NHKBSプレミアム「アポロ13号の奇跡」を顧みて、
1970年4月11日13時13分、NASAの科学時代に13のジンクスはないとの奢りを背負って、アポロ13号はケネディ宇宙センターから月に向かって発射された。4月13日地球から32万キロの地点(地球と月の距離38万キロ)、「Houston,we've had a problem」、支援船のメインエンジンの酸素タンクが攪拌しようとした際、突如爆発、月着陸どころか地球に帰還すらできない危機的状況に陥った。NASAの奢り高ぶりが神の怒りに触れたのか、この絶対絶命の危機に対し、テキサス州ヒューストン ジョンソン管制センターの頭脳明晰、沈着冷静なフライトディレクター グリンラニーは任務に着く直前、如何にして3名の宇宙飛行士を無事地球に帰還させるかに集中した。
月に接近し、メインエンジンを失った宇宙船を地球帰還させるため、月の引力を利用したスイングバイ航法を決断した。その軌道計算は当時NASAの唯一の女性スタッフであったシステムエンジニアのテキサス大出身の数学の天才ポピーノースカット(当時はバービー人形のようで可愛い)が現在のスマートホンのCpuよりはるかに性能の低い電算機を駆使して見事に計算した。
スイングバイ航法で地球に帰還させる際、その軌道に載せるためには、月着陸船アクエリアスのエンジンを何度か噴射させる必要があった。アクエリアスのエンジンは月面着陸の際の逆噴射用で耐熱性を含め地球帰還用に設計されてない。カリフォルニアで事故を知ったアクエリアスのエンジンを開発したエンジニア ジェラルドエルヴェラムは右腕のエンジニアをヒューストンに送り出すと共に、NASAから調査依頼を受ける前から、エンジン開発時の耐用性に関する実験データを隈無く調べ「エンジンは4分間耐えられる」とNASAに伝えた。その現場技術者魂に感服。
また、アポロ13号の発射2日前に風疹の疑いで乗船できなかった不運の宇宙飛行士マッティングリーは、二人用に設計されていたアクエリアス船内のCO2濃度上昇危機に対し、自らの訓練で培った経験を生かし、空気清浄機問題を解決、想定訓練の重要性を改めて示した。マッティングリーは後にアポロ16号で月面着陸を果たす。
NASAのスタッフのみならず、数千人(延人数2万人とも)の陰で支えてきたエンジニアの必死の思いと行動で奇跡の「成功した失敗」を成し遂げた。
非常に勉強になるドキュメンタリーでした❗ 脚色されているとはいえ、再度、トムハンクス主演のアポロ13号を見ようと思います。
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Posted at
2016/11/12 23:49:49