目的 |
修理・故障・メンテナンス |
作業 |
DIY |
難易度 |
中級 |
作業時間 |
3時間以内 |
1
(続き)
ロックナットを緩めてマイナスドライバーでスクリューを回しロックナットを締めつけて完了なのですが、これがなかなか難しくロックナットを締め終わった段階でせっかく調整したクリアランスが狂ってしまっていることがよくあります。
私は
①シックネスゲージを挿したまま、ドライバーでスクリューを軽く止まるまで締めこみ、ロックナットを手で締める。
②シックネスゲージをそっと抜いて、スクリューが回ってしまわないよう注意しながら(ドライバーで押さえながら)、メガネレンチでロックナットを締める。
③再度シックネスゲージを挿しこみ、クリアランスを確認する。
のようにやって均一化を図りました。
調整しながら固定して測定するのではなく、一定条件で固定し測定し狂っていれば条件を変えてやる、というやり方です。
私の場合はシックネスゲージのリーフを0.15+0.08=0.23mmにして上記のように行い、安定して0.22mmのクリアランスとなりました。
2
シックネスゲージは、なるべく少ない枚数になるよう組み合わせて使用します。今回使用したのは、写真の4枚でした。
なおシックネスゲージは錆びやすいので、使用後は防錆油などを塗っておくとよいでしょう。
3
1番シリンダーの調整が終わったら、次は3番シリンダーです。
1番シリンダーの圧縮上死点を出したときのようにクランクプーリーを回してカムシャフトを90度回します。
カムシャフトはクランクシャフトの1/2回転ですから、クランクプーリーは180度回すことになります。
もちろんいちいち角度を測りながら回すことはできませんので、例の合いマークが90度回った位置にするということです。
これを1-3-4-2の順に行って完成です。
結果ですが、IN側はどれも0.23~0.25mmの間に入っていました。EX側は意外にもすべてのシリンダーで0.27~0.28mmだったので調整はしませんでした。
IN側は念のため調整後に再度1-3-4-2の順にクリアランスを確認しましたが、すべて0.22~0.23mmの間におさまっていました(0.22mmのゲージでややきつめ~ややゆるめ、でも0.23mmのゲージではきつすぎ、という感じです)。
4
ヘッドカバーのパッキンセットにはプラグチューブのオイルシールも付属してきますので、これも交換しておきます。
マイナスドライバーなどでこじって取り外したら、写真のようにソケットなどを当て(30mmがジャストフィットでした)、ヘッドカバーと密着するまで軽く叩いてやります。
すべて交換したらエンジンオイルを薄く塗って取り付け時に破れたり切れたりしないようにしておきます。
5
あとは指定の位置(フロントケース合わせ面とカムホルダー部分。古いガスケットの跡を見ればわかります)に液体ガスケットを塗ってヘッドカバーを取り付ければ完了ですが、その前にパッキンの当り面を清掃しておくこと(エンジンが後傾している関係でEX側にオイルが垂れています)、シリンダーヘッド内部にゴミが入っていないことなどをよく点検しておきましょう。
私は念のためオイルを浸して絞ったウエスで見えるゴミを拭き取りましたが、屋外で作業する以上、どうやっても微小なゴミ(ホコリ)は混入してしまいます。作業後は早めにオイル交換するとよいでしょう。
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使用した工具類です。
他にもパーツクリーナーやウエスなどが必要ですが、特殊なものはシックネスゲージと液体ガスケット、部品はパッキンセット(12030-PNC-000)くらいでしょうか。
インジェクターのOリングはたまたま手元に持っていたため交換しました(もちろん基本は分解時交換ですが、燃料側ではないので再使用できなくもない…かもしれません)。
液体ガスケットはスリーボンドの1216が指定ですが、手元に無かったのでホームセンターで購入したホルツのものです。
数年前にNB8Cのタイミングベルトを交換した際にも使用して問題がなかったので、今回も使用しようとしたら硬化していて使い物にならず、慌てて買いに走る羽目になってしまいました。
さて効果のほどはというと、大きな狂いが無かったこともあり明らかな変化はなく、アイドリングがやや安定したかも?というくらいです。
大きな狂いがなかったことは驚きでしたが、多走行車なら念のためにきっちり調整しておくのも悪くはないでしょう。
ただ、DIYでやるには基本的な工具に加えてシックネスゲージや液体ガスケットなど滅多に使わないものを揃えなければなりませんので、ディーラーにお願いするのがよいかもしれません。
7
(余談①)
せっかくヘッドカバーを外したので隅々まで観察してみましたが、汚れもなく非常に綺麗な状態でした。
オイル交換は5000km毎、エレメントはオイル交換2回に1回という普通のメンテナンスで、これまで使ったオイルは
・純正MILD
・純正GOLD
・無限VT-R
・出光ZEPROツーリング
で、毎回NNL690を100cc添加していますが、どれも特別高価なオイルではありません。
街乗りメインであれば、このクラスのオイルを普通に交換していれば十分でしょう。
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(余談②)
次の日にオイル交換しました。
ここのところ左のZEPROツーリングを使っておりましたが、3Lだけ余っていたのでこれをフラッシング用に使い(15分程度アイドリングで放置)、新たに購入した右のZEPROユーロスペックを入れました。
出光のオイルなんて出光のSSでも行かない限り縁がないと思いますが、元売りだけあって決して悪くはありませんし、出光製の純正オイルもたくさんあります。
どちらもベースオイルはグループIII(VHVI)で、粘度的にもK20Aには適しています。
5W-30のツーリングは街乗りメインなら十分な性能、ILSAC GF-5からわかるように省燃費の点からも優れています(有機モリブデン入り。HTHS粘度は3.05)。
5W-40のユーロスペックはACEA A3/B3/B4規格に準拠しており、ポルシェ・BMW・メルセデス・VWのアプルーバルを取得しています。ACEAはAPIより厳し目でHTHS粘度の規定値もより高く、またオイルシールへの適合性も要求されるそうです。
K20Aに欧州各社メーカーの承認は不要ですが、全体的な性能の底上げに繋がる安心感はあります。
HTHS粘度は3.83と、5W-40での規定値3.5を余裕でクリアしています。
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