• 車種別
  • パーツ
  • 整備手帳
  • ブログ
  • みんカラ+

いなかったとのブログ一覧

2016年12月15日 イイね!

はそれほど危険じゃあ

 それらの言葉があらゆる拘束をときはなったかのように、激しい喜びがつきあげてきて、ガリオンはまっしぐらにドラゴンの背後にかけより、ふいに輝きだした剣で無防備な背中と尻尾をたてつづけに攻撃した。肉の焼けるものすごい悪臭が空き地に充満し、ドラゴンが激痛に金切り声をあげた。苦しまぎれにばかでかい尻尾をふり動かしたが、それは、〈鉄拳〉の剣をふりまわすガリオンをやっつけようという獣の意識的努力に反して、かえってそのすさまじい殴打からガリオンを守ることになった。鋭い刃はやすやすと鱗と肉と骨を切り分け、のたうつ尻尾の先を四フィートほどあざやかに切断した。
 ドラゴンの口から天地をゆるがす悲鳴があがり、炎が巨大な雲のように広がって空を焦がした。剣の与えた傷口から血がほとばしってガリオンの顔にかかり、瞬間的にかれは目が見えなくなった。
「ガリオン!」ポルガラが叫んだ。「気をつけて!」
 熱い血をぬぐおうと、ガリオンは目をこすった。ドラゴンはおどろくほど機敏にうしろをふりかえった。爪が地面をかきむしり、翼が空気をふるわせた。〈珠〉がにわかにカッと燃えあがった。青い炎が新たに剣をかけあがり、刃にこびりついたどろどろの血を焼き払った。鋭くとがった口でガリオンを襲おうとしていたドラゴンは、白く燃える剣を見てたじろいだ。ガリオンが剣をかかげ持つと、ドラゴンはまたひるんで、一歩一歩ぬれた空き地を後退しはじめた。
 ドラゴンは恐れている! どういうわけか、剣の青い炎がドラゴンをおびえさせているのだ! 金切り声をあげ、かまどのような熱い火を吹いて必死に身をかばおうとしながら、ドラゴンはあとずさっていく。傷ついた尻尾から流れ出す血が空き地に点々と飛び散った。あきらかに〈珠〉の火は、ドラゴンにとって耐えられないものなのだ。ふたたび狂おしい興奮にかられたガリオンが剣を高くあげると、猛烈な火柱がその先端から噴き出した。むちのようにしなう炎をドラゴンにつきつけると、翼や肩がしゅうしゅうと焦げる音が聞こえた。これでもかこれでもかといわんばかりに、炎をふりかざすと、ついにドラゴンは苦悩の叫びをあげて向きを変え、爪で地面をひっかき、巨大な翼を死に物狂いではばたかせて、逃げだそうとした。
 ほうほうの体で宙に身を投げ出すようにして、翼で夜をひっかき、ばかでかい体をもちあげようとした。空き地のはずれの樺のこずえにぶつかり、森の上へ上昇しようと狂ったようにはばたいて、ようやくドラゴンは空へ浮かびあがった。暗い宙いっぱいに黒っぽい火を吐き、うしろに血の糸をひいて、耳ざわりな鳴き声をあげながら、彼女は南西へ飛びさっていった。
 呆然たる静寂のなかで、かれらは雨空に消えていく巨大な獣を見上げた。
 真っ青な顔をしたポルガラが木々の下から出てきて、エリオンドに向き合った。
「いったいどういうつもりなの?」彼女はおそろしく静かな声でたずねた。
「なんのことですか、ポルガラ」エリオンドはとまどったように言った。
 彼女ははた目にもわかる努力をして自分を抑えた。「危険という言葉はあなたにはなんの意味もないってわけ?」
「ドラゴンのことですか? でも、彼女は本当りませんでしたよ」
「あいつはおまえをおでこまで火だるまにしたんだぜ、エリオンド」シルクが指摘した。
「ああ、あれ」エリオンドはほほえんだ。「でもあの火は本物じゃなかったんです」かれは残りの面々を見回した。「みんなそのことを知らなかったんですか?」ちょっとびっくりしたようにたずねた。「あれはただのまぼろしだったんです。悪はいつだってそうですよ――まばろしなんです。心配させたのなら悪かったけど、説明してる暇がなかったんです」
 ポルおばさんは落ち着きはらっている若者をしばらくじっと見ていたが、やがて、燃える剣をまだ持ったままのガリオンに視線を転じた。「それで、あんたは――あんたは――」あとは言葉にならなかった。ポルガラはのろのろとふるえる両手に顔を埋めた。「このふたりときたら」彼女は悲痛な声で言った。「このふたりときたら! もう耐えられそうにないわ――このふたりには」
 ダーニクはいかめしい顔でポルガラを見ると、斧を大男のトスに渡した。そして彼女に歩み寄り、肩に腕をまわした。「よしよし」はじめのうち、ポルガラは抵抗しそうに見えたが、やがて突然ダーニクの肩に顔を埋めた。「さあ、行こう、ポル」かれはなだめるように言うと、そっとポルガラに回れ右をさせて、避難所へ連れだって歩きはじめた。「朝になれば、なにもかもずっとよくなるさ」
Posted at 2016/12/15 13:01:42 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日記
2016年11月01日 イイね!

