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2009年07月05日

【試乗】BMW Z4 sDrive35i (E89)

■BMW Z4 sDrive35i (LM30)

BMW Z4 sDrive35i (LM30)


デビューした頃からBMW335iには興味をもっていた。
3リッター直6ツインターボのエンジンが、やたらと評判良かったからだ。

BMWディーラーの営業さんから電話がかかってきて(昨年のM3試乗から一年も経って、電話営業があるということは、BMWも困ってる??)、

「何か興味のあるモデルはございますか?」

と訊かれたので、

「335iの直6ツインターボには以前から。」

と答えたところ、335iはないけど同じエンジンのZ4があるから是非乗りに来てください・・・と数回お電話を頂いた(ありがとうございます)。



E90 3シリーズは幾度も320iを運転したことがあるので、335iの試乗よりもZ4の試乗は願ったり叶ったりである。



●エクステリア

Z4のデザインはモデルチェンジ前から好きである。

BMW Z4 sDrive35i (LM30) リアビュー

古典的なロングノーズのFRスポーツカーのデザインなのだが、クラシカルなシルエットに、バングル特有のキャラクターライン、エッジ・面構成でモダンなテイストを違和感なくブレンドされていて、秀逸だと思う。
ジャガーが懐古趣味から脱却し、元気だったらこういうデザインをしていたのではないか?と思わせる(最近解雇趣味から脱却しつつあるジャガーは、予想とは違う方向性へと進んでいるが・・・)

年齢・キャラ的に自分で乗りたいクルマのデザインではないが、親父が乗ってたら嬉しいデザインなので、親父のクルマ買い替え時には結構薦めたのだが、ゴルフバッグ2個がラクに乗らないという理由で却下された(結果として先代TTクーペに落ち着いたので万々歳であるが)。

モデルチェンジ前のZ4はロードスターよりも、クーペモデルが特に好きで、黒のZ4 Mクーペなどとストリートで遭遇すると、斜め後ろから見て惚れ惚れしてしまう。


モデルチェンジしたZ4は、全体フォルムはキープコンセプトだが、ディテールは、よりクラシカルでコンサバティブになった。
悪く言えば「オッサンくさい」「ジジくさい」方向へとシフトしたワケだが、このクルマの狙ってるところ、オーナー層には非常にマッチしていると思うし、写真で見るよりも実物は美しく、これはこれでステキだと思う。

※ちなみに、2009.02にクリス・バングルは引退して、ホーイドンクがデザインの指揮権を引き継いでいる。Z4はホワイト☆フロッグさんにコメント頂いたように、Juliane Blasiという女性デザイナーの担当だとのこと。


写真のように試乗車は白だった。
白のBMWは好きなのだが、Z4に限っては、白よりも黒や暗めのシルバーなどの方が似合うと思う。
でも、白も満更でもなかった。



●インテリア

BMW Z4 sDrive35i (LM30) インテリア

基本的にBMWのインテリアはAudi、メルセデスと較べるとかなり品質が低く、ガッカリするものなのだが、もう慣れたのか、今回は特にガッカリしなかった。
ガッカリもしなかったが、Audi、メルセデスのように素材感に感動するようなことは決してなかった。

ウッド内装は趣味じゃないけど、Z4には合ってた。




●走り出してみて

オープンにして試乗した。
窓の大きさや角度が原因だと思うが、結構狭く感じ、オープンにしていてもあまり開放感や気持ちよさは残念ながらなかった。
どうも開けて走ってる感が薄い。。。

あと、オープンカーの試乗に同乗させる営業さんは、かわいいオネーチャンに限ると思う。
以前、LEXUS SC430に試乗した際は、素朴で可愛らしい女の子が助手席だったのだが、SC430の不出来さなんてどーでも良くなるぐらい、オープンでの運転が楽しく、親父に購入を薦める気にさせた(これもゴルフバックの積載事情で没となった)。

今回の同乗は、新人の男の営業さんなので、良くも悪くもクルマに集中できた。




●パワートレイン

さて、注目の3リッター直6ツインターボエンジン、N54B30A。

圧縮比:10.2(!)
最高出力:306[ps]/5800[rpm]
最大トルク:40.8[kgm]/1300~5000[rpm](!)

直噴、バルブトロニックなど、最近ホットな技術がテンコ盛りである。

とにかくリニアなフィーリング。フラットトルクである。
そして、フリクションレスで、とことんキレイに回る。

エンジン音は全くの無音だが、排気音は雑味・倍音のない、澄み切った音が美しく鳴る。

なるほど、これはいろいろ受賞したり、あちこちで絶賛されるワケだ。

ターボであることを全く感じさせず、ベタ踏みすれば従順に応えてくれる。

精度の高いエンジンであることは疑いようもないのだが、E92 M3や、二代目Audi TTのように「高精度感」を前に出した演出ではない。その方がBMWっぽいとも思えるし、Z4のキャラには合っているようにも思う。

方向性としては、先日試乗したPorsche 911 (997) Carrera Sの3.8Lフラット6に通ずるものがあるが、加速時の絶対的なスピードは当たり前ながらカレラSに劣るし、排気量の差からカレラSよりも線は細い。


