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2012年07月05日 イイね!

【New Item】 COMTEC ZERO 1C

【New Item】 COMTEC ZERO 1C2012年6月22日付のエントリに「スーパーオートバックス横浜みなとみらいでちょっとした用品の買い物」をした旨を記しましたが、今回はその用品についてレポートしてみたいと思います。

北海道出張を一週間後に控えたタイミングで装着したのは、GPSレーダー探知機。
巷には様々な製品が出回っている用品ジャンルですが、実際のところ近年の速度違反取り締まりにおいて、レーダーはステルスタイプを用いることがほとんどのため、探知機が反応した時点では時既に遅しというケースが大半でしょう。一方でGPS機能を有しているものには取り締まりが頻繁に行われるエリアや、自動速度違反取締装置の設置場所データが反映されていますから、事前にそれらの場所を認識することが可能。さらに近年はデータ更新もインターネット経由で比較的簡単に行えるため、最新の状態を常に反映させておくことも出来ます。

社用車1号機(日産フーガ 350XV)には、十年前に発売されたGPSレーダー探知機を装着していましたが、さすがに製品そのものだけでなく、GPSデータも更新していなかったので、古さを隠しきれなくなっていました。その上で最近は動作が不安定になってきたので、この機会に代替した次第です。

そして新たに購入したのは、コムテックの「ZERO 1C」というモデル。この春にデビューした最新の製品ですが、ちょっとユニークなコンセプトに興味を惹かれてのチョイスでした。

個人的に近年のGPSレーダー探知機市場は、製品開発については各社ともに一定の性能を満たしており、一方で差別化を図るために付帯機能を充実させる傾向が顕著であると思っています。今や大きなモニターを備える製品が主流であり、警報も派手なイラストや写真を用いて視覚的に訴える要素が強くなりました。さらに詳細な地図データを表示させたり、色々なデータをメーター表示するなど、エンターテイメント性を売りにする商品が幅を利かせています。
一方で旧来的なモニターを持たない商品も残ってはいますが、各社ともラインナップの片隅に追いやられて風前の灯火に近い状態。いまひとつ進化のスピードも遅く、市場は完全に大型モニタータイプの製品が主流となっています。

しかし、特に夜間の高速道路走行が多い身としては、どうにもモニターの派手な表示が邪魔に思えてなりません。実際に装着した車を運転した経験もあるのですが、昼間でも視界の端に大きなモニターの画面がチラチラするのはやや邪魔に思えますし、仮に表示をオフにしても大きめの筐体そのものはそこに鎮座しているわけですから、車内の雰囲気からも浮いた存在として目が行ってしまうのがGPSレーダー探知機の代替を躊躇してきた理由のひとつでした。

そこに新製品として登場した「ZERO 1C」。従来にない透過液晶を採用したスタイルは斬新なアイディアであり、デビュー直後から興味を惹く存在でした。
ですが、市場に出回るにつれて、インターネット上の評価は決して芳しいものではありませんでした。意外と大きい筐体や、他製品に比べてシンプルな表示内容などがその理由ですが、なにより夜間は透過液晶の表示内容が全く見えなくなる、というのが酷評される最大の理由でした。一般的な声としては斬新な企画には賛同するも、商品としての性能にはまだまだ多大な改善の余地がある、といった感じでしょうか。

そんな「ZERO 1C」ですが、私はあえて購入してみることに。装着してみて思ったことは、概ねインターネット上で見られる声と同じようなものです。

まず、筐体は思っていた以上に大きいものでした。縦横ともにあと1cm小さければ理想的という感じでしたが、透過液晶が視覚的な圧迫感を和らげているので、ぎりぎり合格点といったところでしょうか。私の場合はインパネ上の右隅に取付ステーを用いて両面テープで装着しましたが、車種によっては透過液晶表示をきちんと視認できるように角度調整する際に、ガラスやピラーの一部が干渉する恐れがあるかもしれません。

設定はほぼ購入時のデフォルト状態で問題ありませんが、警報の種類がとても多いので煩わしいと思ったら好みのモードに変更すると良いでしょう。筐体右側にあるスイッチで設定を行いますが、これは取り扱い説明書なしには絶対に出来ません。もっとも、そうそう滅多に設定を変更することは無いでしょうし、万が一に取り扱い説明書を紛失したとしても、コムテックのウェブサイトでダウンロードできるので安心です。