緒に連れていったか


「むりよ」
「試した者はだれもいません。調教はむりでも、ふつうの優悅 避孕馬とかけあわせることはできます」
 ダーニクはふしぎそうな顔をした。「牙や鋭い爪のある馬をきみがほしがる理由はなんなんだい?」
 ヘターは考えこむように炎をじっと見つめた。「フルルガはふつうの馬より速いし、強い。ずっと遠くまでジャンプすることもできるし――」声が小さくなって消えた。
「姿形は馬なのに乗りこなせないのがしゃくにさわるからだろう」ベルガラスがヘターにかわって言った。
「それもあるかもしれません」ヘターは認めた。「しかし、戦いにのぞめばフルルガに乗っていることがはかりしれない利点になるんですよ」
「ヘター」ダーニクが言った。「アルガリアでも避孕 藥 副作用っとも大事なものは家畜だ、そうだろう?」
「ええ」
「牝牛を見れば食べ物と思うような馬を本気で飼育したいのかい?」
 ヘターは額にしわをよせて顎をかいた。「そのことは考えていなかったな」

 馬がいるおかげで、エランドの行動範囲は飛躍的に広がった。若駒は疲れ知らずで、ほとんど一日中でも平気で走ることができた。エランドがまだほんの少年で、はちきれんばかりに元気な動物にとってはたいした重さではなかったので、かれらは草におおわれた南アルガリアのう口服 避孕 藥ねる丘陵を自由気ままにかけあがったり、木が点在する広大な〈アルダー谷〉をかけおりたりした。
 少年は毎朝早起きして、くり毛の若駒が小屋のすぐ外で待っているのを意識しながらそそくさと朝食をたべ、食事がすむやいなや、ふたりでおもてをかけまわった。空からななめにさす金色の朝日をあびて、露にぬれた緑豊かなきらめく草原を走りぬけ、ひんやりとかぐわしい朝の大気をきって前方によこたわる長い丘陵の斜面をかけあがった。ポルガラはかれらふたりがこれほどまでに走りたがるわけを本能的に察しているらしく、皿がからになるなり、ドアと、かれの前によこたわる一日めがけて突進できるようにと、椅子の端に申し訳程度に腰かけてがつがつと食事をするエランドにも、なにひとつ言わなかった。エランドがもう行ってもよいかとたずねるとき、かれを見つめるポルガラの目はやさしく、かれに与えるほほえみは理解にみちていた。
 黄金色の実がたわわに熟した夏も終わりの、あるさわやかにまばゆい朝、小屋のドアからでてきたエランドは首をたれて待っていた友だちをやさしく愛撫するようになでた。馬は喜びにみぶるいして、待ちきれないように二、三歩はねまわった。エランドはうれしそうに笑って馬のたてがみをつかみ、流れるような一回だけの動作でたくましくつややかな馬の背中にとびのった。
 馬は少年がまたがると同時に走りだした。かれらは長い斜面を猛スピードでかけあがり、たちどまって目の前の朝日をあびた草原を見渡した。それから、わらぶき屋根の石の小屋が立つ小さなくぼ地のまわりをまわって、南へむかい、〈谷〉へおりていった。
 その日の遠出はこれまで何度もしてきたような、これといった目的のないいきあたりばったりのものではなかった。数日前から、エランドはふしぎなとらえどころのない意識が〈谷〉から発散して、自分に呼びかけているような気がしてならなかった。そこで、小屋のドアをくぐったとき、執拗に自分を呼ぶそれがなんなのか正確につきとめようと急に決心したのだった。
 静かに草をはむシカや好奇心もあらわなウサギたちのそばを通って、ひっそりとした〈谷〉へおりていきながら、エランドはその意識がしだいに強まっていくのを感じることができた。それは信じがたい忍耐力――というより、こうした内気な、たまの応答を何千年も待つことのできる能力――によって強力に支配された、ふしぎな意識だった。
