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2013年01月13日

【書籍】F1速報PLUS Vol.26 『F1とお金』

【書籍】F1速報PLUS Vol.26 『F1とお金』  ■F1速報PLUS Vol.26 『F1とお金』

出版: 三栄書房(2012/05)


出版されたのは2012/5。
発売当時は買おうか迷ったものの、結局買わなかった本著だが、2012/10の日本GP以降、可夢偉のF1残留に10億円相当の持参金が必要・・・ということが話題になりはじめ、「F1とお金」というテーマに興味を抱いてBOOK OFFで500円で中古購入。

レビューはすっかり遅くなってしまったが、昨年11末ぐらいには読み終わっている。


●「フォーミュラ・マネー」

まず本著の冒頭に、本著を含めて、各F1メディアの報道に含まれる金額が「フォーミュラ・マネー」という毎年刊行されている書籍によるものだと紹介されている。

約4万6000円+送料、報道者向け特価2万4000円らしい。

著者のChristian Sylt+Caroline Reidの2名とはコンタクトが取れず、周囲の評価も否定的らしく、この2著者が、どういうルートで各チームの運営費や公開されていない各種契約料の情報を入手しているのかが不明で、信ぴょう性の評価ができないが、それでも「フォーミュラ・マネー」が業界の「F1マネー」のソースとして絶対的なスタンダードとなっていることが詳述されている。

で、憶測として、「フォーミュラ・マネー」の情報源はバーニー・エクレストンなのではないか?という噂があることも書かれている。

こういった背景がありながらも、本誌も「フォーミュラ・マネー」からの数字データを引用している・・・・という但し書きが冒頭にある。

この記事だけでも読む価値のある面白い話であるとともに、ソースの出処を明記せずに金額を語る多くのメディアと異なり、冒頭に「フォーミュラ・マネー」を取り上げている本誌を読む気にさせる(つかみはOK)。



●各種F1マネー

・各ドライバーの年俸と、その年俸の出どころ

・各チームスタッフ(管理職含む)の年俸
→これは私にとっては非常に興味をもてる内容だった。
ニューウェイの年俸がベッテルより上(14.7億+勝利数・タイトル獲得に応じたボーナス)なのはみんな納得いく数字だと思う。

・F1マシンの各コンポーネントの価格

・チーム運営費の内訳

・チーム・マシン別のスポンサーロゴの価格
※2010年のザウバーのコクピット両サイドの錦秀会グループのロゴ(日本GPのみ?)がなんとたったの400万円なのには驚いた。

・・・などが紹介されている。

普通に眺めていても、高額だと思えるもの、思ってたよりずっと低額な印象のもの・・・などいろいろあり、面白かった。



●新コンコルド協定

F1系のニュースサイトなどではよく目にする言葉だが、詳しく解説した貴重な記事。
FIAと各チームとの間の分配金などについての取り決めを定めた契約書。

「詳しく」・・・とは言うものの、コンコルド協定の契約内容は公開されないので、そこを掘り下げて解説したものではないが、「なぜ協定内容がベールに包まれているか」を解説しているあたりが三栄書房らしくてステキだ。

各チームとの契約の文言を少しずつ変えてあり、迂闊に内容をリークできないようバーニーがハンドリングしているそうな。

旧コンコルド協定に至る歴史(FIA vs FOCAの対立、FIA vs FOTAの対立)なども詳述されており、他誌やWEBソースではなかなか掘り下げられないテーマだけに貴重だ。




●F1テレビ中継は新たな局面へ

各国のTV局の放映権・権利料(国によっては50億円!)についてバーニーが徹底管理しているだけでなく、TV放送の映像製作までもが現在はバーニーの会社が行なっているとのこと。

バーニーの会社が映像製作を行なっていないのは、モナコGPと日本GP(=フジテレビ)だけらしい。

これは日本人である我々にとって、一見、とても誇らしい事実であるようにも思うが・・・


2012/5発刊の本著に書いてあることではないが、可夢偉が2013年のF1シートをほぼ喪失確定したことで、フジテレビの問題が最近話題となっている。

日本企業が可夢偉のスポンサードを行わない大きな理由のいくつかとして、

・フジテレビがF1の地上波放送をやめたため広告費のTV露出が非常に少ないこと

・フジテレビが日本国内でF1映像の放映権を独占しているため、F1レース動画を使ったCMが作れない

・フジテレビが日本国内でF1映像の放映権を独占しているため、他のチャンネルのスポーツニュースなどでF1についての報道が行われない

・・・など、散々だ。

1987頃に日本にF1ブームを生み出し、日本人にF1観戦を習慣づけたのがホンダとフジテレビなら、今また、「日本人のF1離れ」の元凶のひとつとしてフジテレビが問題視されている。




●F1チーム買収・売却の系譜

何年も前にF1ファン仲間と、

「トールマン → ベネトン → ルノー (→ 現在ロータス) みたいな変遷の歴史が一覧表になってるソースが欲しいね」

という会話をしたことがあるのだが、正に本特集がそれ。
1950~2012までの全チームの変遷を一覧表にまとめてあり、非常に見やすい。

フェラーリのF1ワールドにおける政治的チートさはウザいんだが、1950年から2012年まで一度もオーナーやチーム名が変わってない唯一のチームがフェラーリである、この歴史年表を見てしまうと、

・フェラーリにチートとしか思えない政治力があること
・「歴史的重要度」を考慮したFIAからの配分金がデカいこと

・・・も仕方がないか、とすら思える。





・・・そんなこんなで、他誌、他著ではなかなか得られない情報がコンセプチュアルにうまくまとめられた本著は本当に買って良かったと思える、重要な一冊。



●書籍レビュー関連目次はこちら
●F1関連目次はこちら
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Posted at 2013/01/13 19:37:51

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この記事へのコメント

2013/01/13 23:44:42
ちょっとこの本、読んでみたくなりました!

BookOff、俳諧してみよう~っと♪
コメントへの返答
2013/01/14 00:24:19
Amazonではまだ買えますよ♪
2013/01/14 08:54:29
>ニューウェイの年俸がベッテルより上(14.7億+勝利数・タイトル獲得に応じたボーナス)なのはみんな納得いく数字だと思う。

この人は本当に鬼才ですよね。
近代F1のデザイナーではNo.1だと思います。

チームを勝たせたかったら
エンジンよりもこの人を抱えることかも・・・・(^^;)
コメントへの返答
2013/01/14 09:43:52
1988シーズンから非力なレイトンハウス・マーチで空力による成果を実現し、「新進気鋭の・・・」と騒がれていたのが当時から自分にはインパクトが強かったですが・・・・

25年経った今も、「エラい人」として居るだけでなく、実際にデザインディレクターとして君臨しているのがスゴいなあ・・・と。

レッドブルチームやベッテルのファンではないですが、ニューウェイのサインは欲しい(笑)

ロリー・バーン、ゴードン・マーレイ、ジョン・バーナード、ハーベイ・ポストレスウエイト、ジェラール・ドゥカルージュ、パトリック・ヘッド、グスタフ・ブルナー・・・とか、昔は必ずチームのデザイン・ディレクターが大きくクローズアップしてますが、今は作業の細分化と組織化が進んでますよね。

それはそれで正しいんだろうケド、デザイン・ディレクターに強烈なリーダーシップがあるのもレッドブルの強さの秘訣なのかなあ・・・と。

ジェームス・キーあたりは注目してるんですが、ニューウェイほどセンセーショナルな存在ではないからなあ・・・。
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