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2012年01月31日 イイね!

進化するサービスエリア

進化するサービスエリア1月27日付のエントリでも記したように、来る4月14日の15時に新東名高速道路が開通する運びとなりました。
日本の大動脈である東名高速道路に並行するかたちで設けられる新東名は、東名の渋滞緩和や事故や災害時の迂回ルートとして、日本の物流や人的交流を支える大きな柱となることは間違いありません。

さて、高速道路と言えば近年はサービスエリアやパーキングエリアの進化も目を見張るものがあります。
その昔、公団時代はこうした施設の運営もどこか役所的な独占ぶりが目立ち、例えば飲食施設も値段の割に味やサービスの面では不満を覚えることが少なくありませんでした。しかし、公団民営化などを受けてこうした施設にも民間企業並の“サービス”という概念がようやく根付いてきたようで、最近では特に大がかりな改修が行われた施設も多く、飲食施設の充実度向上にはじまり、エンターテイメント性を高めたところも増えてきています。

そんな中、新たに開通する新東名高速道路についても、サービスエリアやパーキングエリアの充実ぶりが話題を呼ぶことになりそうです。

●新たな商業施設ブランド「NEOPASA」誕生!
NEXCO中日本(中日本高速道路株式会社)

今回開通する新東名高速道路の御殿場~三ヶ日間には6箇所のパーキングエリアと、7箇所の商業施設が同時にオープンすると発表されました。さらに、これまでの流れで言えば「パーキングエリア」と「サービスエリア」という施設表記になるところですが、ここでは新たに「NEOPASA(ネオパーサ)」という新しい名称表記を展開することとなったようです。

同社のリリースによると「NEOPASA」は、“各エリアの地域特性を考慮したコンセプト・特徴を持たせ、ニーズ、シーンに合わせて必要とされるサービスを路線全体からお客様に選んでいただける、目的地となるエリアづくり”を掲げているそうです。
確かに個々の「NEOPASA」を見ると、従来型の画一的な施設ではなく、とても個性的であり地域性も反映させた内容であることが理解できます。特に各施設ともに食の分野では充実ぶりが目立っており、静岡ならではの特産品を活かしたメニューや、女性や子どもにも人気のスイーツなどバラエティ豊かな店舗が集まっており、昼食や夕食でどの「NEOPASA」を選ぶかが楽しみのひとつとなりそうです。

●NEOPASA 各店舗のご紹介|新東名高速道路のご案内【NEXCO中日本】

中でも注目なのが「NEOPASA清水」。今回オープンするNEOPASAの中では唯一の上下線集約という構造で、東京と名古屋のちょうど中間あたりというロケーションから利用率も高くなりそうな施設です。
ここのコンセプトはずばり、「くるまライフ・コミュニティパーク」。
施設そのものがガレージをモチーフとしており、館内には光岡自動車クシタニによる車やバイクの展示が行われ、クシタニについてはバイク用品に加えてアパレルも取り揃えた「KUSHITANI PERFORMANCE STORE」という店舗を出すことになっているそうです。

単なる通過点や休憩場所から、ひとつの目的地となり得る施設へ。高速道路のサービスエリアやパーキングエリアは、大きな進化を遂げようとしています。
ただ、ひとつだけ気がかりなのは昨今問題となっている利用者のマナー低下について。2010年10月4日付のエントリにも記しましたが、家庭ごみの持ち込みが増えている現状はなかなか改善されていないようですし、オフ会と称した集まりの場として利用している人の中には独善的な駐車スペースの使い方をしているケースも見受けられます。

せっかくの充実した施設ですから、誰もが気持ちよく使いたいもの。そのためには一人一人が当たり前のルールやマナーをしっかり守って利用することを心がけることが必要でしょう。
 
Posted at 2012/02/03 22:21:46 | コメント(0) | トラックバック(0) | 自動車全般 | 日記
2012年01月30日 イイね!