 ベルガラスの塔の西数リーグの距離にある、高くて丸い丘の頂上まできたとき、風になびく草を一瞬の影がよぎった。エランドは上をちらりと見あげた。雲間から円柱のようにさしこむ日光をうけて、青い縞もようのタカが一羽、翼を静止させたまま旋回している。少年が見守るうちに、タカは体をかたむけて長い優雅な螺旋を描きながらおりてきた。実の熟したトウモロコシの黄金色の房にぶつかりそうになったとき、タカは翼をひろげて、爪のある足をのばし、朝の大気のなかでなんだか微光を放ったように見えた。つかのまの微光が消えたとき、タカの姿はなく、ベルディンがトウモロコシ畑に腰までうまって、片方の眉を興味ありげにつりあげて立っていた。「こんなところでなにをしている?」ベルディンは前置きぬきで言った。
「おはよう、ベルディン」エランドは静かに言って、馬のほうへ身をのりだし、しばらく立ちどまっていてほしいことを知らせた。
「おまえが家からこんなに離れたところまできてるのをポルは知ってるのか?」醜男は、礼儀正しくしようとするエランドの態度を無視して問いつめた。
「たぶん、はっきりとは知らないでしょう」エランドはすなおに言った。「ぼくが馬で遠出しているのは知っていますが、ここまできていることは知らないと思います」
「毎日おまえを見張るより、もっとましな過ごしかたはいくらでもあるんだぜ、おい」怒りっぽい老人はうなるように言った。
「見張る必要はないですよ」
「いや、実際問題としてあるんだ。今月はおれの役なんでな」
 エランドはわけがわからず、ベルディンを見つめた。
「おまえが小屋を出るときはおれたちのひとりがたえずおまえを見張っているのを知らなかったのか?」
「どうしてそんなことをするんですか?」
「おまえだってゼダーを忘れちゃいまい?」
 エランドは悲しそうにためいきをついた。「はい」
「あんなやつに同情なんかするな」ベルディンは言った。「あいつは当然の報いをうけたまでさ」
「あれが当然の報いになる人間なんかいませんよ」
 ベルディンはいびきに似た醜い笑い声をもらした。「あいつをつかまえたのがベルガラスだったとは、あいつもツイてるよ。おれにつかまっていたら、固い岩の中に封じこめられるぐらいじゃすまなかっただろうさ。しかし、こんなことはどうでもいい。ゼダーがなんでおまえを見つけて一、おぼえてるか?」
「〈アルダーの珠〉を盗むためです」
「そのとおり。おれたちが知っているかぎりでは、おまえはベルガリオンを別にすると、〈珠〉にさわっても死なない唯一の人間だ。ほかにもそのことを知ってる連中がいる。だから、おまえは見張られているという考えに慣れておいたほうがいいんだ。おれたちは、おまえが何者かにつかまる可能性のある場所で、おまえをひとりでふらふらさせておくわけにはいかないのさ。さあ、おれの質問に答えるんだ」
「どの質問です?」
「〈谷〉のこんなところでなにをやってる?」
「会う必要のあるなにかがここにあるんです」
「なんなんだ、それは?」
「わかりません。どこかむこうのほうにあるんです。あっちのほうにはなにがありますか?」
「木が一本立ってるだけだ」
「じゃあ、それがそうなんだ。木がぼくに会いたがっているんです」
「会うだと?」
「言葉がへんかもしれません」
Posted at 2016/11/01 12:44:44 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日記
2016年09月13日 イイね!

