あっという間に大晦日.
家の事をあれこれやっているとブログアップを忘れそう.
年忘れボツシリーズ,
国内編に続いて第二弾,海外編をアップします.
1月のフランスーオランダ行きは反省と収穫が交錯する旅だった.
1.サン・ポール・ド・ヴァンスの青空
先ずは反省から.
ここは本当に綺麗な街だったが,それだけに難しかった.
絵はがきっぽい写真が多く,「撮らされている」感が半端じゃない.
ベネチアの時も同様に感じた.次回は被写体の美しさに振り回されず.自分なりの視点で撮れるよう工夫してみたい.
2.リクヴィルの石畳
「ブドウ畑の真珠」,リクヴィルは生憎の悪天候で街の美しさが半減.
雨に濡れた石畳で街の雰囲気を出す試み.
3.ストラスブールの街灯1
この放射状の光を放つ街灯には強く触発された.
街灯の役割は言うまでもなく灯りだが,この場合影も出している.
一人(一灯)二役!
自分が撮りたい絵を再確認するきっかけとなった.
ブログでは寒色系の写真を使用.
4.ストラスブールの街灯2
同じく放射状の光を捉えた一枚.壁がピンク系なので暖かみがある.
しばらく待っていたが通行人が来なかったのでボツにした.
5.ストラスブールのパン屋
最近の課題として,「深みのある写真」を撮りたいと思っている.
深みには色々な意味が有るだろうが,写真技術で言えば「豊かな階調性」と「平板ではない絵作り」になるのではないか.
この写真では中世絵画のような光が演出できないかと考えて撮影した.
6.ナンシー駅の朝
朝日の強い逆光は撮影条件が難しい.1DXの深い階調性と後処理で独特の雰囲気を演出.
7.スタニスラス広場の夕暮れ
歩行者など低速度の移動物の流し撮りは,動きを演出する良い手法だと思っている.
照明が不均一に反射するタイルがアクセント.
8.レ・ネグレスコ
フランスのお友達に案内してもらったニースの紺碧海岸.
この半年後,まさにこの場所で,凄惨なトラックテロが起きるとは...
当時は知る由もなかった.
不安定な世界.果たしていつまで旅を続けられるのか.
自分の年齢もあり,かなり不安.
9.ナイメーヘンの雨
旅の終わりのオランダ地方都市.
クルマのサイドウインドウに雨粒がかかる.街の灯が玉ボケとなり窓を飾る.
よく見ると玉ボケの中にも雨滴がぎっしり.
本当は窓枠も一部入れたかったが,レンズとの距離が近すぎて叶わなかった.
10.シンガポールの石段
街は視点の位置と方向によって全く違う表情を見せる.
それを被写界深度の効果と組み合わせ,立体感と濃淡を強調.
ブログ使用の絵の別バーションだが,後処理は全く異なる.
11.サイドウオーク
サンフランシスコにて.ケーブルカーで移動中に舗道を流し撮り.
ケーブルカーは前方に移動中.歩行者は同方向移動だが相対的に遅いため,カメラは後方に振りながら撮影.
見た目よりは複雑な流し撮り.
ここからは年末のシカゴ未使用シリーズ.
12.水溜まりとブーツ
雨上がりのシカゴ.まさに水に入る直前の歩行者.足シリーズの一枚.
13.鉄橋を渡る
シカゴ川を跨ぐ鉄橋.手摺の影と橋の錆びが面白くて撮った.
遠方には美しい脚.
14.陸橋と影
陸橋の上に立った時,強い既視感(デジャブ)に襲われた.
この風景どこかで見た事がある.
帰ってから調べたら,
アンリ・カルチエ・ブレッソンの1932年の作品だった.
ブレッソンは影の使い方も巧く,私が好きな作家の一人.
先人の偉大さをまた実感.
15.Yellow leaves
大理石の縁石に落ち葉.さらに黄色く変じた木の反射から,空の青さと日差しが感じられる.
16.ウオータータワー前1
4年越しのリベンジをしたウオータータワーの撮影時.ブログには
オリジナルアイデアに近い一枚を使用したが,実は色々トライしていた.
これは手前車線のクルマ影が大きくなってタワー下部が隠れたのでボツになったもの.
写真としてはこちらの方が面白い.
17.ウオータータワー前2
国内編の一枚目でも使ったが,ヘッドライトは逆光源として面白い.
アングルファインダーは視点を下げる場合にとても役に立つ.
18.ウオータータワー前3
目の前で停車したバス.一瞬「邪魔!」と思ったが,室内でスマホを操作する女性が目に入り撮影.
街灯とバス室内の色温度の差が面白い.
19.ストーンフロア2
モールのアプローチ.ブログでは
静止した大人しいバージョンを使用.
自分としてはこちらの動きを強調したものの方が好き.
20.タクシーにて
レストランに出かけるタクシーの後席から運転席を撮る.隔壁を照らす照明が暖かい.
平板ではなく深み有る表現の試み.
21.疾走
降りしきる雨の中,猛スピードで駆け抜けるバスを至近距離で.
バスには追従できなかったが,斜めに降りしきる雨,飛び上がる飛沫が捉えられていたので,面白いと思って採用.
22.Dior Ad.
やはり雨のシカゴ.レンズに付いた水滴は敢えて残し,ライブ感を演出.
街の雰囲気をうまく捉えられたのではと思っている.
バックライト付きの広告板と暗い街路.
撮ってみれば解るがこの両方を出すのは技術としてとてつもなく難しい.
1DX Mark IIと高度な後処理が役に立った.
私にとって今年は,街撮り作品の方向性と目指す独自性について大切なヒントが得られた一年だった.
光・影・動き...
作品のテーマあるいはメインターゲットをこの3点に絞るのが良いと考えている.
少なくとも今の時点では....
その際には深みのある絵作りに気をつけたいと思う.
問題が有るとすれば「動き」の表現かもしれない.
7.スタニスラス広場の夕暮れ,19.ストーンフロア2,21.疾走などには賛否があるかもしれない.
発表すれば批判もあるのは避けられない事なので,そこは真摯に受け止め,
次に続けて行きたいと思う.
もう一つ改めて気付かされた事.それはこの時代に生きる事のしあわせ.
我々が手にしている機材・ソフトウエアは先人が望んでも得られなかった強力な武器である.
これらを精一杯駆使し,現代に連なる先人達の作品列に1ページでも自分の独自性を書き加えたい.
と
大言壮語して今年を締めくくりたいと思います(^^;
本年も拙作をご覧いただきありがとうございました.
来る一年が皆様にとって幸多からんことをお祈りします.
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Posted at
2016/12/31 15:27:57