前回のつづきです
『前回のつづきからです。BGMをどうぞ』
『呉の戦闘は終了したわ。その結果、工廠施設は破壊されて軍艦は撃破されたわ・・・ さらに機雷を投下され呉は母港としての機能を完全に失ったの』
『帝国海軍の軍艦たちの母なる港である呉。 呉を失った帝国海軍は事実上壊滅してしまったの・・・ 』
『そして、悲劇は呉を失っただけでは終わらなかったわ』
『その暑い夏のある日の朝・・・ 呉の軍艦たちは見てしまったの 』
『1945年8月6日 広島に原子爆弾投下』
『一瞬のうちに大都市が壊滅し、大勢の人々が亡くなった光景を呉の軍艦たちは見せ付けられたのよ』
~戦艦・日向の記憶~
その暑い夏の日の朝、呉中に悲鳴が上がった
私はその方向を見上げる
そこには朝日に照らされてピンク色に染まった茸雲が存在していた
すぐに理解した。あの雲の下で大勢の人々が亡くなった事を・・・
その光景を見た動く事の出来ない私の仲間たちが悲鳴を上げ泣いていたのだ
その時、榛名が目に入った
榛名は茸雲を見つめ泣いていた
そして、震える声で
コンゴウオネエサマ ゴメンナサイ
ヒエイオネエサマ ゴメンナサイ
キリシマ ゴメンナサイ
ミナサンヲマモレナクテ ゴメンナサイ
私は涙で榛名の姿が見えなくなっていた
心が壊れそうだった
耐えられなくなった私は瞼を閉じた
瞼を閉じるとレイテ沖海戦で囮として戦った戦友の顔が浮かんだ
日本を人々を守る為に命を懸け囮役を遂行して私の戦友たちは散っていった
しかし、結果は日本も人々も守れなかった
私は悔しくて悲しくて声を殺して泣いた
その時、姉の伊勢が悲鳴とも言葉とも分からない声で私の名前を呼んだ
私は伊勢に・・・ いや、自分自身に言い聞かせる様に震える声でこう言った
まあ・・・ そうなるな・・・
『8月9日・・・ 長崎にも原爆が投下されて多くの人が亡くなったわ』
『そして・・・ 』
『1945年8月15日・・・ 玉音放送。終戦』
『日本は敗北し、生き残れた軍艦もわずかだった・・・ それぞれ姉や妹を失い、艦型が全滅した姉妹も多かったの。伊勢姉妹の様に姉妹艦揃って生き残れたのは奇跡に近い状況だったわ・・・ 』
『そう、これがかつて無敵を誇った帝国海軍の成れの果ての姿だった・・・』
『ある者は日本で、ある者は南方でそれぞれの戦後を迎える・・・ 』
『一部の艦の戦後を紹介するわ』
『新しいBGMです』
『重巡洋艦・妙高と重巡洋艦・高雄』
『妙高型と高雄型のネームシップ。同じレイテ沖海戦に栗田艦隊に所属し、損傷を受けその後はシンガポールの防衛に回り終戦』
『1946年7月8日 重巡・妙高 マラッカ海峡にて海没処分』
『1946年10月29日 重巡・高雄 マラッカ海峡にて海没処分』
『彼女たちはほぼ同じ地点で処分されたわ』
『同じ船台で建造され。ネームシップ同士。同じ海戦で損傷。妹を全て失い。同じ場所で終戦。同一地点に眠る』
『この二隻の巡洋艦は不思議な縁で結ばれていたわね』
『駆逐艦・響。第六駆逐隊を姉妹艦で編成して戦ったの』
『しかし、姉妹は戦没していき、生き残る事が出来たのは彼女だけだったわ・・・ 』
『姉妹たちの思い出を胸に戦後は賠償艦としてソ連へ・・・ Верный(ヴェールヌイ) として新しい生涯を送る事になったの』
『奇跡の駆逐艦・雪風。 数々の海戦を生き抜き、賠償艦として中華民国へ・・・ 丹陽(タンヤン)としてその後も奇跡の幸運っぷりを発揮するの』
『彼女の名はゆきかぜとして後の自衛隊の護衛艦に引き継がれたの』
『戦後、動ける艦は引き揚げ船として国民を日本に帰国させたの』
『その中には横須賀で長門に助けられた氷川丸の姿もあったわ』
『そして、艦たちはその艦体を復興の為の資材として使われたのよ』
『みんなは戦後の日本の復興に役立ったわ』
『伊勢と日向の姉妹も引き揚げられて解体されて復興に使われたの』
『その名は海上自衛隊の護衛艦 ひゅうが いせ に引き継がれたの』
