~僕にとって三代目ミニはエステートへの憧れを晴らすべくクラブマンへ~
VWイオスで一度回り道して(今更ながらイオスは名車だったと思う)、結局戻ってきて都合三代目のミニはクラブマンで。
初代のクラシック・ミニを買った頃は"クラシック"とは言ってもローバー世代の90年代ものを買うのがメンテに対する覚悟も予算も精一杯で、ホントのオールド・ミニなんて扱える自信も無かった。
でも、その頃本当に憧れたのはトラベラーやカントリーマンと言われた胴長ワゴンタイプのミニ。ローバー時代にはとっくに絶版になっていた"ミニのワゴン"はいつか乗りたいと思いつつも、二代目のBMWミニ・コンバーチブルで文明の利器に触れてしまった自分はクラシックカーの世界には戻れなくなってしまった。
そんな想いを抱きつつ過ごしていたら、BMWがシューティングブレイクというコンセプトで2ドアスタイルの胴長車を復活させた。
スタイルはトラベラーを意識しつつも、木目とかクラシカルな雰囲気よりは、それらをかなりモダンに解釈した別物(だからトラベラーとは名乗らずに"クラブマン"としたのだろう)だったが、胴長なミニを一度は乗りたくて、一応この時期B~Cセグの車種を色々見たけどモトサヤに。クラシック、R50系、R56系とこの時点で全ての世代のミニに乗ったことに(この直後にF56世代が出たが、それはまだ所有してない)。
イオスも満足してたけど、一番の動機は間もなくクラブマンもモデルチェンジで次回作からは比較的王道のステーション・ワゴン・スタイルになることがほぼ判明してたけど、この個性的でレトロモダンな形の内にってのも大きいかも。
2代目ミニ(R52)と一番違うなって感じるのはエンジンかな。この世代からPSGと共同開発された直噴(Sはターボ)エンジン、通称"Prince/N18"を搭載した。
このエンジンはバルブトロニックやツインスクロールターボなどBMWお得意のテクノロジーを投入し本質的には"ダウンサイジング・ユニット"として、プジョーやシトロエンの多くの車種(208からDS5のように様々な車種)やBMW1シリーズにも採用された(ようやくミニと1シリーズで共有の1.6Lエンジンになった)。
勿論回してもある程度楽しいけど(5000rpmも回せば結構な加速感だった)、直噴ターボらしく低い回転数からトルクがフラットに有るので、ダラダラ乗っていても力感が有って(ミニのサイズ、重量を鑑みればクーパーSだとオーバースペックなので当たり前だけど)、回さなければ、これだけのパワーユニットの割に燃費も納得できるくらいの数値になる。
少なくとも二代目のクーパーに搭載されていた自然吸気ペンタゴンエンジン+CVTより燃費が良かった。楽しく回せばまた話は別であるけど。
エンジンとしてはスポーティ狙いというより、本来ダウンサイジングを意識して比較的大きな車格を小さなエンジンということを意識させずに走らせることが直噴ターボ化の第一義だったと思う。
なので、初代クーパーSみたいな回すほどアブナイ感じのエンジンではなく、2000rpm以降はとてもフラットな特性の今様なエンジンだったので(ただクーパーSは最もハイチューンにされていたものの一つなので2000rpm以下のトルクは結構薄かったけど)、街中ではむしろ軽く走らせていた感じだった。
とは言え本来シトロエンのC5、DS5みたいな大きなクルマを無理なく走らせることが出来るエンジンなので、踏み込んでしまえば車格に対して望外の力感(トルクステアを出しながら)で加速していったが。
但し、ドイツ車としては低血圧というかアイドリング時は大人しくしていてくれるVWのエンジンに乗った後だと、夏はエンジンかけてから速攻で回り始める冷却ファンとか、その高血圧なエンジンがちょっと気にかかった。ファンの音も振動も大きめでハンドルへの振動、音も大きめなので直ぐに分かる。前のペンタゴンエンジンよりエンジンもファンも良く回った。エンジンが止まってもファンは回っていた。
アイシンAWの6速ATは、前はCVTクーパーだった身からすると、確かにソリッドでクーパーSのキャラクターには有っている。但し、イオスで既にDSG(DCT)経験してるのでやや変速感は強く感じた。エンジン始動後は特に変速ショックが強めで引っ張る傾向も有った。そういう意味では最近のAT、DCTに慣れると、ちょっと古典的だったかな。
そう言えば新型ミニ(F56)でも引き続きアイシン6速ATみたいだけど、1シリーズやV40辺りまで降りてきた8速ATとかそういう選択肢は今後ないのかな(結局その後ディーゼルでは8速ATに)。燃費も良くなりそうだけど(と書いていたら、何とマイナーチェンジでゲトラグ7速DCTを採用決定!)。
ただ、やはりR世代はベースとしては2世代引っ張ったので、決してお安くない価格に対してテクノロジーが弱かった感は否めないかな。このクラブマンは2010年代に買ったわけだけど、インフォテイメントも付かないし、(アクティブではない)クルーズコントロールも無かった。それより年次が古いイオスでは付いていたのでその辺りは乗り始めてから少し気になった所。
この頃親が体調を崩し、病院送り迎えとか現実面で大分家庭の事情も勘案しなければいけない立場となり、手狭だったり、こんなに大きな窓なのにはめ殺しで全く開くことが無かったりと、ちょっと実用で色々ニーズが出たので手放したけど、こんな格好良いデザインのクルマはそんなに無いし、やっぱりミニって居なくなると寂しいので、もう少し仕事頑張ってまた、何れ、ミニは乗るつもり。次はコンバーチブルかな。。