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2008年05月31日

【書籍】空力とカーデザイン(続き)

【書籍】空力とカーデザイン(続き) ブログ「【書籍】空力とカーデザイン」の続き。


■ピニンファリーナとフェラーリについて

著者の畔柳氏はピニンファリーナの美と空力のバランスの取れたデザインを高く評価しており、「8.空力と造形の調和:ピニンファリーナ」というピニンonlyの章まで存在する。

この章の締めくくりがF40で、畔柳氏はF40についてはやや否定的な見解を示している。
少しだけ引用させて頂くと

丸い美しいあごは過去のものとなり、ノーズは垂直な壁となった。床下も空理気的に処理しているといわれる。率直にいって形は洗練されておらず、線はブツブツと切れて面には方向性がなく弛緩し張りがない。ピニンファリーナ一連の作品のなかでは美しくないクルマである。ただ、造形が空力のために犠牲になったとは考えられない。

とのこと。

「上がりのクルマ」としてF40を候補に挙げている私としては「随分な言われようだな」とでも反論したいところであるが、私も畔柳氏の言わんとしていることは理解できる。

私もF40登場時は、それまでのフェラーリとは随分違うなあ・・・と思ったもんだった。
288GTOはグループBカーの癖に美しいし(ランチア037ラリーと似てるよね)、テスタロッサも流麗だ。
それに対し、F40は、かなりスパルタンでグループCカーをロードゴーイング用にアレンジしたかのようで、確かにそれまでのフェラーリ、それまでのピニンとは全くの別物だった。

で、コレ(F40)は違うよな・・・と私も思っていたのだが、現物に接して、そのスパルタンさに骨抜きにされてしまった

そんなF40も、今改めて見ると、リアホイールハウス周辺などの面は美しく、ピニンらしいなあ・・・と思える。
ちなみに、F50やエンツォのデザインは私には理解不能。



■畔柳氏の毒舌

畔柳氏の毒舌はあちこちに散りばめられており、
ブガッティEB110Sに対しては

かつてのブガッティが持っていたカリスマ性やたとえようのない凛とした高貴な趣きは微塵にもなく、魅力に乏しい。
造形的には未消化感が拭えない
急速に忘れ去られるに違いない


と強烈に毒づいており(まあ、確かに的は得てると思うけど)、マクラーレンF1に対しても毒づいている。



■CD値について

前回の感想文でもCD値については触れたが、「11.空力性能と風洞実験」の章にも興味深い記述があった。

世界中にある風洞ごとに仕様が異なり、特性に差がある。一般的に、同じクルマでも測定する風洞で測定値が異なることはよく知られている。カタログなどにうたわれているCD値を鵜呑みにすることはできない。その問題を解決するために、ヨーロッパでは9つの代表的な風洞で同一モデルを用い測定のばらつきを補正する換算値が求められている。しかし、いまだに世界統一基準はない。空気抵抗係数はタイヤの太さや車両姿勢のわずかな違いで大きな差が生じるから、1/100のCD値を競い合うことは実際にはあまり意味があるとは思えない

・・・へえ・・・・。勉強になるなあ。
B4のCD値:0.28もぬか喜びできないんだ・・・・。



■チューンドカー

とても意外でうれしかったのは、著者がチューンドに対して好意的だったこと。

"カスタマイジングする人たちの鋭い感性の敬服することがある。自分がデザインしたクルマが、美しい色に塗られて、オリジナルデザインを一層引き立てるスポイラーやホイールを着けて新しい魅力を・・・"

"正直に告白すればデザイナーがドレスアップしたクルマから刺激を受け、次のモデルチェンジのヒントになることも少なくない"

"量産車は、最大公約数的嗜好に合わせなければならず、コストや生産性、使い勝手の制約があって、なかなか自由にデザインできないところがある(と、いつもデザイナーは言い訳をする)"

"東京オートサロンに出品されるカスタマイジングされたクルマは、年を追うごとに造形レベルや品質が目覚しい向上を見せている。かつての悪趣味なものや反社会的なイメージのクルマが影を潜めたことは喜ばしい反面、少しさびしい気がしないでもない。マイナーで合法すれすれの世界であったカスタムカーの分野に大企業が乗り込んできて健全化した結果、サブカルチャーの面白さが若干殺がれている。"



この「カスタマイジングボディと空力」の章までの文章からは、信じられないほどチューンドを擁護していて、本当に意外だった。

カスタマイジングの空力手法に関しての細かい話では、フロントスポイラーは使用目的には空力的効果が得られる、リアスポは3ボックスの場合は形状次第・・・など、ご普通のことが書かれていた。



・・・・でも、ぶっちゃけたところ、まともに空力を考慮した社外エアロってどれぐらい存在するんだろう?
前置きインタークーラの冷却効果を考慮したタイプの社外エアロはGT-Rなんかではよく見るし、GTウイングが効果ないとは思わないけど。

208.01.16のブログ「トミーカイラとSpec.Bのグリル比較」でも考察したように、少なくとも私のB4に実装しているトミーカイラ・フロントバンパーについては、
「『街中~ワインディングを楽しく!』がコンセプトで空力・冷却は重視していない」
とメーカから回答をもらってしまった。


冷却的には見るからにダメそうだが、空力的には見た目的には悪くなさそうなので、冷却風については、今後DIYで改善していきたいなあ・・・と思ってたりする。
デザインはとても好きなので(フェラーリの影響が強すぎるが、セダン・ワゴンと違和感なく組み合わせているところは◎)。



●自動車 書籍レビュー関連目次はこちら
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Posted at 2008/05/31 22:30:35

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