JR貨物・オリジナルグッズあれこれ

JR貨物・オリジナルグッズあれこれ昨年末以降やや鎮静化していた通信販売でのコレクション購入ですが、1月も後半に入って昨年のうちに予約しておいたアイテムや、新たに注文したものが次々と宅配便で届けられるようになってきました。
そこで、数回にわけて新たにコレクションに加わったものを紹介していきたいと思います。

今回まず掲載するのは、写真のバスタオルです。これはJR貨物(日本貨物鉄道株式会社)の東北事業開発支店から販売されているもので、83cm×150cmという大きなサイズのもの。そこには現役で活躍する機関車5種が描かれています。

上から順に見ていくと、まず「DF200形式電気式ディーゼル機関車」。旧・国鉄が分割民営化され、JR貨物が発足した後の1992(平成4)年に登場した電気式ディーゼル機関車で、その全車が北海道登別市にある鷲別機関区に所属しています。次に「EF210形式直流電気機関車」は、1996(平成8)に登場。こちらは製作された車両の大半が岡山機関区に配されており、主に関東と関西・中国地方を結んでいます。
真ん中に描かれた赤い車体は「EF510形式交直流電気機関車」で、21世紀に入ってからの2002(平成14)年にデビュー。EF210形式を基にして開発された交流・直流両用の電気機関車で、途中で交・直流が切り替わる箇所のある日本海縦貫線などに投入されています。また、JR東日本が導入した同形式は専用の塗色をまとって、寝台特急「北斗星」や「カシオペア」の牽引にも従事しています。

さて、下段に移ってここからは2車体が連結されてひとつになっている8軸駆動車両です。
まず青色のボディは「EH200形式直流電気機関車」。全機が群馬県の高崎機関区に配備されており、中央本線や上越線などの貨物列車牽引を担っています。中央本線と言えば山岳区間も多く、勾配などの難所対策が必須。ゆえに8軸を採用して粘着性能や牽引力を向上させています。
最後に金太郎のイラストも可愛らしいのが「EH500形式交直流電気機関車」。デビューは1997(平成9)年、国鉄時代のEH10以来となる8軸車両で注目を集めた機種です。元々は北海道と本州を結ぶ高速長距離貨物列車を牽引してきましたが、近年になって九州にも活躍の場を拡げています。

これらが描かれた大きなバスタオルは日本製で、本来の機能や造りもしっかりしたもの。サイズが大きいので大柄な大人でも不足はないでしょうし、子どもの仮眠用ブランケット代わりにもなりそうなアイテムです。


そして、もうひとつ購入したのは、同じくJR貨物(日本貨物鉄道株式会社)の関東事業開発支店がリリースしているHello Kittyストラップ。3種類がリリースされているので、その全種類を購入してみました。

写真の3種類、左からご紹介すると、バスタオルの項でも触れた「EF210形式直流電気機関車」。モチーフとなったのは岡山機関区に配属された2008年導入の2次車であるEF210-151、貨物コンテナ輸送50周年を記念した「たから号」のヘッドマークをつけた姿が再現されています。この「たから号」は同年11月8日に運行されたもので、その役務に就いたのが151号車。「たから号」とは1959(昭和34)年に運行を開始した、東京の汐留と大阪の梅田を結ぶコンテナ専用貨物列車であり、その復刻版としての運行だったのです。

次に凸型の車体が特徴的な「DD51形式ディーゼル機関車」。1962(昭和37)年から1978(昭和53)年にかけて649両が生産され、全国各地の幹線や亜幹線で活躍を見せてきているディーゼル機関車の代表格です。貨物列車の牽引はもちろん、非電化路線の多い北海道などの地方では特急や客車の牽引にも重宝され、私個人にとっても馴染み深い車両です。モチーフとなった757号機は寒冷地仕様で仕立てられ、新潟機関区に所属して上越地方を中心に活躍。近年になって吹田機関区に配置転換を受けて城東貨物線に従事していましたが、東日本大震災の発生に伴い再び新潟に戻されて復旧の手助けなどにあたっていました。

