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3月は、幼馴染の命日でもあったんだ。
3月29日、遠くフランスの地で、夢半ばど
ころか、これから始まるWGPの最初のレー
スを控えて、夢と希望に満ちていたときだっ
たに違いない。

三十七回忌・・・、36年経ったんだ。
勝負の世界にたらればの話しは無いとは承知
の上ではあるけど、WGPにプライベーターで
挑んだ石川岩男が、世界を相手に、どんなリザ
ルトを残せたか、ゆくゆくはワークスライダー
として、参戦する姿を夢に見た人も、少なから
ずいただろう。

ここにいらっしゃった方、何かのご縁です、「グランプリは遥か～
レーシングライダー石川岩男の軌跡」をダウンロードして、読んで
みてください。

いくつになってもっても、男は夢追い人。
でも、今の私は、日々の生活に夢で魘される人です。

幼馴染の存在が、モータースポーツをやろうと思
ったキッカケのひとつかもしれない。
幼馴染というには失礼なのかもしれない先輩がこ
の世を去り、明日で三十三回忌、32年も経つ。

私は体の大きな子供だったため、2～3歳上に見ら
れていたので、遊ぶ相手も上級生が多かった。
時代も今とは違い、上は中学生～下は幼稚園に通うような子が一緒
に遊んでいたので、いいことも悪いことも上級生に教わった。

その中の一人が、後に二輪の世界で活躍することとなり、本格的に
世界へ打って出ようといった矢先に、遠くフランスの地でのレース前
の練習時に後続車に追突され、帰らぬ人となってしまった。

正直な処、その先輩の活躍をリアルタイムでは全く知らない。
昭和五十年代の筑波で、めざましい活躍だったそうだが、二輪レー
スには興味はなかったからだ。
ただその先輩、イワオちゃんがレースをやっていることは、他の先
輩に聞いていたので知ってはいたものの、有望なライダーであった
のは、新聞の訃報欄で知った、その程度の知識だった。

葬儀の頃は、会社の新入社員研修で缶詰だったため、お別れに行く
こともなく時は過ぎ、毎年この時期になると思い出していた。

昨年の秋に手伝った、母校のイベントへの協力をお願いするため、
面識のないイワオちゃんのお兄さんを訪ねたことが縁で、三十三回
忌を前に、お線香をあげさせていただけた。

自己満足だけど、胸に支えていたものが取れたような気がした。

享年２７才、早過ぎましたね。

近所の駄菓子屋の前で屯していたとき、バイクを買って嬉しそうに
走り寄ってきたイワオちゃんを、今でも時々思い出す。