さて、今回の目玉である透過液晶ですが……。
当然ですがフルカラーの大型モニターを採用した製品に比べると、表示内容はとてもシンプルです。上3分の1くらいにカレンダーと時計、下3分の1はGPSによって算出された走行速度がデジタル数字とバーグラフでリアルタイムに表示され、さらに警告内容や表示モードがアイコンで示されます。
透過液晶に対しては黒い文字や図柄での表示となりますが、まず装着の際にはこれらが日中でもそれなりに視認できる取付角度を見いだすことが必要です。なぜなら透過液晶ゆえに背景が透けて見えるわけですから、ワイパーアームやボンネットフードなどがその先にあると、場合によっては液晶表示の黒と被って視認性がとても悪くなります。特に私の車はダークブルーですが、ブラックなど濃色のボディカラーでは注意が必要かもしれません。

そして夜間の視認性ですが、それは巷に出回っている情報の通り、ほぼゼロだと思っていた方が無難です。外の明るさによっては多少見える場合もありますが、それを注視することは危険です。もっとも昼夜問わず警告は音声が主体ですし、夜間ではさらに併用されているLED表示もありますから、無理に注視する必要もありません。
それよりは、他の大型モニターを有する製品とは異なり、特に夜間はその存在を意識する必要があまり無いことのメリットが、私にとってはとても嬉しいものでした。片道数百キロに及ぶ夜間の長距離走行では、常に視界の端で何かが表示されていてチラチラしているというのは、小さいながらも蓄積されるストレスになってしまいます。また、いちいち何かある度に派手な警告画面が表示されるというのも、表示に不用意に注意が行ってしまうので危険なようにも思えます。

こういう思いで選んだ「ZERO 1C」ですから、巷での評価はいまひとつのようですが、私自身としてはなかなか良い買い物をしたと思っています。
肝心の機能面でもGPSを用いた警告は適切なタイミングで行われますし、SDカードを用いてパソコンでダウンロードした最新データを簡単に反映させられる点も便利です。

ただ、もちろん改善を要求したい部分もあります。
まず一つ目に、筐体を縦横あと1センチ小さくしてほしいこと。液晶表示内容の見直しが必須ですが、個人的には速度のバーグラフ表示は不要だと思いますし、カレンダーの現在時刻も今より小さくて構わないと感じています。
そしてもうひとつは、走行モードの判別を自動に設定していても、切り替わりがやや正確さに欠けること。一般道と高速道路のどちらを走行しているかについて、GPSデータの位置情報や速度情報を基に自動選択させることが出来ますが、これが余り正確ではありません。ゆえに高速道路走行中でも一般道モードのままで取り締まりポイントなど直接関係無い警告を盛大に行うケースがあるので、もう少し精度を上げられればベストでしょう。

購入価格も勘案しての満足度は、現時点では75点くらい。前述のようにやや筐体が大きいことがマイナス要素としては大きいのですが、逆に透過液晶を用いたシンプルな表示にはとても好感を持っており、その点の満足度はとても高いアイテムです。

日産フーガ 350XV|「ZERO 1C」取り付け
 
2012年06月25日 イイね!

数字から見るキャラクター

数字から見るキャラクター昨日、社用車1号機(日産フーガ 350XV)のエンジンオイル&フィルター交換に足を運んだ、東京日産自動車販売の馴染みの店舗。受付から作業、洗車、そして精算という一連の流れに要した時間は45分間ほどでしたが、待ち時間に2車種のカタログをもらって眺めていました。

私自身、子どものころから国内外の各車のカタログを集めており、正確に冊数を調べたことはありませんが、少なくとも1980年代から1990年代にかけてのほとんどの国産および輸入乗用車、さらに一部の大型車や営業車のカタログは、今も手元に残っています。しかし、ここ十年以上はあえて集めて保管するようなことをしておらず、代わりに資料性の高い年鑑を購入したり、特に存在意義の高い一部の車種についてのみカタログを手元に置くようになりました。

そして、今回カタログをもらってきた2車種というのは、去る4月に発表された5代目の「シーマ」と、2009年に日本市場への投入が始められた「スカイライン・クロスオーバー」です。

