素晴らしく実用的かつ楽しい116iが増えたために、523iの表が過剰となり、その裏を埋める別の車が欲しくなったのでやむなく売却したが、それは一個人の事情に過ぎない。おすすめ度は、間違いなく満点の10ポイントだ。

Posted at 2014/07/09 14:38:57 | コメント(36) | トラックバック(0) | F10/11 5シリーズ | クルマ
2013年09月02日 イイね!

F10 523iのLCI(マイナー・チェンジ/後期)モデルについて

F10 523iのLCI(マイナー・チェンジ/後期)モデルについてディーラーのショー・ルームに、白の523iが格安で展示されていた。ハイライン・パッケージ(革の電動シート)と、サンルーフのオプション装備車で、本来は666万円なのに、表示価格は約600万円とあって、オプション無しの通常車両本体価格610万円よりも、さらに10万円安い。
5シリーズに限らず、今までも、マイナー・チェンジ前の在庫車は、しばしばオプションが無料サービスになったり、値引きが格別に良くなったりしたものだが、この車もとてもお買い得に感じた。しかも、聞けば表示価格よりも、さらに値引きすると言う。

けれども、LCIモデルの車両本体価格と、装備の変更がハッキリしなければ、それが本当にお買い得かどうかもハッキリしない。そこで、資料からわかったことを簡単にまとめてみる。

まず、ベース・モデル ※1 の523iの価格は615万円と、5万円ほど値上げとなる。その代りに、「ドライビング・アシスト・プラス」(アクティブ・クルーズ・コントロール=前車追従機能等) ※4 車載カメラの映像をもとに作動する「ドライビング・アシスト」(レーン・ディパーチャー・ウォーニング=車線逸脱警告システム、前車接近警告機能、衝突回避・被害軽減ブレーキ)や「BMW SOSコール/テレサービス」などが標準装備となる。ほかにも、タッチ・パッド式のiDriveや、内外装の細かなデザインの変更が加えられる。

最も大きな変更は、実はこれだけだ。ただし、このベース・モデルに飽きたらず、革シートや内外装にこだわり出せば、出費に応じて様々なアレンジが可能となる。すでに新型の1、3シリーズでおなじみの「デザイン・ライン」が5シリーズにも採用され、「Modern」と「Luxury」(673 663万円 ※2)、そして「M Sport」(670 660万円)の三種類が選択可能だ。

しかし、これも簡単に言えば、「Modern」と「Luxury」は、革の電動シートが標準なので、これまでの「ハイライン・パッケージ」(39万円)と似ている。これに18インチのタイヤ/ホイールやLEDのフォグ・ランプなど、ちょっとした内外装の変更も加えられるので、ベース・モデルの615万円を基準にすれば、58 48万円の差額は、納得の範囲内かもしれない。

ただし、それを選ぶと、これまでよりも36万円も安くなった528iのベース・モデル(679万円)との差額は、わずか6万円となる(逆に、535iベース・モデルは877万円と、これまでよりも37万円も高くなった)。 ※3

             *       *       *       *       *

さて、話は最初に戻って、598万円のハイライン・パッケージ、サンルーフ装備の前期モデルと、673 663万円の後期モデル(「Modern」または「Luxury」、これにサンルーフを付ければ690 680万円となる)を比べてみて、どちらを選びたくなるか…そう言えば、前期モデルのM5の値引きもすごかったな。

※ 価格は現時点での予定です。





9/14追記
※1 … 本日現在、日本でベース・モデルの設定があるかどうか不明。
※2 … 正式発表の価格をもとに記事の一部を修正した。
※3 … ベース・モデルの販売が不明のため、前期と後期各グレードの、M-Sportモデルの価格を並べると次のようになる。

[前期モデル]523iM-Sport=659万円、528iM-Sport=754万円、535iM-Sport=877万円
[後期モデル]523iM-Sport=660万円、528iM-Sport=718万円、535iM-Sport=927万円

こうやって見ると、やはり528iが36万円値下げと非常にお得になり、逆に535iは、ヘッド・ライトのLED化等により、50万円も値上げと、かなり厳しい価格設定となったことがわかる。
なお、後期モデルでは、523iM-Sportから「スポーツAT」の設定が外された(シフト・パドルは装備)。

9/20 追記
※4 … 後期型523iでも、「アクティブ・クルーズ・コントロール」は「ドライビング・アシスト・プラス」というオプション扱いであったので、記事を訂正。


Posted at 2013/09/02 03:09:35 | コメント(17) | トラックバック(0) | F10/11 5シリーズ | クルマ
2013年07月31日 イイね!

