2015年05月19日
さらば ランエボ ! 三菱自動車 の 高性能車 が 残した 23年 の 功績 : 東洋経済 オンライン ・・・・
< 東洋経済 オンライン 関連記事 以下抜粋 >
さらば ランエボ ! 君は 本当 に 偉大 だった
三菱自動車 の 高性能車 が 残した 23年 の 功績
岡本 幸一郎 : モータージャーナリスト
【 東洋経済 オンライン : 2015-05-19 】
「 ランサー エボリューション 」 の 名前 を 知らない 自動車好き は
ほとんど いないだろう。
三菱自動車 の 乗用車 「 ランサー 」
( 最新モデル の 日本名 は 「 ギャラン フォルティス 」 ) を ベース に
ハイパワー な ターボエンジン や 強靱 な 足回り を 搭載 して 走行性能 を 高め
専用 の 内外装 で 固めた スポーツモデル だ。
1992年 10月 の 初代 登場 から 数えて 約 23年。
ファン を 中心 に 一部 で 絶大 な 人気 を 誇ってきた モデル の 歴史 が 幕 を 閉じた。
◆ 2週間 で 限定台数 が 完売
今年 4月10日 より 先行予約 の 受け付け が 始まった
「 ランサー エボリューション X 」 の 特別仕様車
「 ファイナルエディション 」 ( 価格 429 万 8,400 円 ) は
2週間後 の 4月25日 には 早々 に 限定販売台数 である 1,000 台 に 達し
受付終了 と なった。
初代 から 数えて 10代目 で 最新モデル を 意味 する 「 X 」 を ベース に した
文字どおり の 最終モデル で ある。
契約者 への 納車 は 今夏 に なる 見込み と いう。
ファイナルエディション の 詳しい 性能 は 現時点 では 非公開。
今後 明らか に なるものの ベース車 で ある ランサー エボリューション X ですら
最高出力 300 馬力、最大トルク 43.0 kgf の ハイパワー を 誇り
ライバル の スバル ( 富士重工業 ) 「 WRX STI 」 ( 308 馬力 43.0 kgf ) と
しのぎ を 削っている。
ファイナルエディション は
排気量 2,000 cc ターボエンジン を 搭載 する モデル としては
国産最強 の 水準 まで 性能 を 高める と 想定 される。
思えば 筆者 が 自動車メディア業界 に 身 を 投じたのも 1992年 の 春 だ。
同じ 時代 を 送り ずっと 関心 を 持って 接してきた
ランサー エボリューション が 消滅 してしまうのは 寂しい かぎり である。
ここで 改めて その 歴史 と 功績 を 振り返っておきたい。
◆ 初代 は 3日間 で 2,500 台 が 完売
そもそも 「 ランエボ 」 または 「 エボ 」 など の 愛称 で 親しまれる
ランサー エボリューション の ような 車 が 誕生 した 理由 は
WRC ( 世界ラリー選手権 ) を 戦うためだ。
当時 ひとクラス上 の ギャラン で WRC に 参戦 していた 三菱 は
より 軽量 で 機動性 に 優れる ランサー を ベース に
ギャラン でも すでに 高く 評価 されていた 4G63 型 と いう
高性能 エンジン を 搭載 しよう と 考えた。
そうして 開発 されたのが 初代 ランサー エボリューション。
1992年 秋 に 世 に 送り出され これが 驚くほど 売れた。
当初 の 予定 だった 限定 2,500 台 は わずか 3日間 で 完売 し さらに 追加生産。
最終的 に 当初 の 予定 の 3倍 を 超える 販売台数 を マーク した。
何しろ 当時 の ランサー は
トヨタ自動車 で いえば 「 カローラ 」 と ほぼ 同じ クラス の 小型セダン の 車体 に
最高出力 250馬力 の ハイパワーエンジン を 搭載 したのだ。
なんとも すさまじい モデル の 登場 だった。
そして ランサー エボリューション は
「 Ⅱ 」 「 Ⅲ 」 「 Ⅳ 」 …… などと モデルチェンジ で 進化 を 続けるとともに
同じ 境遇 から 生まれた スバル 「 インプレッサ WRX 」 と 宿命 の ライバル として
対決 を 演じていく。
まずは 歴代モデル の 販売台数 を 振り返ってみよう。
初代 から の 販売台数 を 累計 すると 実に 約 10万台 にも 上る。
その ランサー エボリューション の 歴史 は
「 初代 エボ ~ Ⅲ 」 「 Ⅳ ~ Ⅵ 」 「 Ⅶ ~ Ⅸ 」 そして 「 X 」 と
大きく 4世代 に 分けられる。
