6月16日(日)夜のテレビ東京系列「SUPER GT+」(23:30~24:00)は話題の車をまとめてインプレッションだった。
普段はスーパーGTのレース中継(録画)だけど。
今となっては、もうえらく昔の記事になるが、下書き保存してたので、アップしておこう。
今回はフォルクスワーゲンの最新(7代目)ゴルフとメルセデス・ベンツのAクラス(A250)の徹底比較!
はたして、どちらがコンパクトカーの世界基準なのか。
私は最新の車にはあまり関心が無く、愛車EKシビックを大事にしてるけど、ゴルフだけは別格。
特にゴルフGTI はまさに羨望のクルマだ。
この時点では、まだ7代目ゴルフのGTIは日本には入ってなかったので、インプレはまたの機会に期待する。
実際にインプレを行うのはスーパーGT300クラスのプロレーサー。
S Road NDDP GT-Rの星野一樹と、
ENDLESS TAISAN PORSCHEの前年度(2012)シリーズチャンピオン横溝直輝。
前年のスーパーGT 300クラスで、最終戦までチャンピオンを争ったライバルの二人が、
コンパクトカーのライバル、ゴルフとAクラスをインプレッションする。
進行役(MC?)はレギュラーの中尾明慶。
7代目のゴルフは、一目でゴルフとわかる、おとなしめで、斬新ではないけど、その時代に合っていて、いつだって近代的に見えるデザイン。
清楚で、とてもハンサム。好きな顔付きだ。
一方、フルモデルチャンジしたAクラスは、先代のファミリーカー的なデザインから一新、凄く斬新で、より近代的なスタイル。
コンパクトカークラスの王様ゴルフに対し、ベンツが殴り込んできた感じ。
私の印象も、Aクラスは顔付きもアグレッシブというか、ちょっといかついけど、ともかくカッコいい。
リアビューもAクラス(左)はテールパイプが左右2本出しでカッコよく、いかにも走りそうなイメージ。
対するゴルフ(右)はこちらもおとなしめ。
まずはラゲッジルーム(荷室)の広さの比較から。
ともかく車高はゴルフのほうが4cmも高く、開口部も大きいのだ。
星野がゴルフバッグを持ち出し、ゴルフに積み込もうとするが、何やら先に大きなパイナップルみたいな飾り?が付いてる事もあり、
ゴルフでも横向けには入らない。
(スポーツの)ゴルフは全く知らないので、普通のゴルフバッグがこんなに高さ(長さ)があるものなのか不明。
それで、ゴルフの後部座席の片方を倒して縦に積み込む。
対するAクラスは、左右のテールランプが張り出し、明らかに開口部が小さい。
リアのトレッドがAクラスの方が2.5cm長いにもかかわらず、ラゲッジルームはゴルフの方が広いのだ。
つまり、ゴルフは開口部が広くて、低くく作られていて、荷物の積み下ろしが楽で実用的。
対するAクラスはカッコよさを優先といったところ。
ここでようやく、両車のスペックと価格を紹介。
2013年1月に発売された3代目のメルセデス・ベンツAクラス A250 SPORT
エンジン:直列4気筒DOHCターボチャージャー
総排気量:1,991cc
最大出力:155ps/5,500rpm
最大トルク:350Nm/5,500rpm
価格(税込):4,200,000円
2013年6月発売のフォルクスワーゲンの7代目ゴルフ TSI Highline
エンジン:直列4気筒DOHCインタークーラー付きターボ
総排気量:1,394cc
最大出力:140ps/6000rpm
最大トルク:250Nm/3,500rpm
価格(税込):2,990,000円
2台とも、この時点でのラインナップ中の最上級モデルである。
しかし、なんと両車の価格差が100万円を超えるし、排気量だって、2L対1.4Lではないか。
これじゃあ、Aクラスがよくて当たり前? さて、この先のインプレはいかに。
税込み価格は消費税5%の計算だ。
また、この時点で、ゴルフのほうは、国内向けのインダッシュのカーナビが間に合わず、オンダッシュの後付けナビを装着してる。
ただ、そのインダッシュ・ナビも、エアコンの吹き出し口の下側で、位置が低い。
私に言わせれば、ゴルフで唯一、気に入らない点だ。
次はリアスペースの比較。
横溝がドイラビングポジションを合わせ、中尾がリアシートに座ると、
ゴルフは膝に拳が2個。
ゴルフは頭上も拳が縦に2個の余裕。
対するAクラスは膝に拳が1個。