BMW M5

BMW M5先日、ディーラーでM135iとM6クーペを続けて試乗した。そして、1シリーズと6シリーズの違い以上の差を感じた。それは、「M」かそうでないか、ということだ。さらに、そのM6よりも、以前借り出したM5の方に強いインパクトがあったのは意外だった。




聞いてみると、他にもそのような感想があったという。地を這うようなスタイルとドライビング・ポジションを持つ6シリーズは、明らかなスポーツ・カーだ。それだけに、そのエッセンスを強く求める乗り手にとっては、そのボディの大きさがネガティブに感じられるらしい。すると、M6には911をはじめ、数多くのライバルたちが浮上するのが見えてくる。

逆に、ビッグ・セダンの5シリーズに強大なエンジンを積んだM5のような車には、ほとんどライバルがいないという。「M」のインパクトが、より強く感じられたのは、そのせいかもしれない。

             *       *       *       *       *

それを同じ5シリーズの各車種の中で確認するために、例によってエンジンのdyno(出力特性)グラフを描いた(523i/528iは6気筒版)。

こうやって並べて見ると、似た4.4LのV8ターボを載せた550iを除けば、M5のトルクと出力が、他のエンジンを数倍引き離して抜きんでているのがよくわかる。

550iと比べても、M5の最大トルクはなんと6,000回転近くまで保たれることで、両車の出力差は約1.4倍ほどとなっている。それでいて、M5の燃費は9.0km/lと、550iの7.8km/lよりも優れている。

次の写真は、M5のV8ターボ(左側)と、私の523iの直6NA(右側)を並べたものだ。同じエンジン・ルームではあるが、中身はこれだけ違う。



M5の方は、巨大な左右二本ずつのターボ・パイプが目立つが、よく見るとV8のエンジンは直6よりもミッドシップ寄りだ。523iよりも不思議と鼻先の軽さを感じたのは、そのせいかもしれない。

             *       *       *       *       *

このM5の強大なパワーが、走行時にはどのような動きとして現れてくるのか。5シリーズ各車種のギア(1~3速)とパワーと速度の関係は、次のようになる(グラフの見方については、こちらを参照)。
左右のグラフは同じものだが、右側の方は、1速から3速までのギアのつながり具合を見やすくしたものだ。



右側グラフのM5(紫)のラインの、60km/h(1速→2速)と115km/h(2速→3速)の段差はかなり激しい。それは実際に運転していて、シフト・アップと同時に「ドーン!」と身体ごと前に押し出されるような、強いGとして感じられる。莫大なパワーを丸ごと受け止めるギア(7速M-DCT)にかかるストレスが心配になるほどだ。本当は2ペダルMTらしく、一瞬アクセルを緩めてからつないだ方が良いのかもしれない。だが、このGが実に楽しい。



最後に、私の523iと、同じインペリアル・ブルーのM5の写真を並べてみた。詳しい人でなければわからないほど外見はそっくりだが、実は、ゆったりとしたデラックスな居住空間といい、しなやかな乗り心地といい、中身もとてもよく似ている。しかし、それはいわゆる羊の皮というもので、M5は狼の本性―「M」のインパクト―を実に優雅に包み込んでいる。






