※注意・・・今回は少し長めなので手元におつまみと飲物を準備してゆるい感じでご閲覧ください (^_^;)
という事で前回までで頑張って増設するための配線はゲットできた。
これでようやく配線作業に移れます。
さて、どの配線をどこに繋げは良いのか…
これを調べるのはトヨタさんの資料を物色するほかありません。
という事でシステム電気回路図。
スピードコントロールコンピュータを中心に考えてみる。
オートドライブコンピュータの左側に記されている端子はどこに繋ぐのが明確になっているので問題無さそう。
端子番号上から…
【18】・【3】・【10】端子はオートドライブメーンスイッチに…
【13】端子はボデーアースへ…
【16】端子はストップランプスイッチの電源(常時電源)へ…
【15】・【2】端子はストップランプスイッチへ…
【4】・【14】端子はスピードコントロールアクチュエータへ…
【7】端子は車速信号系へ…
それではスピードコントロールコンピュータの下に記されている端子はどうなるのか?
【1】・【9】端子共に「M-TEU車のみ」と記されています。
60系から70系にフルモデルチェンジした当時はまだ1G-GTEU搭載のGTツインターボはまだラインナップされてなかったので「M-TEU車」のみの表記となってますが…
こちらの2つの端子はターボ車用のバキュームポンプの制御用みたいです。
ところでターボ車だけなぜバキュームポンプが必要なのかというと…
通常スピードコントロールアクチュエータはエンジン回転中に生じる負圧(インマニ負圧)を動力源にしています。
しかしこのインマニ負圧がターボ車の場合ターボで空気が加給されると負圧でなくて正圧になってしまいアクチュエータを作動できなくなりますよね。
そのためターボ車ではアクチュエータを動かすための負圧を作るためにバキュームポンプが必要になってくる訳です。
無論 ターボ無しの私の車には必要ない端子です。
問題はコンピュータ右側に記されている端子。
単純明快なところから言うとスピードコントロールスイッチにつながる【5】と【17】の端子。制御信号系の配線。
その上の【12】端子はパーキングブレーキスイッチにつながるキャンセル信号系の端子みたい。
サイドブレーキが引かれた場合にオートドライブの制御を中止させるために必要。
残る端子は2つ。
【11】と【6】端子。
【11】端子の回路をたどるとニュートラルスタートスイッチの回路と繋がっている。
ニュートラルスタートスイッチとはA/T車でギヤがどこの位置にあるのかを検出するための接点です。
なぜギヤ位置を検出する回路に結線する必要があるのかというと…
走行状態(シフト位置:Dレンジ)からNレンジにシフトされた時にオートドライブの制御を中止させるためです。
では実際の車ではどこに繋げば良いものか?
配線図を見てみる。
配線図上でたどるとイグニッションスイッチまで行ってるようです。
たしかに回路図でもイグニッションスイッチに繋がってる…
だったら単純にステアリングコラムのイグニッションスイッチの配線から分岐させてやればなんて考えてしまうのですがそう上手くはいきません。。。
以前デジタルメーターを取付するときにスターター信号線をイグニッションスイッチから分岐させて結線しようとしましたが配線が太すぎて断念しました。
ほかにニュートラルスタートスイッチ信号を手軽に取れるところとはないものか・・・?
今一度GX71系とマークⅡワゴンの配線図を比較してみる。
こちらGX71系。
ニュートラルスタートスイッチ回路の端子の略称が「ST1」。
こちらマークⅡワゴン。
ニュートラルスタートスイッチ回路の端子の略称が「ST2」。
端子略称名が「ST1」と「ST2」で異なりますが回路を見た感じ全く同じ役割のようです。
ところで「ST2」どこかで見覚えのある端子略称。
ST2って確かデジタルメーター取付の時にも出てきた気がする。
乏しい私の記憶を頼りに配線図を漁るとありました‼︎
「エンジンコントロール」の項に「ST2」
たどっていくと…
エンジンコンピュータにたどり着きます。
デジタルメーター取付時にスターター信号線を取り出した時と同様にエンジンコンピュータのカプラーからならば容易に配線加工しやすいはず‼︎
エンジンコンピュータのRカプラーの15番端子。
黒ベースに白いストライプの入った配線。
スピードコントロールコンピュータ【11】端子はここの配線に繋げれば問題なく機能してくれるはずだ ‼︎
残るは【6】端子。
この端子の役割は何なのでしょう?
