このところしばらく休んでいないので区切りをつけて今日は休み。家にいても何なんで
ちょっとドライブでもするかと。そういえばXVもまとまった距離を走っていない。
梅雨も明けそうなんで「水辺」でもと・・群馬県上野村あたりでも。
熊谷から17号で行って本庄から462号線で行くか秩父から299号線で行くか迷ったが今の時間(AM9:00)本庄あたりは混んでいそうなので秩父から行くことに。しかし秩父の街から小鹿野に抜けるのもおっくなので長瀞手前野上から杉の峠を通って鬼石へ。
この道初めて通ったが、峠と名前は付いているけれども生活道路のようで整備されていてなかなか走りやすかった。鬼石に出て後は神流川に沿ってただひたすら462号線を走った。途中神流湖・下久保ダムで休憩。そういえば国道沿いの神流湖を俯瞰できる場所に場違いなくらい洒落た建物があって、後で調べたらホテル(山水っていう)なんだな。結構高級なホテルらしい・・今度女房を騙して連れてこようか。
万馬で昼食をと思ったが駐車場がないので我慢。この町のひなびた、昭和三十年代で時間が止まったような空気が好きで以前何回か意味もなく来たことがあった。(万馬の皆さん、駐車場を作ってください。町のはずれでの八幡様周辺なんて今の季節夏の風情があってなかなか趣がある風景なんだけれども車を止められる場所が皆無なんで)
後はただひたすら国道を西へ。道沿い左側に山頂がペタンコのところどころ岩肌むき出しの叶山が見えるのだけれども、これは石灰岩を掘り出すので外観が刻々と変わっているらしい。何かちょっと行ってみたいそそる風景ではあるが。
神流町で299号線と合流してしばらく走ると目的地の上野村に到着。
今から二十五年以上前、学生だった頃夏休み前に栃本のフィルドワークに来た同僚にお付き合いで行った帰りに寄り道してここに来たのが最初だったな。残念ながら蕎麦屋さんがお休みなので向かいの道の駅で昼食。山菜の天麩羅と手打ちそば。
何年かに一度の割合で遊びに来てそのたびに感じるのだけれどもこの村って周辺の村や町と較べて(いい意味で)何か違和感を感じてしょうがない。地理的に「どん詰まり」で国道299号線なんて国道と呼べるのはここまでで此処から先、十国峠を経て佐久穂に抜けるまでは国道ではなくて酷道って呼ばれているくらいだし。(十国峠なんて以前会社の同僚で山道バカがいてそいつにジムニーで連れて行ってもらったことがある。車がやっとすれ違えるような山道が延々と続く・・並行してる林道のほうが快適だったりして。
頂上には結構広い駐車場と何だこりゃって思えるくらいの展望タワーがあって
確かにいい眺めなんだけれども、ここに至るまでの道を考えるとちょっとちぐはぐな感じはするが・・)
この村から鉄道は山を超えて下仁田へ行かなければ乗れないし、新幹線だと本庄児玉からバスで万馬で乗り換えて二時間かかるし。
孤高のほぼ自給自足の自己完結型の村なのに、何なんだこの意味もなく明るく漂う空気は!(国道さえ神流町を走っているときはすれ違いにも気を使うくらいなのに上野村に入った途端に道幅が広く快適な道になるが村を過ぎるとたちまち元の狭い道になる)
これの理由は二つ
ひとつは、村の財政が比較的豊かでありインフラが充実していること・・上流に上野ダムがありその固定資産税が莫大で債権などの借金のための借金がないこと・・こんなわずか1300人ほどの小さな村なのに地方交付税の不交付自治体なんて信じられない。
2つ目はたぶんに想像ではあるが、世代交代がうまく行っている感がある。
道の駅でもらった広報誌を見ると人口1300人のうち65歳以上の高齢者の割合が570人で43パーセント。他と同じく高齢化が進んでいて結構深刻な状態で新しく定住する若い世代は必ずしも増えてはいないのだけれども、多分もう少し減って下げ止まりになるような気がする。
こういう地方自治体には「ふるさと協力隊」と呼ばれるような契約社員のような若者が頑張っているのだけれども、こういう若者が契約期間を過ぎても居残って村の一員として定住するケースがこの村には多いような気がする。それだけ居心地がいいんだろうな。これって意外と少ないそうで、これは観光がてらのお客様気分でやってくる若者と「どうせ一時の使い捨て」としか見ていない受け入れ側の認識の違いがすべて。
ネットでブログを検索するとわずか1300人ほどの小さな村なのに5,6件も定住者のブログが見つかる。
もちろん田舎の村社会独特の掟・しきたりとかあって勝手気ままには生きてはいけない世界だし、朝家の前で起こったことが夕方には村全体に知れ渡ってしまうプライバシーなんて殆ど無いのが田舎なんだけれども。
広報誌を見るとほとんど毎週なんらかのイベント(地区対抗バレーボール大会とかソフトボール大会とか)があるようだし、一年の半分は村全体がお祭りという感じ。(それにアータ、中学三年生はニュージーランド研修ですぜ・・うらやましい)
これは想像だけれども、地域のお年寄りで人生に達観している人が多いような気がする。
・・「自分のすべき責任は果たした」「後はあんたらに任せた、自由にやってくれ」・・そんな感じだろうか。
村社会の閉塞感というのは古い世代の「執着」と若い世代の「無神経さと身勝手さ」の二つの対立で身動き取れない状態のことなんだろうけどもその辺の折り合いをつけることが少しだけほかよりもうまく行っているのかもしれない。
早い話、相手の価値観の違いを認めつつうまく自分を生かすというところか。
後は他とは違う働く場を創造することか。(オーガニックカフェとかレストランも出来ているようだが)
目玉になる観光地や施設がない代わりに豊かな自然を活かした、例えば森林浴とか清流の癒やしの場とか、トレキングの拠点になるとか、ある程度絞って訪問者を選ぶような開発は出来ないだろうか。間違ってもなんとかのふれあいの場なんていう箱物は作ってほしくないと思うが。
長々と書いた私は・・?というと、私は定住するのは無理。だって本屋さんがないんだもの。
それに私のスタンスは「和して同ぜず」・・「人は一人では生きていけない、だから助け合うんだ」と自分の身勝手さを棚に上げて最初から人から助けてもらうことを前提にする団塊のしらじらしさとは若い世代に一緒にしてもらいたくないんで。
気まぐれドライブでここまで書いた私はホント暇人なんだな。
で、帰りは神流町から299号線で小鹿野へ出て秩父市街に入る手前で左に曲がってゴルフ場の入り口をすぎて皆野から140号線で熊谷へ。
およそ100Kチョットでリッター14・9Kの燃費
まぁまぁか。