サーベルを雨にきら


 そこへベルディンが翼で風を切るようにして急降下してきた。「ポルガラ、やらねばならぬ仕事ができたぞ」かれは元の姿に戻りながら言った。「やつらが西から運んできたこの嵐をぶち破らねばならん。おれは双子と相談した。連中は南側から、われわれはこちら側から力を合わせるのだ」
 彼女はいぶかしげな顔でおじを見た。
「やつらの軍隊は嵐の背後からSCOTT 咖啡機開箱近づいている」かれは説明した。「もはや嵐を押し戻すことはできない。すでに勢いがつきすぎてしまったからな。われわれは嵐の最後部を押し破り、そいつをアンガラク軍に吹き戻してやるのさ」
「いったいこの嵐には何人ぐらいのグロリムがかかわっているの」ポルガラがたずねた。
「そんなこと、知るもんかね」かれは肩をすくめてみせた。「だが、やつらもそのために最後の一滴まで力をふるい起こしているのだ。われわれ四人で力を合わせて、いっせいに後ろを攻撃すれば、嵐の猛威だけであとの仕事をやってくれるさ」
「なぜ、そのまま通過させないんです?」ダーニクがたずねた。「われわれの軍隊とて子供じゃありません。たかがスコールぐらいでちりぢりになったりはしませんよ」
「あいにくと、これはたかがスコールではない優思明のだ、鍛冶屋」ベルディンがとげとげしい口調で言った。何か大きな白いものが数フィート先の地面にどさりと落ちる音がした。「こんな雹が四、五個も頭の上に降ってきた日にゃ、戦いのことなどかまっちゃおれなくなるぞ」
「まるでめんどりの卵ほどもある」ダーニクが仰天したような声で言った。
「たぶん、ますます大きくなるだろうよ」ベルディンはポルガラの方に向き直った。「さあ、手を貸してくれ」かれは言った。「おれがベルティラに合図を送ったら、四人でいっせいに攻撃を開始する。用意はいいか」
 さらに何個かの雹が湿った草地の上に落ち、中でも特に大きいものが、驚くべき力で岩に激突して、何千もの細かい氷片となって砕け散った。連合軍のいる方角から、断続的に落ちる雹がミンブ優思明レイト騎士団の鎧や、歩兵軍の慌ただしくかざされた楯に激突する金属的な音が聞こえてきた。
 そして雹とともに激しい豪雨が襲いかかった――風にあおられた水のカーテンが、荒れ狂う波のようにわきたった。もはや目を開くことはおろか、呼吸することさえ困難だった。オルバンはセ?ネドラとエランドを守るために楯をかかげて、前に一歩躍り出た。巨大な雹が肩にあたり、若者は顔をしかめたが、楯は揺るぎもしなかった。
「もう少しで破れそうだぞ、ポル!」ベルディンが叫んだ。「さあ、もう一度やるんだ。連中の嵐を、やつらにお見舞いしてやろうじゃないか」
 ポルガラの顔は精神集中の苦痛のために歪み、ベルディンが四人の力を逆巻く空に向かって放出すると同時に、あやうく前につんのめりかけた。巨大な力が衝突する音は信じがたいほど凄まじかった。突然空はふたつに裂けたかと思うと、蒸気をあげる空気の中で稲妻が弱々しく明滅した。空の高みのあちらこちらで、巨大な白熱光が次々にぶつかりあって、地上に火の玉をいくつも降らせた。兵士たちは次々に真っ黒に焼け焦げ、激しい豪雨のもとでじゅうじゅうと蒸気を上げた。だが犠牲者は西の人間だけではなかった。
