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2017年07月29日

日産 ノート(e-power nismo仕様) 試乗

日産 ノート(e-power nismo仕様) 試乗  この日は、日産のノート(e-power nismo仕様)を借り、短距離ドライブに行ってまいりました。本当は人数を増やし、ノートやノート(e-power)と同行するつもりでしたが、人数が思っていたよりも増えず、単行となりました。

日産とnismoについて
 nismoは、元々日産自動車のモータースポーツ室だったそうです。すなわち、日産自動車の車を宣伝活動の一環としてモータースポーツへ出場させるため、整備・改造する部署のとのことです。

トヨタ自動車に対するトヨタテクノクラフトが改造車を作る部署であったのとは、少々成り立ちが異なります。トヨタ自動車は、関連会社のTRDやモデリスタブランドは関連会社の活動として認める一方、社長室直轄事業として、G'sブランドの展開を始めました。改造車として後から対処しづらい部分にも手をいれ、走りに特化した車を製作することを行ったのです。

話は少々それますが、ホンダのタイプRシリーズもそうなる傾向が見えた時期がありましたが、これは再構築するのかどうか分かりません。2000年代初めに、当時の役員が頑なにタイプRの廃止を訴え、「ミニバンのホンダ」を打ち出したそうです。

一方、日産は一関連部署と関連会社オーテックの活動だったチューニング車事業を、nismoとして改めて会社事業として行うことを決定し、nismoシリーズの充実を図っているところです。その中でノートは、3種類のnismo仕様を展開しています。当初は4気筒ガソリンエンジンをチューニングの上で搭載し、M/Tと組み合わせたもの、3気筒スーパーチャージャーエンジンとCVTを組み合わせたもの、そして後から追加されたe-powerグレードのnismo仕様です。

標準e-powerグレード(以下、標準車)とnismo e-powerグレードの違いについて
 まず、外観が異なります。エアロパーツが追加され、さらにドアミラーやサイドシル部のスポイラーに赤のアクセントカラーが施されます。ボデーにはロワーアームバーやトンネルステーの追加、リヤアクスルステーの追加などがなされています。サスペンションにも専用チューニングが実施され、16インチホイールとハイグリップタイヤが組み合わされています。

走行性能の上では、モーターの出力特性が帰られているとのことで、予想ですが、インバータの限流値(電流の上限)を、余裕を削って増しているものと推察されます。

エンジン+発電機+駆動モーター



 エンジンは、標準車と同一のHR12DEe-power専用エンジンのままとのことです。エンジンと出力軸は直結しておらず、発電機を回すことに特化しています。短距離走行では、「アクセルペダル操作や車速とは無関係に、電池残量(SOC)が足りなくなったらエンジンを始動してバッテリーを充電し、SOCが十分になったらエンジンを停止する制御をしていました。

今回の試乗では、低速で走る連続登坂山岳路や高速道路も通りました。標準車試乗時に販売店で受けた説明では、そのような場合にはエンジンが連続運転になり、普通のノートのようになるとのことでした。実際は、以下のようでした。

登坂路
 エンジンはなかなか始動されず、基本的には電池から持ち出す制御にされています。バッテリー残量計で残り2目盛程度になるとエンジンが始動されますが、3気筒の振動が少ない1200回転程度を基本とします。市街地走行ではアクセルペダルとエンジン回転は無関係に制御されておりましたが、登坂路ではアクセルペダルに連動して回転が上昇していくかのような制御がなされていました。エンジンの回転が増しても3気筒の排気音が小さく後方から聞こえて来るのみで、振動は皆無に近いです。エンジンには振動があるのでしょうが、その振動が車軸に伝達されないこと、おそらく発電機の制御により、発電しつつも振動を吸収するよう、電磁石で力をかけているものと推察されます。

加速力は、2500-3000ccの自然吸気エンジン+トルクコンバーターA/Tに相当し、非常に力強く、パワフルに坂を登っていきます。これが高速で連続して登坂する箱根ターンパイクでしたらまた違ったかもしれませんが、対向車とようやくすれ違える程度の狭い登坂路ですと、加速してすぐカーブが来るために、減速が求められます。すなわち加速時間が短いために、この位の余裕を感じるのでしょう。

高速道路
 法定速度で走行しましたが、この速度域ではエンジンはかかっているものの、非常に低い回転で回っているようでした。エンジン音から押して負荷もそれほど大きくないようで、余裕の電動走行をしておりました。事前の「エンジンが連続で運転されて、いかにも出力不足の車に乗っているような」印象は皆無です。この辺りは、エンジン出力が小さい車種のハイブリッドとは全く異なり、余裕ある印象に溢れています。