※ 8/6追記 … フォトギャラリーにインペリアル・ブルーのM5の、ディーラー展示車の写真を掲載した。



※ 8/2追記 … hyperspaceさんからのリクエストにより、以下にBMW M5とALPINA B5 BiTurboのデータ比較表を記した。

モデル名 BMW M5 ALPINA B5 BiTurbo
エンジン V型8気筒DOHC(S63B44B)
ツイン・スクロール、ツイン・ターボ
V型8気筒・ビターボ
総排気量 4,394cc
内径/行程   ―  /  ―   89.0mm / 88.3mm
圧 縮 比 10.0 : 1 9.2 : 1
最大出力 412kW〔560ps〕/6,000rpm 405kW〔550ps〕/5,200-6,250rpm
最大トルク 680Nm〔69.3kgm〕/1,500-5,750rpm 730Nm〔74.4kgm〕/2,800-5,000rpm
ギア 7速M DCT Drivelogic 8速スポーツAT (ZF 8HP70)
SWITCH-TRONIC
ギア比 4.806/2.593/1.701/1.277
/1.000/0.844/0.671/4.172
4.714/3.143/2.106/1.667
/1.285/1.000/0.839/0.667/3.317
最終減速比 3.154 2.813
トータル比 15.158/8.178/5.365/4.028
/3.154/2.662/2.116/13.158
13.260/8.841/5.924/4.689
/3.615/2.813/2.360/1.876/9.331
全長×全幅×全高 4,920mm×1,890mm×1,470mm 4,910mm×1,860mm×1,490mm
ホイールベース 2,965mm 2,970mm
トレッド 1,625mm(前) / 1,580mm(後) 1,600mm(前) / 1,600mm(後)
ホイール Mライト・アロイ・ダブルスポーク・スタイリング345M
9J×19(前) / 10J×19(後)
ALPINA CLASSIC Styling III
8.5J×20(前) / 9.5J×20(後)
タ イ ヤ 265/40ZR19(前)
295/35ZR19(後)
255/35ZR20(前)
285/30ZR20(後)
車両車重 1,980kg 1,950kg
P/Wレシオ 3.54kg/ps 3.55kg/ps
加 速 4.3sec (0-100km/h) 4.5sec (同左)
最高速度  ― (0-100km/h) 319km/h (同左)
タンク容量 80L 70L
燃 費 9.0km/l 7.3km/l
価 格 1,495万円

M5とB5は少しずつ異なるが、概括的に見れば、B5の方がベース車両の面影が濃い。特に8速ATを採用している点は大きいし、それは後で見るように、走行時の特徴として現れる。また、ディメンション(ボディの各サイズ)にも同じ傾向が見られる。

肝心のパワーの違いについては、次のF10-M5、B5 BiTurbo、E60-M5(こちらはyonechaさんのリクエスト)、E60-B5Sなどのハイ・パワーな5シリーズのdynoグラフを確認したい。参考のためにM3のデータも加えた。
なお、M5およびB5SのデータはRANちゃんさんからのご提供による(ありがとうございます)。

上の記事中のグラフとは異なって、M5の真のライバルはB5 BiTurboであることがよくわかる(というかB5を出していない方が問題だった(汗)。それにしても、数値的には微妙なM5とB5両車のエンジンは、グラフで見ると中々興味深い異なり方だ。M5の方がトルクの立ち上がりは強く早いが、2,300回転から5,700回転まではB5が勝る。高回転域ではM5のトルクの粘り勝ちで、最高出力と回転数が高い。

V10NAのS85B50Aという素晴らしいエンジンを持つ、E60-M5のトルク、パワーの形も、とても興味深い。NAだけに初期トルクは劣る(と言っても350Nm以上はあるのだ)ものの、そのピークは何と6,100回転という、まるでパワー・ピークのような高回転域にあるために、回すほどに盛り上がるトルクの迫力が見える。しかも、最高出力は8,000回転に近い。同じ傾向はM3にも言える。スーパー・チャージャーを装備するB5Sの形も独特だ。

次に上の記事と同じように、F10-M5とB5 BiTurbo、そしてE60-M5のギアとパワーと速度の関係を表すグラフを作った。車の性能に任せ、あり得ない速度域まで記してある。



トルクで勝るB5ではあったが、ギア比の違いによって、1速では意外とM5の方が速い。けれども、1段多いB5の方は、M5の3速までの間に2段のギアが使えるメリットがある。ところが、M5の方が0-100km/hまでの加速は0.1秒速いというのだから、それはシフト・チェンジのロスがないM-DCTの恩恵だろうか。そして3速から上のギアは、両車ほぼ重なりつつも、ギア比の大きなM5の方がわずかに加速が強い。その傾向は、速度およびギアが上がるほどハッキリしてくる。ワインディングではB5が、大きなサーキット場ではM5が有利、ということになるだろうか。

