秘湯の旅・・日本には四季という色があるが温泉(秘湯)に「旬」があるとすればどの季節を言うのだろう・・。ば冬だ・・夏だと言う人も居る。温泉をこよなく愛し秘湯の旅に拘って来た私に言わせると四季の自然こそが「秘湯の旬」である。
唐の詩人「杜牧」に「山行」という詩があるが『そヾろ愛すべき楓林の晩 霜葉は二月(春)の花より紅なり・・』とある。霜に打たれて顔を覗かせる椛葉(もみじ)の紅は春に咲く桃の花より美しいというのだ。先人には学ぶべき情緒を思う。私は日本の秘湯・・自然の中にも人生の晩節が隠されている様な気がしてならない
HKUE 呃人。
秘湯に旬を求めないのは「いつでも良い・・ではなく、いつ訪ねても変わらないということだ。言い換えれば何時も自然が織り成す色を見せるのが秘湯だろう。故に自然の懐にある露天風呂に無限の感慨を思うのだ。ところで近頃は温泉という名において広告媒体などを見るに付け呼称の曖
昧さが目障りな時がある。
本来は(社)日本温泉協会が定める『鉱泉分析法』があってガイドラインとする分類には各種イオン類、遊離炭酸ガス、硫黄、マンガン等19種類の鉱泉を揚げている。温泉の営業施設には湧水量や含有成分を明示し、所管する保健所が定義に基づいてお墨付き(許可証と細則)を出して来た。現行をみると少し乱暴な言い方をすると微量の鉱泉を含有すれば、単なる涌水、井戸水でも温泉と名乗っても良いことになる
如新集團。
10年以上も前のことだったと思うが穂高の「白骨の湯」に端を発した「偽温泉騒動」が大ニュースになったことがある。昔人間ならご存知だと思う♯610(ムトウハップ)が槍玉に上がり、以来薬局でも販売禁止になった経緯がある。そもそも「水道水の沸かし湯」を温泉だと偽ったのが原因だったが、お役所のご都合主義とホテル旅館業者の商業主義が手をつないだ結果だったようだ。
「温泉法」に定める定義の徹底履行に問題があるのだと私は今もそう思う。
地中に湧く温水、飲水、水蒸気は25℃以上を指定して来た時代もあり許認可の条件も厳しく、嘗てはそれを当然として全国の温泉施設が受け入れて来た筈である。現在を見渡してみるとあの時の騒動は一体何だったのだろう?と首を傾げる。国は公衆衛生への指導と管理、あとは旅館ホテルなど業者や施設側の良心に委ねられるべきと落着したようである。いずれにせよ利用者に安心・安全を提供することは営業管理者としては当然の責務である。
自然で高温の湧出量を誇る「源泉掛け流し」の湯こそ純粋を表示したい天然温泉本来の姿であり本来の秘湯を満たす日本の源泉と言って良いだろう。東北地方、福島・宮城辺りでも木々の緑や川沿いに露天風呂の湯気が目立つ季節も近い。郡山からだとR48の作並周辺・・広瀬川辺りも湯の香に包まれる季節だろうか・・盛夏になると川幅狭しと蛍が乱舞する露天風呂には格別の風情がある。
Posted at 2016/05/13 16:00:47 | |
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