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2016年07月20日
メカについてのss ロータリーエンジン後編
MPTF店内
「マツダの努力、それはアンビバレンスと例えるか、それとも矛盾を克服すべきかと言うか、兎に角、苦難の連続だった」店長は、そこまで言うとコップに入ったアイスコーヒーを一口飲むと、牧島亨が訊ねる。
「苦難ですか?」
「ああ、マキト、ロータリーエンジンがどうしてスムーズにレッドゾーン迄、回るか解るか?」
「言われてみれば、どうして回るんですか?」
「口で言うよりは…」そこまで店長は言うと、A3のコピー用紙をコピー機から取ると、紙に書き出しながら喋る。
「レシプロエンジンとロータリーエンジンの違いと言うか、関連するパーツを書いていくぞ」
ローターハウジング
↑↓
シリンダーヘッド&ブロック

エキセントリックシャフト
↑↓
クランクシャフト

ローター
↑↓
ピストン、コンロッド、カムシャフト、バルブ、バルブスプリング

アペックスシール
↑↓
ピストンリング
書かれた内容を見た牧島亨が口にする「レシプロエンジンのパーツ類は多いが、ロータリーエンジンのパーツ類は少ないな、そうか、分かった、分かったぞ、パーツ構成の少なさがロータリーエンジンを上まで回るエンジンにしたんだ。パーツ類が多いとその分効率が悪くなるが、少ないと効率良くスムーズに上まで回る様になる」店長は、その発言に満足そうな笑みを浮かべながら答える。
「そうだ、パーツ構成の少なさがロータリーエンジンを特徴付けている。さてマキト、レシプロエンジンは往復運動で動いているが、ロータリーエンジンは、どんな風に動いているか分かるかる?」
「座学は苦手でしたけど、覚えています。確か回転運動て動いていますよね」
「そうだ、そして、その構造がロータリーエンジンの実用化を阻む最大の難関チャターマークを生み出す最大の原因になったと言っても過言では無い」
「と、言いますと?」牧島亨が尋ねると、今度は宇佐美美樹子が口を挟む。
「亨君、子供の頃にバケツに水を入れて、その場で回転させる遊びをしなかったかな?その時バケツの水は零れた?」
「いいえ、零れませんでしたか、それがロータリーエンジンとどう関係してくるんですか?」
「関係大有りなの、バケツの水が零れなかったのは、どうしてなのか説明出来るかな亨君」
「え~と」牧島亨は、頭の中で小学校の時に考え教えられた事をおもいだすと答えた「確か回転する事で遠心力が発生して、その遠心力がバケツの水を零れさせなかったと教わりました」
「良くできました。その遠心力がチャターマークを生み出す元凶だったのよ」
「どういう事ですか?」すると今度は、娘の宇佐美のどかが牧島亨に質問する。
「牧島さん、仮に直径2メートルの金属製の円筒形内に入って長さが共に2メートルの分銅2つを用意しますが、一方の重さは10キロ、もう1つ2キロです。この2つの分銅を持って円筒形内に入って振り回した時に、どちらの分銅が円筒形内に深い傷が出来ると思いますか?」
「そりゃ簡単な答えだ。10キロの分銅の方が深い傷を付けるに、決まっているだろ」
「その通りです。そしてこれがロータリーエンジンの最大の問題、チャターマークの原因です」
「えっ!?どういう意味だ?」
「簡単な話だマキト、物凄く極端かつ乱暴に言ってしまえ、ローターの材質を重く、要は重量を増せばローターの耐久性が向上するが、その代償に増えたローターの遠心力でローターハウジングにチャターマークを付ける。それを防ぐのに軽いローターを作ればローターハウジングにチャターマークが付かないが今度は耐久性が犠牲になる。この相反する問題にマツダの技術陣はローターハウジングに一番先に接触するパーツ、アペックスシールの改良でこの問題を解決しようと考えたマキト分かるな」
「分かりますよ。アペックスシール、ピストンリングと同等の働きをするパーツでローターの先端に嵌め込まれているピストンリングと同等のパーツです。店長」
「そうだ、でもなロータリーエンジンのアペックスシールはピストンリングと致命的に違う点が存在した」
「レシプロエンジンのピストンリングは、ピストンに嵌め込まれて、シリンダーブロック内での往復運動だけ、でもロータリーエンジンのアペックスシールは、娘、分かる?」母親からのいきなりの質問にのどかは、直ぐに答えた。
「回転しているローターの先端に嵌め込まれているアペックスシールは、真っ先にローターハウジングに接触、密着、離脱の工程を1秒間に3回転も行うんですけど、その時の接触、いいえ、衝撃はローターとローターハウジングに高い負荷を与え、チャターマークを付ける要因になっていた筈で、マツダの技術陣は、それこそ様々な材質でアペックスシールを作ったんじゃないかな?各種金属は勿論のこと、最後の方は動物の骨でアペックスシールを作ったと記憶しているけど」宇佐美のどかの発言に牧島亨は、或る疑問を尋ねた。
「ちょっと待て、動物の骨を使用してアペックスシールを作った!?動物の骨ってそんなに耐久性というか、耐熱性あるのかよ?」
「マキト、意外と知られてないんだが動物の骨、主に哺乳類の骨は1000℃位までの高温に耐えられるんだ」店長はそう返答すると牧島亨は、驚きの声を上げる。
「えっ!!そんなに耐熱性が有るんですか、知らなかったな、それでアペックスシールの改良でチャターマークは解決しましたか?」