『前大戦では航空機を載せられなかったけど、今度はヘリコプターを載せて日本の平和の為に頑張ってるわ!』
『榛名も戦後解体されて復興の為の資材となって国民を助けたの』
『榛名は戦艦として最も多くの海戦を生き延び、戦後の復興に役立った事から彼女のことを敬意を込めて武勲艦と呼ぶ事が多いわ』
『こうしてその生涯を終えた榛名は・・・ 』
『榛名、よかったよ~。金剛たちから褒められた?』
『もちろんよ! 榛名は辛い事もあったけど最後まで頑張ったんだもん!』
『・・・ぐす、みんなとまた会えてよかったんだよ』
『武勲艦である彼女ら金剛四姉妹の名は護衛艦に引き継がれました』
『ね~ね~。長門はどうなったの?』
『長門だけは戦いが終わらなかったの。長門は新たな抑止力と対決する事になったのよ・・・ そのお話は今度ね。次回が最終回よ』
『今日はここまでです。動画を用意しましたのでどうぞご覧になって下さい。それでは失礼いたします』
前回のつづきからです
『フィリピンを失った大日本帝国は南方資源地帯との連絡が閉ざされ、慢性的な資源不足に陥っていく・・・ 』
『敵の本土空襲は激しさを増し、都市部を狙った無差別爆撃に移行しようとしていたの。敵は硫黄島、そして沖縄を狙って大部隊を派遣しつつあったの』
『日本本土に迫る連合国軍。このままでは南方方面にいる艦は戦うことも出来ずに遊んでいるだけになってしまう』
『そこで帝国海軍は大型艦に物資を満載して日本本土へ脱出させる北号作戦を発令させたの』
『中核は小沢艦隊の生き残りの航空戦艦・・・ 伊勢と日向。その広大な格納庫に物資を満載、そして参加艦艇は甲板上にも物資を搭載したの』
『そんなことして危なくないの?』
『とても危険よ。敵弾を受ければ物資に引火してただでは済まないわ! そして彼女たちは1945年2月10日・・・ 在伯艦艇に見送られてシンガポールを出港したの』
『敵はこの動きを察知しました。二隻の戦艦がシンガポールを出港した事を・・・ 敵は硫黄島と沖縄方面に部隊を集結しつつありましたからフィリピンは手薄な状態でした』
『もしも、この二隻の戦艦がフィリピンに襲いかかって来たら米軍は太刀打ち出来ません・・・ 米軍は防備を固めます』
『敵の裏をかき日本へ向かう彼女たち・・・ しかし、その航海はとても危険なものだったわ』
『敵の空襲をスコールで回避し、潜水艦の雷撃を対空砲で迎撃したりもしたの・・・ 何度も敵の襲撃をくぐり抜けた艦隊は一隻も欠ける事なく日本に到着したの』
『さすが伊勢に日向ししょーなんだよ!!』
『そうね! 伊勢と日向は幸運艦・・・ いえ、強運艦よ! レイテ沖海戦では取舵と面舵だけで敵の攻撃を回避し、この危険な作戦も完璧に成功させたわ!!』
『しかし、彼女たちが持ち帰った物資は中型貨物船一隻分程度の物量でした・・・ それでも資源が不足していた帝国海軍は狂喜乱舞しました』
『そして敵は硫黄島を陥落させ、帝都東京も大空襲を受け各大都市、地方都市へと空襲は広がっていく・・・ 』
『とうとう敵は沖縄に対して攻撃を開始、上陸を開始したの』
『そして・・・・ 菊水一号作戦が発令される。陸海の航空機の特攻に呼応して大和以下の第二艦隊を沖縄に水上特攻させるという作戦が・・・』
『大和は沖縄特攻後、乗組員を揚陸し陸上戦へ、大和は浅瀬に乗り上げて浮砲台となるという無謀な作戦よ』
『ダメだよそんなの! 大和は秘匿決戦兵器なんだよね?』
『その通りよ! 大和は帝国海軍の最後の切り札・・・ 海軍内部からも反対意見が続出したわ』
『レイテ沖海戦で瑞鶴達が囮となってその身を犠牲にしましたが、それは大和達の戦果が期待出来たからです。この作戦にはほとんど成功の確率はありません・・・ 』
『第二艦隊司令長官の伊藤中将も首を縦には振らない。しかし、ある言葉が出撃を決意させる』
『一億総特攻の魁となって頂きたい』