それから、独特な形のE60-M5の曲線も興味深い。高回転域にトルク・ピークを持つこの車は、特に1・2速では、まるで垂直な絶壁に見えるような、恐ろしい加速域がある。最高出力でF10-M5やB5にやや劣るといえども、その差はそう大きなものではないし、この高回転型のエンジンとギアを駆使する楽しみは、決して他の二車に引けを取るようなものではないだろう。
Posted at 2013/07/31 22:51:47 | コメント(22) | トラックバック(0) | F10/11 5シリーズ | クルマ
2013年05月31日 イイね!

筑波山の石

筑波山の石先日のM5ドライブでのひとこま。妻の運転で、筑波山中の細い裏道を慎重に走っている。







妻 「これさ、たぶんさ、あれじゃない? さっきあの…」
私 「…しかし…見事なハンドルさばきです…」
妻 「いえいえいえ」
私 「…クルクルと…」
妻 「うっははw」
私 「…クルクルクルクルと…」
妻 「『ここ行くんじゃない?』って言って、『え、これ~?』って言った道じゃない?」
私 「って言った道だね、たぶんね」
妻 「うん、『ヤバそうだよ~』って言って」
私 「ヤバい道でした」
妻 「やめた道だよ」
私 「うん」
妻 「 … 」
私 「 … 」

 (大きめの右カーブ)

私 「っとっとっとっとっと」
妻 「ちょっとっw」
私 「結構急カーブでした」
妻 「急カーブでしたw……調子に乗ってると、そのままダイブします」
妻 「 … 」
私 「 … 」

 (石あらわる)

妻 「わっ!(驚」
私 「あ!(驚…ちょっと待った。石です。どけて来まーす」

 (一抱えほどもある大石を道の端に寄せる。たまたま通りかかったジモティと話す)

私 「これですよ、この石~。石撮りました、石。お父さんとしゃべりました」
妻 「はい…いいですか」
私 「いいです」
妻 「はい………もうちょっとだぁ(汗」
私 「お父さん、何でもない顔をしてたね。」
妻 「うん」
私 「よく転がってんだね、きっとね、ははw」
妻 「うっははw、ね、恐ろしいね~w」
私 「ははは、は、は(汗」



※ この記事は、ウェルカム・トゥ・ザ・林道について書いています。

Posted at 2013/05/31 22:04:15 | コメント(16) | トラックバック(0) | F10/11 5シリーズ | クルマ
2013年03月04日 イイね!

ATのギアを足で操る

ATのギアを足で操るBMWに乗り始めてから、自分が操るエンジンやマフラーの音に耳を澄ますようになった。それをもっと身近に感じたいと思って、オープン・カーに乗り換えた。幌を下げて風に包まれながら、車の音と動きのハーモニーを楽しんでいた。

ところが、車外騒音の遮音性がとても高い523iは、窓を閉じた方が、前方からのエンジン音がよく聞こえるのだ(マフラー音は全然聞こえないが)。だから落ち着いた車内では、静かなジャズと直6サウンドのハーモニーが楽しめる。

BMWの大きな魅力のひとつは、そんなエンジンの音と車の動きが、ピタリと重なっていることだ。アクセルをじわりと踏みしめ、エンジン音が高まり、身体全体に加速を感じ、スッとギアが変り、スルスルと車が速度を上げていく。そこに少しのすき間もない。なんど味わっても感動が薄まることはない。そしていつも、次に乗る日を楽しみにしながら、車を降りてドアを閉める。

…こんなことを書いていたらキリがない。今回は、そのアクセルの踏み方とATのシフト・アップの関係を調べてみた。車を自在にコントロールしたかったからだ。そしてわかったことは、アクセルの踏み加減に応じたシフト・アップ時の回転数は、おそらく無限にある、ということだ。

下のグラフには、その中から4パターンだけ取り出して描いた。1)きわめて緩く踏んだ場合、2)中くらいまで踏んだ場合、3)強めに踏んだ場合、4)キックダウン・スイッチまで踏み込んだ場合だ。



