2012年6月22日付のエントリに「
スーパーオートバックス横浜みなとみらいでちょっとした用品の買い物」をした旨を記しましたが、今回はその用品についてレポートしてみたいと思います。
北海道出張を一週間後に控えたタイミングで装着したのは、GPSレーダー探知機。
巷には様々な製品が出回っている用品ジャンルですが、実際のところ近年の速度違反取り締まりにおいて、レーダーはステルスタイプを用いることがほとんどのため、探知機が反応した時点では時既に遅しというケースが大半でしょう。一方でGPS機能を有しているものには取り締まりが頻繁に行われるエリアや、自動速度違反取締装置の設置場所データが反映されていますから、事前にそれらの場所を認識することが可能。さらに近年はデータ更新もインターネット経由で比較的簡単に行えるため、最新の状態を常に反映させておくことも出来ます。
社用車1号機(
日産フーガ 350XV)には、十年前に発売されたGPSレーダー探知機を装着していましたが、さすがに製品そのものだけでなく、GPSデータも更新していなかったので、古さを隠しきれなくなっていました。その上で最近は動作が不安定になってきたので、この機会に代替した次第です。
そして新たに購入したのは、
コムテックの「
ZERO 1C」というモデル。この春にデビューした最新の製品ですが、ちょっとユニークなコンセプトに興味を惹かれてのチョイスでした。
個人的に近年のGPSレーダー探知機市場は、製品開発については各社ともに一定の性能を満たしており、一方で差別化を図るために付帯機能を充実させる傾向が顕著であると思っています。今や大きなモニターを備える製品が主流であり、警報も派手なイラストや写真を用いて視覚的に訴える要素が強くなりました。さらに詳細な地図データを表示させたり、色々なデータをメーター表示するなど、エンターテイメント性を売りにする商品が幅を利かせています。
一方で旧来的なモニターを持たない商品も残ってはいますが、各社ともラインナップの片隅に追いやられて風前の灯火に近い状態。いまひとつ進化のスピードも遅く、市場は完全に大型モニタータイプの製品が主流となっています。
しかし、特に夜間の高速道路走行が多い身としては、どうにもモニターの派手な表示が邪魔に思えてなりません。実際に装着した車を運転した経験もあるのですが、昼間でも視界の端に大きなモニターの画面がチラチラするのはやや邪魔に思えますし、仮に表示をオフにしても大きめの筐体そのものはそこに鎮座しているわけですから、車内の雰囲気からも浮いた存在として目が行ってしまうのがGPSレーダー探知機の代替を躊躇してきた理由のひとつでした。
そこに新製品として登場した「
ZERO 1C」。従来にない透過液晶を採用したスタイルは斬新なアイディアであり、デビュー直後から興味を惹く存在でした。
ですが、市場に出回るにつれて、インターネット上の評価は決して芳しいものではありませんでした。意外と大きい筐体や、他製品に比べてシンプルな表示内容などがその理由ですが、なにより夜間は透過液晶の表示内容が全く見えなくなる、というのが酷評される最大の理由でした。一般的な声としては斬新な企画には賛同するも、商品としての性能にはまだまだ多大な改善の余地がある、といった感じでしょうか。
そんな「
ZERO 1C」ですが、私はあえて購入してみることに。装着してみて思ったことは、概ねインターネット上で見られる声と同じようなものです。
まず、筐体は思っていた以上に大きいものでした。縦横ともにあと1cm小さければ理想的という感じでしたが、透過液晶が視覚的な圧迫感を和らげているので、ぎりぎり合格点といったところでしょうか。私の場合はインパネ上の右隅に取付ステーを用いて両面テープで装着しましたが、車種によっては透過液晶表示をきちんと視認できるように角度調整する際に、ガラスやピラーの一部が干渉する恐れがあるかもしれません。
設定はほぼ購入時のデフォルト状態で問題ありませんが、警報の種類がとても多いので煩わしいと思ったら好みのモードに変更すると良いでしょう。筐体右側にあるスイッチで設定を行いますが、これは取り扱い説明書なしには絶対に出来ません。もっとも、そうそう滅多に設定を変更することは無いでしょうし、万が一に取り扱い説明書を紛失したとしても、
コムテックのウェブサイトでダウンロードできるので安心です。
さて、今回の目玉である透過液晶ですが……。
当然ですがフルカラーの大型モニターを採用した製品に比べると、表示内容はとてもシンプルです。上3分の1くらいにカレンダーと時計、下3分の1はGPSによって算出された走行速度がデジタル数字とバーグラフでリアルタイムに表示され、さらに警告内容や表示モードがアイコンで示されます。
透過液晶に対しては黒い文字や図柄での表示となりますが、まず装着の際にはこれらが日中でもそれなりに視認できる取付角度を見いだすことが必要です。なぜなら透過液晶ゆえに背景が透けて見えるわけですから、ワイパーアームやボンネットフードなどがその先にあると、場合によっては液晶表示の黒と被って視認性がとても悪くなります。特に私の車はダークブルーですが、ブラックなど濃色のボディカラーでは注意が必要かもしれません。
そして夜間の視認性ですが、それは巷に出回っている情報の通り、ほぼゼロだと思っていた方が無難です。外の明るさによっては多少見える場合もありますが、それを注視することは危険です。もっとも昼夜問わず警告は音声が主体ですし、夜間ではさらに併用されているLED表示もありますから、無理に注視する必要もありません。
それよりは、他の大型モニターを有する製品とは異なり、特に夜間はその存在を意識する必要があまり無いことのメリットが、私にとってはとても嬉しいものでした。片道数百キロに及ぶ夜間の長距離走行では、常に視界の端で何かが表示されていてチラチラしているというのは、小さいながらも蓄積されるストレスになってしまいます。また、いちいち何かある度に派手な警告画面が表示されるというのも、表示に不用意に注意が行ってしまうので危険なようにも思えます。
こういう思いで選んだ「
ZERO 1C」ですから、巷での評価はいまひとつのようですが、私自身としてはなかなか良い買い物をしたと思っています。
肝心の機能面でもGPSを用いた警告は適切なタイミングで行われますし、SDカードを用いてパソコンでダウンロードした最新データを簡単に反映させられる点も便利です。
ただ、もちろん改善を要求したい部分もあります。
まず一つ目に、筐体を縦横あと1センチ小さくしてほしいこと。液晶表示内容の見直しが必須ですが、個人的には速度のバーグラフ表示は不要だと思いますし、カレンダーの現在時刻も今より小さくて構わないと感じています。
そしてもうひとつは、走行モードの判別を自動に設定していても、切り替わりがやや正確さに欠けること。一般道と高速道路のどちらを走行しているかについて、GPSデータの位置情報や速度情報を基に自動選択させることが出来ますが、これが余り正確ではありません。ゆえに高速道路走行中でも一般道モードのままで取り締まりポイントなど直接関係無い警告を盛大に行うケースがあるので、もう少し精度を上げられればベストでしょう。
購入価格も勘案しての満足度は、現時点では75点くらい。前述のようにやや筐体が大きいことがマイナス要素としては大きいのですが、逆に透過液晶を用いたシンプルな表示にはとても好感を持っており、その点の満足度はとても高いアイテムです。
日産フーガ 350XV|「ZERO 1C」取り付け
Posted at 2012/07/18 22:13:05 | |
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