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イイね!
2017年10月12日

花を見おろし

花を見おろし 音楽が家にもちこまれ、若者は北の平地にそびえる大学に通った。三角帽子と突き剣、レースと白い鬘《かつら》が、円錐形の帽子とマスケット銃に取ってかわった。そして通りの玉石の上を、数多くの血統馬や華麗な馬車が音をたてて行き交い、煉瓦造りの歩道に乗馬台や繋ぎ柱が設けられた。
 その通りには数多くの木々があった。堂々とした楡《にれ》、樫、楓《かえで》が立ちならんでいるので、夏にはあたりが爽《さわ》やかな新緑と小鳥のさえずりに満たされた。家屋の背後には、生垣で仕切られた小道や日時計のある薔薇園が造られ、夜には月と星がうっとりするほど輝いて、芳《かぐわ》しい花が夜露をきらめかせた。
 こうして通りは夢を見つづけ、いくたの戦や災難や変化をしのいだ。多くの若者がでかけ、一部の者が帰ってこなかったことがあった。彼らが古い旗を捨て、新しい星条旗を掲げたときのことだった。しかし男たちが大きな変化のことを語っても、通りはそのようには思わなかった。通りに住む者はなおも同じであり、昔からの聞き慣れた口調で昔から聞き慣れたことをしゃべっていたからである。そして木々はさえずる鳥たちをなおも宿らせ、夜には月や星たちが薔薇園の夜露に濡れたた。
 やがて通りにはもはや剣も三角帽子も鬘も見られなくなった。ステッキ、山高帽、髪を刈りつめた頭をひけらかす住民たちが、何と異様に見えたことか。いまでは遠くから新しい音が聞こえるようになった――最初は一マイル離れた河から、何とも知れない、ぽっぽっという音や甲高い音が聞こえ、かなりの歳月を経ると、別の方角から同じような音と轟きが聞こえた。大気は以前のように清らかなものではなくなったが、あたりの気風はかわるところがなかった。人びとの血や心は通りを造った祖先たちの血や心と同じだった。地面が掘り起こされて不思議な管が備えられたときも、高い柱が立てられて奇異な線が架けられたときも、気風はかわらなかった。その通りには古い伝承が数多くあって、過去は容易に忘れさられることがなかった。やがて邪悪の日々が訪れ、昔の通りを知っていた多くの者はもはや現在の通りを知らず、通りを知る多くの者は昔の通りを知らなかった。そして新たにやってきた者たちは、立ち去った者たちと同じではなく、その口調は下卑た耳ざわりなもので、物腰や顔つきは不快だった。彼らの考えも賢明な通りの魂と対立するものだったので、家屋が荒廃し、木々が一本また一本と枯れ、薔薇園に雑草やごみがあふれるようになるなか、通りが声もなく憔悴《しょうすい》した。しかしある日、若者たちがふたたび行軍していったとき、通りは誇りが目覚めるのを感じたが、若者の一部は帰ってこなかった。これら若者は青い服を身につけていた。
 歳月を重ね、さらなる悲運が通りを襲った。いまや木は一本もなく、薔薇園があったところには、並行する街路に建てられた安っぽい醜悪な建物の裏口がならんだ。しかし歳月や嵐や虫に蹂躙《じゅうりん》されてもなお、家屋はのこっていた。何世代
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Posted at 2017/10/12 11:30:46

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