合流時の余裕も十分で、アクセルペダル操作一つでシフトダウンや回転の上昇を待たずに走行車線の速度に合わせられます。大排気量エンジン車の特権を小型車で得られるのですから、特に運転が苦手な女性には乗りやすいのではないでしょうか。


 アクセルのモード切替は、標準車と同様、ECO、ノーマル、パワーの3種類があります。この車ではアクセルペダルを踏んだ際、すぐに出力が大きくなるような制御をしているために、ECOとノーマルの差が大きく、ノーマルとパワーの差が小さく感じられます。この点は、同社のリーフのシフトスイッチを流用した問題点だと感じます。最近のトヨタハイブリッド車が擬似6速制御などの「シフトレバー」を復活させているのも、この「運転切り替え」を容易くするためと推察されます。もちろん、標準車同様のBレンジもありますので、左手が忙しく感じられます。

標準車の「ワンペダル」はもちろんあります。こちらの使い勝手は、標準車と同一です。なお、9月初めに発表されるリーフは、1ペダルのみでアクセルもブレーキも制御できるとのことです。といって緊急時に作動させられなければならない、メカニカルなブレーキは残さなければなりません。おそらく、電源が切れた場合は、「ペダルを踏むと標準的な液圧ブレーキが作動」、電源がオンになると液圧系が電気的に遮断され、踏むと駆動制御、離すと回生ブレーキや電子制御された油圧ブレーキが作動するものと推察されます。

 標準車が、「アクセルペダルを踏んづけていると徐々にパワーが出てくる」加速制御だったのに対し、nismo仕様は「アクセルペダルを踏むと、すぐに出力が出てくる」制御に変えられています。あたかもソレックスやウェーバータイプのキャブレターが、加速ポンプから濃い目の燃料を供給するような、「ドン」とばかりにエンジン出力が増す印象です。この気持ちよさは格別で、今までのエンジン車が古く感じられるほどでした。

もちろん、アクセルペダルをゆっくり踏めば出力の出方も穏やかになります。この出力制御の点からも、標準車ではなくnismo仕様を選ぶ価値があります。

トランスミッション
 この車には、減速機はありますが変速機はありません。しかし、前述の様に「エンジン回転がSOCによって、車速とは無関係に始動される状態」と、「SOCが低下し、アクセルペダル操作と車速に応じ、あたかもエンジン出力で加速や走行をしているようなモード」があります。

ステアリング
 電動パワーステアリングを採用しています。効き具合は標準車と変わらないようです。ところが、これは借りた車の故障なのか不明ですが、以下の違和感がありました。
「発進時にトルクステアにも似た、片側にステアリングが取られるような印象」
「中央から約15-30度程度転舵した際にステアリングホイールがプルプル震えるような、制御上の迷い」
「轍がひどい道で、ステアリングが直進を維持しようとするのか、プルプルと介助しようとするものの遅れてくるために邪魔になる状態」
同行者も同様の事を言っていました。標準車もエンジン車にもない点ですが、気持ちが良くありませんでした。

ブレーキ
 エンジン車と同様、液圧式の回生ブレーキとは協調しないブレーキです。倍力装置はエンジン車同様の、シンプルな真空式を採用しています。「ワンペダル制御」によって回生ブレーキが強められており、フットブレーキを操作するのはやや急な停止時が中心です。とはいえ、速度が低下した状態ほど効きが良くなるような回生ブレーキ特性ゆえ、他の車に合った走行をするためには、ふっとブレーキを踏む必要もありました。なお、停車中はフットブレーキは踏んでおく必要はありません。

 今回の走行では、いわゆるワインディング路(屈曲路)も走行しました。ペダルを踏むと加速、離すと減速となる状態を駆使し、M/T車で2速や3速を上手に使いながら走っているような印象で、実に気分良く走れました。

サスペンション
 標準車に対して強化されたサスペンションですが、16インチタイヤとの相性が良く、気持ちのよい硬さです。17インチ車ではゴツゴツしていて車体や体が負ける印象だったのとは対照的です。ちょうど初代初期型日産プリメーラのような乗り心地で、日常使えるスポーティーカーとみなせます。

減衰力は、縮み側も伸び側もほどよく、特に伸び側が適度にチューニングされているために、一般市販車や標準車のようなだらし無さがありません。

特に標準車は、浅いコーナーでは低重心効果による安定性が感じられますが、深いコーナーでは印象が変わっていました。コーナー途中で車重の点からか結局ロール角が増し、前輪の対地キャンバー角がポジティブになってしまい、どんどんコーナーの外側に出て行く印象がありました。このロールアンダー特性が顕著に抑制されているために、安心してコーナーリングを行うことができます。舵角を更に増してもまだ車側が曲がろうとするために、コーナー途中で曲率が変わるような場面でも、安定して曲がることが可能です。