第1世代 では 初代 の 1年 あまり 後 に
エボ Ⅱ に 進化 したとき の 変更点 は 小さかったのだが
その 1年半後 に 登場 した エボ Ⅲ では 大幅 に 開口部 を 拡大 し
大きな ウイング を 装着 する など した 外観 は
当時 と しては とても インパクト が あるものだったこと を 思い出す。
◆ 旋回性 が アップ した 第2世代
続く 第2世代 で エボ は 大きく 変わる。
ひとつ の 大きな ポイント が 「 AYC ( アクティブ ・ ヨー ・ コントロール ) 」 の 採用 だ。
これは シンプル に いうと
コーナリング時 に 曲がりたい 方向 の 外側 の 外輪 を 増速 させる と いう 機構 で
当初 は 旋回時 に 外 に 膨らみやすくなる
「 アンダーステア 」 が 強いこと が 指摘 された ランサー エボリューション は
こうして ハイテク を 駆使 した 4輪 の 駆動力制御 に よって
旋回性能 の 向上 を 図ることで コーナリングマシン へと 変化 していく。
当初 は どちらか と いうと
エンジン の ランサー エボリューション
ハンドリング の インプレッサ と いう イメージ が 強かったが
この頃 から 関係 が 逆転 した。
また エンジン 最高出力 が 280馬力 に 達したのは エボ Ⅳ。
当時 の 日本車 には メーカー の 自主規制 として
エンジン の 最高出力 を 280馬力超 に しない と いう 「 280馬力 規制 」 が あった。
ただ その 水準 に 到達 していたのは 2,500 ~ 3,000 cc 級 以上 の
大排気量 エンジン であり 2,000 cc の エボ Ⅳ が
280馬力 を 達成 してしまったというのは エポックメイキング な 出来事 だった。
そんな エボ Ⅳ は
スタイリング の よさ や 販売期間 の 長さ も あって 歴代最高 の 販売台数 を マーク。
次の エボ Ⅴ では ついに 5ナンバー枠 ( 全幅 1,700 ミリメートル 未満 ) を 脱し
大迫力 の ワイドボディ を 手 に 入れる。
世の 高性能車 が こぞって 採用 している
イタリア の 名門 ブレンボ製 ブレーキキャリパー も 採用 したのも エボ Ⅴ からだ。
そんな エボ Ⅴ は これまで 以上 に モータースポーツ でも 好成績 を 収めた。
続く エボ Ⅵ は
エボ Ⅴ の まさしく 熟成版 と いえる 内容 で これを ベース に 当時
WRC 4連覇 など 破竹 の 勢い を 見せていた
トミー ・ マキネン 選手 を フィーチャリング した 限定車 も 発売 された。
当時 の インプレッサ WRX STI が それほど 大きく 変わらなかったのとは 対照的 に
ランサー エボリューション は 代 が 変わるごとに 激しく 変わったこと が 印象的 だった。
◆ さらに 走行性能 を 高めた 第3世代
そして 第3世代 と なる エボ Ⅶ では
ボディ が 大型化 されて 重くなるため 遅くなるのでは と いう 危惧 を ものともせず
前後輪間 の 差動制限 を 電子制御 する 画期的 な 新兵器
「 ACD ( アクティブ ・ センター ・ ディファレンシャル ) 」 を 得て
さらに 走行性能 を 高めた。
前後 と センター に 計 3つ の デフ を 持つ 4WD車 と いうのは
デフ の 制御 に よって 自在 に ハンドリング を 味付け できる。
そこで 三菱 は その 要 と なる センターデフ の 拘束力 を 積極的 に 制御 することで
走り を 変化 させる 「 ACD 」 を 開発 し エボ Ⅶ に 搭載 したのだ。
一方 で 同モデル では エボ 史上 で 初 と なる AT車 も ラインアップ された。
その後 エボ Ⅷ では エボ Ⅳ より 採用 している AYC の
左右輪間 の トルク 移動量 の 増大 を 図った 「 スーパー AYC 」 や
MT を 5速 から 6速化 する など さらなる 改良 が 施された。
その 改良版 と なる エボ Ⅷ MR では
量産車 世界初 と なる アルミルーフ の 採用 や
エボ Ⅸ では エンジン性能 向上 に 欠かせない
連続可変バルブタイミング機構 「 MIVEC 」 を 採用 した。
また エボ Ⅸ では 歴代 エボ で 初めて ワゴンモデル が 設定 された。
こうして 振り返ると
ランサー エボリューション の 歴史 は 実に 新しいものの 連続 だったこと が
ご理解 いただけるだろう。