 さしもの恐るべき猛威をふるった嵐も、北岸のポルガラとベルディン、南岸の双子たちの結合した力でその背後を切り裂かれると同時に退却した。背後にいたマロリー軍はまともに退却の反動をくらうかたちになった。稲妻のカーテンが、巨大な目に見えないほうきのように、びっしり並んだかれらの列をさっとなぎ払い、地面に累々たる丸焦げ死体をきずきあげた。嵐の前線をすでに川まで押し進めていたグロリムの魔法の効力が破られると同時に、疾風は向きを変えて吹き戻された。風は金切り声をあげ、吠えながら、前進するアンガラク軍に雨と雹をたたきつけた。
 頭上のおぞましい雲の中から、いくつものどす黒い渦巻きの指がぴくぴくと飛び出したかと思うと、すさまじい轟音とともに地面にそのきっ先を下ろし始めた。ほとんど発作的な痙攣とともにひときわ巨大な渦巻く漏斗の先が赤い衣をまとったマロリー軍のまっただなかに落ちた。恐るべきたつまきの切っ先でえぐられた岩くずが、広大な範囲にわたって飛び散った。それは敵軍のまっただなかを二百ヤードにもわたって、狂ったように突っ切っていった。兵士たちも馬たちも皆渦巻く分厚い雲の中で吹き荒れる烈風に、こなごなに引き裂かれた。鎧の一部や赤い衣の断片、そしてさらにうす気味悪いものが、容赦ない破壊の行なわれている両側に列をなす、仰天して怖じけついたマロリー軍の上に雨あられと降り注いだ。
「やったぞ!」ベルディンは小躍りして、グロテスクな歓喜をあらわした。
 突然、荘厳なホルンの音が鳴り響くと同時に、たじろぐマロリー軍に面して、ぴったりと列をなしていたドラスニアの槍兵部隊とトルネドラの部隊がぱっと散開した。鎧から滝のように水をしたたらせたマンドラレンが、ミンブレイト騎士団をひきいて、その背後に姿をあらわした。かれらはいっせいになだれをうって、混乱し意気阻喪したマロリー軍に襲いかかった。両者がぶつかりあう凄まじい、耳をつんざくような音に、ときおり悲鳴が混じった。次々と自軍が突撃隊によって打ち破られていくのをまのあたりにして、おびえきったマロリー軍は列を乱し、雲をかすみと逃げ出した。突じょ、逃亡者の両脇からアルガーの諸氏族が、めかせながら、襲いかかってきた。
 マンドラレンの二度目のホルンの音と同時に、ミンブレイトの突撃隊はぴたりと歩みをとめ、馬の向きを変えて、あとに累々たる死骸を残して走り去った。
 雨足はいまや断続的に弱まり、不規則な通り雨に変わっていた。頭上に走り去る雲のあいだから、青い空の断片が顔をのぞかせ始めた。グロリムの起こした嵐は完全に打ち破られ、ミシュラク?アク?タールの平原に追い払われた。
 セ?ネドラが南岸に目をやると、そこでも嵐は追いやられ、チョ?ハグ王とコロダリン王の命令を受けた兵士たちが、すっかり士気をくじかれたマーゴ軍の正面を襲撃しているのが見えた。王女は急いで川の南側の水路を見やった。最後に残っていたチェレク艦隊への渡し橋は、猛烈な嵐のために壊され、島とのあいだには川面が広がっているばかりだった。市街に残っていた最後の歩兵隊は、北の流れにかけられた橋をいっせいに渡り始めていた。背の高いセンダー人の若者がしんがりをつとめていた。かれは橋を渡り切ると同時に、ただちに川上へ向かった。近づいてくるにつれ、それがガリオンのファルドー農園以来の幼ななじみであるランドリグだということがわかった。若者は人目もはばからずに涙を流していた。
「ダーニクさん」ランドリグは一行に出会うやいなや、すすり泣いた。「ドルーンが死んだ」
「何ですって」レディ?ポルガラは疲れ切った顔をさっとあげた。
Posted at 2016/09/13 17:04:23 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日記
2016年08月12日 イイね!