『第二艦隊は最後の連合艦隊を編成。その陣容は・・・ 』
戦艦・・・ 大和
軽巡洋艦・・・ 矢矧
駆逐艦・・・ 雪風 浜風 磯風 初霜 霞 朝霜 涼月 冬月
『連合艦隊とは名ばかりな艦隊・・・ 大和の次の大型艦は軽巡の矢矧。戦艦どころか重巡洋艦すらいない艦隊よ・・・ 』
『何で他の戦艦さんたちは出撃しないの? 榛名は? 伊勢と日向ししょーは? 帝国海軍の象徴の長門は?』
『他の戦艦を動かす燃料が無いのです。燃料があるなら燃費の悪い戦艦や大型艦に使用するよりも航空機などに使用した方が効果的だからと判断したのでしょう』
『そして、長門は所属の横須賀にいます。長門が出撃したとしても日本近海は敵の潜水艦だらけです。大和達に合流する前に撃沈される可能性も否定出来ない状況です』
『出撃準備に入る大和たち・・・ よく片道切符の燃料で出撃したって言う話があるけど、実際は呉と沖縄を何往復も出来る量の燃料を艦隊は補給したの』
『伊勢や日向からも大和に燃料の補給がされたのよ』
『でも何で片道切符の燃料なんて言われる様になっちゃったんだろ?』
『その方が悲壮感が出るからでしょう。少し考えれば大和が片道の燃料での出撃はありえないのですけど・・・ 』
『戦艦の主砲は電力によって動きます。電力を生み出すのは機関(エンジン)です。機関を動かすには燃料が必要です。いくら主砲が無事でも機関を動かす事が出来なければ主砲は使用不能です』
『それに主砲は水平でないと発射出来ないから簡単に浅瀬に乗り上げる事は考え難いわね・・・ 大和は出来る限り水上で戦うはずよ。要するに燃料は必要って事ね』
『そして・・・ 大和最後の出撃の時がやって来たの』
『今回は特別なBGMを用意しました。ここからは聴きながらお楽しみ下さい』
『1945年4月6日16時・・・ 大和以下、第二艦隊出撃』
『航空機の護衛も他の大型艦も無いたった10隻の連合艦隊が沖縄を目指し徳山湾沖を出撃をしたの』
『そして出撃後、乗組員が甲板上に集められて、初めて今回の作戦が特攻である事が伝えられたの・・・ 乗組員たちは顔が真っ青になったそうよ』
『武蔵の仇を討とう! 士気は上がったそうだけど・・・ 妻や子供もいる人もいれば、まだ十代の人もいたそうよ・・・ そう言わなければ特攻なんて行けなかったのでしょうね・・・ 』
『ただ、伝えられたのが出撃後ではなく前日という説もありますので、ここはハッキリとしないところですね』
『艦隊は豊後水道を通過。しかし、敵潜水艦に発見されて大和たちが出撃した事を知られてしまうの』
『そして翌日・・・ 』
『味方の戦闘機が少数ながら大和たちの護衛をしてくれたの・・・』
『しかし、大和たちは敵偵察機により位置を発見されてしまったの』
『敵空母部隊10隻以上の艦載機が大和を撃沈するため発艦したわ。 その数は300機以上、400機近い大編隊が大和目がけて飛び立っていく』
『爆撃機や雷撃機だけではなく、戦闘機まで爆弾かロケット弾を搭載し大和を確実に沈めようとしていたの』
『お昼頃、大和を護衛していた戦闘機たちが引き上げて行く・・・ それと入れ替わる様に敵の偵察機が大和に貼り付いたわ』
『機関の故障により艦隊から落伍してしまった朝霜は敵機発見の報告を艦隊に通信。その後、通信が途絶えてしまうの』
『そう、朝霜は敵攻撃機により撃沈されてしまったの』
『大和でも対空レーダーが敵の大編隊を捉えたわ。しかし、主砲とは違い光学射撃・・・ 要するに目測による射撃に頼る対空火器は最悪の条件で戦う事になってしまうの』
『高角砲24門、機銃150門という対空火器も雨雲が上空1000mという低い位置にあり、敵機が雲の下に出てこないと射撃が難しい状況だったの』
『すごい対空砲の数! これなら敵機を撃ち落としちゃうんじゃない?』