前者は'80年代を代表する日本車として知られるブランドネームですが、ハイブリッド専用車として復活を果たしました。ご承知の通り基本コンポーネンツの多くは「フーガ・ハイブリッド」と共用していますが、150mmストレッチされたロングボディ、そしてなにより室内外の高いクオリティと完成度で、注目を集めている一台です。
個人的には関心のあるクラスのニューモデルですが、現実的に考えるとさすがに全長5,120mmのロングボディは日常的に使うには持て余してしまいそうな気がします。ですが、当然のごとくリアシートの居住性が相当に高いと想像できますから、ショーファードリブン需要はもちろんのこと、大切なお客さんを乗せる機会も多い自営業の方などから支持を集めることになるだろうと思います。

そして後者は、2007年に北米市場でデビューした「インフィニティ・EX35」を、2年遅れで日本に投入したモデル。いわゆる最近流行りの“クロスオーバーSUV”と称されるカテゴリーに属するクルマで、Eプラットフォームに3,700ccのV6エンジンを搭載、フルタイム4WDとFR(後輪駆動)というふたつの駆動方式をラインナップしています。

クロスオーバーSUVは欧州でも各メーカーからリリースされていますが、要するにセダン的な乗用車とクロスカントリー的なSUVをミックスした車で、セダンが持つ走行安定性や高級感と、クロスカントリーが持つ高い走破性能を併せ持ったカテゴリーとなります。良く言えばセダンとクロスカントリーの“好いとこどり”、悪く言えば“どっちつかず”の車が出来るわけですが、ここで気をつけたいのはクロスオーバーといえどもセダンとクロスカントリーのどちら寄りのキャラクターであるか、というところについてです。

スカイライン・クロスオーバー」のカタログをもらったのは、まさにこの点を確認するためでした。そして、ひとつの目安となる最低地上高のスペックを確認すると、同車の場合はFRモデルで165mm、4WDモデルでは150mmにすぎないことが分かりました。
参考までに記すと、同じようにクロスオーバーSUVとして位置づけられる「ムラーノ」では、駆動方式を問わず185mmとなっています。さらに本格的なクロスカントリーSUVである「エクストレイル」になると大半のモデルで215mmを確保しています。

なにより、比較として試しに確認した「シーマ」の最低地上高が155mmなのですから、「スカイライン・クロスオーバー」はそれよりも5mm小さい値となっているわけです。
一見したルックスはクロスカントリーSUVにも通じる印象を抱く「スカイライン・クロスオーバー」ですが、実のところはちょっと深くワダチが掘れていたり、大きめの石がゴロゴロしているようなオフロードへの乗り入れは避けた方が無難、という結論が導き出されます。
このことは最低地上高に加えて、装着しているタイヤからも読み取れます。クロスカントリーSUV色が濃いモデルは揃ってオールシーズンタイヤを新車装着していますが、「スカイライン・クロスオーバー」については一般的なラジアルタイヤが用意されており、この点でもメーカー側はそれほどオフロードやラフロードの走行を想定していないことがわかります。

カタログを丹念に見ても、僅かに1つだけ舗装ではない道で埃のようなものを巻き上げて走る姿の写真が使われていますが、これとていわゆるオフロードやラフロード然としたものではありません。さらに文章を細かく見ても、どこにも高い走破性能を謳う箇所は無く、あくまでもステーションワゴンに近い感覚の訴求となっています。
こうした内容は車に詳しい人であれば当然承知されていることでしょうが、余り詳しくない人の場合はルックスなどから多少なりの悪路走破性も加味されていると思われるかもしれません。その点はセールスマンがきちんと説明してくれるでしょうが、なんとも“クロスオーバー”という車は難しい存在でもあると、改めて思うに至った次第です。
 
2012年06月12日 イイね!

営業的センス

営業的センス写真のクルマは、みなさんご存じの「マツダCX-5」。エンジンを中心にボディやシャシー、ミッションなど車の基本構造全体を見直し、最新技術で煮詰めていったSLYACTIVE(スカイアクティブ)が注目を集め、特に近年の日本市場ではなかなか市民権を得られなかった乗用車用ディーゼルエンジンを強くアピールするラインナップも支持を集め、2月の発表以降は売れ行きも好調であると伝えられています。

クルマとしてのキャラクターは、SUV色の濃いクロスオーバー。スタイリングはマツダの他車種とも共通性を感じられるもので、「流れ」をテーマにしたグラフィックスは好き嫌いも別れるところでしょうが、街中でも景色に埋没することなく、遠くからでもその個性をしっかり感じ取ることができるものです。

