チューニングアイテムの定番としてお約束のBBK(ビックブレーキキット)。代表的なのはブレンボGTキットですが、F10フロント用キットが405mmローターに6ポットの組み合わせで約56万。ちょっとと言うかだいぶローターを小さくした365mmバージョンは46万くらい。結構高いです(※1)。GTキット以外にBiotやRddのキットもありますが、価格はいずれも似たようなもの。それなりにお高い(笑。
これら以外のキットものといえばACシュニッツァーがあるようですが、フロントのみでお値段が82万円というなんとも
ふざけたびっくりな価格設定(笑。なんだかんだでフロントのみ40万以上してしまうこれらブランド物BBK、何も考えずに買ってしまうのもアリですが、今回(?)は流用品でなんとか安く上げてオリジナルBBK(ビンボーブレーキキット)を作ってしまおう!的な妄想をしてみました。
まず注目するのは先ほどのACシュニッツァーのキットです。まぁ、実際につけてる人なんてほとんどいないので
こちらのブログ記事で詳細をよくよく拝見するとローターがなんか純正っぽいということに気がつきます。で、キャリパーはちょっと古めのブレンボ製8ポット。この純正っぽいローターと古い8ポットが実はビンボーポイントと言うか目の付けどころなんです。
<<ローター>>
ローターですが、コレ、99.9%の確率でF01 750用フロントローターです。ローター径は374mmもあり、GTキットの365ミリよりもこの純正ローターのほうがデカいです。品番は34116785675と34116785676。国内でも1枚3.2万くらいで買えます。実はこのローター、日本仕様では750用になりますが、本国あたりだと550にも使用されているローターです。つまり、
F10なら523でも528でもポン付け可能なローターということです。ただし、見栄え十分なデカさがあるこのローター、問題がひとつあります。それはローター厚が36ミリあるということです。ブレンボのGTキットなどで使用されるFamily/Mといわれるモノブロックの6ポットキャリパーはじめ、大概のキャリパーはローター厚32-35ミリくらいまでしか挟むことができません。36ミリをくわえることができるキャリパーはレーシングブレンボやAPのレース仕様キャリパーなどごく一部に限られてるんです。さてさて困りました。
<<キャリパー>>
そこで登場するのが、このちょっと古いブレンボ8ポットなんですねー。この8ポット、いうてもブレンボなんで新品買ったら結構な値段します。ところがこの8ポット、ベンツの純正として採用されていた時期があるんです。2002年とか2003年辺りの話ですが、W220ターボエンジン搭載以降のS600LやW211E55AMGなどAMG55系のフロントブレーキに採用されていたんですねー(※3)。純正採用プラスちょい古めというファクターのおかげでヤフオクのみならず解体屋さんでも結構お目にかかる機会が多い、というわけです(※4)。で、E55の純正ローターって厚みが36ミリあるんです(^^
<<つまり・・・>>
もうお分かりですね。
750純正ローターにベンツ純正8ポットを組み合わせるとACシュニッツァーならぬACボンビッツァーの出来上がりということで(笑。ブラケットを製作する必要がありますが、さすが古いとはいえ世界のブレンボ製ですからしっかりラジアルマウント対応なので3万くらいでワンオフできるはずです。こうなると非常にざっくりとですがキャリパーを4万で拾ってきても片側10万強でブレンボを使用した”いきなり!黄金伝説。ビンボーブレーキシステム”の完成というわけです。あとはテキトーにキャリパーに色塗ったりすればそれなりに見えちゃうんじゃないでしょうか。
というわけで、お財布に優しく地球にもエコなBBK(ビンボーブレーキキット)、我こそはと思われる方はぜひ人柱をどうぞ。
あ、最後に今回のビンボーチューンはあくまでも机上理論ですので、実際にトライして失敗してもワタクシは関知しませんのであしからず。
<<まとめ:BBKに必要なパーツ>>
1. BMW純正750用ローター(34116785675, 34116785676)価格は1枚約3.2万円
2. M-Benz純正AMG55系ヤフオクもの、もしくは63系新品6potキャリパー(0034203183, 0034203283)価格は740ドル($80円換算で59,200円/1個)程度。ちなみにGTキットに使用される6ポットをキャリパーだけ買ってくるとセットで28万円です。
3. ワンオフブラケットだいたい片側3万程度
4. 場合によってはブレーキホースとパッド
<<追記>>
リアビックローターを組む場合も760iLの純正リアローター(EU向けで370×24mm)を持ってきて550キャリパーにオフセットステーを合わせる技が使えそうです。ただ、キャリパーを交換するとなると費用対効果の面で素直にRddビックローターを買った方が良さそうです。逆に維持費は純正品の方が安いですから頻繁にローター交換する方は純正でやった方が良いですね。
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※1 405ミリ仕様をアメリカで買うと4500ドル前後(ドル80円換算でおおよそ36万円)ですが、クソ重いですから輸送費がけっこうするんじゃないですかね。
※2 F10の場合、リアはキャリパー交換不可という事情があります。Rdd(22万)やBiot(16万)はビックローターキットをリリースしていますが、世界のブレンボ様は電子制御パーキングもあっさり無視してフツーにリアブレーキキットをリリースしていらっしゃいます。ただ、コレつけると警告灯がハンパないでしょうからよほど根性のある人じゃないとムリな感じですね。
※3 ただ、パッドが4枚もあってメンテナンス性が悪いことやコントロール性の評判が芳しくなかったため、徐々に6ポットに置き換えられてしまい、現在ではベンツ純正から姿を消しています。また補修部品としての供給も停止されています。下の写真は某解体屋さんのホムペから拝借した8ポット装備のS600L。もちろんキャリパーのみ購入可能。
※4 最近もヤフオクで片側のみが3万即落で出ていました。eBayあたりでもあさってるとそれなりに出品されてます。
Posted at 2011/10/28 18:20:20 | |
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