『確かに大和は二次大戦に登場する戦艦の中でも対空火力は最高峰です。しかし、間違わないで頂きたいのは対空砲火とは敵機を撃墜するのではなく、敵機の攻撃をその砲火によって妨害し、攻撃をさせない、或いは攻撃を外させるものです』
『もし、敵機が20~30機程度ならば砲火が集中して撃ち落とす数も多いでしょうが、襲ってきた敵機は100機を軽く超える大編隊です。弾幕を張って妨害するのも難儀な事です』
『敵機は大和の上空の雲の上で、大和を包囲する様に攻撃態勢を整える・・・ そして・・・』
『1945年4月7日12時32分 米空母攻撃隊の第一波が大和に対し攻撃を開始! ここに戦艦大和最後の戦いである坊ノ岬沖海戦の幕が切って落とされたの!!』
『敵機は銃撃、爆撃、雷撃を同時に大和に対して仕掛ける!』
『戦闘開始早々に雷撃を受けた大和が回避行動をした為に艦隊の輪陣形は脆くも崩ずれさってしまったの』
『その回避行動の為に先頭にいた矢矧は大和から引き離されてしまう』
『さらに雷撃隊が矢矧に襲いかかり、魚雷が命中。矢矧は機関室が全滅してしまい航行不能に追い込まれてしまったの』
『一方、駆逐艦の浜風には爆弾が命中! 浜風は航行不能になってしまうの。さらに魚雷が浜風に命中し、浜風は艦体を分断されて轟沈してしまったの』
『大和は雲の中から突然襲い掛かってくる敵機に大苦戦を強いられる』
『それでも、ところ狭しと搭載された多数の対空火器で応戦し、その優秀な運動性能を活かして敵機の攻撃を避け続けていたの』
『空前絶後の巨大戦艦である大和が、100機以上の敵機からの攻撃をいつまでも避け続けるのは無理だったの・・・ とうとう敵の爆弾が命中してしまう』
『大和に数発の爆弾が命中。レーダーと後部艦橋を破壊され、さらに後部副砲にも命中! 外見は何ともない様に見えたのだけれど、後部副砲は内部を破壊されていたの』
『さらに前部艦橋も攻撃受け被害を出す。中甲板では火災が発生してしまったの』
『そしてついに・・・ 左舷に敵雷撃隊の放った数発の魚雷を被雷してしまったの』
『左に少し傾斜する大和・・・ しかし、ここで注排水システムが作動して大和の傾斜を水平に戻してしまったの』
『敵の第一波の攻撃隊が帰投していく・・・ あの大編隊の猛烈な攻撃を耐え抜いた第二艦隊・・・ 』
『何事も無かったかの様に航行を続ける大和・・・ 大和は不沈艦! これなら沖縄に行けるかも知れない!! 』
『少しの希望が芽生えた瞬間、それは絶望へと変わってゆく・・・ 』
『敵は大和に休ませる時間を与えずに次の第二波、第三波の攻撃隊が次々と大和に襲いかかって来たの!』
『大和を護衛していた涼月に爆弾が命中して1、2番砲塔は大破。火災も発生して大きな被害を出してしまうの。涼月は主砲が高角砲の防空駆逐艦・・・ 同艦型の冬月と大和の直属の親衛隊として戦っていたのだけれど・・・ この被害により大和を守る対空火力は低下していったの』
『駆逐艦の霞は大和の右舷に位置して大和を護衛していたわ。しかし、敵機の爆撃にさらされて直撃弾や至近弾を受けた霞は機関室に浸水を許してしまい航行不能となってしまうの』
『駆逐艦の磯風は矢矧を救う為に横付けしたところを敵機に狙われて機関室が浸水してしまい彼女もまた航行不能になり漂流してしまったの』
『この霞と磯風の二隻の駆逐艦は後に雷撃処分になってしまったわ・・・ 』
『戦艦大和艦上では地獄絵図の様な光景が展開されていたわ』
『敵機の機銃が甲板上の乗組員やシールドのない機銃員達を次々と撃ち倒し、ロケット弾が火の海へと辺りを変化させて焼き殺し、そして何発もの爆弾が大和の対空火器もろとも人々を吹き飛ばしたの・・・ 』
『敵は大和の左舷に攻撃を集中した為に左舷の対空砲群のあった場所は焦土と化して死傷者が続出したの・・・ まさに地獄よ・・・ 』
『敵の攻撃により対空火力を奪われ、さらに火災による煙で敵機の認識が困難になった大和は敵雷撃隊に雷撃のチャンスを与えてしまうの』