サイズは全長こそ4,54mmとそれほど大きくありませんが、全幅は1,840mmとラージセダンに匹敵するもの。これは海外市場を中心として考えればそれほど大きくないと言えますが、こと日本市場で見るとやや幅の広さは気になるところ。首都圏のみならず、地方都市でもスーパーマーケットの駐車場などでは、その幅の広さを感じさせられる日常的な場面も多くなってしまいそうです。
その上、幅方向の数値の多くはデザインのために使われている要素も多く、室内は決してサイズから見ると広々しているとは言えないのが惜しいところ。
205万円から319万円という価格帯のラインナップになりますが、特に室内の造り込みという面から見ると、まだまだ物足りなさを覚えてしまうのが、ある意味ではマツダらしいところなのかもしれません。

もっとも、前述のように売れ行きは好調に推移。
2012年3月の実績で生産台数は16,234台、中核車種であったデミオの10,831台を抜いて、アクセラ(29,345台)にこそ及ばなかったものの、早々に会社を支える屋台骨の一台になっています。2月16日に発売、1ヶ月を過ぎた3月14日の時点で月間販売計画の8倍となる約8,000台を受注、特にそのうちの73%がディーゼルエンジン搭載車という点が話題を集め、ニュースでも大きく報じられたのは記憶に新しいところかと思います。

しかし私個人としては、マツダの営業的なセンスに疑問を抱く部分も存在しています。
同社の系列には「マツダレンタカー」がありますが、なぜか発売開始から4ヶ月が経った今でも、配車されている様子がないのです。同車を一週間無料で貸し出すキャンペーンこそ展開しているので、厳密には配車はされていると言った方が良いのかもしれません。しかし、一般貸出対象となるラインナップには記されておらず、あくまでもモニターキャンペーン用の車両のみが用意されている状況のようです。

こうしたキャンペーンの展開も理解できますが、どちらかというと短時間、短期間の貸出キャンペーンを展開して、より多くの方々が気軽に乗れる機会を設けた方が得策ではないでしょうか。この手法はトヨタや日産でも見かけるのですが、レンタカーはユーザー予備軍にとって、ディーラーでの試乗よりも煩わしさや気兼ねが無く、逆に言えばより購入を真剣に考えている層の利用も多く見込まれるところです。
一週間じっくり試せるのも魅力ですが、限られた当選者数であることも確か。ならば、より多くの人に最先端技術を体感してもらえる機会を設けるのがベターではないかと思えるのです。

マツダという会社は昔から、営業的なセンスに欠けるという印象があります。例えば地方ディーラーでは、まるでスーパーマーケットの特売を彷彿とさせるよう新聞広告を展開したり、営業マンやアフターサービスのレベルが決して高いとは言えないケースも多かったように思えます。私自身もマツダ車は所有した経験がありますが、特にディーラーの質については明らかにトヨタや日産に劣るという評価を持っています。

自動車は、基本的に買ったところからお店とのお付き合いが始まる商品です。下取り価格が安いこともマツダ車の特徴的な部分ですが、こうしたブランド価値を支えるべき存在である販売店のしっかりした教育と、全国的なレベルアップが、経営的には決して安泰とは言えない会社の将来にとって重要なことではないかと思っています。
 
2012年06月10日 イイね!

気高きブランド

気高きブランド近年、世界的に自動車メーカーが目指しているもののひとつが、高級ブランドとしての地位の確立です。
生き残りをかけた新興国市場への積極攻勢においても、ブランドバリューを高めることは付加価値を生み、市場のユーザーから信頼と憧れを得られる存在となることは、耐久消費財である自動車を製造・販売する上で収益力の向上に大きくつながるポイントのひとつです。

ゆえに欧州の伝統的なブランドはバリエーションを拡大し、上級車種で培った高いブランド力を武器により幅広い客層へとアピールを強めています。一方でアメリカのブランドは大きな変革を遂げて若々しさをアピール、自動車本来が持つ運動性能を大きく高めて欧州勢に対峙しつつ、自らが長年培ってきたブランドイメージを上手くミックスさせて新規顧客の開拓につとめています。
また、日本のメーカーは高級車ブランドを別展開し、安くて耐久性に優れるという長年に渡って欧米市場で支持を集めてきた基礎的商品力の高さを背景としつつ、日本人ならではの感性を織り込んだ付加価値の創造に力を注いでいます。