最後は「EF65形式電気機関車」。往年のブルートレイン全盛時には牽引機の主役として高い人気を誇り、鉄道ファンの子どもたちに最も知られる電気機関車だったのではないかと思います。デビューは1965(昭和40)年、実は元々は貨物列車用として計画された車両でした。それが高速走行性能の高さが注目されてブルートレインの牽引にもあたった訳ですが、後年になってEF65の後輩にあたる高速貨物列車専用牽引機であるEF66形式電気機関車がブルートレイン牽引の任を受け継ぐことになったのも面白い話です。
ストラップのモチーフとされた5353号機は既に一線を退いており、現在は高崎機関区に留置されているとのこと。熱心なファンの間では保存会も発足、鉄道博物館での保存・展示を訴えています。


今回ご紹介したバスタオルとストラップについては、JR貨物(日本貨物鉄道株式会社)のウェブサイト上から通信販売の申し込みが可能。それぞれ品切れも近そうな雰囲気なので、鉄道ファンの諸氏はお早めにお求めください!
 
Posted at 2012/02/02 10:25:18 | コメント(0) | トラックバック(0) | 航空・鉄道・海運 | 日記
2012年01月29日 イイね!

ヘヴィな週末

ヘヴィな週末2012年に入り、モータースポーツの世界では既にWRC(FIA世界ラリー選手権)が、先週モナコで開幕しました。さすがにサーキットレースが開幕を迎えるのはもう少し先の話ですが、いわゆる“ストーブリーグ情報”も活発に出回っており、早々に今季の参戦体制を発表したチームやドライバーも見受けられるようになってきました。

さて、そんな状況で各カテゴリーの開幕が日一日と近づいているわけですが、なんと予想外なことにここに来て開催日程の変更が生じたカテゴリーがあります。
それは世界最高峰のツーリングカーによるスプリントレースである「WTCC(FIA世界ツーリングカー選手権)」。残念ながらF1とSUPER GTに偏重しがちな日本のモータースポーツメディアではあまり採り上げられる機会がありませんが、昨年までに4年連続で日本ラウンドも開催されたことから、日本のモータースポーツファンの中でも注目度は確実に向上しているカテゴリーだろうと思います。

この「WTCC」、2012年は日本ラウンドを含む全12大会/24戦を予定していますが、そのうち7月に開催コース未定としながらも組み込まれていたアルゼンチン戦がカレンダーから落とされることに。代わって4月28日から29日にかけて、開催地・コースともに未定としながらも大会を行うことが発表されました。

2012 International Sporting Calendar (26.01.2012)
FIA (国際自動車連盟)

このようなカレンダーの変更自体は別に珍しいことでもないので、取り敢えずは自分でエクセルシートに各カテゴリーのカレンダーを一覧化してまとめているデータを修正。と、そこで気づいたのですが、日本ではゴールデンウィークに突入するタイミングとなる4月28日から29日にかけての週末は、何かと関わりの多いカテゴリーが国内でも開催されるのです。
まず、愛媛県久万高原町で開催される全日本ラリー選手権の第2戦「久万高原ラリー」。さらに栃木県ツインリンクもてぎでは、スーパー耐久シリーズの第2戦。

これらは私が長年に渡って基本的に全戦を追いかけているシリーズ。しかし今季、唯一日程がバッティングしているのがこの週末、これまではスーパー耐久シリーズを優先して出張日程を組んできていましたが、今年は全日本ラリー選手権を優先しようと思っています。私にとって、もしこの週末に「久万高原ラリー」へと出張したならば、スーパー耐久シリーズの国内開催戦については1998年の第2戦以来となる欠席になりますが、それも致し方のないところであります。