「いや、解決しなかった。因にNSU社から提供されたロータリーエンジンは500キロ程度でパワーとトルクダウンしエンジンを開けるとチャターマークが付きまくっていた、一方マツダの改良型アペックスシール装着のロータリーエンジンも精々800キロ走っただけでチャターマークが付いてしまい。マツダの技術陣は途方に暮れ、解決策が見当たらないなか技術者の1人が回転運動しているローターの共振が原因では、ないかと考え共振を抑える為にアペックスシールにクロスホローと呼ばれる穴開け加工を施したロータリーエンジンを作った結果、1000キロ越えてもパワーとトルクもダウンしないんで我慢出来なくなってエンジンを開けて見た結果、チャターマークは発生していなかった」
「その加工のお蔭でロータリーエンジンの実用化に目処が立ったんですか?」
「いや、アペックスシールの問題は、それで解決したが肝心なローターの耐久性が未解決だった。さっきも言った様にローターの耐久性を上げるとしたら重くなり、その分遠心力が強くなり改良型のアペックスシールでも耐えられない、反対に軽くすれば改良型アペックスシールで十分に問題ないが、ローター自体の耐久性が低くなり目標値としていた耐久性に達成出来なかった」
「目標値?勿論のは何キロだったんですか店長?」
「10万キロの耐久性を確保しようとしたのね旦那?」牧島亨の疑問に宇佐美美樹子が答えた。
「そうだ、10万キロの耐久性を確保しようとローターの材質、強度、精度あらゆる方面からアプローチしたが上手くいかず八方塞がりの状態になった時に、技術者の1人が強い材質の配合ばかりでローターを作っていたが、逆に脆くて軽い材質でローターを作ってみたらどうだと提案した。当初は受け入れられずにいた提案だったが、他に手が存在しなかったんで駄目元で脆い材質で実験した結果、これがまさかまさかの大当たりでローターの耐久性問題を解決した」
「アルミニウムにカーボンを浸透させてローターを作ったんでしょ」
「その通りだ、出来のいい娘を持つと嬉しいな。他にもローターハウジング内にクロームメッキを施してローターハウジングの耐久性を向上させ、こうしてマツダはロータリーエンジンをやっとの思いで物にした」
「でも、旦那オイル漏れのトラブルもあったわね?カチカチ山のタヌキと言われた」
「カチカチ山のタヌキ?何です?」
「ああマキト、ロータリーエンジンは、ガソリンと一緒にエンジンオイルを燃やして走っている。潤滑と冷却の為にな、NSU社から提供されたロータリーエンジンを車に搭載して走らせたら、盛大な白煙が噴き出しエンジンブローかと思ったら、ローターハウジング内でオイル漏れが発生していて、対策にオイルラインに金属製のシールを貼って対処したが、それでもオイル漏れは止まらず、次に金属製シールを二重にして対応したが、此も駄目で、技術陣の1人がゴム製のシールで実験したらどうだと提案した。当初は高温になるエンジン内ではゴムなんか直ぐに溶けてしまうと言われたが、金属製シールでも駄目だった為に、駄目元で製作して実験した結果」
「結果、どうなったんですか店長?」
「白煙問題は無事に解決し、チャターマーク問題の解決と合わせてロータリーエンジンの実用化に目処が立った。因にマツダがロータリーエンジン関係で取った特許の数は開発元のNSU社技術陣が白旗を上げる程の特許を取っており、そしてマツダは、ロータリーエンジン搭載の実用車第1号にスポーツカーを選んだ。スポーツカーを選んだ理由は、ロータリーエンジンの実力を最大限に発揮させ、市場にインパクトを与えるとしたらスポーツカーが最適だった。そうして作られたのがコスモスポーツだ」店長は、そこまで言うとタブレットを取って画像検索して画像を見せながら言う。
「今の目から見ても、いいデザインだろ?」
「確かに、否定はしないわよ旦那」
「色褪せない輝きとは、こういう事言うんだね」
「RX-7に繋がる原点は、此か、格好良いな」店長の発言の後に宇佐美美樹子、のどか、牧島亨が思い思いの感想を述べるのを聞き終えた店長は、一言言う。
「マツダの努力は、大したものだ。今は、ロータリーエンジン搭載車は生産してないが、もし新しいロータリーエンジン搭載車が発売されるとしたら、どんなスタイリングで、どんな性能を見せるのか楽しみだよ」そこまで言うと、残りのアイスコーヒーを飲み干すと牧島亨に言う「さてと、マキト一息ついたから、残りの作業を一気にやるぞ」その店長の言葉に牧島亨は「了解しました。もうひと頑張りしますか」そんな会話に宇佐美美樹子が口を挟む。
「出来ればふた頑張りで、お願いね。黒田さんの作業も考えてね」
「分かってるぞ、行くぞマキト」
「ええ、行きますか」二人は、そう言い返すと作業場に戻っていった。

ロータリーエンジン後編終了 次回はロータリーエンジンのオマケを書きますが、こんなに間が空いてしまい、すいませんでした。埼玉への移動やら、仕事の問題やらで、こんな遅筆になってしまいました。






 
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Posted at 2016/10/11 06:07:28

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「大洗某所の駐車場にて、これから仮眠をとりますが到着したのは1時間前にも関わらず大洗の駐車場は、ほぼ満車状態です。明日はどうなることか?
色んな意味で心配です(笑)」
何シテル?   11/13 00:49
タイプRに乗っているので、サーキットを走りたくなりシビックを、チューニングしてサーキットデビューをすると同時に、愛車のチューニングも紹介していきたいと思います。...
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