回路をたどると「オーバードライブ用水温スイッチ」と繋がっている。
基礎知識ですがオーバードライブ用水温スイッチは何のためにあるのかと言うと…
ほとんどのオートマチック車の場合、走り始めてある程度冷却水温が上昇しないと3速からオーバードライブ(4速)にアップシフトしないようになってるのは多くの方がご存知だと思います。
これは基本的にエンジンは完全に温まった状態の時に最も理想的な燃焼状態で回転することができるのでエンジンの冷却水温が上昇するまでの間ギヤのアップシフトを3速までで制限することでエンジン回転を上昇させてより早くエンジンを温めてやろうという制御が働くためです。
エンジンに装着されているオーバードライブ制御用の水温スイッチが冷却水の温度によってON、OFFする事で3速まででアップシフトを制限するのか、オーバードライブ(4速)にアップシフトするのかをコントロールしている訳です。
スピードコントロールコンピュータの【6】端子とオーバードライブ用水温スイッチの回路とが繋がっていると言うことはスピードコントロールコンピュータが3速とオーバードライブ(4速)の切替制御までしてるようです。
ではオートドライブ制御になぜオーバードライブ制御が必要なのか調べてみた。
その答えは取扱説明書にありました。
どうやら運転者がセットした速度より急な上り坂などの理由で車速が約4km/h以上低下すると自動的にオーバードライブ(4速)から3速にダウンシフト。
駆動力を増加させて車速の落ち込みを小さくしているようです。
確かに急な上り坂などで常にオーバードライブ(4速)固定はツライ💦
それではスピードコントロールコンピュータの【6】端子を実際に車ではどこに結線すればいいんだい?
マークⅡワゴンのオーバードライブ系の配線図を確認する事に。。。
一番確実なのはエンジンに付いているであろうオーバードライブ用水温スイッチ部に配線をかまして結線する方法。
しかし配線を室内からエンジンルームにわざわざはわせるのは面倒そうだしあまりスマートでない。
できる限り配線は短い方が良い。
もう少し観察。
電気の流れを考えた時に水温スイッチ同配線上でつながる赤丸で囲まれた部分であればどこに結線してやっても同じ結果が得られるはずです。
ここでふと思う。
水温スイッチ系配線は配線図で見た感じメーターの中にある「O/D OFFウォーニングランプ」やシフトレバーの「O/D OFFボタン」に繋がっている。
と言うことは室内のどこかに水温スイッチ系の配線が通っているはず‼︎
水温スイッチ系の回路上にカプラーがあるようになってるけどこのカプラーが室内に設置されてるならば わざわざエンジンルームまで配線を通さなくても結線できるかも。
配線図に記されている「IH4」のカプラーを捜索する。
やはり室内にあるみたいです♬
絵的にはちょうどグローボックスの奥辺りでしょうか?
水温スイッチ系の配線は「IH4」カプラーの10番端子に位置するようです。
配線の色記号は「V」すなわちバイオレット=紫色の配線。
カプラー自体の色は「濃灰色」。
さてとグローボックス外して実車でカプラー探すかな ٩( ᐛ )و
グローボックスのフタ外して…
奥のパネル取り出したら…
さっそく怪しい濃灰色のカプラー発見。
下は白いから上のカプラーかな?と思ったけど上のカプラーは形が違う(・_・;
どうやら下側のカプラーが正解みたい。
カプラーのメス側は白色だけど確かにオス側のカプラーは濃灰色だσ(^_^;)
ひっかけ問題かよ ‼️
多分この紫の線がオーバードライブ用水温スイッチにつながる配線。
私の予想では水温が上昇して水温スイッチの抵抗が減って電気がボデー側にアースされるようになるとオーバードライブ(4速)にアップシフトするのだろう。
念のためカプラーの水温スイッチ系だと思われる10番端子とボデーアース間で抵抗を測ってみた。
エンジンが冷えた状態なのでほぼ♾Ω(抵抗が大き過ぎて電気が流れない状態)だろうと予想していた。
えっ!? なぜに0Ω?