さて、そんなわけで「久万高原ラリー」に出張して取材を行っている“裏側”で開催される運びとなった「WTCC」。このお蔭で、4月の29日から5月1日にかけては相当にヘヴィな仕事量になることがほぼ確定しました。特に「久万高原ラリー」は連休を活かして競技日程が29日(日)と30日(月・休)に設定されています。
もちろん海外で行われる「WTCC」については、日本の祝祭日は全く関係ないので決勝レースが行われるのは29日(日)。ただでさえ朝が早いラリー取材ですが、DAY1の夜は寝る時間が無いかもしれません……。

こうした“ヘヴィな週末”は必ず年に3~4回あるものですが、まず今年の一発目がゴールデンウィークとともにやってくるのは間違い無さそうです。
 
Posted at 2012/02/01 00:59:12 | コメント(0) | トラックバック(0) | 取材・業務雑記 | 日記
2012年01月28日 イイね!

忘れてはいけない被災地支援

忘れてはいけない被災地支援昨年の3月11日に東日本大震災が発生してから、10ヶ月という時間が過ぎました。
被災地は厳しい冬を迎えていますが、どうにも国政は被災地の支援・復興に対してスローペースばかりが目立ち、果たして現在の政権に危機管理能力はあるのかと改めて問いただしたくなる状況が続いています。

しかし、時間は容赦なく過ぎていくわけで、今も被災地で生活している方々には厳しい状況が続いていることに変わりは無いと言えるでしょう。報道も最近では原発事故に関する事項が多く、除染や瓦礫の処分問題などが多く報道されているように思えます。また、いまひとつ具体的な復興策が見えてこない中で財源の問題ばかりが強調され、社会保障のあり方も交えての消費税増税論議ばかりが先行しているという印象。

あくまでも個人的な印象であり、災害や被害の質が異なる面もあるので一概には比べられないかと思うことを承知の上で言えば、阪神淡路大震災よりも復興・復旧のペースは遅いように思えてなりません。

ところで震災発生から夏くらいまでの間は、民間や個人レベルでも様々な支援活動が展開されていました。ボランティアとして直接現地で支援を行った方も多いでしょうし、義援金や物資の支援に協力したという方もたくさんいらっしゃると思います。
そんな支援のひとつに献血がありました。被災地では医療機関なども大きな被害を受けた上、多くの病人や怪我人が発生したことから輸血用血液の不足を懸念する声も大きく、全国的に多くの方が献血への協力を惜しまなかったと記憶しています。

ところが、あれから10ヶ月が過ぎて、被災地の状況は変わってきているようです。

●被災3県、献血足りず非常事態…他県が融通
YOMIURI ONLINE (読売新聞)  2012年1月26日 14時34分

報道によると、ここに来て福島、宮城、岩手の被災3県では、輸血用の血液が不足する状況が続いているとのこと。各地での献血者が減少していることもあり、長期間にわたって他県からの融通を受けてやりくりしているそうです。

この事態に対して日本赤十字社では全国で献血への協力を呼びかけているとのこと。
血液製剤には有効期限があるので一時期に献血者が集中することは避けたいとウェブサイト上には記されていますが、同時に時期が偏らない継続的な献血が必要であることも訴えています。
献血には大きくわけて全血献血と成分献血があり、全血献血はさらに400mlと200mlの2種類が設定されています。これらには、継続して行う場合に一定の間隔を置くことが必要とされており、400ml全血献血は男性の場合前回の献血から12週間後、女性は16週間後の同じ曜日から献血することが可能。200mlの場合は男女ともに4週間後の同じ曜日から献血できると定められています。
主流となりつつある400ml全量献血の場合、男性でおよそ3ヶ月、女性ではおよそ4ヶ月のインターバルが必要ということですが、震災発生を受けて献血に協力したという方でも時間的には再び献血をすることが出来るという方が多いのではないかと思います。

近年、全日本ラリー選手権などでは会場に献血車がやって来て、関係者や観客が多く協力している姿を見ることも多くなりました。こうした協力は、ぜひラリーに限らず多くのモータースポーツの会場で行ってほしいものですし、日常的にも積極的に一人一人が協力を心がけていきたいところです。
 
Posted at 2012/01/30 21:02:17 | コメント(0) | トラックバック(0) | その他 | 日記
2012年01月27日 イイね!