エンジンだけでなく、サスペンションの点からもnismo仕様を選ぶ価値があります。

ボデー
 使い勝手等は、標準車やエンジン車と同一です。ボデーは底部を中心に補強されています。しかし、リーマンショック期に設計された車はもともとの作りが不十分であったことが多く、「この補強でようやく最近の車種に追いついた」ともみなせます。

サスペンションのところで書いたように、17インチ仕様と比較すると車体への入力が小さくなっているため、ボデー剛性の余裕は感じられます。ただし、後輪が突起を乗り越えた際に、若干後部がミシリと変形しているような印象がありました。後部の剛性の点で不利なハッチバックですから、多少は仕方がないのでしょう。

とはいえ、スバルのSGPやトヨタのTNGAのような新ボデー構造車が登場してくると、この「ミシリ」の点でがっかりさせられます。

 また、メーターなどの運転士に対するインフォメーション表示がかなり劣っています。基本をエンジン車と同一にしなければならないとはいえ、充放電の流れを示す表示が小さい上に端に寄せられており、色使いもアクセントがなさ過ぎるために、運転中に直感的に感じ取れなくなっています。他社がヘッドアップディスプレイを積極的に活用しつつある中、時代遅れになっている点です。この種の装置は進化が急速で、「3年前は大昔」とでもいえる状況ですが、古さを感じさせる点です。

まとめ
 e-powerグレードを購入するなら、nismo仕様をおすすめします。ボデー補強の点、サスペンションチューニングの点、モーター出力特性の点、いずれの点からも、高い満足を得られます。私を含めて「スタイルがちょっと幼い」と感じる人もいるでしょう。MODEグレードにオプションを加えるとnismo仕様からスポーティーな印象がなくなった状態になりますが、これが私のおすすめです。

これが、nismo Sと比較した場合は、難しくなります。低速からの加速はe-powerの方が優れているでしょうが、優れて乗りやすいことが楽しいとは限らないためです。チューニングされたエンジンを、M/Tを駆使して乗ることも、これもまた楽しみであるためです。

参照して欲しい記事

トヨタ
オーリス(前期型6速M/T車)
プリウス(現行型標準モデル短距離)
プリウス(現行型標準モデル長距離)
プリウスPHV
CH-R(ハイブリッド)
カローラアクシオ(エンジン車)
アクア(現行Ⅰ期型)
ヴィッツ(現行Ⅱ型)
パッソ
スペイド

日産
シルフィ
ノート(前期型nismo S)
ノート(前期型DIG-S)
ノート(e-power)
マーチ(nismo)
マーチ(前期型)
リーフ(現行初期型)

ホンダ
フィット(前期型ハイブリッド短距離)
フィット(前期型ハイブリッド中距離)
フィット(前期型1300cc)
フィット(前期型RS6速M/T)
グレイス(前期型ハイブリッド)

マツダ
デミオ(初期型ディーゼルとガソリン、短距離)
デミオ(初期型ガソリン中距離)
デミオ(初期型ディーゼルエンジンのみ短距離)
アクセラ(後期型1500cc)
CX3(ディーゼルエンジン初期型、短距離)
アクセラ(ハイブリッド前期型短距離)
アクセラ(ハイブリッド前期型中距離)

スバル
インプレッサ(2000cc)

スズキ
ソリオ(ハイブリッド、スイフトハイブリッドとしてお読みください)
スイフト(マイルドハイブリッド)
イグニス

輸入車
VW up(前期型)
VW ゴルフ(前期型)
ベンツGLA
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Posted at 2017/08/16 17:28:30

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この記事へのコメント

2017/08/16 18:45:48
こんにちは。

>エンジンが連続で運転されて、いかにも出力不足の車
恐らくですけど時期要因・ヒーターだと思いますよ。
冬場に試乗した時はオートエアコン
19℃設定だと「静かで良い車」でしたが
25℃設定にすると「なんだこの安っぽい車は!」な印象でした。
コメントへの返答
2017/08/16 22:35:21
こんばんは。

そういえば、エンジン冷却水での暖房でしたね。それなら、暖房使用時は全く異なる走行感覚になりそうですね。今回は、クーラーないしは除湿暖房をしておりました。が、温水は間に合っていたようで、エンジンが回り続けることはありませんでした。
リーフ後期型もプリウスPHVもガスヒートポンプヒーターを用いていますが、温水ヒーターはなるべく使わないようにしないと、もう一段階上の燃費は達成できないでしょうね。
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