エンジンの水温センサーは低温では抵抗が大きく温度が上昇すると抵抗が小さくなって電気が流れやすくなるのに…
これでは水温スイッチがショートしてることになる(・_・;
これでは水温が低い状態でオーバードライブに入ってしまうのでは・・・?
テスター壊れてる? 端子やっぱ間違えてる?
動揺を隠せません(・_・;
再度カプラー、端子確認。
やはり配線が間違っているとは思えない。
こうなったら思い切って実験だ。
水温スイッチ系だと思われる配線を分岐して延長。
どっか壊れるの覚悟で走行中に配線の先っちょをボデー金属部に接触させてボデーアースに落としてやろうと言う作戦(・_・;
それでは作戦実行‼︎
エンジンがまだ冷たい状態から走行開始。
やはり走行状態はいつもと変わりない。
無論エンジン冷間時ではオーバードライブにアップシフトするはずもなく推移。
この状態で配線をボディーアースに落としてみることに。
予想ではO/Dソレノイドに電気が流れてオーバードライブ(4速)にアップシフトするはず。
アースしてみた。
けど3速のまま。なぜだ?
その後しばらく走行するとエンジンが温まって自動的にオーバードライブにアップシフトした。
時速82キロでギヤ的にはオーバードライブ(4速)の状態。
エンジン回転数2000rpm。
この状態から配線をボディーアースに落としてみる。
ん!?
エンジン回転数が2900rpmに上昇‼︎
明らかにオーバードライブがOFFになって3速にダウンシフトしてる‼︎
どうやら私は2つの大きな勘違いをしていました。
1つ目は…O/Dソレノイドは電気が流れる事でオーバードライブにアップシフトするのではなくO/Dソレノイドに電気が流れる事によってオーバードライブから3速にダウンシフトしているようです。
そしてもう一つは水温スイッチの特性
画像は71系のものです。
マークⅡワゴンと同じ1Gエンジンのオーバードライブ用水温スイッチ特性を確認すると水温70℃以上で導通なしに。
要はエンジンが温まると回路を遮断して断線状態にしているようです。
エンジン制御用の水温センサーとは真逆の特性でした。飛んだ勘違い。勉強不足でお恥ずかしい限り。。。
と言う事でスピードコントロールコンピュータの【6】端子も解決。
これでやっと配線加工に移れるぞ‼︎
なんて思ったらまたしても問題が。。。
前期型のスピードコントロールコンピュータのカプラーには存在しないはずの【8】端子。
後期型のカプラーでは…
【8】端子に突如として黒い配線が出現する。
どこにつながるのかと言うと…
「ECT ソレノイド」と記されてます。
ECTとは電子制御式オートマチックトランスミッションの事。
車速やアクセル開度などの必要な情報を電気信号に変換してそれをコンピュータで読み取り最適な走行状態になるよう制御するオートマです。
まさにこんな状態です。
この問題で3日は悩みましたが答えは簡単でした。
ヒントは配線図の中に…
対応グレードを表します。
□ 1Gワンカム
△ 1Gツインカム
◇ 1Gターボ
それをふまえてもう一度。
【8】端子が必要になるのはツインカムとターボ車のみのようです。
マークⅡワゴンと同じ「A42DL」型のオートマを積むワンカムエンジン車が除外されてる=マークⅡワゴンにも必要ない だ ろ う ‼️
そう判断しましたσ(^_^;)
さてと接続先がわからない配線は無くなった‼︎
今回の内容がが自分の中で一番ネックだと思ってます。
そろそろ終盤ですね✨
第6章へ続く☆☆☆