わたしが今求めて


 次の朝、三人は宮殿を出ると東へ向かう隊商の一行に加わった。ボクトール郊外のドラスニアの原野は住む人もなく荒涼としていた。〈北の隊商道〉はまばらな樹木とわずかな草に覆われた低い起伏の間をうねりくねって続いていた。春のさなかだというのに原野はいまだに冬枯れ一色に包ま針灸治療れていた。まるで春が表面をかすっただけで通りすぎていってしまったようだった。極地から吹きつける風にはまだ冬の気配が残っていた。
 シルクはじっと下を向いたまま馬を走らせていたが、それが悲しみによるものか、はたまた昨晩飲みすぎたエールの後遺症によるものなのかガリオンにははかりかねた。ベルガラスもまたひとことも発しなかったので、三人はドラスニア商人のらばの鈴の音を聞きながらじっと黙りこくっていた。
 昼近くになって、シルクはぶるっと身を震わせてあたりを見まわした。目はまだ血走っていたが、再び機敏な光がやどっていた。「誰か酒を持ってこようなんてことを思いついたやつはいないかね」
「夕べあんなにきこしめしたんじゃなかったかね」ベルガラスが答えた。
「あれは慰みものとしての酒です。いるのは治療用の分ですよ」
「水の方がいいんじゃないのかい」ガリtheradome 香港オンが言った。
「わたしはのどが乾いているんだ。体を洗いたいわけじゃない」
「そら、これをやろう」ベルガラスは二日酔いの男にむかって葡萄酒の革袋をさしだした。
「ただし飲みすぎないようにな」
「信用してくださいよ」と言いながら小男はごくごくと中身を飲んだ。かれは身震いしながら顔をしかめた。「いったいこん腦部發展なものどこで仕入れたんですか。まるで中で古靴を煮たようなひどい味じゃありませんか」
「いやなら飲まなくともいいんだぞ」
「どうやらその方がよさそうだ」シルクはもう一口飲んでから革袋の栓をしめて老人に返した。かれは不機嫌そうにまわりの原野を見渡した。「たいして変わっちゃいないな」小男は言った。
「残念ながらドラスニアにはあんまり人に自慢できるようなものがないんですよ。いつも極端に湿っているか乾いているかのどちらかなんでね」かれは冷たい風にぶるっと身を震わせた。
「われわれと極地のあいだで風をふせぐものといったら、道に迷ったトナカイぐらいでしょうよ」
 ガリオンはしだいに安堵を覚えはじめていた。シルクのしゃれやへらず口はときを追ってますます突拍子もないものになってきた。そして夜、隊商が宿泊のために停止するころにはほとんどいつもどおりのかれに戻っていた。
Posted at 2016/08/12 18:10:45 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日記
2016年07月26日 イイね!