『対空火力の低下により雷撃のしやすくなった大和の左舷に魚雷が一本、また一本と命中していく・・・ その度に右舷への海水の注水により水平を保つ大和だったのだけれど・・・ その右舷への注水システムも限界が迫っていたの』
『副舵を損傷した大和は大損害を受けた涼月とあわや激突しそうになる。戦闘能力の残っていなかった涼月は単艦で離脱を開始する事になったの』
『マストも倒され、通信機能を損失した大和は初霜に通信代行を依頼。これ以降、初霜は大和に寄り添う様になるわ』
『卑怯だよ! 何で大和の左側ばかり攻撃するの?』
『意図的に狙った訳ではないという証言もありますが、姉妹艦の武蔵を沈めるのにかなりの時間を費やしたのが原因でしょう』
『武蔵は両側に攻撃を受け続けた為になかなか沈みませんでした。ですから他の戦艦と比較にならないほどの耐久力と防御力をもっている大和型戦艦を撃沈するのには片側集中攻撃が有効と判断したのではないでしょうか・・・ 』
『左舷に魚雷を受け続けた大和は注排水システムの限界に達して傾きを修正出来ずに左に傾いて旋回する様になってしまったの』
『航行不能になり今まで耐えていた矢矧も敵機の猛烈な攻撃により撃沈されてしまう』
『この時点で戦闘可能な駆逐艦は 雪風 初霜 冬月 の三隻のみ・・・ 初霜は通信代行で大和から離れる訳にはいかないので事実上は雪風と冬月のみで大編隊の敵機から大和を守らなければならない!』
『大和と共に沖縄へ・・・ 必至にその小さな艦体を盾にして自分よりも何倍も大きい大和を守ろうとする彼女たち・・・ 』
『しかし、海水を大量に飲み込み速度の低下と左旋回を開始した大和に敵雷撃隊が魚雷を命中させるのは難しい事ではなかったの・・・ 』
『敵の雷撃ポイントにその小さな艦体を滑り込ませて大和を守ろうとする冬月・・・ 』
『でも多勢に無勢・・・ そんな彼女たちを嘲笑うかの様に敵機が大和を襲い何本もの魚雷が大和の左舷に命中していく・・・ 』
『急速に左へと傾いていく大和・・・ 右舷の艦底が露わになる。そして、その現れた右舷艦底を狙って敵雷撃隊が大和右舷後方より雷撃を敢行! これが大和の止めになったの・・・』
『急速に沈み始める大和・・・ 総員最上甲板が発令されたのだけれど取り残された人達も大勢いたそうよ』
『そして・・・ 1945年4月7日14時23分・・・ 』
『横転した大和は大爆発を起こして沈んでいったの・・・ その爆発により大和の破片が脱出した乗組員を襲い多くの犠牲者をだす事になってしまっの・・・ 』
『戦艦として最高の技術で建造され驚異的な力を持って誕生してきた大和・・・ 航空戦力の台頭と艦隊決戦に固執した帝国海軍によってその力を存分に発揮させる事なく暗い海の底へと沈んでいったの・・・ 』
『最後の大爆発は彼女の無念の叫びだったのかも知れないわね・・・ 』
『お姉ちゃん・・・ 大和が沈んじゃったよ・・・ ぐすっ・・・ 』
『大和は悲しい運命を背負った戦艦だったわね・・・ でも、まだ戦場で散って行った分だけ良かったのかも知れないわ』
『残った四隻の戦艦には過酷な運命が待ち受けていたわ・・・ 特に帝国海軍の象徴とまで言われた彼女には・・・ 』
『それって・・・ 』
『残念ですが時間です・・・ お話はまた今度に致しましょう』
『関連動画を用意致しました。BGMを流している方は止めて次の動画を再生して下さい。 この動画の内容が完全に史実と合致しているとはかぎりませんので御了承の上御覧下さい。 それでは失礼致します』
前回のつづきです
『さあ、今度は大和たちの栗田艦隊のお話よ! 分からなくなったら見直してね』
『うお~~! 大艦巨砲主義だね!!』
『それではBGMです。ループ再生でお楽しみ下さい』
『悪夢の様な昨日の空襲をくぐり抜けた栗田艦隊・・・ 』
『戦艦武蔵は沈んでしまったものの、彼女が被害担当艦になった事により最低限の被害でレイテ湾に進撃していたわ』