インプレッサ WRX が
あくまで スバル お得意 の 水平対向 エンジン を 軸 と した
シンメトリカル AWD の 強み を 活かす 方向性 で
電子制御 には それほど 積極的 で なかったのに 対し
エボ は 電子制御 による 4WD の 可能性 の 大きさ を 知らしめた。
その 対決 の 構図 は よく
「 デジタル の エボ ・ アナログ の インプ 」 など と 表現 された。
強力な 2リッター ターボエンジン を 積む 4WD の 高性能 セダン と いう
カテゴリー を 確立 した 両車 の 動向 は 世界中 から 大いに 注目 されたものだ。
そして 2007年 最終章 を 飾る エボ X の 登場 と なる。
ボディ から パワートレイン まで 全面的 に 一新 された エボ X では
トランスミッション に 「 ツインクラッチ SST 」 と 呼ぶ
2ペダル の DCT を 採用 したのも ポイント だ。
ところが エボ X が 登場 してから 8年
これまでどおり エボ Ⅺ エボ Ⅻ に 進化 すること に 期待 していた ファン も
大勢 いること に 違いないが そうは ならなかった。
むろん 三菱 の 体力 の 問題 も あるだろうが
三菱 と しても ユーザーニーズ の 多様化 により
これまで の あり方 では 需要 が 見込めなくなってきたことで
かつて の ようには エボ の 開発 が できなくなってきた。
また エボ が 終焉 を 迎える そもそも の 理由 には
WRC の ホモロゲーションモデル として 誕生 した
2,000 cc ターボエンジン の 高性能 4WD セダン である 意味合い が
WRC の 車両規定 の 変更 により 薄れてきた と いう 面 も ある。
◆ 国内ラリー では 現在 でも 活躍
WRC では トップカテゴリー が 車両規則 の 変更 により
もはや エンジンサイズ は 2,000 cc では なく 1,600 cc ターボ の 4WD となり
車体サイズ も 小型化。
近年 は セダン が 姿 を 消し ハッチバック のみ と なっている。
「 グループ N 」 と 「 R4 」 と いう 規定 では
WRC-2 に プライベーター が ランサー エボリューション で 参戦 しているが
ここでも 主流 と なっているのは フォード の フィエスタ だ。
しかし 国内 の 全日本ラリー / ダートトライアル / ジムカーナ では
現在 も 活躍 しており
実際 2014年 は 上記 すべてで ランサー エボリューション が
チャンピオン を 獲得 している。
また 基本的 に 市販車ベース で 戦う スーパー耐久シリーズ に おいて
排気量 が 2,001 ~ 3,500 cc の 四輪駆動車 で 争われる 「 ST2 」 クラス は
ランサー エボリューション の ほぼ 独占状態 と なっている。
国内 では まだまだ 健在 だ。
そして こうして ランサー エボリューション で 培ってきた 技術 は
三菱 の さまざまな 車種 に 応用 されている。
中でも 4WD 技術 は すでに アウトランダー や 同 PHEV の 4WD システム
「 S-AWC 」 に おける 制御技術 に 活かされている。
プラグインハイブリッド ( PHEV ) が 単に 環境性能 に 優れるだけでなく
走行性 の 面 でも 高く 評価 されているのは
ランサー エボリューション から 受け継いだ 財産 に 違いない。
さらに 三菱 では 今後
この 4WD 技術 を 電動車両技術 に 活かしていく と いう。
関係者 に よると ランサー エボリューション の 後継車 は
現時点 で 計画 は ないとのことだが それに もっとも 近いものは
これまで とは まったく 別 の 形 の
たとえば 以前 モーターショー に 展示 された
インホイールモーター を 備えた 車両 など
もっと 電動車両技術 を 駆使 したもの に なること が 予想 できる。
ランサー エボリューション が 生産終了 と なるのは 本当 に 残念 で ならないが
いずれ 世 に 出てくる で あろう 事実上 の 後継モデル への 期待 を 込めて
明るく 見送ること に したい。
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Posted at
2015/05/19 17:32:41
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