今日は九州に日帰り出張だった。
■Motor Fan illustrated vol.92 ~「点火」と「燃焼」 ノッキングをぶっ飛ばせ~
出版: 三栄書房(2014/06)
●「点火」と「燃焼」 ノッキングをぶっ飛ばせ
・V8、OHV、2valve
特集の最初にクライスラーとGMのV8、OHVの紹介記事がある。
この記事の冒頭に、
"欧州の技術はチヤホヤするが、アメ車は旧弊な技術で走る安物機械だと思い込んでいるのか、はたまた知ろうとする気が毛頭ないのかわからないが、何故かメディアの視界にアメリカ車の技術は入ってこない。視野狭窄なのだ。"
と批判がある。ふむ。
メディアの事情はわからないが、私もあまり
アメ車には興味がナイ。
・・・というか、基本的にアメリカの文化、デザインなどが生理的に受け付けないのだ。
幼少期、2年半、アメリカで暮らしたにも関わらず。
ハリウッド映画なんかも全然観ない。
唯一の例外はスターウォーズかなあ。
ああ、
10代の頃はメタリカとかレッド・ホット・チリ・ペッパーズとか聴いてたか。
でも、
「クルマ離れしている」と言われる
20代の若者と会話をすると、憧れのクルマがクライスラーだったり、バイパーだったり、ハマーだったりする。
また、
クルマのオフ会って私が参加されるものも含め、基本的にキモヲタ文化で女子は少ないのだが、アメ車のオフ会を覗くと、どういうワケか、ファッショナブルな肉食系美女同伴の連中がやたらと多い。
「若者のクルマ離れ(笑)」の原因としてあまり論じられていないことだが、案外このあたりは打開のヒントなのかも。
・・・・点火、燃焼、ノッキングと大きく脱線した。。。
で、アメリカンV8、OHV記事。
結局、斜め読みに終わってしまったが、気になった一文。
"第3世代HEMIの一番手は、排気量5.7Lで登場した。ブロックは・・・・(中略)・・・・圧縮比は半円球燃焼室をもちながら平凡な9.6であった。だが、リカルドの手を借りて仕立てた高性能版から、その数値は向上する。"
・・・。
クライスラーもリカルド(←マクラーレンMP4-12Cなんかのエンジン開発してるイギリスの受託開発屋ネ)に開発委託をしているのか。。。。
AVL、FEV、IAV、iFP、Ricardo・・・・
エンジンの開発委託は世界で進む一方だ。困るなあ・・・。
本件についてはまたいずれ。
・FB16DIT
スバル・レヴォーグのこのエンジンの記事と、実際に運転してみた感想は以下参照。
ブログエントリ: 「
【JSAE2014】人とくるまのテクノロジー展2014 Subaru FB16DIT」
ブログエントリ: 「
【試乗】Subaru Levorg 1.6GT-S EyeSight (DBA-VM4) 」
・正常な「点火」と異常な「着火」
過去に
レガシィB4(BL5A)でOpenECUにより、ROMチューン、ログ解析に熱中していたこともあり(※ビートでもROMは自分でイジって焼いてるが)、本ブログを閲覧頂いている方には、ECU触っている方の比率がかなり高い。
ROMチューンはノッキングとの戦い、というか、トレードオフ。
極論してしまうと、
「ノックリタードがなるべく出ない範囲で、ブースト(アップさせたい)、燃調(出力空燃比に入れたい)、点火時期(MBTに向けて進角させたい)を触る」
のが「パワーアップを目的とした」ROMチューンの基本で(※個人的には体感や中間加速に効くのはむしろバルブタイミングだが)、エンジンを壊すリスクはともかく、その程度の知識でも、OpenECUによるROMチューンはできてしまう(※自己責任でお願いします)。
が、やはり
「プレイグニッションとは?」
「ノッキングとは?発生の原理は?」
「MBTとは?回転数で異なるのはなぜ?」
「ハイオクだとなんでノックマージンを稼げるの?オクタン価とは?」
・・・などについて、きちんと理解があった方が絶対に良いと個人的には思う。
そういう観点からは、本誌にも比較的わかりやすく解説されているし、既に他の文献などで十分に知識をもってROMチューンされている方は別として、マジメにECUを介してエンジンと向き合いたい人は読んだ方が良いのではないかと個人的には思う(別に本誌以外のソースでも良いのだが)。
本誌から、「わかりやすくて良いなあ」と思ったものを例として一部抜粋。
(オクタン価について)
"ガソリンの成分中には自己着火しにくく耐ノック性の高いイソオクタンに近い成分から、自己着火しやすいノルマルヘプタンに近い成分まで、いろいろな炭化水素が混ざっている。"
"オクタン価とは、前者のイソオクタンの容積比"
"オクタン価100ならイソオクタンと同じで、自己着火しにくい"
"オクタン価90(=日本のレギュラー)と95(=ヨーロッパに存在する設定)はえらく違う。95と100(=ハイオク)とはそれほど違わん"
(燃料冷却について)
"(燃料を噴くことで温度なんて下がるんですか?・・・・・という編集側の質問に対して・・・) 蒸発するときに熱が奪われるんじゃ。直噴ならけっこう効果があるんじゃ。ポート噴射じゃったら基本的に吸気バルブが閉じているときに噴くからポート壁とバルブの熱を奪うだけでシリンダー内の温度を下げる効果はほとんどない。"
"(でもガソリン直噴などなかった頃から燃料冷却ってあったような気がするんですが。・・・・という質問に対して) それは、高回転高負荷になるとたくさん燃料を噴くんでほぼ噴きっぱなしになって、そこで一定の効果が得られたということ。吸気バルブが開いているときに吸気流に乗って、燃料が液滴のままシリンダー内に入る。そこで蒸発して直噴のような冷却効果をもたらすんじゃ。ハッキリ言うて混合気形成はでたらめいなる。じゃが確かにノッキングの抑制にはつながる。"
・・・OpenECUをやってた頃、GDBインプレッサの純正ROMの燃調マップを見て、高回転高負荷域で、
A/F目標値が8.71とか「それってホンマに空燃比の値なのか?」という酷いオーバーリッチでドン引きしたもんだ。。。。
・点火プラグの進化がエンジン性能を向上させた
個人的にはこの記事も面白かった。
点火プラグなんて枯れた技術のようで、エンジン側の要件が年々変化するので、それとリンクして仕様が変わっていっている・・・という内容。
・多点点火の急速燃焼が自動車エンジンを変える
このミヤマが開発した、シリンダヘッドとシリンダブロック間にガスケット状に挟む、多点点火装置は以前にも紹介されていたが、面白いデバイス。
ノッキングの生じやすいボア壁付近に点火部を配し、多点点火とすることで火炎伝播時間も短縮できる。
これは市販車のエンジンに組み込まれて登場したら面白いよなあ。
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Posted at
2014/07/15 23:00:50