4月14日、新東名開通。

4月14日、新東名開通。NEXCO中日本(中日本高速道路株式会社)はこの日、新東名高速道路の開通に関して次のような発表を行いました。

●4月14日に「新東名高速道路」御殿場JCTから三ヶ日JCTが開通します
NEXCO中日本・プレスリリース  2012年1月27日

発表によると、かねてから建設が進められていた新東名高速道路のうち、御殿場JCTから三ヶ日JCTまでの162kmについては、来る4月14日の15時に開通することが決定。開通区間は上下線ともに各2車線で、この間には10のインターチェンジと3つのサービスエリア、そして4つのパーキングエリアが同時に供用を開始されることになっています。東名高速道路とは御殿場、三ヶ日に加えて新清水JCTからも行き来が可能となり、東名高速の渋滞緩和や通行止めの際の迂回ルートとして大いに活用が期待されています。

歴史をひもとくと、従来の東名高速道路に並ぶ新しい大動脈として「第二東名高速道路」の構想が公になったのは1987(昭和62)年のこと。1989(平成元)年には基本計画が公示されましたが、この年に当時の運輸省が発行した運輸白書には「交通混雑が著しい東名・名神高速道路の混雑緩和を図るため重点的な整備が必要な第2東名・第2名神高速道路の予定路線のうち (中略) この両路線は、設計速度140km/hをめざした全線6車線の高レベルの高速道路である。」という記述がなされました。

ご承知の通り、日本において高速道路等における普通および軽自動車、大型乗用自動車(バス)、中型自動車などの最高速度は法定速度である100km/h。また、大型貨物などは80km/hと定められており、この数字を基準として地形や道路線型、気象状況、工事の実施などに応じて規制速度が定められています。
この点について、設計段階から100km/hを超える速度での走行を勘案して作られた新東名高速道路については、最高速度の引き上げを求める声が上がっています。

●最高速度どこまで…新東名、有効利用か安全か
YOMIURI ONLINE (読売新聞)  2012年1月20日 11時43分

トラック業界や一般ユーザーのみならず、静岡県も記事のように高速化を要望していくということです。
しかし、制度的には最高速度の引き上げは可能ですが、警察庁は難色を示しているとのこと。その理由としては記事を引用すると、次の2点が挙げられています。

(1) 最高速度が100km/hを超えると、事故発生率が上昇し、重大性が増す
(2) 車両間の速度差が40km/hを超えた場合、事故発生率が上がる

これらに加えてもうひとつ、県が最高速度引き上げの前提とする6車線(片側3車線)は実現性の目処が立っておらず、開通は4車線(片側2車線)であることも安全性を担保するには不安要素のひとつと数えられます。


ここで道路の設計速度と最高速度規制の関係を見てみましょう。
設計速度は道路構造令の第2条第22号で、「道路の設計の基礎とする自動車の速度をいう」と定められています。さらに具体的には、「天候が良好でかつ交通密度が低く、車両の走行条件が道路の構造的な条件のみに支配されている場合に、平均的な運転者が安全にしかも快適性を失わずに走行できる速度である」と定義されています。
日本の道路は第1種から第4種に大きく分類されており、さらにそれぞれの中で第5級までに分けられ、それぞれに設計速度が割り振られています。もっとも低いもので20km/h、高い方では第1種第1級道路の120km/hとされており、新東名高速道路もこれに該当しています。

内閣府の資料によると、2002(平成14)年4月の時点で開通している高速道路の総延長6,959kmのうち、最高速度が100km/hとされているものは全体の37.8%にあたる2,628km。このうち設計速度が100km/hの部分は1,955km、120km/hとなる部分が673km/hとなっています。ちなみに100km/h制限の道は全て4車線(片側2車線)以上であり、暫定2車線の区間では最高速度は80km/hに抑えられています。