Aクラスは頭上も拳が1個。
Aクラスはフロントがバケットシート風な事もあって、リアは圧迫感もあり、見るからに狭そう。
なんとAクラスはゴルフよりもホィールベースが6.5cmも長いのに、リアスペースはゴルフのほうがゆとりがあるのだ。
広々としたゴルフの車内空間。
ここまで、見た目と広さの比較では、高級感のあるAクラスと、より実用性を考えたゴルフという感じ。
あとは走りでチェックしたい。
星野と横溝がそれぞれ、ゴルフとAクラスを交互に乗ってインプレ。
ところが、ゴルフとAクラスの走りに驚きの結果が。
まず、ゴルフに乗った星野は
「ハンドリング最高だな」
「FFに感じないくらいコーナリング凄い」
Aクラスに乗った横溝は
「結構 剛性感は良い」と評価するが。
ゴルフに乗り換えた横溝は
「これはコンパクトカーの動きじゃないな」
Aクラスに乗った星野は
「若干ハンドルの軽さが気になるな。ちょっと軽すぎる感じが」
2台の乗り比べた印象を星野は、
「パッと乗って、Aクラスは運転する前に感じてた高級感はやっぱり感じるんだけど、重さを感じる全体的に」
「軽快さはゴルフの方があって、走りに特化してる感じ」
横溝は
「ゴルフはハンドルを握るとコンパクトカーじゃない気がしちゃう」
また星野は
「サスペンションとかトータル的に考えて、走りは断然こっちゴルフ」
横溝は
「でもベンツはインテリアとかカッコいいし、ステアリングを握るとドライバーをやる気にする感じがするね」とフォロー。
この後、中尾が助手席に座って、さらに詳しく。
星野はゴルフを
「レーシングカーじゃないんだけど、凄いグリップする感じが伝わってくる」
「走りに特化すると硬くなってゴツゴツしちゃうんだけど、そういう部分が無いくせに凄いコーナリングが軽い」
「何か凄いって、このクルマ、FFなのに、一瞬言われないと思い出せないくらいの感じ。基本的に前がかいてる(駆動してる)と曲がらないイメージとか、コーナリングがちょっと良くないイメージがでちゃうんだけど、これに関してはサスペンションのゴルフがずっと培ってきた技術がどんどん良くなっているんだろうし、それが凄い乗ってすぐわかります」
さらに星野はAクラスとの比較で、
「(Aクラスは)結構しっかりして硬いんですけど、スピード出してコーナリングしていくと、ふわふわする。ロールが多いっていうか。そういうところの安心感が路面の細かいアンジュレーションとか、圧倒的にそういう部分も含めて、こっち(ゴルフ)の方が常に吸い付いてる感じがある」
Aクラスに乗る横溝は
「ボディの剛性感を感じるんだけど、足回りは一般道向きになってる。街中で走っていても違和感なく主婦の方とかも走れる仕様になってる感じ」
「ゴルフと比べると、正直言って、コーナリングのグリップ感に関しては、ゴルフの方がいい感じがする」
「でも(Aクラスは)乗ってても凄く楽だし、全然疲れない」
さらに「ベンツの方がステアリングを握って、ドライビングポジションに座った時に、運転手をワクワクさせるというか、乗る気にさせてくれるっていう点ではベンツの方がそういう心をくすぐらせてくれる。
ちょっとしたコンビニとか買物に行く時に便利なんだけど、そういう時でもクルマを運転する楽しさを味あわせてくれるような気がします」
二人の結論は、
星野は「個人的にはゴルフだね。乗れば乗るほどこの凄さがわかってくる」
横溝は「イメージ的には僕はベンツ」
星野は「いつも見た目重視なんだよ」とつっこむ。
横溝は「バレました。ホント見た目がカッコいい」
確かにゴルフは街中でも多い。普通に見られるクルマである。
対するAクラスは斬新なデザインでカッコよく、人目を引くだろう。
クルマに詳しくない人でも、ベンツ=高級車のイメージが強く、言ってみれば「見栄を張れる」
ステータスとしてのクルマの役割を考えた時、これも重要な要素と言えるだろう。
番組の結論は、
「コンパクトカーの王者ゴルフの完成度はやはり高かった!」
テレビCMでは、Aクラスは走りを強調し、ゴルフはファミリーカー的な印象を持たれるが、意外にもゴルフのほうが走りは凄いんだ。
しかし、ゴルフはさらに上のGTIがあり、特に日本での人気は高く(販売比率が高く)、その圧倒的な動力性能など走りに特化しながら、乗心地も犠牲にしないというのだから、7代目のGTIが楽しみだ。