『そして1944年10月25日早朝、電波探信儀(レーダー)が敵機を探知、さらに敵空母と思われるマストを確認。そう、大和の46㎝砲が敵艦に初めて発砲したサマール沖海戦の幕が切って落とされたの!』
『敵は六隻からなる空母部隊。敵艦に照準を定める大和・・・ そして、ついに史上最大最強の46㎝砲が火を噴いたの!!』
『それと同時に長門も世界を震撼させた41㎝砲を敵艦に撃ちこんだの!!』
『大和の砲撃は命中弾こそ無かったものの、至近弾により敵空母の機関室を破壊したの』
『命中してないのに!? でも、砲撃って命中しないんだね・・・ 』
『それだけ大和の46㎝砲の威力が桁外れだったという事でしょう』
『戦艦の砲撃ですが、命中率は1~2%位でしょうか・・・ スリガオ海峡で米艦隊が山城にレーダー射撃を行いましたが命中率は1%に届いてないと言われています』
『命中の危機が迫った敵空母は煙幕を展開、これを大和たちは敵を撃破したと思い込み目標を別の空母に移すの』
『巡洋艦部隊に突撃命令が発令され、高速の金剛と榛名もこれに追従したの』
『開戦以来、幾多の戦場で姉の金剛の背中を追いかけて来た榛名・・・ でも、彼女は先のマリアナ沖海戦で損傷して26ノット以上の速度を出す事が出来ない身体になっていたの・・・ そう、もう榛名に金剛の背中を追いかける力はなかったの・・・』
『金剛は敵空母を単独で追いかけ、榛名は大和たちに追従するかたちになったの』
『敵の駆逐艦が煙幕を展開し、東にあったスコールに逃げ込む敵空母群・・・ 敵空母群は必至に航空機を発艦させて、まだ射程外の巡洋艦部隊を攻撃する』
『大和や長門は攻撃を中断し、敵がスコールから出て来たところを狙い砲撃を再開するのだけれど・・・ 敵の駆逐艦が空母を護る為に突撃を敢行、駆逐艦一隻を撃沈するのだけれど、大和と長門は敵駆逐艦が発射した魚雷に挟まれてこれを回避する為に敵空母と反対方向に方向転換する事になり、敵空母から離されてしまったの』
『この戦いで大活躍したのが金剛よ!』
『敵機により測距儀を損傷したのだけどこれを修理し、敵空母に突撃したの』
『測距儀ってなあに?』
『測距儀とは軍艦などに装備された相手との距離を測る装置の事です。これは画像の方が理解し易いでしょう』
『ありがとーメイドちょー♪』
『空母に接近した金剛は巡洋艦部隊と敵空母を撃沈! さらに他の空母を追撃していたところに出会った敵駆逐艦をこれまた撃沈! ただ、駆逐艦との戦闘によって敵空母からは離されてしまうのだけれど・・・』
『そして、艦隊は敵空母追撃を終了。再度レイテ湾を目指し進撃を開始したの』
『この戦闘により、空母一隻、駆逐艦三隻撃沈。他の空母にも損害を与えたのだけれど・・・ 栗田艦隊も巡洋艦部隊に損害が出てしまったの。鳥海は撃沈されてしまったし、金剛も追撃中止後に猛烈な空襲を受けたの』
『しかも戦った相手は正規空母ではなく、上陸部隊を支援していた護衛空母群だったの・・・ だって、敵空母機動部隊は瑞鶴たちが囮になって引き付けているのだもの』
『そして・・・ 艦隊はレイテ湾直前というところで反転してしまったの』
『ああっ! 分かった~! 今まで対空陣形だったから突撃用とか艦隊戦用の陣形にする為に反転したんだよ! 決戦は目の前だもん!』
『今まで黙っていてごめんなさい・・・・ 栗田艦隊はレイテ湾には突入しなかったの・・・ 北方の敵空母艦隊を攻撃すると言ってウロウロした挙句に敵空母は発見出来ずにブルネイに退却。瑞鶴たちを沈めた敵空母機動部隊の猛追を受ける事になってしまったの』
『嘘だよ・・・ それじゃあ、被害担当艦になった武蔵は!? 突撃を敢行した扶桑たちは!? 命掛けで囮になった瑞鶴たちはどうなるの!? 陸軍の人達も大和たちの事待っているんだよね!? 大和たちは最強の攻撃隊なんだよね!?』
『みんなが命掛けで切り開いてくれたレイテ湾突入のチャンスは無駄になってしまったのよ・・・ 』