次に、1)~4)それぞれのパターンの映像を挙げる。ただし、メーター読みで約60km/hまでだ。
まず、1)きわめて緩く踏んだ場合。

2,000回転にさえ満たないうちに、次々とシフト・アップしていく。こうして6速にまで入ったが、テスト・コースが短くて、50km/hにさえ届かなかった。エンジン音はほとんど聞こえない。いわゆる「エコ運転」とは、こういうものなのだろう。


次は、2)中くらいまで踏んだ場合。

上のグラフで、ちょうどトルク・ピーク帯の2,750~3,000回転前後を繰り返し通過するパターンだ。穏やかで心地よいエンジン音と加速感だが、まだ持てるパワーの半分ほどしか使われていない。


その次は、3)強めに踏んだ場合。

およそ5,000回転手前まで上がっていく。エンジン音はかなり大きくなり、強い加速を感じる。パワーは約125kW(170馬力)だ。


そして最後は、4)キックダウン・スイッチまで踏み込んだ場合。

この車の最大パワーは、6,300回転時の150kW(204馬力)だが、レブ・リミットを超え、レッド・ゾーンの7,200回転まで上がる。次のギアにバトン・タッチするまでの間の速度と回転数を維持するための設定だろう。なお、キックダウン・スイッチ寸止めで踏んだ場合は、6,600回転でシフト・アップしていた。

             *       *       *       *       *

「アクセルの踏み加減に応じたシフト・アップ時の回転数は、おそらく無限にある」と書いたが、それは1)~3)までの間のこと(試しただけでも14通りほどあった)で、3)と4)の間は、何度かやってみたが、上に書いたキックダウン・スイッチ寸止めの6,600回転の例以外は、うまくデータを取ることができなかった。

それから今回のデータは、アクセルを一定の力で踏み続けた場合のものに過ぎない。実際の運転では、周囲の状況に応じて、アクセルに加える踏力はさまざまに変わる。それを緩めてもシフト・アップするし、急なアクセル・オフ、あるいは逆にキックダウンに近い動作でシフトを下げることもできる。

そして言うまでもなく、ATには学習機能がある。いつも1)のような運転をしていれば、ATは2速発進を選ぶだろうし、その方が燃費が良い。私はスッとパワーが出るように育ててきたので、タイトル画像に見えるように、燃費は7km/lを上回ったことがない。

けれども私は、スポーツ・モードはあまり使わない(シフト・ダウンのためのパドルはよく使う)。ATの学習に反映されない(らしい)ことと、ノーマル・モードの方が、シフト・ショックがないこと、そして何よりも、うまく学習させることで、ATのギアを足で操る自由度が高くなるからだ。もっと感覚を研ぎ澄ませ、車を自在にコントロールして、身体や心までBMWと一体となりたい、と思う。



※3/7追記 … デジタル一眼レフ・カメラ(キヤノンEOS 5DmkII)に、バイノーラル録音用マイク(ローランドCS-10EM、ドライバーの両耳に固定)を接続して撮影してみた。さすがに映像も音声も格段に美しくなった(これまではサンヨーのXacti HD800)。

全部で1分30秒ほどの映像で、最初の5秒は、キックダウン手前まで踏んだもの。
00:06からは、道の駅から国道に出ていったところ。
00:21からは、渋滞中。左後ろからトラックが、対向車線はバイクが通り過ぎる音が良くわかる。スースーと響き続けているのは、リア・シートの犬の寝息。
00:33からは、国道をそれて県道に合流するところ。パドルを使っている。
00:55から最後は、遅い車の後を走っていたが、急遽右折してルートを変えたもの。助手席から驚く声が聞こえているが、重たいデジイチを抱え続けてくれた、このカメラマンには感謝の意を表します。

Posted at 2013/03/04 02:50:38 | コメント(23) | トラックバック(0) | F10/11 5シリーズ | クルマ

プロフィール

「992型911カレラとケイマンGT4 http://cvw.jp/b/224462/43044418/
何シテル?   07/12 14:48
Porsche Cayman GT4に乗っています。他にBMW320dツーリング(G21)が妻の車です。 ハンドルネームの「スパグラ」は、初めてのBMW車...
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