ドアのパワーウインドウの動きが重そうなのでお掃除します.
まずサイドウインドウを取り外します.
ドアガラスの下の方に2個付いているコマの様なストッパを外します.
次にドアガラスの高さを中央付近にしてガラスを固定しているスクリュー3個を外します.
これでガラスを上に引き抜くと外れます.
うっかり倒して割らないように安全なところに置いておきます.
これからはひたすらコの字型のレールの中のグリスを取り除きます.
ティッシュ、パーツクリーナー、綿棒、その他アイスの棒や割りばしなど、
思いつく様々なものでこの中のグリスを完全に取り除きます.
「古いグリスを完全に取り除く」事がこの作業のほとんど全てです.
十分時間をかけてしつこく作業します.
ガラスのガイドが上下するコのレールの中のグリスは年月により固くなり、潤滑剤ではなく抵抗になります.
これを放置しているとレギュレータがスムーズに動かなくなり、過大な負荷がかかったワイヤがプーリーを通る時に切れ始めます.
やがてフューズ溶断、モーター焼損、ワイヤ切断〜ウインドウ脱落などの忌まわしい事が起きてきます.
急いで出かけようとしている時、雨の日、遠方に出かけた時など、不思議ととてもタイミングが悪い時を狙ってそういう事が起きます.
綿棒などでレールのスミをぬぐうと古いグリスがたくさん付着します.
このグリスは多分、車両製造時にマツダの工場で塗布されたものです.
このグリスを素手の指でつまんで伸ばしてみます.
多分この感触がウインドウの動きの遅さの原因です
古いグリスは潤滑剤ではなく抵抗のある摩擦材になってしまいます.
安価なリチウムグリスなど古くなるとご飯粒位の固さになってしまう事があります.
実は以前に自分でモリブデングリスを塗り足した記憶もあり、拭きとると黒いグリスも付着します.
このグリスを塗り足すと言うのは実はダメです.
グリスを足した時も思ったほどウインドウが軽くならなかった様な記憶があります.
新鮮で柔らかいグリスを足しても、グリスが溜まっているべきスキマには古く固いグリスが残っていますからすぐにまた重くなります.グリスを足すのではなく、古いグリスを除去しないと意味がありません.
スプレーのグリスは狭いところにぶっかけるには最適なんですがドアのレールに「シュー」してあまり効果がないと、どうしてももっと何度も「シュー」してしまいたくなります.最悪、どれだけやってもウインドウは軽くならずドアの中がグリスだらけになってしまう、と言う事になるらしいです(5x歳、おわん作家の場合)
とにかく、良好な状態に戻すには古いグリスを完全に取り除き、新鮮なグリスを塗ってローラーが移動するたびにちゃんと潤滑させる必要があります.古いグリスの除去はとても手間がかかりますが、これをやらなければ新しいグリスを入れる意味がありません.20年ほども経ったグリスなのですから.
ローラーに溜まった古いグリスも除去します.
このグリスも指でつぶして感触を確かめてみます.
固く感じるでしょう.
この固さがウインドウの遅さです.これがレールの中にある限り、ウインドウは軽くなりません.
とにかく何としても、全てのグリスを完全に取り除きます.
納得できるまでグリス除去ができたら、新しいグリスを塗ります.
ホワイトグリスという柔らかいものを用意しました.
指につけて伸ばすと古いグリスとの違いがよく分かります.
レールの中にくまなく塗ります.
グリスは
「何処かにたっぷり溜めて塗って、ローラーが移動する際に伸びて行く」
はダメです.
平均的に丁寧にローラーが移動する様子をイメージして塗りましょう.
ティッシュなどを使ってレールの隅に少し溜まるように伸ばして行きます.
古グリスを拭きとる時と明らかに感触が違うのがすぐ分かります.
恐らくその違いくらいにウインドウの動きが良くなるはずです.
ついでにドアの中に隠れているガラスの部分やストッパー、固定スクリューなどもついでにお掃除します.
このユーノスで、次に同じ作業をするのは何年後でしょうか?
また、それはやはり自分でしょうか?
これから5年間ほどは同じ事をする必要はないはずです.
あとは外したのと逆の手順で取り付けます.
適当に上げ下げしてグリスを馴染ませます.
確かにウインドウは軽くなりました.
新車の時もこれ位だったと思います.
速いとか遅いとか、そういう印象を持たない自然な動作です.
ウインドウの上げ下げの時間を測ると、
左 上げ 3.2秒
下げ 2.8秒
右 上げ 3.2秒
下げ 2.6秒
でした.
左右で大体同じ速度なので新車時の状態に近いと思います.
違うかも知れませんが自己満足感最高に高い作業でした!
(^_^)