カレラSと較べるのはクラス的に酷であるので、新型レガシィ(BR9)の2.5Lターボモデルと比較してみると・・・・・
・・・その差は歴然。

水平対向も直6と同じように、理論上は回転依存の振動の出ないエンジンレイアウトなのだが、スバルの水平対向には悪い意味での雑味が存在し(それでも、そこいらの直4よりは遥かにキレイに回ると思うが)、Z4の澄み切った回転フィールと較べると安っぽい。

過給は、BL・BPレガシィのときからレガシィのEJはインプレッサとは異なり、BMWのN54B30Aとほぼ同じ思想で、小さいタービンで低回転域からトルクを稼ぐ思想。
先代・現行レガシィは、ターボエンジンにしては極めて高い9.5という圧縮比(GDBインプレッサなどは同じEJ20でも圧縮比8.0)。これもBMWのN54B30Aと同じ思想だが、N54B30Aは更に高い10.2というNAエンジンのような圧縮比だ。
N54B30Aは直噴によりノッキングマージンを稼げているのが大きな理由だと思う。
本ブログでも以前からたびたび、スバルのEJエンジンに残された可能性として直噴化を提唱してきたが、いつまで経ってもEJには直噴化されず、結果として新型レガシィ(BM・BR)の2.5ターボはN54B30Aと較べて、冴えないエンジンとなっていると思う。
思想は良く似た335i・Z4のターボエンジンと、レガシィのターボエンジンだが、出来はBMWの方が上だと感じた。


自分のB4と較べてみると、Z4の方がキレイにフラットに回るし、排気量ゆえに線も太いが、吹け上がり感、爽快感、痛快感、加速時のカタルシスなどは私のB4の方がイケてると感じた。
エンジンの違いもあるが、Z4が重たい(1600[kg])のも影響しているのだろう。
私のB4は時間をかけて自分好みにセッティングしてきているので、比較はもはや無意味だねえ。




●ドライブトレイン

7速DCT。

シングルクラッチのロボタイズドMTにはAlfaのセレスピードや、シトロエンのセンソドライブ。デュアルクラッチトランスミッション(DCT)には、VWのDSG、AudiのSトロニック、ポルシェのPDK、ランエボのツインクラッチSSTなど、多くを体験したが、ようやくBMWのツインクラッチの試乗機会を得た。

営業さん曰く、M3のM-DCTと、Z4の7速DCTではかなり味付けが違うらしく、そのあたりは残念だ。

で、Z4の7速DCT。
ポルシェのPDKのときと同じように、もはや評価をするだけの特徴を感じられないぐらい良く出来ていて、フツーだった。
パドルでのシフトアップ、シフトダウンとも当たり前すぎるほどシフトショックがなく、クラッチミート感がないのが逆に物足りないぐらい。




ちなみに、写真で見るよりも、ブレーキペダルが右に寄っており、せっかくの2ペダルMTなのに左足ブレーキが少しし難いのが好ましくなかった。



●ステアリングなど

直線主体の試乗コースなので、FRのなんたるかなどは一切わからなかった。

パワステがかなり重めで、車速感応っぽさがないのがBMWらしくてステキだった。

BMWらしく、シッカリとした剛性感を感じるし、サスペンションもガシッとしているけどハーシュネスは少なく、必要十分なインフォメーションがあるのが流石だなあ・・・と。





●総評

とても良く出来たクルマだと思った。

軽いクルマじゃないし、スポーツカーではないと思う。
死語だがスペシャリティーカーというヤツか。
でも決して走りをいい加減にしていないので、これをベースにいろいろイジったら、楽しいクルマになりそうな気もする。

スポーツカーとしてどうかを置いておくと、本当に良く出来たクルマなので、お金持ちのセカンドカーにはお薦めだと思う。

でも、700万円ぐらいするクルマなので、私個人としてはそれだけの費用があるならケイマンが欲しい。。。




●試乗記関連目次はこちら
ブログ一覧 | 試乗記 | 日記
Posted at 2009/07/05 19:24:44

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この記事へのコメント

2009年7月5日 19:34
永年RB20&26を供にした私としては、
次なる目標はBMWのE46-330iが欲しいです。

華子
コメントへの返答
2009年7月5日 20:44
プロフィール欄にも書かれてますよね。

直6はBMWの専売特許になっちゃいましたねえ。
E36のM3なども素敵ではないでしょうか?
2009年7月5日 20:51
ジツは、
R32を譲った先でも問題なのは、あまり古いクルマだと車両保険に加入出来ないのです。
やはり走りを意識したクルマだと万が一の財政マージンを取りたいのですが、それが無理だと正直辛いです。
そんな意味でもR32は潮時だったもしれません。
出来れば、330もMTが希望ですが、ミニ子で終わってしまうかもしれません。(爆)
華子
コメントへの返答
2009年7月5日 22:15
なるほど~。