そんな中、欧州の伝統的高級車メーカー、特にスポーツモデルを販売の中心としてきた名門たちにも変化が生じてきました。
その大きな象徴と言えるのが、各社が本腰を入れて世に送り出してきた4ドアモデル。マセラティクアトロポルテポルシェパナメーラ、そしてアストンマーティンラピードといったモデルたちは、実用性よりも走行性能や官能的なデザインを売りとして、世界中のエンスージアストと呼ばれる愛好家たちの注目を集めています。

このうち、特にその存在に気高ささえ感じるブランドがアストンマーティン。1913年の創業以来、熟練工の手によるハンドメイドに近いクルマ造りを続けており、大手資本の傘下に入って以降もその存在感や価値を下げることなく、限られた幸せな世界中のオーナーに向けて拘りの逸品を生み出し続けています。

この6月10日には、東京都内にあるショールームが移転して新規オープン。もちろん国産車ディーラーのように「ちょっと通りすがりに」という感じで気軽に立ち寄れるような雰囲気ではなく、ちょっと敷居の高さを感じずにはいられないショールームではありますが、アストンマーティンの世界観を凝縮した素晴らしいショールームが営業をスタートさせました。

もっとも、このブランドには、近年になって歴史的といっても過言ではないような変化が生まれました。
それが2011年に発表された「シグネット」の存在です。一目ご覧いただければお分かりのように、このクルマは「トヨタiQ」をベースとしたもの。昔ながらの表現を使えば“兄弟車”と言える関係にありますが、そこは単なるバッヂエンジニアリングに留まっておらず、外板の多くに専用部品を用いてファミリーに共通する顔つきなどを共用しています。さらにインテリアも贅をつくしたものに仕立てられており、475万円からという価格設定にも納得のいく仕上がりとなっています。

そもそもは北米での燃費規制対策として生まれた「シグネット」ですが、発表当初は既存のアストンマーティンのオーナーにのみ購入する権利が与えられるのではないという話も飛び交ってみました。
実際には誰でも購入することが可能になったのですが、やはり理想としては2ドアの「ヴィラージュ」あたりと一緒にガレージに並べて、あくまでも日常ユースでは「シグネット」を使い、週末のドライブなどでは「ヴィラージュ」のSテアリングを握る、というスタイルになるでしょう。

さすがの首都・東京でも見かける機会は限られるアストンマーティン。もっとも、一人のファンとしては決して街中に溢れてほしいと思う存在でも無く、金銭的・財力的な問題ではなく、人格的に似合う人、自動車にある程度詳しく、かつ紳士的な運転を心がけてくれる方にステアリングを握り、ガレージにおさめていただきたいと願う羨望のブランドです。
 
2011年12月04日 イイね!

東京で始まり、東京で終わる

東京で始まり、東京で終わる3日(土)から一般公開が始まっている「東京モーターショー」もそうですが、このような大規模なショーは各メーカーが新型車や新技術を発表する場として注目を集めます。今回の東京でも"ワールドプレミア"と呼ばれる世界初公開や、"ジャパンプレミア"と呼ばれる日本初公開を果たした新型の市販予定車やコンセプトカー、新しい技術などがいくつかありました。
残念ながら往年の「東京モーターショー」と比べると、その数はかなり寂しいものになってしまっています。これも、世界のどのショーで"ワールドプレミア"を行うかということは各メーカーの販売戦略によるものであり、日本の自動車市場が置かれている厳しい現実を見せられたようにも思います。

ところで今回は、これらとは逆にショーの開催期間中に、販売中である現行モデルの終売とブランド廃止の予定が発表されるという、珍しいニュースがありました。


●ダイムラー、最高級ブランド「マイバッハ」から撤退
asahi.com(朝日新聞)  2011年12月4日 19時01分

東京モーターショー」の開催にあわせて来日したダイムラー社の販売担当上級副社長が明らかにしたところによると、2013年までに同社の最上級ブランドである「マイバッハ」を市場から撤退させ、そのポジションはメルセデス・ベンツの「Sクラス」に引き継がれるということです。

マイバッハ」の歩みを振り返ってみると、1997年に開催された「第32回 東京モーターショー」のプレスディ初日に、このブランドが60年ぶりに復活することが発表され、ステージ上の「マイバッハ57」には世界中の報道陣から注目が集まりました。