『お姉ちゃんだって大和たちに突入して貰いたかった・・・ 大和たちも無事じゃないかも知れないけど、突入して貰いたかったのよ~~! うわぁぁぁぁ~ん!!』
『うわぁぁぁぁぁ~~ん! お姉ちゃ~~~ん!!』
『申し訳ありません。お二人が感情的になっておられる御様子ですので、暫く御待ち下さい』
~しばらくお待ち下さい~
『落ち着かれましたか?』
『ええ・・・ 』
『うん・・・ ぐすっ・・・』
『それで・・・ その後はどうなったの?』
『フィリピンを奪取された帝国海軍は艦隊の組織的運用が出来なくなって連合艦隊は事実上、壊滅してしまったの』
『そして各艦の分散配置が決定されたの』
前回のつづきです
『それでは前回のつづきよ・・・ 』
『BGMです。ループ再生がオススメです』
『前日の囮として失敗した小沢艦隊・・・ その影響で栗田艦隊の中核である武蔵は沈没し、西村艦隊も全滅に追いやってしまう・・・』
『今日こそは失敗は許されない! 正規空母・・・瑞鶴 軽空母・・・瑞鳳、千歳、千代田・・・ 空母機動部隊と呼ぶにはあまりにも貧弱な彼女たち・・・ それでも彼女たちはその身を犠牲にしてこの囮作戦に挑んだの』
『そしてこの艦隊には新たな力を手に入れた2隻の姉妹戦艦も参加していたの』
『それってもしかして!!』
『航空戦艦・伊勢。姉妹艦、日向』
『5、6番砲塔を撤去し、そこに飛行甲板を設置した航空戦艦よ!』
『軽空母に匹敵する航空機搭載能力と戦艦の火力と防御力を合わせ持った世界で唯一の艦種ね!』
『やっぱり~~! 伊勢と日向ししょーだぁ~♪ 』
『航空攻撃と艦砲で敵をやっつけちゃうね!!』
『残念ですが・・・ 伊勢と日向は航空機を搭載していませんでした』
『ええっ!! なんで!?』
『日本の航空戦力はズタズタにされて伊勢たちに載せる航空隊は無かったのよ・・・ その飛行甲板には多くの対空火器が搭載されたの』
『しかし、その対空火器によって伊勢たちは助かる結果になるのです』
『そして艦隊は・・・ 練度の高い直掩の戦闘機以外の全ての航空機を陸上の飛行基地に退避させたの』
『そんな事したら攻撃できなくなっちゃうよ!』
『昨日の時点で攻撃に出撃した機体は空母に帰って来ていないのよ・・・ 本来なら昨日で、瑞鶴たちは敵攻撃機により沈められていたはずだったの。もしも、攻撃隊が帰ってきても着艦出来る空母はもう無いのよ!』
『それって・・・ 武蔵と同じ・・・ 』
『空母機動部隊をマリアナ沖海戦で事実上失った帝国海軍には、瑞鶴たちの命を犠牲にして大和たちをレイテ湾に突入させるしか方法が無かったのです!』
『小沢長官の指揮する 瑞鶴、瑞鳳、伊勢 を中核とする部隊と、松田少将が指揮する 千歳、千代田、日向 を中核とする二つの部隊に別れて敵の来襲に備える』
『1944年10月25日 08時15分頃・・・ 』
『敵の大編隊が来襲してきたの。瑞鶴たちの命を懸けた囮作戦・・・ 』
『エンガノ岬沖海戦が勃発したの!』
『この第一波の攻撃により瑞鶴と瑞鳳が被雷、特に瑞鶴は速度低下や電源が遮断されるなど重大な被害を受けてしまうの』
『そして、この攻撃で損害を受けた千歳は空母の中で最初の犠牲艦となって沈没してしまったの』
『空母瑞鶴では傾きかけている艦内で懸命の修復作業が行われる。そして、敵の第二波が来襲する』
『開戦からマリアナ沖海戦まで、一度の被弾も許した事のない幸運艦の瑞鶴・・・ その運の強さが味方したのか、至近弾はあったものの全ての攻撃を避ける事に成功する』
『しかし、別部隊の千代田は被弾し、大火災が発生して艦隊から落伍して戦闘不能になってしまったの』
『瑞鶴は幸運艦だもん! 絶対沈まないもん!』
『今回ばかりは瑞鶴の運の良さだけでは通用しない戦いです。そして瑞鶴には姉の翔鶴がいません』
『正規空母・翔鶴・・・ 妹の瑞鶴とは対照的に数々の戦いで被弾する不運艦。瑞鶴が被弾しなかったのも姉である翔鶴が身代わりでいつも被弾していたから・・・ 』