先日、事故でE30 M3を失ってしまった友人も車両保険には入れてませんでした。

欧州車の日本ディーラー取扱車は徹底してATですよね。
320iが人気なのは安いからだけではなく、MT設定もあるからだと思います。
2009年7月5日 21:36
僕にもDラーから電話ありました~~
Z4の試乗どうですか?ってw
コメントへの返答
2009年7月5日 22:16
BMWディーラーでは6月から電話営業の強化を始めたようですなw
2009年7月6日 0:27
去年、レガシィのサーキット走行仲間がレガシィを売ってZ4 Mクーペに乗り換えました。何やらすごい値引きをしていたそうで、3万ドル台前半で手に入れたそうです。
コメントへの返答
2009年7月6日 7:47
Z4 Mクーペ、カッコイイんですよね。。。
B4がノーマルだったときに、バトルして負けたことあります。良い勝負だったんですが、リミッターカットしてなかったもんですから。。。
2009年7月6日 0:30
詳細なインプレありがとうございます。このクルマはまだ試乗していませんが、大体想像していた通りですね。私ならボクスターにしますw。え~、ちなみにツッコミを一点。このクルマのエクステリア、インテリアデザインはバングル氏の担当ではありません。エクステリアデザインはJuliane Blasiという若い女性デザイナー、インテリアもこれまた女性でNadya Arnaoutという女性に依るものでっす。ご参考までに♪
コメントへの返答
2009年7月6日 7:58
ありがとうございます。
流石に詳しいですねw

バングルは引退して、今回のZ4は女性デザイナーだというのは聞いているのですが、以下のように思っております。

先代Z4はバングルデザインではないのでしょうか?(BMW3の実デザイン担当が永島氏であるように、実担当とは別に「バングル指揮下のデザイン」という意味で)

個人的には、指揮権がホーイドンクに移った新型Z4も、ディテール以外はバングルデザインを強く踏襲しているように思えます。

↑更に認識違いがあれば御指摘ください(^_^;)。

BMWもVW・Audiグループもピニンも、デザイナーに日本人や女性を積極的に採用して、面白くなってますね♪
2009年7月6日 12:29
ご無沙汰していますm(__)m

先週の土曜日から復帰しました。しばらくブログを読んでいないと読むのが大変ですね(^_^;)

相変わらず頭の中が整理できていない変速機関連ですが、Z4の7速DCTの普通とは、変速スピードもそこそこ早いですかね?
コメントへの返答
2009年7月6日 12:39
御帰還、お待ちしておりました(^。^)
ここ最近の私はほとんど軽量化ネタなので、適当に読み流してください。

Z4のDCTは「そこそこ」なんてもんじゃなく、瞬時の切換でしたよ。
クラッチの耐久性などは不明ですが、レスポンスとしては完成されているかと。
2009年7月7日 8:11
ごきげんよう♪

しかし重いですね~(汗.
私としては, エンジンパワーよりも軽さが一番大切だと思うんですが.
最近の車は重すぎですにゃ~.

私, 最新の技術にはうといので "7速DCT" っていうのを知りませんでした.
これってスゴイですね~. 次のギアが常かんでいるんですか?!
どういう構造になっているのか, 構造図とか透視図とか見てみたいです.
コメントへの返答
2009年7月7日 8:25
ごきげんよう♪

重いですね(^_^;)
オープンカーなので、剛性・衝突安全を稼ぐために余計に重いんだとは思いますが・・・。
運動性能の低下もアレですが、ブレーキなんかにかかる負担もイヤですね。

出力は似たようなもんですが、パワーウエイトレシオで比較すると
Z4よる私のB4の方がかなり優秀です(^_^)。


DCTもボチボチ熟成された技術となってきました。
歴史をたどるとポルシェがCカーの962cに搭載したPDKが発端で、これをAudiが引き継ぎ、市販車用に熟成したのがDSGです。
PDKやDSGは商標ですが、DCTが一般名称ですね。

2本の駆動軸が並行ではなく入れ子のような感じで存在し、それぞれにクラッチを持ちます。
偶数ギアと奇数ギアに分けて受け持っており、例えば2速で走行中なら、もう一方の軸・クラッチには予測して3速を準備しておくことで、シフトチェンジ時のトルク切れを亡くす思想です。

運転してみると、その瞬時のシフトチェンジのレスポンスに感動しますが、私個人としては、二つのクラッチを半クラでクロスフェードさせているようなもので、クラッチの寿命がどうか?など気になります。

逆にシングルクラッチの2ペダルMT(セレスピードなど)は、シフトアップ時に、エンジンの回転降下の「待ち」が入り、クラッチの切断された状態が結構長いので、とても不安を覚えます。
ドライバー自身のMT操作では当たり前のトルク切れなのですが、機械にされると不安になるんですね。

「DSG」でGoogle画像検索すると、ワンサカとカットイラストは見れますよ~

プロフィール

「@てぇかむ#(Fe2O3・xH2O) 確かに 笑 mistbahnロゴは、1996年にホンダのロゴを逆さまにしてアレンジしてデザインしたものです。」
何シテル?   03/16 13:05
ビート(PP1)、アコード・ユーロR(CL7)、三菱アイに乗っています。 ビートでのサーキット走行(タイムアタック)とチューニングを続けています。 鈴鹿...
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