1901年にダイムラー社が初めて“メルセデス”と名付けた車の設計者、ヴィルヘルム・マイバッハが独立して会社を起こし、飛行船のエンジン設計などを行ったのが「マイバッハ」の第一歩。その後、息子のカール・マイバッハが自動車の製造を始め、V12エンジンを搭載した“ツェッペリン”などは世界的な最高級サルーンとして王侯貴族や富裕層を顧客としていました。

その後、1950年代に入ってカールが引退すると会社はダイムラーの傘下となりましたが、マイバッハの名を冠した車は市場から消え、自動車としてのマイバッハ・ブランドは長い眠りについたのです。
この眠りから覚めたのが1997年、前述の通り「第32回 東京モーターショー」でのブランド復活は大きなニュースとなり、日本やアメリカはもちろんですが地元であるヨーロッパでもロールス・ロイスベントレーの将来が話題となっていた時期であったために、メルセデス・ベンツが展開する新しい最高級車戦略がどのようになるのか、という点からも注目を集めました。

そんな「マイバッハ」が市場に送り出されたのは、復活発表から5年が経った2002年のこと。標準型となる「57」とロングホイールベースの「62」は、ともにV型12気筒で排気量5,500ccにツインターボを組み合わせたパワーユニットを搭載。内外装は贅の極みを尽くしており、「62」では透過率を自由に変えられるガラスルーフなども注文装備することが可能でした。
なにしろ最高級車ゆえにデビュー時の発表会も贅沢なもので、2002年の6月にイギリスからアメリカへと向かったクイーン・エリザベスⅡ世号に積まれた「マイバッハ・62」はガラスケースに納められており、ニューヨークに到着するとガラスケースごとヘリコプターにつり上げられて街中へと運ばれていきました。

特定の顧客を対象としているため、販売手法も独特なものを採用。日本の場合は東京にただ一カ所だけ用意された「マイバッハ・セールスセンター」のみが窓口となり、展示車の確認や商談などは完全予約制。もちろん商談には専任のスタッフがあたるというものでした。ちなみに新車の価格はデビュー当時の日本仕様でおよそ4,100万円。これはあくまでも基本仕様であり、ボディカラーにはじまり、数多くの注文装備品が用意されているので、それこそ値段さえ気にしなければ完全に自分好みの1台を仕立てることが叶うものでした。

その後、いわゆる先進国では経済の低迷が厳しさを増し、一方で新興国は急成長という流れが加速。そんな中で「マイバッハ」はこれまでにおよそ3,000台が市場に送り出されたと言われていますが、この数字は正直に言って商業的には失敗であったと言わざるを得ないでしょう。
では世界景気の低迷などが要因なのかというと、2010年にはロールス・ロイスが過去最高となる年間2,711台を販売しています。もっとも、ロールス・ロイスの場合はブランド内に「ファントム」から「ゴースト」までラインナップの幅もあるので直接的な比較は難しいかもしれませんが、決して超高級車の市場がおしなべて低迷しているという訳では無さそうです。

今回の「マイバッハ」の撤退、そこからはやはり“高級ブランド”というものが一朝一夕には生まれ得ないということが見えてくるように思えます。60年という時間を経て復活したブランドも、実際の市場、特に新興国市場では全くの新参者として捉えられていたようですし、売り手が販売手法などを工夫してプレミアム感を演出しようとしても、ブランドそのものが持っている価値が追いついていなければ、単なる敷居の高さだけが残る結果になってしまいます。
また、デザインについても受け取り方は個々で様々でしょうが、少なくとも私個人の印象としてはデビュー時に初めてお目にかかったときから「物足りなさ」を感じていました。Sクラスとの近似性や共通性を持たせることの是非、そしてデザインそのものに覚えた質感の不足。超高級車の世界は保守的な価値観を持った客層が主となるため、あまり「マイバッハ」のデザインは好感を持って受け入れられなかったようです。

残念ながら実車のデビューから10年ほどで歴史の幕を閉じることになってしまった「マイバッハ」。この教訓も含めて、次のSクラスがどのような形で登場してくるのか、世界的に興味はそちらに移りつつあると言うのが現状でしょう。
 

プロフィール

各種取材やウェブサイトを中心とした制作業務を行なっています。 主なテリトリーは自動車/モータースポーツ、飛行機などの交通関係。 自動車は乗用車からトラッ...
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