高校の友人の結婚式で、帰省中。
前回の帰省時は保険の問題で運転させてもらえなかった、実家の先代Audi TTクーペだが、友人の助言で自分の契約している任意保険の契約内容を調べてみたところ、「他人から借りて運転している車での事故に関しても、保険の対象として支払うことができる」という内容を確認することができた。
で、今回は、保険の契約書の該当箇所のコピーをもって帰省!
晴れて、念願の先代TTクーペの運転をさせてもらった。
Audi TT Coupe S-line Limited (GH-8NBVR)
エンジン型式:BVR
最高出力:190ps(140kW)/5700rpm
最大トルク:24.5kg・m(240N・m)/1980~5400rpm
種類:直列4気筒DOHC20バルブICターボ
総排気量:1780cc
車両重量:1330kg
駆動方式:FF
トランスミッション:6速AT(ティプトロ)
過去のブログにも書いたが、この時期のAudi(B6型A4なんかも)のとことんロジカルなデザインが大好きだ。
改めて真近で見て、泣きそうになるほど感動した。
この強烈にロジカルなリアビュー!!!!
最近のエモーショナルなAudiデザインよりも、こっち路線に戻って欲しい。
さて、座ってみて。
シートはサイドがレザーでセンターがアルカンターラのセミバケタイプ。素材の質感とデザインも優れているが、座り心地やホールド感のバランスも素晴らしい。
ただ、着座位置が思いのほか高く、アイポイントが高い(私の座高が高いのか??いや・・・外人はもっと・・・・)。TTのフロントガラスは狭いので、アイポイントが結構シビアに絡んでくる。窓に対しての私のアイポイントはよろしくなく、視界の狭さに直結。
シートを社外品に換える理由は見当たらないが、シートレールはローポジレールに交換したいところ。
アイポイントには個人的に問題があるが、シートとABペダルの位置関係が素晴らしくよいのか、下半身向きを調整したりしなくても、普通に左足ブレーキができる。というか、むしろ、右足でブレーキを踏むのが不自然なくらい。
TTのインパネまわりのデザイン、大好きだ。
ロジック、ポップ。で、クオリティ高し。
さて、運転してみて。
・・・エンジンを始動する。
ノーマル・マフラーでも排気音が結構イカつい。
アイドリングから、ややドスの効いた低音である。
排気低音は結構車内にこもるので、これを不快に感じる人も多いかもしれないが、個人的にはグッときた。
で、走り出してみて・・・・・
強烈に好み!!!!!
以前に試乗した現行のTTクーペや、現行のA3などの現代アウディは、充分な剛性を確保しつつも、ものすごく軽快な感じに仕上がっている。
それに対して、初代TTは、「ザ・剛性感」。
徹底的に強烈な剛性感を乗り手にアピールしてくる。これは現代メルセデスや現代Audiとは異なる思想で、E90 BMW3の感覚に近い。が、E90の「剛性感が強すぎて、なんか乗せられている感じ」というわけではなく、クルマとの一体感、操作感を味わうことができる。
ハンドルは「重ステ?」とツッコミを入れたくなるほど重く、タイトかつダイレクト感があり、個人的にはモロにツボに入った。
ロック・トゥ・ロックもイイ感じなんじゃないかと思う。
そして、それらの効用もあり、強烈に「トラクション感」がある。
無茶な走りはしてないので、限界域での挙動はわからないが、普通に街乗りをしている分には、FFのくせにランサー・エボリューションXと同レベルのトラクション感がある。
ヤバすぎるくらい、自分のツボに入ってしまった。
ティプトロのマニュアルモード制御はパドルシフトでも可能。人差し指で制御するタイプではなく、親指で押すタイプ。
左手・右手のどちらでも+/-操作が可能。
ただし、このインターフェースが一般的なパドルシフトに対し、少し特殊なので、私はシフトレバー↓
での+/-操作を行った。
ティプトロは、
以前に試乗した現行のTTクーペで採用されているDSG(Audiでは正確には「Sトロニック」という名称。「~トロニック」はありふれた名前なので個人的には「DSG」と呼びたい)と較べると、やっぱりトルコンなので、どうしてもダイレクトな機械感は損なわれている。
トルコン嫌いの私にはポイントの低い点であるが、ポルシェ、Audi、BMW、VW、メルセデス・・・・ドイツ車のティプトロ(トルコンAT)は、日本車のトルコンATと較べて随分とフィーリングがよろしい。トルコンでのスリップロス感や、変な粘り感が薄い。これは、MT中心のヨーロッパ市場発のクルマならでは、なのだろう。
この1.8ターボは、ゴルフGTIに試乗したときに、「なんて伸びやかに吹け上がるターボエンジンなんだろう!」「シュイーンッとワープ航法に入るな」と、かなり秀逸なターボエンジンとして記憶に残っている。
今回の試乗の感想では、ゴルフGTIのとき感じたものとは少し感覚が違うが(エンジンの問題でなく、DSG・ティプトロの違いによる影響もデカいと思われる)、やはり超秀逸エンジンであることは間違いない。
思ってたよりも、低回転域がトルクフルで・・・・・・エンジンの回転感はターボ車っぽいのだが、低回転域のトルク感は大排気量NAぽくすらある。
じゃあ、上は抜けないのかというと、トンデモない。
3000[rpm]あたりから、軽くアクセルを踏み込んでやると、一瞬にして6000[rpm]まで吹け上がる。気をつけないと、あっという間にオーバーレブしてしまいそうなレスポンスだ。
「レスポンスが良い」という表現は頻繁に見られるが、ここまで強烈なレスポンスは初めてだ。
しかし、これは6速ATゆえに、1、2、3速の減速比がレガシィB4(BL5A MT)よりもだいぶ大きいことにもリンクしているので、エンジン性能だけで較べてはダメだろう。6速MT換装してぇな・・・・。
エンジンの最大出力・最大トルクなど、数値的なスペックはレガシィよりだいぶ劣るのだが、実用域のトルク・レスポンスはあからさまにTTが上なので、超高速ステージじゃないとたぶんTTの方が速いんだろうなあ・・・と思う。
繰返しになるが、まとめると・・・・
現行TTクーペやA3などのような、現在のAudiの、「緻密感」「高精度感」「剛性あるのに軽快感」「シャープ感」は、旧TTクーペでは特に感じられなかった。
旧TTでは「圧倒的な剛性感」「タイト感、ダイレクト感」「強烈なトラクション感」が強く、エンジンもシャープな感じよりは力強い感じだった。ポルシェとは違うんだけど、遠からぬ「凝縮感」も感じられた。
雑誌評などで「3.2 Quattroよりも1.8T FFが軽快でお薦め」みたいなのをよく見かけるのだが、私は3.2 Quattroに乗ってないので、コメントすべきではないが、1.8T FFでこれだけトラクション感・剛性感が強いと、確かに3.2クワトロは鈍重になってしまうだけのようにも思える(・・・が、やはり私はFF嫌いなのでクワトロにも乗ってみたい)。
しかし、この乗り味は、本当にツボに入ってしまって、運転後、何時間が経過しても余韻と感動が冷めない。
TTの後でGG2Fインプレッサを運転すると、パワステが軽すぎる感じや、全体になんともポンコツというか不出来な感じがした(ごめんなさい)。
明日も大阪に帰るまでにもう一回運転させてもらおう・・・。
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試乗記 | 日記
Posted at
2008/03/08 15:41:34