ルフはかれらに言った


「いや、そうとも言えんな。やつらはわしらをとくによく観察していたのだ。わしらの特徴は細部にいたるまでほぼ完壁に報告されてたわけだ」
「その村人に話をしにいくわ」彼女は険しい消化系統顔でそう言うと、不快そうに、何かをほのめかすようなしぐさで指を折った。
「そんなことをしても時間を無駄にするだけだ」ウルフは、思案ありげにひげをこすりながら言った。「やつに白状できることといったら、どこぞのマーゴ人に金をもらったということぐらいだろう。グロリムは雇い人にいちいち事情を説明したりしないからな」
「その男のところに行くべきよ、おとうさん」彼女は先を続けた。「こそこそ尾行されたり、アレンディア中の山賊を買収してあとを追わせるような真似をされたくないわ」
「明日からは大金を使って何かを買うことも乳鐵蛋白できなくなるさ」ウルフは短く笑った。「明日の朝、仲間がそいつを森の中に呼び出し、本人に代わって喉をかき切ることになっている」
「それはよかったわ。そのグロリムが誰なのか知りたい気もするけど」
 ウルフは肩をすくめた。「それを知ったからといってなんになる? 北部アレンディアには何十人というグロリムがいて、そのひとりひとりが可能なかぎりたくさんの面倒を起こしているんだぞ。かれらは何が起こりつつあるか、われわれとおなじくらいよく知っているのだ。われわれが通り過ぎるのを黙ってながめてはいないだろう」
「処刑をやめさせなくていいの?」
「そんな暇はない。アレンド人に事情を説明しようとしたら、それこそいくら時間があってもたりない。もっとスピードをあげ拔罐れば、グロリムの準備ができる前にうまく逃げることができるだろう」
「もしできなかったら?」
「そのときは別の方法を考えるさ。とにかくわしはゼダーがクトル?マーゴスに入りこむまえに、あいつを捕まえなくてはならんのだ。あんまり邪魔が入るようなら、力に訴えるしかないだろう」
「はじめからそうしていればよかったのよ。おとうさんは、時として物事に繊細すぎるんだわ」
「またそれを始めるつもりか? どんな問題にしても、常におまえの答えは同じじゃないか、ポルガラ。おまえはこれからもそうやって、そっとしておけばおのずと落ち着くものにわざわざ結論を出し、変えなくてもいいものを変えていくつもりなんだな」
「そうカッカしないでよ、おとうさん。ここからおりるのを手伝ってちょうだい」
「飛びおりたらどうだ?」
「ばかなこと言わないで」
 ガリオンは苔むした木々のあいだを通って、そっとその場を立ち去った。道すがら、かれの体は激しく震えていた。
 ポルおばさんとミスター?ウルフは空き地に戻ってくると、他の者たちを起こした。
「そろそろ出発したほうがよさそうだ」ウ。「ここはちょっと無防備だからな。街道のほうがまだ安全だろうし、この森林地帯だけは早く通ってしまいたいのでな」
 野営施設を解体するのは一時間とかからなかった。かれらは〈西の大街道〉に向かって杣《そま》道を戻りはじめた。夜が明けるにはまだ数時間早かったが、あたりは月あかりを浴びた霧でほの白く光っていたので、まるで木々のあいだにたちこめた、光る雲のあいだに馬を進めているような感じだった。やがて街道に出ると、かれらはふたたび南に進路をとった。
「日がのぼったら、ここからはくつろいで進みたいところだが」ウルフがもの静かに話しはじめた。「へまをやりたくはないからな。目と耳をしっかり開けておいてくれ」
 かれらは普通の駆け足で馬を進め、朝のおとずれとともに霧が真珠のような灰色に変わるころには、ゆうに三リーグは走破していた。やがて大きなカーブにさしかかると、ヘターは突然腕をあげて止まれの合図を送った。
「どうした?」バラクが聞いた。
「前方に馬がいるんです。こちらに向かっています」
「確かなのか? おれにはなにも聞こえないが」
Posted at 2016/07/26 11:53:03 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日記

プロフィール

「はそれほど危険じゃあ http://cvw.jp/b/2444366/39008509/
何シテル?   12/15 13:01
いなかったとです。よろしくお願いします。
みんカラ新規会員登録

ユーザー内検索

<< 2017/8 >>

  12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  

お友達

愛車一覧

マツダ AZ-ワゴン マツダ AZ-ワゴン
マツダ AZ-ワゴンに乗っています。

過去のブログ

2016年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2015年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月

QRコード

QRコード
このブログを携帯でご覧になれます
ヘルプ利用規約サイトマップ
©2017 Carview Corporation All Rights Reserved.