『その翔鶴はもういない・・・ マリアナ沖海戦で沈んでしまったから・・・ 』
『艦隊の上空では燃料切れの直掩の戦闘機たちが傷ついた空母に着艦する事も出来ずに次々と水上に不時着していく・・・ そして・・・ 敵の第三波がやって来る!』
『敵は空母を無くした日向たちの部隊を無視して瑞鶴と瑞鳳を狙い攻撃態勢に入る! 特に瑞鶴は真珠湾攻撃に参加した空母の最後の生き残りであり、瑞鶴を撃沈する事によって真珠湾の仇討になる!』
『瑞鶴たちは1分1秒でも敵を引きつけなければならない! 大和たちをレイテ湾に突入させる為に・・・ 』
『攻撃は二隻の空母に集中する! 必至に抵抗する瑞鶴と瑞鳳』
『速度の低下した瑞鶴に敵の攻撃を避ける術は無かったの』
『対空火器は爆撃によって粉砕され、艦の傾斜によって射撃出来なくなりやがて沈黙してしまったの』
『数々武功を立てた幸運艦の瑞鶴・・・ 彼女の最後の瞬間が迫っていたの』
『魚雷や爆弾が次々に命中し火災が発生、艦の傾斜も増して退艦命令が下される』
『そして・・・ この写真が撮られた後、瑞鶴は海の底へと沈んでいったのよ・・・』
『軽空母・祥鳳・・・ 瑞鳳の姉で珊瑚海海戦で史上初めての空母同士による航空決戦を行い、帝国海軍初の空母の損失艦となった軽空母』
『あれから2年以上、瑞鳳は一人でこの大戦を生き抜いてきたの。他の空母たちの姉妹たちを眺めながら・・・』
『艦隊で最後に残った瑞鳳が敵機に沈められる事で、姉の祥鳳から始まった空母同士の決戦も終止符がうたれようとしていたの』
『敵機の集中攻撃を受けた瑞鳳は中央部分で分断されて姉の眠る海の底へと消えていったの・・・ 』
『でも、まだ沈んでいない空母が一隻あったの。そう、艦隊から落伍して漂流する千代田が・・・ 』
『漂流していた千代田に敵偵察機が接近する。偵察機は千代田は既に放棄されていると思っていたのだけれど千代田は偵察機に向け発砲したの』
『そう、千代田は敵をおびき寄せる為に発砲したの・・・ 最後まで囮に徹する為に・・・ 』
『そしてやって来た敵巡洋艦部隊の砲撃により動けない千代田は次々に砲弾を浴びて海底へと消えていったの・・・ 』
『お姉ちゃん・・・ 空母さんたち、みんな沈んじゃったよ・・・ ぐす・・・ 』
『でもね、彼女たちがその身を犠牲にする事によって最強の攻撃隊を敵の喉元へと送り出す事に成功したの』
『かつて世界最強の航空戦隊を誇った彼女たちですら足元にも及ばない。 戦艦大和を中心とする最強の攻撃隊・・・ 栗田艦隊をね』
『しかし、小沢艦隊への敵航空機による攻撃が終わった訳ではありません』
『そう・・・ 敵機は空母を沈めると今度は大型艦である伊勢と日向に集中攻撃を仕掛けてきたの』
『伊勢と日向の二隻は敵の艦爆が降下態勢に入ると同時に急転舵して敵の爆撃を回避してみせたの!』
『敵からして見れば、いきなり目標が無くなる訳で、降下態勢に入ると爆弾を捨てないかぎり上昇する事は不可能! 敵機は爆弾を海に投下するしかなかったの!!』
『敵機に次々と爆弾を捨てさせ、飛行甲板に搭載された対空火器が火を噴いたの!』
『巧みな操艦と増強された対空火器・・・ 』
『二隻の航空戦艦は撃沈されるどころか敵機に損害を与えて撤退させる事に成功したの!!』
『二隻の活躍により小沢艦隊の残存艦は生き残る事が出来たのよ!』
『さすがなんだよ! 伊勢も日向ししょーもスゴイんだよ!!』
『伊勢も日向も航空機は搭載出来ませんでしたが、その事が艦隊を救う結果となったのです』
『こうして小沢艦隊の囮作戦は空母たちの犠牲によって成功したの』
『次は大和たちだよね! 燃えてきた~~!!』
『あら? 時間のようです。 続きは今度ですね』
次回につづく
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