ここまでで考えられるのは、規制緩和の一環という意味も含めて新東名高速道路構想の原点を考えれば、最高速度は120km/hとすることも良さそうに感じられます。
しかし、ひとつ大きな問題として浮かび上がってくるのが、警察庁の指摘した2つめの理由である40km/hを超える車両間速度差。現状、大型貨物は最高速度が80km/hと定められており、普通自動車などの最高速度を120km/hとすると、法律的に40km/hの速度差を認めることになるわけです。

法律論を抜きにして実勢速度で考えても、実は内閣府の資料にも道路会社の集計によって、「実勢速度は、設計速度に関わらずほぼ100km/h~120km/hの範囲で推移していることが確認された。また、80km/h規制区間においては、100km/h規制区間とほぼ同等の速度となっており、規制速度との大きな乖離が認められた」と明記されているのです。

そこで、もし最高速度を120km/hとしたらどうなるか。当然、実勢速度も概ね20km/hアップすると考えられ、130km/h~140km/hで走行する車が増えることになるでしょう。一方で大型貨物については速度リミッターが義務づけられていますので、物理的に平坦路では最高95km/h程度しかスピードを出せません。結果的には40km/hの車両間速度差が生まれることになるのは間違いないところだと思われます。さらには、速度リミッターの無い中型自動車や、軽自動車の扱いについて、現状は普通自動車と一緒になっていますが、別途検討を要することになろうかと思われます。

一部の無責任なメディアやジャーナリストの中には、最高速度140km/h化を推進する声もあるようですが、そもそも140km/hは6車線(片側3車線)が前提であり、かつ結果的に新東名は120km/hの設計速度で施工されましたので、この声は全くの勉強不足であるとしか言えないでしょう。
では、新東名は100km/h制限のままが良いのか、それとも最高速度を引き上げるべきなのか。
簡単に答えを出せる問題ではありませんが、私の個人的な意見としては現状の4車線である以上は100km/h制限が妥当なところではないかと思います。その上で、これは現実的には非常に難しいでしょうが、大型車の流入を規制できるのであれば、最高速度を120km/h制限にしても良いような気がします。ただしその代わり、自動速度取締機を大量に設置し、かつ徹底した速度取締りを実施することが条件になるでしょう。

交通社会は混合交通。高速道路は自動車専用ということで、車からすれば対歩行者や自転車という面での安全性は格段に向上していますが、そもそも自動車の運転は事実上誰にでも許されるレベルの運転免許制度であるのが現実。自動車や運転、物理的な事項について深い知識や経験も特に求められず、危険な凶器になるということを深刻に受け止めることなくハンドルを握っている人が現実の社会には五万といるわけです。
さらに運動神経や判断力などは人それぞれ、超高齢者社会の到来によって高齢ドライバーも増えてきますし、もちろん一方では運転免許を取得したばかりという初心者でも高速道路の走行は許されますし、もちろん権利でもあるわけです。

こうした混合交通下では、どこに基準を置くのかが非常に難しいところ。
あまり気にされたことは無いかもしれませんが、高速道路においては最高速度と同時に最低速度も定められており、その数値は50km/hとなっています。つまり、本線の走行車線上を50km/hで走る初心者や高齢者が仮にいたとしても、それは法律違反ではありませんし、周囲の車はその車を保護しながら走ることが求められるのです。

日本の高速道路は不当に最高速度が低いとか、欧米と同じ程度にするべきとか、自動車の性能は高まっているのだから制限速度を引き上げるべきだ、というような声は以前から聞かれるものであり、それは一般のドライバーのみならず自動車ジャーナリストを称する人々からも挙がっている声です。
しかし、日本の交通社会について考えたとき、そう簡単に結論を出せる問題ではないことは明らか。社会情勢や経済活動との兼ね合い、法律論などについて、様々な角度から検証する必要があり、あまり一方的なドライバーの目線からのみ語るべき問題ではないと思っています。
 
Posted at 2012/01/29 23:37:37 | コメント(0) | トラックバック(0) | 自動車全般 | 日記

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